ついに、世界が劇的に変わる「あの発明」が第一歩を踏み出しました。
水素燃料電池車を08年に発売へ
http://www.usfl.com/Daily/News/07/05/0514_019.asp?id=53549
--------以下引用--------
ホンダは2008年、水素を動力とする燃料電池セダン「FCX」を限定生産して市場投入する。
(中略)
一方、ゼネラル・モーターズ(GM)も今年、スポーツ多目的車(SUV)「シボレー・エクイノックス」100台を燃料電池車に切り換える計画だ。
水素の大半は、北米に十分ある天然ガスから作られる。しかし、国内で水素燃料の補給所を設置しているのは12州程度にとどまっており、カリフォルニア州だけが複数設置している。ただ、石油会社大手が導入に消極的でも、エア・プロダクツなど産業用ガス供給業者が提供を開始する可能性はある。
米燃料電池評議会のロバート・ローズ代表は、「市場が小さすぎるため大企業は無理でも、水素販売企業を引き付けることはできる」と語る。
ホンダは、燃料電池セダン「FCX」の販売台数は公表していないが、現在は2台だけ(月額500ドルでリース)が市場に出ている。同社は、08年型の高速走行での燃費をガソリン車にして1ガロン当たり68マイル相当を見込んでいる。最高速度は時速100マイル。燃料電池スタックはこれまでより小型で、リチウムイオン電池が搭載される。
--------引用以上--------
改めて紹介しますが、燃料電池というのは、酸素と水素が結合した時に生じる酸化還元反応を利用した発電装置です。
採掘地が偏在している石油や天然ガスと異なり、世界中で手に入る「水素」をエネルギー源にしているという強みがあります。また、空気も汚さず、反応のおまけとして「水」まで得られるという優れ物です。
>燃料電池セダン「FCX」
この写真の車のことです。
私も、●新エネルギー世界展示会の会場で全く同じものを見ました。担当者の方も親切に対応してくれ、ホンダが子の分野に本気で取り組んでいるということがよくわかる展示でした。
>最高速度は時速100マイル
時速だと約160キロです。私の車(スバルの2000cc)と大して変わりませんね。これなら、実用に耐えそうです。
惜しむらくは、
>水素の大半は、北米に十分ある天然ガスから作られる。
という部分ですね。これでは日本や、同じように資源不足に悩む国々の悩みを解決することはできません。
しかし、要は水素を得られればいいのです。
一番有望なのは、エタノール(エチルアルコール)ですがそのために画期的な発明が動き出しました。
海藻からバイオ燃料 東京海洋大、三菱総研など
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703230010a.nwc
--------引用--------
養殖した海藻から石油代替燃料として注目されるバイオエタノールを大量に生産する壮大な構想が22日、明らかになった。東京海洋大、三菱総合研究所を中心に三菱重工業など民間企業が参画する研究グループがまとめたもので、日本海に1万平方キロメートルの養殖場を設け、ガソリンの年間消費量6000万キロリットルの3分の1に相当する2000万キロリットルのバイオエタノールを海藻から生産する計画だ。政府は2030年度に国産バイオ燃料を600万キロリットル生産する目標を掲げており、今回の構想は目標を実現する有力な方法として注目されそうだ。
(中略)
バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなど植物を原料に生産されている。これまでに、海藻を発酵させてつくるといったアイデアもあったが実現していない。今回の構想では、海藻を分解する酵素を利用したバイオリアクター(生物学的反応器)と呼ばれる特殊な装置で糖に分解し、エタノール生産を目指す。
構想は、日本海中央にある浅瀬の「大和堆」に、ノリやワカメを養殖するような大型の網を張り、繁殖力の強い「ホンダワラ」を養殖し、バイオリアクターなどの装置を搭載した船で分解し、生産したエタノールをタンカーで運ぶというもの。能登谷教授は「大陸から日本海に流れ込む過剰な栄養塩を海藻で除去することも期待できる」としており、バイオエタノール生産と日本海浄化の“一石二鳥”の効果がありそうだ。
海藻の主成分はフコイダンとアルギン酸で、フコイダンを分解する酵素はすでに見つかっている。研究グループは、アルギン酸を分解する酵素を発見したり、遺伝子組み換え技術を応用すれば実用化が可能とみており、プラントの開発や投資額なども含め総合的な研究に入る。
--------引用--------
海水を利用して海藻を育て、そこからエタノール【下注】を作ろうという壮大な計画です。
>大陸から日本海に流れ込む過剰な栄養塩
日本海沿岸で●こういう愚かなことをする国がいるからです。本当に救いようのない国です。距離を保っても、こんな形で迷惑をかけられてはたまったものではありません。
おそらく、これを燃料電池と結びつけるとなると、エタノールから水素を取り出す作業(改質という)が必要になってきます。しかし、それでは効率がよろしくありません。
それならばいっそのこと、
>海藻を分解する酵素を利用したバイオリアクター(生物学的反応器)と
>呼ばれる特殊な装置
この段階で水素を取り出してしまうか、エタノールを直接燃料電池に投入できる仕組みを開発すればいいのです。
前者はまだなんとも言えませんが、後者は荒唐無稽な発想ではありません。このようなものがすでに開発されているからです。
ダイレクトメタノール形燃料電池の開発について(東レ)
http://www.toray.co.jp/news/rd/nr051216.html
--------引用--------
東レ(株)は、この度、ダイレクトメタノール形燃料電池(DMFC)1)の主要部材である高分子電解質膜とそれを用いた膜電極複合体(MEA))の性能を実用化レベルまで向上させることに成功しました。従来のフッ素系電解質膜)と比較して、伝導度を損なうことなくメタノール透過性(MCO)を1/10以下に低く抑えた炭化水素系電解質膜を世界で初めて開発しました。さらにMEAでも、よりエネルギー密度が高い高温、高メタノール濃度での発電性能を大幅に向上することができました。
本技術を用いることで、ノートパソコンや携帯電話などのモバイル電子機器等の小型化、長時間使用に大きく貢献できるものと期待され、東レは、今後、この分野への本格展開を推進していく計画です。さらに、本技術を応用して、自動車用電解質膜の開発にも取り組んで参ります。
(中略)
1)ダイレクトメタノール形燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)
DMFCは、次世代のモバイル電子機器用電源として期待されています。自動車用や家庭用として用いられる水素を燃料とする固体高分子形燃料電池(PEFC)と比べて、システム全体の小型・軽量化や携帯性が期待できることを特徴としています。
--------引用--------
メタノールは「毒物及び劇物取締法」により「劇物」に指定されているので、はっきり言って危ないです。それなら、いっそのことエタノールから水素を取り出すことができないのかということです。
だったらエタノールを燃やして電気を取ればいいだろうという方もいらっしゃるでしょうが、私は反対です。なぜなら、エタノールを燃やして内燃機関やタービンを動かすとなると、「熱エネルギー→運動エネルギー→電磁誘導」という過程を経るため、エネルギーロスが大量に生じるからです。
エタノールは、あくまで自動車のガソリンの代替物だと割り切った方がいいでしょう。発電には、やはり燃料電池が切り札なのです。
そのためには、何よりも燃料電池の実用レベルのデータがたくさん手に入ることが必要です。第一歩を踏み出した燃料電池車を、これからも注目していきたいと思います。
【注】 エタノールというと「サトウキビ」と考えている方もいらっしゃるでしょうが、それは大変危険な考えです。この点については、別途で記事を書こうと思っています。
水素燃料電池車を08年に発売へ
http://www.usfl.com/Daily/News/07/05/0514_019.asp?id=53549
--------以下引用--------
ホンダは2008年、水素を動力とする燃料電池セダン「FCX」を限定生産して市場投入する。
(中略)
一方、ゼネラル・モーターズ(GM)も今年、スポーツ多目的車(SUV)「シボレー・エクイノックス」100台を燃料電池車に切り換える計画だ。
水素の大半は、北米に十分ある天然ガスから作られる。しかし、国内で水素燃料の補給所を設置しているのは12州程度にとどまっており、カリフォルニア州だけが複数設置している。ただ、石油会社大手が導入に消極的でも、エア・プロダクツなど産業用ガス供給業者が提供を開始する可能性はある。
米燃料電池評議会のロバート・ローズ代表は、「市場が小さすぎるため大企業は無理でも、水素販売企業を引き付けることはできる」と語る。
ホンダは、燃料電池セダン「FCX」の販売台数は公表していないが、現在は2台だけ(月額500ドルでリース)が市場に出ている。同社は、08年型の高速走行での燃費をガソリン車にして1ガロン当たり68マイル相当を見込んでいる。最高速度は時速100マイル。燃料電池スタックはこれまでより小型で、リチウムイオン電池が搭載される。
--------引用以上--------
改めて紹介しますが、燃料電池というのは、酸素と水素が結合した時に生じる酸化還元反応を利用した発電装置です。
採掘地が偏在している石油や天然ガスと異なり、世界中で手に入る「水素」をエネルギー源にしているという強みがあります。また、空気も汚さず、反応のおまけとして「水」まで得られるという優れ物です。
>燃料電池セダン「FCX」
この写真の車のことです。
私も、●新エネルギー世界展示会の会場で全く同じものを見ました。担当者の方も親切に対応してくれ、ホンダが子の分野に本気で取り組んでいるということがよくわかる展示でした。
>最高速度は時速100マイル
時速だと約160キロです。私の車(スバルの2000cc)と大して変わりませんね。これなら、実用に耐えそうです。
惜しむらくは、
>水素の大半は、北米に十分ある天然ガスから作られる。
という部分ですね。これでは日本や、同じように資源不足に悩む国々の悩みを解決することはできません。
しかし、要は水素を得られればいいのです。
一番有望なのは、エタノール(エチルアルコール)ですがそのために画期的な発明が動き出しました。
海藻からバイオ燃料 東京海洋大、三菱総研など
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703230010a.nwc
--------引用--------
養殖した海藻から石油代替燃料として注目されるバイオエタノールを大量に生産する壮大な構想が22日、明らかになった。東京海洋大、三菱総合研究所を中心に三菱重工業など民間企業が参画する研究グループがまとめたもので、日本海に1万平方キロメートルの養殖場を設け、ガソリンの年間消費量6000万キロリットルの3分の1に相当する2000万キロリットルのバイオエタノールを海藻から生産する計画だ。政府は2030年度に国産バイオ燃料を600万キロリットル生産する目標を掲げており、今回の構想は目標を実現する有力な方法として注目されそうだ。
(中略)
バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなど植物を原料に生産されている。これまでに、海藻を発酵させてつくるといったアイデアもあったが実現していない。今回の構想では、海藻を分解する酵素を利用したバイオリアクター(生物学的反応器)と呼ばれる特殊な装置で糖に分解し、エタノール生産を目指す。
構想は、日本海中央にある浅瀬の「大和堆」に、ノリやワカメを養殖するような大型の網を張り、繁殖力の強い「ホンダワラ」を養殖し、バイオリアクターなどの装置を搭載した船で分解し、生産したエタノールをタンカーで運ぶというもの。能登谷教授は「大陸から日本海に流れ込む過剰な栄養塩を海藻で除去することも期待できる」としており、バイオエタノール生産と日本海浄化の“一石二鳥”の効果がありそうだ。
海藻の主成分はフコイダンとアルギン酸で、フコイダンを分解する酵素はすでに見つかっている。研究グループは、アルギン酸を分解する酵素を発見したり、遺伝子組み換え技術を応用すれば実用化が可能とみており、プラントの開発や投資額なども含め総合的な研究に入る。
--------引用--------
海水を利用して海藻を育て、そこからエタノール【下注】を作ろうという壮大な計画です。
>大陸から日本海に流れ込む過剰な栄養塩
日本海沿岸で●こういう愚かなことをする国がいるからです。本当に救いようのない国です。距離を保っても、こんな形で迷惑をかけられてはたまったものではありません。
おそらく、これを燃料電池と結びつけるとなると、エタノールから水素を取り出す作業(改質という)が必要になってきます。しかし、それでは効率がよろしくありません。
それならばいっそのこと、
>海藻を分解する酵素を利用したバイオリアクター(生物学的反応器)と
>呼ばれる特殊な装置
この段階で水素を取り出してしまうか、エタノールを直接燃料電池に投入できる仕組みを開発すればいいのです。
前者はまだなんとも言えませんが、後者は荒唐無稽な発想ではありません。このようなものがすでに開発されているからです。
ダイレクトメタノール形燃料電池の開発について(東レ)
http://www.toray.co.jp/news/rd/nr051216.html
--------引用--------
東レ(株)は、この度、ダイレクトメタノール形燃料電池(DMFC)1)の主要部材である高分子電解質膜とそれを用いた膜電極複合体(MEA))の性能を実用化レベルまで向上させることに成功しました。従来のフッ素系電解質膜)と比較して、伝導度を損なうことなくメタノール透過性(MCO)を1/10以下に低く抑えた炭化水素系電解質膜を世界で初めて開発しました。さらにMEAでも、よりエネルギー密度が高い高温、高メタノール濃度での発電性能を大幅に向上することができました。
本技術を用いることで、ノートパソコンや携帯電話などのモバイル電子機器等の小型化、長時間使用に大きく貢献できるものと期待され、東レは、今後、この分野への本格展開を推進していく計画です。さらに、本技術を応用して、自動車用電解質膜の開発にも取り組んで参ります。
(中略)
1)ダイレクトメタノール形燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)
DMFCは、次世代のモバイル電子機器用電源として期待されています。自動車用や家庭用として用いられる水素を燃料とする固体高分子形燃料電池(PEFC)と比べて、システム全体の小型・軽量化や携帯性が期待できることを特徴としています。
--------引用--------
メタノールは「毒物及び劇物取締法」により「劇物」に指定されているので、はっきり言って危ないです。それなら、いっそのことエタノールから水素を取り出すことができないのかということです。
だったらエタノールを燃やして電気を取ればいいだろうという方もいらっしゃるでしょうが、私は反対です。なぜなら、エタノールを燃やして内燃機関やタービンを動かすとなると、「熱エネルギー→運動エネルギー→電磁誘導」という過程を経るため、エネルギーロスが大量に生じるからです。
エタノールは、あくまで自動車のガソリンの代替物だと割り切った方がいいでしょう。発電には、やはり燃料電池が切り札なのです。
そのためには、何よりも燃料電池の実用レベルのデータがたくさん手に入ることが必要です。第一歩を踏み出した燃料電池車を、これからも注目していきたいと思います。
【注】 エタノールというと「サトウキビ」と考えている方もいらっしゃるでしょうが、それは大変危険な考えです。この点については、別途で記事を書こうと思っています。