やさしい時間

「写真でブログ」タイトルを変更しました
何気ない日常を写真とともに綴ります

恋に落ちて (金曜日の妻たちへ Ⅲ)

2010年09月30日 | 想い
月末はいつも忙しい。
本当は今日がその日だったけれど、
一日繰り上げて仕事を仕上げ、
昨夜から少しだけのんびりした休日を過ごした。

借りて来た懐かしいビデオを見たら、
ずっと思い出せずにいた
テラスの暖炉がそこにあった。
そのテラスで、若かった俳優たちが
寄り集まってドラマが展開して行く、、、

自分のその頃の状況とか、想いとかが
ドラマを通して鮮やかに蘇るようだった。


テラスの暖炉に火を入れて、
それでも寒そうなのに、
なぜかそこに集う仲間の存在が羨ましく、
私の家にもそんなテラスが欲しいと思った。
きっと、テラスや暖炉ではなく、
集まって来る仲間や、受け入れる気持ち、
集まる場所が欲しかったのかもしれない。

そんな風に当時を想い出しながら、将来を思う。

叶うものなら、そんな風に
いつもいろいろな人が集う家にしたい。
受け入れられる人でいたい。
そんな場所を提供できるようになりたい。

それはとても贅沢な願い。


(小川智子の後ろに暖炉がある)

人として

2010年09月25日 | お仕事
ストレスは適度に必要だと習ったことがある。
どこにいても、何をしてもストレスはある。
ストレスを適度に感じながら生きる事に
人としての本来の生活がある。

人は二足歩行を始めた時から、
頭上からの重力というストレスを受けながら
生活するようになった。
だから、寝たきりでは生きられない。
せめて座位を保っていなければ
食事することも、排泄することも難しい。


介護の基本は、座位にすることから始まる。
いかに安定した座位保持ができるかで、
生活の質が変わる。
私はそう確信している。

だから、座位に拘る。
ギャッジアップでも良い、
車いすでも良い。

座位になると、目線が変わる。
誤嚥が格段に減る。
対する人の顔が分かる。
何を食べさせられているのか、
自分で確認することができる。
腹圧をかける事ができる。
痰の排出も座位にならないと難しい。

そうして、人らしい生活が始まる。


デイに来ると表情が違うと言われることがある。
寝かせきり状態の人でも、デイに来る時は車いすになる。
スタッフは彼らの目線に降りて、
挨拶し、語り、ケアをする。
トイレ介助、入浴、食事介助、、、
全てを人の手で、語りかけながら行い
そうすることで、自然に耐久力がアップする。
立ちあがらせ、保持するというストレスを与える事で、
下肢の筋肉はほんの少しずつでも鍛えられ、
他動的な運動から、自発的な運動へと
向上して行くと信じる。

顔を見ながら会話し、介助する時、
スタッフはいつも笑顔だ。
だから利用者さんも笑顔になる。
スタッフはそんなかすかな笑顔が嬉しくて
また笑顔になり、、、そんな連鎖で、
自然と表情が明るくなるのだ。

「ありがたい」と言ってくれる家族がいる。
だけど、本当はこちらが「ありがとう」と言いたい。
なぜなら、懸命にケアしても空しさが残ることもある介護現場で
笑顔や、身体機能の改善が見られたら、本当に嬉しいものだ。
この仕事をしていて良かったと思える。


利用者さんも、私たち看介護スタッフも、
それぞれのストレスと対峙しながら、
それを乗り越えた所で、
穏やかさや安心や笑顔があるのかもしれない。

単純にそんなことが嬉しくて、
在宅から離れられないのかもしれない。



~・~~・~~・~<おまけ>~・~~・~~・~










デイサービスのテラスに、可愛いお客様が来た。
小鳥用に用意している餌台には、
スズメばかりが来ていて、
テラスにスズメのために置いておいたお皿の方を
猫ちゃんが食べていた。
しかも、お母さんばっかり食べている。

お話しできない利用者さんも
スズメや子猫を興味深げに眺めている。


十五夜、、、翌日

2010年09月24日 | 空に続く風景
十五夜の水曜日は雨になった

友達と月見団子を食べる約束をしていたけれど
雨になったから、、、と言って
普通のお食事会になった

小倉のイタリアンのお店で
月夜の話はこれぽっちも話さずに
仕事の事とか、亡くなった憧れの人の事とかを
なぜか熱っぽく語ったりして、、、

そうして夜も更けて、
たった1杯のワインで酔った勢いで
昔の歌なんかを唄ったりしながら
遠い過去に少しの間彷徨ったりした


月は見えなくても、月の影響は受ける
ほんの少しのお酒で酔ってしまったのも
そのせいじゃないかと、、、

友達は過去の仕事のことを
ほんの少し話し、
これからの希望を語る

50代、まだまだ青春!と言いたいけれど
あちこちにゆがみが出始め
折り返し地点もとうに過ぎてしまった感は否めない

男同士みたいに肩を抱き合って
月のない空に向かって叫んでみる
「がんばるぞー」とか
「良い人いないのかー」とか

そうやって、十五夜の夜を
無駄ではなくうだうだと過ごした


昨日駐車場で、雲の隙間から覗いた月を見つけた
十五夜を一日過ぎても
きっとそうそう違わないのじゃないかと、、、



写し方が下手なせいもあるけれど、
横広くてレモンのような月に、ちょっと笑った


デイルームから

2010年09月16日 | お仕事




私は、この数年デイサービスで働いている
昨年、門司に出来た新しいデイサービスに転勤になった

門司のデイサービスは少し高台にあって
デイルームから海が見える

隣の建物からほんの少しだけ見える海を
毎日眺めながら みんなで運動をする

今日は、濃い藍色をしているな、、、とか
灰色の空のそのままの色だな、、、とか
深い青だな、、、とか
時々に変わる海の色を眺める

そうやって毎日海を見ながら仕事できる事が
心の癒しになっている


利用者さんにとっての海は
私よりも関わりが深い
人生のほとんどを海辺の町で暮らして来たのだ

嬉しい時も辛い時も海と共にあった

だから、デイルームからほんの少し海が見えるだけで
「良いね~」
と言ってくださる方もいる





デイルームのテラスの先のフェンスに
今年、たくさん蔓が撒きついてしまった
掃除のついでに取ってしまおうかと思ったら
花のつぼみが付いていた

花が咲いたら、とっても可愛い
調べてみたらナツフジだということが分かった






藤の花のように、花が房状に咲いている
色は緑がかった白をしている


真夏の太陽の下で、
清々しく咲くナツフジを
大切にしようとスタッフで話し合った




~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


デイサービスは介護保険を使って利用できるサービスで
送迎、健康観察、運動、昼食、入浴、レクリエーション
創作活動などを行う施設です(一日の日帰りサービス)

いろいろな方とコミュニケーションを持ってもらい
全身の機能の低下を予防し、充実した一日を過ごしてもらえるように
スタッフは地道な努力を続けています
楽しく、忙しく、、、
また、新しい感動を見つける毎日です


そんな所で、管理者として仕事を続けるnashikoです
忙しくて、ブログアップが遅くなることも多々あり、、、
無理せずにマイペースで頑張りますので
これからもよろしくお願いします



散歩道

2010年09月12日 | 
東京での数日、懐かしい道を散歩した。




ここは、以前母が入院していた時に、
自転車で通った道だ。

ある時は気持ちも軽く、
ある時は打ちひしがれて、、、

そうして母をその時々の思いで見守った。
その道をまた新たな気持ちで歩く。






石神井川の散策コースは、どこまで続いているんだろうか。
私は王子から、このもう少し先までしか知らない。
春の桜、緑のもみじ、紅葉、、、
その時々を彩る道に癒された。

この日は緑の傘に守られて、早々と暑くなった朝の道を歩いた。