浅田次郎さんの『中原の虹』を読んでいます。第2巻まで読みました。
《蒼穹の昴シリーズ》の第三部で、1907年頃の満州の話から、1908年に西太后が亡くなるまでがこの巻にあたりますね。
昔起った事柄を、時系列的に並べることは出来ても、その時の歴史の主人公たちがどのように考えてその様にふるまったかは、きっと判らないのだと思います。手紙や古文書にその人の言葉が書かれていたとしても、それは心にもない偽りかも知れません。それで後世の小説家は、歴史を想像・創作出来るのだと思います。こうであったら面白かろうと・・
浅田次郎 著作 『中原の虹 第1巻 第2巻』 講談社文庫
西太后は果してどのような人だったのでしょうか。この小説では、いつ滅びてもおかしくない清国を長い間支えて来た政治家で、悪女なんかでなく正義の人、清国の良心だったらしい。国を守る為、西太后は自ら悪女であると云うようなフェイクニュースを流した???
清国を滅ぼすために・・・
清国が滅んでも、中国と云う国が無くなる訳ではなく
四億の民草の平安を願って
植民地主義の西欧列強に渡すのではなく、独立国としての中国を残す為に・・
後を託す人は、張作霖、袁世凱、孫文・・・
中国を救ってくれる者なら、誰でも良かったかも知れない
天命を持つ後世の勇者なら
西太后が悪女だったので、中国は独立国として残ったのだろうか?
この小説では、時折17世紀の満州にタイムスリップします。女真アイシンギョロの一族は、長城を越えて清国を建国します。満州一国の平安は、明国から攻められてはどうしようもないから、長城を越えて明国を攻めた! 衰退した明国から、四億の草民を救うためだったのだろうか。
漢民族からすれば、満州族の植民地にされた・・・?
浅田次郎さんの創作だろう。歴史の真実とは違うだろう。登場人物の人間愛が面白く描かれています。
ただ、はっきりしていることは、西欧の植民地主義が、東アジアをこんなに苦しめたという事。
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