黒柴ひめちゃんの葛塚村だよりⅢ

葛塚城堀之内に住んでます。毎日歩いているひめちゃんとおかあさんの見て歩きです。時には遠くにも出かけます。

里見系図の事付けたり落城のこと・その7 (高橋丹波短気の者なれば)

2024-08-16 08:48:45 | 桐生老談記の世界

ひめちゃんは赤柴の超老犬・プーちゃんの前を通って、堀之内を北に出て、岩神沼に行ってきました

沼には誰もいませんでした

 

帰り道もプーちゃんの前を通ります。

良かった

プーちゃんの姿が見えます

小屋の前には、深い深い穴が掘られていました。

猛暑を生き延びるために、一生懸命掘っているのでしょう

 

4年前(2021年)の8月は、獅子丸とよく行っていました。

そしてその上の岩神さま・高縄の磨崖仏までよく足を伸ばしました。

 

獅子くんは満面の笑みです

 

小次郎パパとタバサねーちゃんも、岩神沼コースを歩いていました。

パパの舌斑は、子供たちには遺伝しませんでした

 

 

 

 

里見系図の事付けたり落城のこと・その7 (高橋丹波短気の者なれば)

当然、里見兄弟の桐生氏への仇討ちになるはずですけど、何故か、桐生と新田の水争いの記事になってます

実は、里見兄弟の悲劇は由良氏との戦いによってもたらされるのです

その伏線です。



去れば桐生殿渡良瀬川にて、新田殿論(あらそい)数年に及び、桐生より是を御そえとて荒巻新蔵という者と知行の地下人を添えて、彼のせき番に差し置きけり。

しかる所に新田の御使者参着して、水ご所望の由、番頭申し達しけるには、荒巻是を承まわり、「自分愚案にて計り難く候、上へ訴え内談して後日にご返事致すべし」と、その宗りゆうちょう致し、仍って既に人々帰らせんとせし所に、

高橋丹波短気の若者なれば、緩々(ゆるゆる)との返事もどかしく思い、荒巻に向かって申しけるは、「是れ程の大河を此の要害の為計りに流し給うが、新田殿数年御こん望なられ、また此の度び神妙の使いを以て、御所望の所に違い成に及び給うこそ奇怪なり。なんぞ事に及べば誰に訴う所もなく、桐生殿あまりの我が侭のなされ方なり。向後此の関を閉じる事あるべからず」という侭に、手の者二十人計川に入て矢にわに関を切り流す。

 

 

難解語句です。

♥去れば・・・・・・そんなわけで


♥地下人・・・・・・官位を持たない名主・庶民など
         戦国期においては郷の有力者を指すことも


♥奇怪なり・・・・・・常識では考えられないことである



あらすじです。

そんなわけで、桐生氏と新田氏の間の水争いは数年に及びました。

桐生氏は、荒巻新蔵に添えて知行地の有力農民を一緒に、あの関所の番人として置きました。

そこに新田の使者がやってきて、水がほしいということを伝えました。

荒巻は受けたけれども、「自分では処理ができないので、上司に相談して後日返事をします」と言った。

高橋丹波は短気の者だったので、荒巻に向かって「これほどの大河を桐生の要害ばかりに流していらっしゃるけれど、新田どのは数年にわたって水を所望していて、今回正式の使者を立てて、水を流してほしいと申し入れたのに、この対応は常識では考えられません。何か事が起こったら、桐生殿のあまりのなされようが原因だ。今後この関を閉じてはいけません。」というと、手勢20人程で川に入って関を壊し、水を新田側に流しました

 


高橋丹波は、後に由良四天王の一人になります
そして、戦国の世が終わった後、桐生市境野にて帰農したそうです
そしてそして、境野にある祥雲寺の開基にもなりました

2019年6月に訪問しています。

由良四天王高橋丹波守開基・瑞龍山祥雲寺



 

初稿  2019.06.25  FC2ブログ「黒柴ひめちゃんの葛塚村だより」

改稿  2024.08.16

 

 

(つづく)

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