フーテンの寅はプラトニックラブ、かなわぬ恋が私に恋の気分を味あわせてくれる。
浪花の芸者松坂慶子に惚れた寅、き別れた弟と慶子を引き合わせようと大奮闘。松坂慶子は美しく健気でいかにも性格の良い芸者を好演。ブルーリボンの主演女優賞に選出された。
弟がなくなっていたことを知り、酔っぱらって寅の宿に泊まる松坂慶子、寅は玄関横のソファーで寝る。
この場面を見ていると、ジャーナリストの伊藤詩織さんを酔っぱらわせて自分の部屋に無理やり連れ込んで強姦した山口という安部友を思い出した。
自分の部屋に泊めたら、自分は家に帰るか別の部屋に泊まるだろう。どんなに言い訳しても、男の美学というものがわからない下品な奴だ。
寅さんは金も名誉もない香具師だが、胸をきゅんとさせるプラトニックラブをたくさんしている。リリーとの恋、豆腐やの娘節子との恋、こんなに素敵な恋ができるのは美学をもっているからだろう。
金がなくてものんびりと生きることの素晴らしさを見せてくれるのが寅さんシリーズである。