goo blog サービス終了のお知らせ 

22歳からの貯蓄学

「22歳からの貯蓄学」というブログですが、今や30代。貯蓄・投資・投資信託・年金などの話題が中心です。

5月から年金制度改革の議論が本格化 iDeCo改正はどうなる?

2025-05-06 23:35:00 | 年金制度・年金改革
GWが終わり、国会で年金制度改革法案の議論が本格化します。
報道によると、法案は5月中旬に国会に提出されるスケジュールのようです。
年金法案巡り予算委集中審議、5月中旬にも開催 石破首相出席(日本経済新聞)

当初は基礎年金の底上げ策が入っていましたが、厚生年金の減額が先行することから紛糾し、法案から削除されることに。
それでも与党内からは今年の参議院選挙への影響を心配し、先送り論がくすぶっているようです。

今回の改正案が成立するかどうかは、iDeCoの拠出限度額上限引き上げにも影響します。
特に企業年金がない会社員の場合、現在の2万3,000円から6万2,000円(+3万9,000円)と大幅アップされる予定ですから、法案が成立するかどうかの影響はかなり大きいです。
(企業年金がある会社員や自営業の方は+7,000円)

果たして法案の行方はどうなるのか?iDeCo改正はどうなるのか?
今後の国会審議の行方に注目です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勉強会「2019年財務検証発表!私たちの年金はどうなる?年金課長がわかりやすく解説!」に参加しました

2019-10-05 07:00:00 | 年金制度・年金改革
9/24(火)にサムライズ勉強会「2019年財務検証発表!私たちの年金はどうなる?年金課長がわかりやすく解説!」に参加してきました。

今回の講演者は厚生労働省年金局年金課の伊澤知法課長と日本経済新聞編集委員の田村正之氏、主催の岩城みずほ氏の3名。
当日は約30名ほどの参加者でした。
プログラムは、伊澤課長の講演→田村氏・岩城氏も交えてのミニセッション→最後に会場からの質問コーナーという流れ。

ここからは、個人的に印象に残ったお話を抜粋してお伝えします。

<伊澤課長の講演>
・今の公的年金制度は若い人が考えるほど高齢者を優遇した制度では無い。今年(2019年)は+1%の物価上昇だったが、
+0.6%の賃金上昇率とマクロ経済スライド▲0.2%、キャリーオーバー分のマクロ経済スライド▲0.3%分で、年金額は+0.1%しか伸びなかった。
今の受給者も痛みを分かち合っている。

・年金では名目運用利回り賃金上昇率を「スプレッド(実質的な運用利回り)」とよんでいる。
名目運用利回り物価上昇率実質運用利回り)ではなく、スプレッド(実質的な運用利回り)が年金にとって重要なのは、年金財政に影響を与える各種要素(保険料や給付など)が長期的には
賃金上昇率に応じて上下するのに対し、運用だけは賃金と関係ない指標であるため。
スプレッドがどれだけプラスになるか(マイナスになるか)が、将来の給付への影響を決める。例えば、名目運用利回りが+2%でも賃金上昇率が+2.5%なら年金財政にはマイナスの影響(▲0.5%)となる。
逆に、名目運用利回りが+1%でも賃金上昇率が+0.5%なら年金財政にはプラスの影響(+0.5%)となる。

公的年金はあらゆるリスクに備えるための「保険」。払った分が戻ってくるという「貯蓄」とは違う。老齢(長生きリスク)、障害、死亡(遺族として収入が少ない状態で残されるリスク)を保障する真性の「保険」。
民間金融機関が販売する年金は将来の物価上昇を考慮していないが、公的年金は実質的な価値に配慮した年金となる。公的年金は最強の終身年金。

・給付について、年金制度の中で小手先の議論をしてもダメ。年金は分配だから、賃金が伸びないとどうにもならない。でもみんな年金制度の中で議論したがる。

(2018年3月9日 第4回社会保障審議会年金部会 年金財政における経済前提に関する専門委員会の資料より)

・今回の財政検証について。どのケースでも所得代替率(現役世代の手取り収入に対する年金額の比率)は、求められている50%を確保した。
・ケース3で見ると、所得代替率は下がるが給付の絶対額は上がる。(下表の赤枠)(この金額は名目ではなく、物価上昇率で割り戻した実質額)

(2019年8月27日 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し 2019(令和元)年財政検証結果の資料より。ただし赤枠はセロンが追加)

・今回の財政検証では若者に向けたメッセージとして、現在の所得代替率(61.7%)を確保するためには、もう何年長く働く必要があるか示した。
現行制度であれば、現在20歳の若者はもう1年9ヵ月長く働けば、現在65歳の世代と同じ所得代替率(61.7%)を確保できる見通しとなった。

(2019年8月27日 国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し 2019(令和元)年財政検証結果の資料より)

<ミニセッション・Q&A>
・よく、所得代替率が低下するのと同じだけ、年金の実質額も減ると誤解されるが、実際は、年金の実質額は所得代替率の低下ほど減らない
また、財政検証で示されている年金の金額は将来のインフレでかさ上げされているので実際の購買力はもっと小さいと誤解されるが、実際は、
財政検証で示されている年金の金額は2019年の物価に換算した実質額となっている。
年金「大幅減」に潜む誤解 実質額、代替率ほど減らず(日経電子版)
・ただし、所得代替率が低下するということは現役世代との差が広がっているので、相対的に貧しくなっていくことは事実。公的年金を軸として、この結果をどう受け止めていくかが大事。



よく「年金を払っても、どうせ払った分は戻ってこない」という話を聞きますが、今回の講演を通じて、公的年金制度はあくまで保険であって、貯金・貯蓄ではないという点を改めて認識しました。
また、以前参加したセミナーで竹川美奈子さんが『「自分ごと」として捉え、マネープランやライフプランを考えてほしい』と話していましたが、年金について考えるときには、色々なメディアの煽りに踊らされず、
まずは年金がどういった制度なのか知り、自分のライフプランと比較して公的な保障で足りること、足りないことを把握していくことが大事なのではないかと感じました。
(老後2,000万円報告書の時もそうでしたが、老後のお金が足りる・足りないは人によって変わってきますからね...。)

あと、講演の内容とは直接関係ない話ですが。
財政検証の内容を年金に詳しくない方が読むにはかなり無理があると思うなーと感じていたら、初心者向けの解説ページがありました。(前回の財政検証ベースですが)
情報面での歩み寄りが、公的年金制度への不安を和らげる一歩になり得ると思うので、厚生労働省もこの初心者向けページをもっと大々的に活用してはいかがでしょうか。
せっかくあるのにもったいないな、と。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「老後2000万円」報告書の悲しい結末

2019-06-12 07:00:00 | 年金制度・年金改革
金融庁・金融審議会の市場ワーキング・グループが取りまとめた「高齢社会における資産形成・管理」報告書

公表されて以降、「2000万円」という金額が一人歩きし、あちらこちらで話題となっていましたが、ついに所管官庁のトップである麻生金融相から
「正式な報告書として受け取らない」という発言がありました。

個人的には「報告書に対する議論は、内容に賛成だろうと反対だろうとじゃんじゃんすべきだ。それが民主主義だ」と思っていましたが、
「正式な報告書として受け取らない」という話を聞いた時には怒りを通り越して失笑してしまいました。

「受け取らない」って...。

学校だろうと会社だろうと、議論しまとめた内容を「受け取らない」なんて言われたら、もう誰も議論しようとは思わないでしょう。
(金融庁や厚生労働省も、こんな政治的爆弾案件は触れたくないはず)
年金という話に留まらず、民主主義の国として最低最悪の選択をしたと感じています。

今後は、従来以上に年金や老後資金に関する問題はタブー視されるようになることでしょう。
年金制度や老後資金に関して何かしらの問題が社会で進行しても、破裂寸前(もしくは破裂するまで)放置されるんだろうなーと思っています。
与野党問わず、政治家の皆様がこうした問題に真摯に取り組む意志や気概はさらっさら無いということが改めてよく分かりました。


自分の将来がどうなるかは分かりませんが、資産形成に関して、私は自分の信じた道を淡々と進んでいこうと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ねんきんネット 年金見込額の試算

2012-09-30 18:45:15 | 年金制度・年金改革
今年も、日本年金機構から「ねんきん定期便」が届きました。

去年までは封筒で送られてきていましたが、今年ははがきになっています。
(特定の年齢の方には封筒で送られているようです)

ねんきん定期便では
●これまで年金に加入した期間はどのくらいか?
●これまでの加入実績に応じた年金額はいくらか?
●これまでにいくら保険料を納めたのか?

などが分かるようになっています。
また、ねんきん定期便に載っているアクセスキーを利用して
『ねんきんネット』というサイトへの登録も出来るようになっています。

ねんきんネットに登録すると、ネット上で
●加入記録の閲覧
●年金見込額の試算

といったことがいつでも可能になります。

ねんきん定期便の場合、これまでの加入実績に応じた年金額しか載っていないので、
(老齢)年金をもらうのがまだまだ先の場合はこの額はあまりあてになりません。
しかし、ねんきんネットの場合はこれから先も保険料を払っていった場合の年金額が出せるようになっています。

「これからも働いた場合、年金はいくらもらえるのか?」というのが分かるので、登録したことがない方はぜひ使ってみて欲しいのですが...
初めて試算をしてみたところ、「なんか、わかりづらいな...」と感じましたので、
以下にねんきんネットでの年金見込額の試算方法を例示しておきます。


0.はじめに

試算を打つには「ねんきんネット」への登録が必要です。
まずは、日本年金機構のサイトへアクセスし、ねんきんネットの新規登録を行ってください。

ねんきん定期便がある方は、ねんきん定期便に記載されているアクセスキーと年金手帳に記載されている基礎年金番号が分かれば登録できます。
ねんきん定期便はない方は、年金手帳に記載されている基礎年金番号や住所等を登録すると郵送での手続きが出来るようです。



1.まずは試算のやり方を選ぶ

ねんきんネットへの登録が終わり、ログインするとこのような画面が出てきます。

今回は「これからも働いた場合、年金はいくらもらえるのか?」を調べるので、<年金見込額試算>をクリックします。


すると、(1)年金見込額試算 額試算メニュー という画面になります。
試算は2パターンの方法があり、

●職業や加入期間の質問に答えながら試算を出す「質問形式」
●自分で条件を設定しながら試算を出す「一覧形式」

があります。
詳細な設定ができるのは「一覧形式」ですが、今回は初めて試算する人向けの「質問形式」で試算を出してみようと思います。
画面下の<質問形式で試算>をクリックします。





2.職業を選ぶ

まずは、今後の職業を選びます。
今回は「今の会社で定年(60歳)を迎えたら」という前提で試算を出してみます。
職業欄で<現在の職業を継続する>を選び、<加入制度に関する確認へ進む>をクリックします。





3.収入と期間を入力する

次に、収入と勤める期間を入力します。
<質問1>に月収金額を、
<質問2>に賞与金額を入力します。

(記入欄の上にある<年金記録照会>から、これまでの月収金額や賞与金額を確認することができます)

そして、<質問3>でその収入がいつまで続くのか期間を設定します。
今回は時間の関係上、月給20万、賞与30万が定年(59歳11ヶ月)までつづくという形で入力しました。



今回は60歳以降は働かない(国民年金にも任意加入しない)ということで、<試算条件一覧へ進む>をクリックし、加入情報を確定させます。
(もし、60歳以降も勤めるといった場合には<年金加入情報を追加>をクリックすることで加入情報を追加できます。)



4.その他の情報はないか?

次のページでは「受給開始年齢情報」や「追納・後納等の情報」等を修正することができますが、特に問題がない方や分からない方はそのまま飛ばして下さい。
一番下でこの試算の名前をつけることができますので、自由に記入して下さい。
最後に<試算>をクリックします。





5.試算の結果が出ます

全て入力が終わると、試算の結果が出ます。




今回は「同じ会社で定年を迎えた場合」を想定して試算を打ちましたが、
3番目の収入と期間を変更すれば、「だんだん昇給していった場合」や「途中で転職・独立した場合」も試算が打てるようになっています。

慣れてきたらいろんなバージョンを考えてみると良いかと思います。
ただし、サイト上では最大5パターン(かつ90日間)しか保存できません。
それ以上の試算を打ちたい場合には保存されている試算を削除する必要があるので注意して下さい。


※あと書くまでもないとは思いますが、ねんきんネットで出る年金額はあくまでも『試算』です。
これからの加入状況や保険料、さらには年金制度の変更で金額や支給のタイミングが変わり得ることもご留意下さい。


~参照~
年金見込額試算の流れ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

厚労省の「若者の年金は払い損」に対する反論について

2012-09-03 07:00:00 | 年金制度・年金改革
8月24日の日経電子版に、次の記事が載っていました。

「若者は支払い超過」に反論 厚労省、年金改革議論をけん制(日経電子版 8月24日配信)


厚労省では、社会保障の教育推進に関する検討会が開催されています。その検討会で「若者は支払い超過」になるのではという疑問に対し、
年金への「支払額」と「受取額」を単純に比較しただけでは世代間の公平を語るには不十分、という反論が出たという記事です。
もう少し詳しく見てみます。

(以下、資料5-2 社会保障の正確な理解についての1つのケーススタディ ~社会保障制度の“世代間格差”に関する論点~ 17頁より抜粋)

● 各世代の生活当事者達が意識する「公平」「不公平」感に近似できる指標を作るというのであれば、次のような要素も考慮にいれた方がいいのではないか。
 ◆老親への私的扶養は、社会保険制度の充実に伴い減っているのではないか。
 ◆前世代が築いた社会資本から受ける恩恵は、今の若人の方が高齢者より大きいのではないか。
 ◆教育や子育て支援による給付は、今の若人の方が高齢者より充実しているのではないか。
 ◆少子高齢化の中で、親からの1人当たりの相続財産は、昔よりは増えているのではないか、等

 → これらを考慮に入れて世代間の「公平」「不公平」を表す指標を作成しないと、各世代を生きる人たちにとって生活実感と外れた指標で議論していることにはならないか。
   もっとも、同一世代の中で、相続財産を受ける者とそうでない者がいるであろうが、そうした問題は、世代内の格差問題として把握すべきことである。

(以上、抜粋終わり)

日経は、現行制度の肯定に終始しており、制度への不信感をさらに強めるおそれがあるとの批判的な論調です。
この記事を書いている時点では議事録が公開されていませんので、公開されたら改めてこの問題について考えてみたいと思います。


ところで、前回(第4回)の検討会での議事録を読んでみると、「若者は支払い超過」であるという新聞各紙の報道についても反論が語られています。


年金、50代半ば以下は負担超 27歳は712万円赤字  内閣府が世代別試算(日経電子版 2月6日配信)
年金や医療、55年生まれ以降は負担超過 内閣府試算(朝日新聞 1月26日配信)


(上記の記事の内容・論調を厚労省がまとめた資料→ 資料2-2「社会保障を通じた世代別の受益と負担」について
(試算<内閣府ペーパー>の出処→ 社会保障を通じた世代別の受益と負担 内閣府経済社会総合研究所 鈴木 亘、増島 稔、白石 浩介、森重 彰浩 ESRI Discussion Paper NO.281

私もこの日経の記事を読んだ記憶がありますが、厚労省の検討会ではこの試算について、
・社会保険は、あくまでも保険であり、金融商品ではない。
・仮に金融商品と比較するにしても、(この試算は)保険のリスクヘッジから得られる期待効用の増加をカウントしていない。
 つまり、保険ということを考えていないのだから、そういう計算をすること自体がおかしい。
・試算で使用している割引現在価値が不適切。
 試算では社会保険の制度設計で用いる“賃金上昇率”よりも高い“利回り”を割引率とすることにより、世代間の栺差が大きく見える示し方をしている。
・試算では社会保険料支払に事業主負担を含めて個人の負担額を計算しているが、それは妥当なのだろうか。


さらには、
・そもそも試算が載っている論文には「論文は、すべて研究者個人の責任で執筆されており、内閣府経済社会総合研究所の見解を示すものではありません。」
 と書いてあるのに、それがなぜか新聞報道では不思議と全部、「内閣府の試算」という形で出しまっている。その結果、テレビやラジオでの偏向報道を招いている。

etc...

と、「若者は支払い超過」であるという新聞各紙の報道について総攻撃状態でした。

個人的に気にかかったのは、

『日経新聞は「ただ企業負担分を受け取って、個人で運用した方が生涯収支は得と見ることもでき、若い世代の公的年金離れにつながる懸念もある」
 と書いていますが、勝手に言ってくださいという話ですね。』

と座長の方が語っているという点です(第4回の議事録より)。
確かに、今回の試算は厚労省の検討会が指摘したような問題点を含んでいます。
ただ、これらの問題があるからといって「一考に値しない」ような風潮に傾いていることが不安でなりません。

このような新聞記事が作成され、また閲覧されているという意味を再考していただきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする