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彩雲弦楽器工房

山形市にあるギター等の弦楽器工房です。製作、メンテナンスや修理、改造はお任せください。

バインディングについて

2010年03月25日 | つれづれ
ある方に「バインディングってどういう意味があるんですか?」と聞かれた事がありました。

聞かれるまでは正直バインディングの意味についてはほとんど考えた事がありませんでした。

単純に装飾の意味ぐらいしかないのかなと思っていましたが、少しバインディングの意味について考えてみました。

ヴァイオリンのパーフリングは板の割れ止めの役目をしていると聞いた事があります。
だとするとギターのバインディングも同じように割れ止めなのかなと思いました。

確かにそういう意味もあるかと思いますがギターの場合表板と裏板はライニングでサイド板と接着されているので(ヴァイオリンもそうですが)ライニングが割れ止めの役目も果たすと思います。

もう一つ考えたのが同じ割れ止めなんですが、少し意味合いが違って表板、裏板の木口をバインディングで覆って水分を極端に出すのを防ぐためにあるのではないかと考えました。

木は導管がたくさん出てる木口が一番水分の出入りが激しい所です。
その木口が空気に触れていると木口付近だけ乾燥して割れます。
もしバインディングがなければ木口だけ乾燥して割れる原因になります。ライニングである程度割れ止めの効果は出ますが、ライニングで割れようとする木を無理やり割れないようにするよりはバインディングで木の含水率をコントロールして割れないようにしたほうが木にやさしいのは明白です。

塗装すればいいじゃないかと思うかもしれませんがラッカーで木口を完全に埋めるのは少し塗膜が厚くなりすぎるし、セラックではさらに難しいと思います。

それとギターの角をぶつけた時のための補強という役割もあるかなと思います。

今のところ自分の考えはこんな感じです。

う~ん。たかがバインディング、されどバインディング。
奥が深いですね。


追記 

ライニングが割れ止めの役目をすると書きましたが、ライニングは無数に切れ目が入っているので、あまり割れ止めとしても機能しないのではないかなと考え直しました。

それとネックの場合ですが、指板に柾目のエボニーのバインディングを貼ると気持ちネックの剛性が上がる効果が期待できると思います。
コメント (2)
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