こんばんは。セロンです。
インデックス投資ナイト感想記のつづきをいい加減書きたかったのですが、他に書きたいことができたので先にこちらを書きます。
最近、インデックス投資をされている方から「外国債券は不要」という意見をよく聞きます。
その理由は様々あると思うのですが、水瀬ケンイチさんはその理由として
・長期的には購買力平価が意外に強力で、外国債券の期待リターンは国内債券と同じであるという考え
・過去データを見ると、外国債券クラスはリターンが低い割にはリスクが高い
・為替リスクはなるべく外国株式クラスに振り向けたい
といったことを挙げられています。
【参照元】外国債券クラスの為替リスクはどの程度か -梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)-
上2つは各ブログで何度も議論されていることなので深入りはしません。
各ブログの記事や議論・各データを見て、私も「外国債券の期待リターンは国内債券と同じ」であり、「外国債券クラスはリターンが低い割にはリスクが高い」と考えています。
まあ、3つ目の「為替リスクはなるべく外国株式クラスに振り向けたい」というのは各投資家の考えによりけりでしょう。
「・・・だったらお前も結論は『外国債券は不要』だろうが!」と言われそうですが、ここからが本題です。
通常の投資環境であれば、リスク・リターンを考えると「外国債券は不要」です。
しかし、例えば財政破綻といった発生確率は非常に少ないけれども、発生したら大きな損失が出てしまうような状況(いわゆるテールリスク)が発生した場合も、「外国債券は不要」と言えるのでしょうか。
私の場合、債券クラスは「株式が急激に下落した場合のクッション」として位置づけています。
現在のコア・ポートフォリオ構成はおおまかに言うと「国内株式35:先進国株式15:新興国株式20:国内債券15:先進国債券15」です。
全体の約30%が債券、クッションになっています。
その30%の国別内訳は次の通りです。
(eMAXISの2012年1月運用報告書より作成。なお、為替による変動は考慮していません)
もし「外国債券は不要」と考えた場合、債券クラスはこのようになります。
債券クラスは日本への一極集中です。
これはいいのでしょうか?
投資をする際には「卵はひとつのかごに入れるな」という例え話をよく聞きます。
「外国債券の期待リターンは国内債券と同じ」であり、「外国債券クラスはリターンが低い割にはリスクが高い」という考えを基に話をするならば、債券クラスの場合、
「日本」というひとつのかごに全ての卵を入れても問題はないだろうということになります。
しかし、万が一日本国債暴落といったテールリスクが発生した場合、卵はほぼ全滅することになります。
そこまでテールリスクを考慮する必要はあるのか?とも思えるのですが、上記のような可能性が万が一でもあるのならば、
私は「外国債券は必要」としても良いのではないかなと考えています。
(逆に言えば、こういったテールリスクを考慮しないのであれば「外国債券は不要」ということになります。)
まあこれは私個人の考え方なので、「外国債券は必要か?」と考えたときに参考程度に読んでください。
(もしかしたら、私もいつかは「外国債券は不要」と考える日が来るかもしれません)
投資は結局のところ、自己責任ですから。
【補足1】
今回は「私は外国債券は必要だと思う」という結論になりましたが、これが例えば50歳・60歳代の「守りのポートフォリオ(=債券多めのポートフォリオ)」を考える場合にはまた違った結論になるのかもしれません。
【補足2】
例えで日本国債暴落を出しましたが、私は「いつか暴落する!」と思っているわけではありませんので・・・。
こういったテールリスクが発生しないよう願うばかりです。
例えばゼロクーポン債のように年間50万円の特別控除がある場合は、税法上不利な日本国債よりも良い場合もあります。
ハイイールド社債のように事実上、外国債券で投資可能な場合もあります。
結局は状況次第って所ではないですかね。
それでも、こけ方は違うだろうし、その後のリバウンドのスピードも異なるでしょうから、多少コストをかけても分散させた方がいいと思うんですが。
それに、アセットクラス分散によるリスク低減の理論は各アセット内である程度の分散がされてることが前提だったと思うんで、債券クラスが日本国債一点賭けじゃ前提が成り立ってないですし。