ユラーナ Ulana - A bridge between Japan and Overseas Countries

龍神由美のブログ。江戸の面影を残す川越に、先祖代々300年住んでいます。私の川越暮らしを綴ります。

家の廊下は黒光りせり

2010年06月19日 | 短歌

      母と我が体重掛けて磨き来し家の廊下は黒光りせり
                                 詠人 ユラーナ

私が詠んだ歌です。私は、大正時代にご先祖さまが、祖母のために建てて下さった家が大好きです。昔の家は、プライバシーに配慮していないので、住みにくいといえば住みにくいのですが、生まれてからずっと住んでいるので、さほど不便は感じません。

祖母はお嬢様育ちであったので、お掃除をすることもなかったように思いますが、母は、お嫁に来てから、朝晩、一所懸命お掃除してきました。私も、子供の頃から、廊下の雑巾掛けと障子貼りは、手伝わされました。

家はさほど大きくはありませんが、北の廊下、中廊下、南の廊下とあります。雑巾掛けは、子供の頃は、嫌々でしたが、今は好きです。家の価値がわかってきたからでしょうか。体重を掛けて拭き込むと、家が喜んでいるような気がします。

歌では、「黒光りせり」と詠みましたが、実際は、茶色ですね。今様のワックスがけしてある廊下ではなく、木肌そのままです。水で濡らした雑巾で拭き込めば拭き込むほど、ぴかぴかしてつるつるになります。自分が生きている限り、何とか、維持したいと思いますが、どこまで持ちこたえられるでしょうか・・・

この歌に対して、短歌を指導してくださっている先生からは、次のような講評をいただきました。

「築八十年を越える家に今なお住むということそのものが、とても貴重な体験と言えます。歴史ある家に対する愛情が、上の句、特に二句によく表れています」


ユラーナ

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