Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

Vol.499:霊柩車は今日もヤンゴンを走る

2014年03月02日 | オープニング


2月末のわずかな仕事の隙をぬって、先週コガはミャンマーに行ってまいり
ました。毎年この時期に同僚のS氏と5~6日間のASEAN諸国への旅行を実施
しており、今年は5か国目の訪問となりました。今まで2人で訪問した国は、
ヴェトナム(ホーチミン)、タイ(バンコク)、インドネシア(ジャカルタ)、
マレーシア(クアラルンプール等)の4か国です。残り6か国となった今年、
ミャンマーを選択したのは、同僚のS氏の高校時代の友達の奥様がミャン
マー人で、彼女のお兄さん(Tさん)がヤンゴンに住んでいたからです。

見知らぬ国で、細い縁(コガにとっては無縁に近い)を辿って巡る旅という
のは、エキサイティングかつ心にガツンと来る経験でした。特に現地で我々
2人を毎日のように「おもてなし」してくれたTさん、Tさんの20年来の友人
であるミャンマー人のMさんにはいくら御礼をしても足りないぐらいお世話
になりました。そんなTさんMさんのおもてなしの中から2つほどエピソード
をお話ししたいと思います。

いくつもの会社を経営しているMさんですが、仲間の経営者と非営利団体を
自費で設立し、「霊柩車の無料配送サービス」を行っています。日本と同じ
霊柩車がヤンゴン市内を走っているのもちょっと不思議ですが、そんな霊柩
車を、お葬式の費用が出せない貧しい人のために無料で貸し出す事業を、M
さんは無報酬で運営しています。我々がそのオフィスを訪ねた際、Mさんが
こんな事を言っていました。

「ミャンマーは貧富の差が激しい国です。でも民主化は始まったばかりで、
国の福祉政策はまだ途上です。だから我々のようなお金を稼いだ人間が、困
った人のために自分のお金を使うのは当然の行為なのです」と、

どこかの国で、バブルで成金になって高級外国車や高層マンションを買いあ
さっている輩に聴かせてやりたいと思いました。もちろん私自身も、これか
らは奢ることなく、社会のために自分ができる事を常に考えていこうと反省
した次第です。

続いて旅の最後に訪れたTさんのご自宅で聞いた話です。Tさんの娘さん(中
学生)はマンガ「One piece」の大ファンです。漫画で読んでいるの?それ
ともアニメ?と聞くと「TVアニメ」とのこと。日本で放映された「One piece」
のTVアニメがどこかからこの国に入り、それをミャンマーの若者達が熱心に
視聴しているらしいのです。もちろん吹き替えも字幕もなしで。

コンテンツビジネス的に言うと、著作権やら何やらで由々しき事態ではあり
ます。しかし、そんな日本のアニメがこの国の語学教育に大きな影響をもた
らしている事を知り驚きました。ミャンマーでは、現在大学進学者の4割近
くが外国語として日本語を勉強しているそうなのです。

日本語を習得することによって仕事の機会が増えるということもありますが、
それ以上に大好きなアニメ等の世界をより楽しみたいという思いがあるので
はないかとコガは推察しています。コンテンツ産業の及ぼす文化的な効果が
親日度を向上させ、長い年月の後、結果的に経済的な効果として還元される
ことを期待したいですね。

まあ、そんなこんなで、今年のASEAN旅行も大収穫の旅となりました。毎年
この旅から帰国すると、次年度の授業の準備が本格化します。今週からは、
旅で得た経験も少しずつ織り込みつつ、次年度授業の教材開発に勤しみたい
と考えております。それと次号(最終号)のネタも考えなくてはなりません。
最終号にあたり、コガに何か言っておきたいこと、質問したいことがありま
したら、下記までメールいただければ幸いです。

宛先:kogaaアットマークmi.sanno.ac.jp
件名:最終号での質問
<文責 コガ>

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