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やさしい時間

「写真でブログ」タイトルを変更しました
何気ない日常を写真とともに綴ります

涙が止まらない

2012年01月28日 | 私ごと
『あれ・・・? どうしよう』
溢れ出した涙は止まらなかった。
「寒かったですか?」
異変に気づいた鍼灸院の先生が気遣う。
「いいえ、ちょっと・・・すみません」
言い終わらないうちに涙は本格的なすすり泣きになった。

「悲しい時は泣くのが良いですよ」
先生はそう言うと黙って背中を揉んだ。
私はその言葉に甘えて少しの間泣いた。

泣きながら思う。
なんで泣くんだろう?
決して悲しくて泣いているんじゃない。
自分の非力さに、実力のなさに・・・
情けなくて泣いているんだと思う。
悔しくて泣いているんだと思う。
どうして、もっと上手く出来ないのだろう。
どうして、信頼されないのだろう。
どうして、自分はこんなにダメな人間なんだろう・・・
そんなことに拘り続けて、先に進めない自分にも嫌気がさす。

こんな時、誰に相談したらいいのだろう。
いつも温泉に一緒に行く友達が真っ先に頭に浮かんだ。
それから、埼玉の友達、ママ友、、、
でも・・・と留まる。
楽しい時は良いけれど、訳のわからない重そうなのは
皆んな嫌だと思う。
そんなふうに勝手に思って、一番辛い時は話せない。

弱い自分を見せるのが怖い?
だから本当の友達になれないのかもしれないと思う。



「泣くと肩と頭が凝るんですよ」
そう言って、先生は頭を強く揉んだ。
「どうですか?少しはさっぱりしましたか?」

人生相談をしに来たのではないから、
背中と腰の痛みが治まれば十分だ。

「泣きたい時はまたいつでも来てくださいね」
「もう大丈夫です、ありがとうございました」
言いながら、失敗したな・・・と心で思う。
ちょっと油断した。
弱みを握られてしまったような痛みがあった。

車に戻って、また泣いた。
今度はなんでもう少し我慢できなかったのかと
悔いていた。




本当にいい先生なのに、
自分が弱いと、誰もが自分を傷つける人に見える。
思いやりの言葉も嫌みに聞こえる。

夜になって、また自分の弱さを知る。
一人は自由で、淋しい。



<職場の坂道から関門海峡を望む>