我が国の政府というのは、「自国民」をあまり愛していないということがはっきりわかる政策が登場しました。以前、このブログでもさんざん議論になったものの続編です。
平成19年度「アジア人財資金構想」について
http://www.kyushu.meti.go.jp/press/19_4/19_4_16.htm
どんな企画かは、大体想像がつくでしょうが、以下に内容を抜粋します。
>我が国企業に就職意志のある、能力・意欲の高いアジア等の留学生
>に対し、奨学金や人材育成から就職支援までの一連の事業を通じ、
>産業界で活躍する専門イノベーション人材の育成を促進する
というのがお題目です。具体的な内容も見てみましょう。
--------以下引用--------
本構想では、次の2つの事業を実施します。
高度専門留学生育成事業
企業ニーズに即した産学連携による専門教育や、ビジネス日本語教育・日本ビジネス教育、インターンシップ、就職支援等、必要な知識や技能に関する教育を行う特別なプログラムを実施する、大学を主体とした産業界等と連携し構成されるコンソーシアムを支援します。
高度実践留学生育成事業
各地域にて複数の大学と産業界等が連携して留学生へのビジネス日本語教育・日本ビジネス教育、インターンシップ、就職支援等の特別なプログラムを実施する広域的な事業を実施します。
--------引用以上--------
もちろん、留学生の方に奨学金もつけます。
http://www.meti.go.jp/information/downloadfiles/c70412d05j.pdf
以前こちらでこの話題を取り上げたときは、「1ヶ月30万円」などというふざけた金額でしたから、それに比べれば「月額12~17万」というのは多少控えめにはなっているようです。
しかし、●「日本学生機構」の奨学金(大学生)が、月額4.5~6.4万円(もちろん返済義務あり)なのと比べると、破格の待遇です。
しかも、これにはまだ続きがあって、どうやらこのプログラムに参加した大学が授業料等を負担してくれるそうです。ずいぶん恵まれているもんですね。日本人の学生から入学金だの施設費だの搾り取って、外国人は授業料タダですか。馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたいです。
こういう政策を役所が実施していることを、政治家のみなさんは知っているんでしょうか?
どうせ、以前の記事と同じような全くかみ合わない議論が出てくると思うので、ここでもうはっきり言っておきます。「外国人を使う方が日本の(企業の)利益になる」という前提でコメントしている、またはそう推知できる方には、私は一切返答しません。私はそういう方に考えを変えていただこうなどと僭越な考えを持ってはおりませんので、悪しからずご了承下さい。
本来、税金を使った産業振興・人材育成というのは、自国のためにやるべきものです。経済産業省がやろうとしていることは、アジアの人材のつまみ食いであり、これは国内の人材育成から撤退し始めたということでもあります。
そういうことを言うと、「グローバル化した世界では国籍の枠を取り払って人材を求めないと競争力が保持できない」などと、まるで日経新聞の記事や外資系企業のコマーシャルみたいな反論をしてくる人がいます。なるほど、金を使って自国に人材を呼んでくればいいじゃないか、ということですね。
現在、それでがたがたになっている国があるのをご存じありませんか?アメリカです。世界中から人材を集め、金利を相対的に高くして投資を集めて、やっと生きている国がアメリカです。
今の日本の若い奴は使えない、だから外国から取ってこなくちゃダメなんだなどと言っている人間は、会社の利益しか考えていない我利我利亡者の「反日」人間です。そういう方は安倍首相が行っている教育改革とやらに「経済効率が悪い」という批判をするんですかね?
中・短期的な人材の確保なら・・・などと言うなら、なおさらインターンだの大学4年間6年間だのいちいち手間をかけずに、外国人の即戦力を取ってくればいいだけの話でしょう。本来育てるべき「自国人」に金が行き渡らないという点が問題なのです。
また、他国に日本シンパを作るという目的があるなら、内閣府が直轄すべきです。だいいち、経済産業省は自分から、
>我が国大学・企業のグローバル化、我が国の産業競争力強化
という目的を掲げています。親日派の育成などという視点はないと思った方がいいでしょう。希望的観測で物事を判断しない方がいいです。
それに、なぜ対象地域を「アジア」に限定するのでしょうか。役に立つ人材であれば、欧米だろうと、アフリカだろうと、世界中から呼べばいいではありませんか。
それこそが真の「グローバル」なのではありませんか。
経済産業省と文部科学省が勧めているのは、単なる大アジア主義です。そういえば、満州事変の前にも、中国やベトナムからたくさん留学生が来ていましたね。朝鮮に至っては、日本国の一部でした。経済交流が活発になり、「アジアは一つだ」という妄想を持つ人間が、内にも外にも増えてきているのでしょう。
日本の戦前の大陸進出は、財閥の意向を受けたものでした。今、大企業が人材のグローバル化などと言っているのと同じです。日本で儲けるのは面倒だから、もっと効率よく儲けられるアジア大陸に進出しようということです。
そして、朝鮮半島が年5%成長し、満州国が5カ年計画で大工業地帯に発展した影で、東北地方では身売りが相次ぎ、そうでなくても大多数の国民は仕事がなかったり、薄給だったりで、苦しんでいました。そういう満州や朝鮮の発展を日本の功績だと誉めそやかす人に言ってやりたいのですが、「アジア」のために「日本国民」が犠牲になってもよいという発想は、今回の奨学金の話と全く同じです。
こうして、日本は戦争の時代に突入しました。今回も、非常に状況が似ています。
「アジア」という言葉に踊らされてはいけません。我々はアジアではなくて「日本列島」に住んでいるのです。
まず、この国に住んでいる人々を愛さなくてどうしようというのでしょうか?愛国心を国民に求めるなら、同時に政府も私たちを、これから育つ日本の若者を愛するべきです。
<問い合わせ先>
経済産業省(メールフォーム)
https://wwws.meti.go.jp/honsho/comment_form/comments_send.htm
経済産業省 産業人材参事官室
TEL:03-3501-2259
平成19年度「アジア人財資金構想」について
http://www.kyushu.meti.go.jp/press/19_4/19_4_16.htm
どんな企画かは、大体想像がつくでしょうが、以下に内容を抜粋します。
>我が国企業に就職意志のある、能力・意欲の高いアジア等の留学生
>に対し、奨学金や人材育成から就職支援までの一連の事業を通じ、
>産業界で活躍する専門イノベーション人材の育成を促進する
というのがお題目です。具体的な内容も見てみましょう。
--------以下引用--------
本構想では、次の2つの事業を実施します。
高度専門留学生育成事業
企業ニーズに即した産学連携による専門教育や、ビジネス日本語教育・日本ビジネス教育、インターンシップ、就職支援等、必要な知識や技能に関する教育を行う特別なプログラムを実施する、大学を主体とした産業界等と連携し構成されるコンソーシアムを支援します。
高度実践留学生育成事業
各地域にて複数の大学と産業界等が連携して留学生へのビジネス日本語教育・日本ビジネス教育、インターンシップ、就職支援等の特別なプログラムを実施する広域的な事業を実施します。
--------引用以上--------
もちろん、留学生の方に奨学金もつけます。
http://www.meti.go.jp/information/downloadfiles/c70412d05j.pdf
以前こちらでこの話題を取り上げたときは、「1ヶ月30万円」などというふざけた金額でしたから、それに比べれば「月額12~17万」というのは多少控えめにはなっているようです。
しかし、●「日本学生機構」の奨学金(大学生)が、月額4.5~6.4万円(もちろん返済義務あり)なのと比べると、破格の待遇です。
しかも、これにはまだ続きがあって、どうやらこのプログラムに参加した大学が授業料等を負担してくれるそうです。ずいぶん恵まれているもんですね。日本人の学生から入学金だの施設費だの搾り取って、外国人は授業料タダですか。馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたいです。
こういう政策を役所が実施していることを、政治家のみなさんは知っているんでしょうか?
どうせ、以前の記事と同じような全くかみ合わない議論が出てくると思うので、ここでもうはっきり言っておきます。「外国人を使う方が日本の(企業の)利益になる」という前提でコメントしている、またはそう推知できる方には、私は一切返答しません。私はそういう方に考えを変えていただこうなどと僭越な考えを持ってはおりませんので、悪しからずご了承下さい。
本来、税金を使った産業振興・人材育成というのは、自国のためにやるべきものです。経済産業省がやろうとしていることは、アジアの人材のつまみ食いであり、これは国内の人材育成から撤退し始めたということでもあります。
そういうことを言うと、「グローバル化した世界では国籍の枠を取り払って人材を求めないと競争力が保持できない」などと、まるで日経新聞の記事や外資系企業のコマーシャルみたいな反論をしてくる人がいます。なるほど、金を使って自国に人材を呼んでくればいいじゃないか、ということですね。
現在、それでがたがたになっている国があるのをご存じありませんか?アメリカです。世界中から人材を集め、金利を相対的に高くして投資を集めて、やっと生きている国がアメリカです。
今の日本の若い奴は使えない、だから外国から取ってこなくちゃダメなんだなどと言っている人間は、会社の利益しか考えていない我利我利亡者の「反日」人間です。そういう方は安倍首相が行っている教育改革とやらに「経済効率が悪い」という批判をするんですかね?
中・短期的な人材の確保なら・・・などと言うなら、なおさらインターンだの大学4年間6年間だのいちいち手間をかけずに、外国人の即戦力を取ってくればいいだけの話でしょう。本来育てるべき「自国人」に金が行き渡らないという点が問題なのです。
また、他国に日本シンパを作るという目的があるなら、内閣府が直轄すべきです。だいいち、経済産業省は自分から、
>我が国大学・企業のグローバル化、我が国の産業競争力強化
という目的を掲げています。親日派の育成などという視点はないと思った方がいいでしょう。希望的観測で物事を判断しない方がいいです。
それに、なぜ対象地域を「アジア」に限定するのでしょうか。役に立つ人材であれば、欧米だろうと、アフリカだろうと、世界中から呼べばいいではありませんか。
それこそが真の「グローバル」なのではありませんか。
経済産業省と文部科学省が勧めているのは、単なる大アジア主義です。そういえば、満州事変の前にも、中国やベトナムからたくさん留学生が来ていましたね。朝鮮に至っては、日本国の一部でした。経済交流が活発になり、「アジアは一つだ」という妄想を持つ人間が、内にも外にも増えてきているのでしょう。
日本の戦前の大陸進出は、財閥の意向を受けたものでした。今、大企業が人材のグローバル化などと言っているのと同じです。日本で儲けるのは面倒だから、もっと効率よく儲けられるアジア大陸に進出しようということです。
そして、朝鮮半島が年5%成長し、満州国が5カ年計画で大工業地帯に発展した影で、東北地方では身売りが相次ぎ、そうでなくても大多数の国民は仕事がなかったり、薄給だったりで、苦しんでいました。そういう満州や朝鮮の発展を日本の功績だと誉めそやかす人に言ってやりたいのですが、「アジア」のために「日本国民」が犠牲になってもよいという発想は、今回の奨学金の話と全く同じです。
こうして、日本は戦争の時代に突入しました。今回も、非常に状況が似ています。
「アジア」という言葉に踊らされてはいけません。我々はアジアではなくて「日本列島」に住んでいるのです。
まず、この国に住んでいる人々を愛さなくてどうしようというのでしょうか?愛国心を国民に求めるなら、同時に政府も私たちを、これから育つ日本の若者を愛するべきです。
<問い合わせ先>
経済産業省(メールフォーム)
https://wwws.meti.go.jp/honsho/comment_form/comments_send.htm
経済産業省 産業人材参事官室
TEL:03-3501-2259