日々是勉強

教育、国際関係、我々の社会生活・・・少し上から眺めてみよう。

昨晩の参議院選挙を簡単に振り返ると

2007年07月30日 09時23分32秒 | バーチャル政党「新党21世紀」
  参議院選挙が終了しましたので、簡単に結果を振り返っておきます。

自民、歴史的大敗 民主躍進、初の参院第1党
http://www.asahi.com/politics/update/0729/TKY200707290263.html

--------以下引用--------
 安倍政権の信任が問われた第21回参院議員選挙は29日投開票された。自民党は改選の64議席から37議席に減らし、89年に宇野首相が退陣した過去最低の36議席に匹敵する歴史的大敗となった。公明党も選挙区で擁立した5人中3人が落選する惨敗で、非改選を含む与党の議席は過半数を割り込んだ。しかし、安倍首相は同日夜、続投を表明した。一方、民主党は改選議席の32議席から60議席に躍進し、自民党が55年に結党してから参院で占めてきた第1党の座が初めて入れ替わった。

 今回の当選者と非改選議席を合わせた新勢力は、野党側が134議席、与党側は105議席。

 政党別の当選者は、選挙区、比例区を合わせて、自民は改選64議席を大きく下回る37議席。公明も改選12議席のところ9議席にとどまった。

 一方、民主は改選32議席に対し60議席と躍進。他は共産3、社民2、国民2、日本1などとなっている。
--------引用以上--------

  自民党が結党以来、初めて両院のうちのいずれかで第1党を譲る形になりました。

  もっとも、これは十分に想定できた事態です。こんなことを書くと、「マスコミが民主にあれだけ肩入れしていれば当然」とか、「安倍政権に直接責任のない年金問題で騒がれたからだ」とか、負け惜しみのような声が聞こえてきそうですが、私の考えは違います。

  自民党が大敗した主たる要因は、「地方の軽視」に尽きます。それ以上でもそれ以下でもありません。

  具体的に見ると、選挙区の改選人数が1人である、いわゆる「1人区」の勝敗が、党勢に直結しているということです。1人区というのは、勝っても一人しか増えないと考えがちですが、勝てば相手にとってもマイナス1議席になるということを見逃してはなりません。民主党の小沢代表は、それを理解した上で、1人区に勝負を賭けてきました。
  これに加えて、自民党は先の郵政選挙で地方組織が壊滅しており、十分な応援が望めなかったという事情が加わってきます。首相が来県すれば有り難がって投票が増える、などという単純な図式ではなかったのです。安倍首相が3回も演説した愛媛で、自民党の準閣僚経験者が無所属候補に大敗するという事態に陥っています。
  笑えるのが、「美しい国」などという空疎なキャッチコピーを批判し、安倍首相が逆ギレして来県しなかった高知県の自民党候補が、四国4県の中で一番健闘していることです。安倍首相が来県して演説したら、大差を付けられていたでしょう(笑)。
  この四国だけではありません。東北では1人区全敗、九州では保守王国と言われた熊本や佐賀、長崎で敗北、さらには森元首相の地元である石川でも敗北しています。逆に言えば、大分、鹿児島辺りでよく勝てたものです。自民党は完全に地方から見放されているのです。
  要するに、「構造改革」「財政均衡」の名の下に、地方の補助金を切りまくっている自民党政権は、地方の人たちから見て「こいつらについていっても何のメリットもない」と判断されたのです。
  私が子供の頃の自民党は、こういう場所で凄まじい強さを発揮していたものです。父がアンチ自民だったので、親子揃って「田舎の連中はわかっていない」などと、それこそ何も分かっていない結論を出していました。
  ●安倍首相を批判した記事でも言いましたが、崇高な理念を理解していようがいまいが、国民は国民であり、政治家はそれを食べさせていかなければいけません。安倍首相はそういう期待に応えられなかったのです。
  マスコミのせいだ、という人は、何も分かっていない人です。これは、今度書こうと思っている維新政党新風についての記事でも詳しく述べようと思っていますが、少なくとも昔の自民党はこんな批判に負けるような政党ではありませんでした。消費税を導入しようと、株価が低迷しようと、地方で支持を受けて勝ち続けてきた政党だったのです。
  私に言わせれば、マスコミの印象操作にひっかかっているのは、むしろ●日本に住民票がなく住民税を支払っているかどうかも怪しいタレント候補を当選させてしまった東京の有権者の方です。東京というのは、まだ自分たちの生活の安全を決定的に脅かされていませんから、こんな候補が当選してしまうのでしょう。
  この馬鹿候補の当選(そして、ベテランの保坂議員の落選)からもわかるように、今の自民党というのは、都会の浮動票と創価学会などの宗教団体の組織票がなければ勝負にならない政党だということです。宗教団体を労働組合に置き換えれば、昔の社会党と大差はありません。やろうとしているのも、都市の人間や富裕層、大企業のエゴをむき出しにした革新政策です。
  地方の再生や食糧自給率の安定を唱えているのが民主党や共産党だったというのは、大いなる皮肉です。

  もっとも、私がこの選挙の真の焦点だと思っていた「グローバリストの傀儡である安倍政権存続の可否」については、かなり不満の残る結果になってしまいました。

  ●以前の記事でも述べたとおり、安倍政権は「アジア・ゲートウェイ構想」という中国などのアジア諸国との一体化構想を掲げています。これはグローバリスト(利益の極大化のために、国内への影響を省みることなく、海外に進出し、国家間の枠を取り払おうとする勢力。輸出企業や外資金融、商社など)のリクエストに従った政策です。
  国民の多くは、この政策についてほとんど知らなかったというのが実情でしょう。地方の1人区はまだいいとして、都市部では「年金」や「政治と金」という枝葉の部分で差が付いたということです。
  安倍首相が、開票半ばで続投を高らかに宣言したのも、結局アジア・ゲートウェイ構想を初めとした、売国的経済政策について、国民の審判を受けたわけではないという判断があったからでしょう。安倍政権の真の狙いは教育改革でも憲法改正でもなく、グローバリゼーションによる日本破壊なのですから、当然と言えば当然です。
  また、参院第1党となった民主党も、●以前の別の記事で言及したように、中国人移民の増大につながる政策や、東アジアでの主権共有といった、グローバリストに歓迎される政策を掲げています。だから、アジア進出という点では自民党と協調する可能性があります。
  たとえば、●崩壊寸前である韓国経済に対する支援など、統一教会と縁の深い自民党、構成員に在日朝鮮人が多く存在している宗教団体の傀儡である公明党、もともと朝鮮寄りである民主は完全に利害が一致しています。これをきっかけにして、北朝鮮への援助や、統一朝鮮への「賠償金」支払など、なし崩しに実行される可能性すらあります。

  ネットの力だとかメディアリテラシーだとか散々吹聴している「愛国」「保守」のブログは、こういう点にちゃんと目を光らせているのでしょうか?

  まあ、アジアゲートウェイ構想の存在(首相官邸のメールマガジンに何度も出ている!)すら知らず、日本主導の東アジア共同体を礼賛しているようなブログだとか、民主党叩きをすることが愛国的行為だと勘違いしているブログばかりなので、あまり期待はできないでしょう。朝鮮や中国に有利になる政策が導入されれば、出所が安倍内閣なのにも関わらず、民主党のせいだ、官僚のせいだなどと言って、内輪で盛り上がっておしまい。そんな展開が目に浮かびます。
  これについては、分かっている人が頑張って行くしかなさそうです。

  今後の政権運営の焦点などは、他のブログでも扱うと思われますので、あまりここでは言及しません。ひとつ言えることは、今回選挙の焦点に全くならなかったことで、安倍政権は拉致問題を徐々に幕引きにしていくだろうということくらいです。もちろん、北朝鮮が核施設を稼働停止した影響です。
  この点については、参院選の敗北はかえって好都合になったかも知れません。2月の6カ国協議で決まった「日朝国交正常化交渉」を進めやすくなったからです。なにしろ、民主党(確か前原議員だったと思うが)は、六カ国協議の枠組みの中で北朝鮮に積極的に支援すべきだと主張しているのですから・・・。

  次の更新では、維新政党新風の選挙戦などについても述べてみたいと思います。

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明日は参議院選挙~これだけは忘れないでほしいこと

2007年07月28日 06時58分20秒 | その他
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  さて、このブログでも、選挙については何度か述べてきました。投票日が間近になったので、簡単にまとめておきたいと思います。

  私が思う、今回の選挙(及び次の衆院選)の最大の焦点は、「グローバリスト政権の暴走をいかに阻止するか」という点にあります。

  安倍政権がグローバリスト(利益の極大化のために、日本国内への影響をかえりみず対外進出を行い、国家間の垣根を取り払おうとする勢力)の忠実な使用人であることは、以下の記事で繰り返し述べてきました。

  ●【破滅への】東アジア共同体とアジア・ゲートウェイ構想【片道切符】
  ●「自民党は野党よりましだ」と思っている人々へ
  ●【参院選】自民ダメ、民主ダメ・・・ならばどうする?

  彼らの狙いを簡単にまとめると、「外国(特に中国)との一体化を図ることによって一部の人間の利益を極大化する」ことに尽きます。
  これを防ぐには、あらゆる手を使うしかありません。参議院で野党が議席を伸ばすことで、それが可能になります。
  例えば、国会の「会期」の制約が大きくなり、廃案または見送りになるケースが増えてくるでしょう。そうすれば、多少なりとも国民の機嫌を取らなくては行けない状況が生まれます。
  安倍政権の強行採決連発がなぜ非難されるかといえば、少数派を納得させるための手続やセレモニーを全て無視しているからです。議会制民主主義では、単なる多数決ではダメだということです。
  現実の社会が約束事だらけでうまく行かないように、民主主義も曲がりくねった細い道なのです。それを邪魔だの鬱陶しいだのと言い、安倍政権の法案成立はスピード感があってよい、などと論評しているブログは、ファシズムを支持しているのと変わりがありません。
  逆に言えば、野党が議席を伸ばすとその辺の抵抗がしやすくなるということです。

  そうやって、グローバリストの日本破壊に足止めを食らわせている間に、●前回の記事でも紹介した「自然主義経済」や、新風のような本当の国民の声を伝える保守勢力の台頭を促すのです。
  安倍政権を支持している方は自主国防や国家としての自立を錦の御旗にしているようですが、今の日本は国防以前に、経済の面でグローバリストの道具になってしまっています。ここを阻止し、うまく行けば跳ね返して、初めて自主国防は意味を持つのです。現状で憲法9条を改正し、自由度の高い軍隊を作っても、グローバリストの利益確保手段(アメリカ軍への編入や、アジア権益の防衛)に使われるだけです。
  もっとも、安倍政権の場合、軍事力云々の以前の段階で外国に対して屈従しているのが現実です。経済面では三角合併の要件厳格化見送りや社会保険庁解体(年金を外資のためにミンエーカするのが見え見え)を実行し、何より「アジア・ゲートウェイ構想」などというグローバリゼーション構想を掲げてるのです。
  もはや、保守であると自覚する人々が安倍政権、いや自民・公明党政権を支持する理由はありません。
  
  具体的な投票について、もう一度おさらいしておきます。

(1)鳥取のような一人区では、民主党に投票する

(2)東京のような複数改選の選挙区では、
  「国民新党」か「共産党」に投票する。
  (改選人数が二人なら、民主でもよい。)

(3)比例区は、第一に「維新政党新風」、
  第二に「国民新党」「共産党」のどちらかに投票する

(4)「自民党」「公明党」「社民党」には絶対に投票しない  


  理由は、上のリンク記事で述べたとおりです。「民主党のような売国を支持するのか」などと筋違いの批判は無視しますので、悪しからず(筆者は、民主党を「支持」などしていない)。
  とにかく、グローバリストの日本破壊を止めるのが現状では優先ということです。

  そして、与野党の角逐を続けさせながら、本当の保守勢力を育てていくことです。それができないのなら、「ネットでの自由な言論」などというものは無意味です。政権側の支配補強道具に成り下がるだけでしょう。

  日本や日本人を金儲けの道具にする勢力には、徹底的に抵抗しなくてはいけません。「民主に入れると売国」「ましだから自民党に入れる」という単純な話ではないのです。そうだったら、どんなに楽なことか・・・。いつの世でも、議会制民主主義というのは曲がりくねった細い道なのだということです。

  皆さんが、賢明な選択をなさることを期待しております。

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「地産地消」は絵に描いたモチなのか?

2007年07月27日 22時09分19秒 | 社会と教育
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 私はラーメンが好きなのですが、近くの店に食べに行っても、「この小麦はアメリカから来たんだろうか・・・農薬が入ってないといいけどな」「高菜が食べ放題になっている。ということは、安い中国産だろうな。食べんのやめた」などと考えてしまうタチです。
  その「ラーメン」にまつわる記事から今日の記事を始めたいと思います。
 
十勝産カップラーメン?(PDF)
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/report17/38-39.pdf
  文字化けにより引用できないので、本文を参照いただきたいのですが、北海道十勝地方の農協が、地元商工会議所との連携で、十勝産の小麦粉を使ったカップラーメンを「開発」したという事例です。

  このカップラーメン、どうやら、初めは生の麺にする方向だったのですが、開発元の得意分野がそちらだったということで、カップラーメンになってしまったという経緯があるようです。そして、いざ売り出す段階になったら、その場で食べる人が少なく、贈答用にどんどん売れていったということです。
  この文章の締めくくりは、このようになっています。

>このように、農外との連携によって地域の農産物の魅力を発掘し、
>消費者に受け入れられやすいものを創り上げていくというのも
>食糧自給率の向上につながる取り組みです。

  農水省の担当者がどう考えているのかはわかりませんが、この部分は非常に重要です。それは、農産物やその加工品は「商品」であり、流通に乗せて初めて価値が生じるものとして扱われているということです。

  流通というのは、生産地から離れた場所に産物を届けるということです。「生産者」から「卸売業者」がものを買い上げ、それを「物流」に乗せて、他の卸売業者や「小売店」にたどり着き、最後に「消費者」の手に渡るという経路を採るのが一般的です。
  そして、流通の過程では競争が行われるのが一般的です。安く売って高く売れば儲かるわけですから、当事者はなるべく安い値段で「生産者」から仕入れたり、競合他社より安い値段で小売店に卸したりという行動を取るようになるのです。こういう仕組み自体は、江戸時代くらいから日本でも当たり前になってはいました。
  重要なのは、現代ではこのような流通の過程に「外来種」が参入していることです。戦後日本が工業化に成功し、大きく経済成長したので、通貨である日本円が外貨に対して強くなり、輸入がしやすくなりました。同時に、経済成長によって人件費や地価も値上がりしたので、日本で作られたものが割高になってくるという現象が起きます。そこで、競争に勝つために、より安い輸入品が導入されるようになったというわけです。この傾向は、今でも変わっていません。
  むしろ、外国との相互依存は拡大しています。私はどうも体が受け付けない(食べると翌日腹の調子がおかしくなる)野菜ですが、オクラというと「フィリピン産」が一般的であり、ゆずは国産が多いものの「韓国産」がかなりのシェアを占めていて(たとえば●この商品は韓国産を使用)、冷凍食品コーナーで商品の原産国を確認すれば「中華人民共和国」の文字が踊っているのが、我々の日常生活です。

  ここで忘れてはならないのは、食料品を輸入し始めたのは、「必要だから」ではなく「利益が出るから」「安いから」という動機だったということです。

  そんなのは当たり前だろう、と思う方がほとんどでしょうが、これはかなり重大なことなのです。本来、食べるものというのは、食べるために存在するのです。それが、流通という過程が入り込むことによって、金、すなわち貨幣を獲得するための手段に成り代わってしまっているのです。
  
  そもそも、カップラーメンにしてまで十勝産の小麦を売らなくてはいけないのはなぜかというと、「お金を出してもらう」ためです。十勝の農家の人たちがカップラーメンをうちで食べたのかどうかはわかりませんが、自分や家族や近所の人に食べさせようと思って作ったのではありません。流通システムの中に放り込んで、金に換えるためだったはずです。
  これは裏を返せば、金がたくさんで回っている場所に農産物が引き寄せられるということでもあります。お金がたくさんで回っているのは「大都市」です。たとえば東京には平成16年の統計で全国の企業の16.5%が集中しています。東京都の人口は全国比10%前後ですが、その数字を大きく上回っています。こういう場所では、それだけ金が回っていますから、全国の食料品も同じくらい東京の企業によって取り引きされていると考えた方がいいでしょう。

  ここで、困ったことが二つ出てきます。

  一つは、様々な流通過程を経ることで、生産者の顔が見えにくくなることです。
  ラーメン屋に行ったとき、私は時たま「この肉、どこ産ですか」と店の人に聞いたりするのですが、ほとんどは「わかりません」で終わってしまいます。どうも、現場でものを売っている人々は、材料に関しては卸業者に任せきりというケースが多いようです。
  それどころか、積極的に混ぜモノや産地の偽装までして利益を上げようという企業もあるようです。●「ミートホープ」事件がその典型です。まあ、さすがに黒く色を付けてふやかした段ボールを肉まんに詰めたり、髪の毛から醤油を作ったりするような日本の流通業者はいないようですが・・・。
  すぐ近くに生産現場があれば、文句の一つも言えるでしょうし、何より隣近所の人間に害悪を与える居心地の悪さが、混ぜモノや偽装をかなりの程度食い止めることは容易に理解できます。ところが、間に「商社」(どんな人々かは●ウナギを扱った記事を参照)が入ってしまうと、妙な方向に話が行ってしまうわけです。

  もう一つは、農産物の需給が売れるか売れないかという点に左右され、必要かそうでないかという点が後回しにされてしまうことです。
  みなさんはよく、ブルドーザーでキャベツを潰している光景を見たことがありませんか。いわゆる「生産調整」というやつです。繰り返しになりますが、市場経済というのは、貨幣価値の獲得を唯一無二の目的としていますから、作りすぎてしまえば安くなってしまうのです。
  そこで、農水省は「野菜価格安定制度」のような公的補助を与えています。要するに、社会主義です(●こちらのホームページを参照)。ものすごく卑近なたとえをしてしまえば、あまり魅力のない男女であっても、仲人が話をつけて結婚に持ち込んでしまうのに似ています。
  リンク先の筆者の方は、この制度を批判し、「魅力的な野菜を作って販路を開拓すればいい」と主張しています。どこかで聞いたことがあるなぁ、と思ったら、そっくりなことを言っている人々がいました。安倍内閣です。

「強い農業」をめざす自民党
http://www.jimin.jp/sansen/enzetsu/hnakagawa.html#nogyo

--------以下引用--------
高知は“フルーツ王国”と言われるほど、豊かな農産物を産出する地域でもある。この農産物を、アジアのお金持ちにどんどん輸出する。朝採れた高知の農産物を、高知龍馬空港を経て、夕方には上海の食卓に並べる。もうそういう時代だ。そうして、農家の人たちが1兆円もうける農政をどんどんやっていく。そのための競争力強化の手当や政策をどんどんやっていく。これがわれわれ与党の自民党の農政だ。(7月15日高知県高知市)
--------引用以上--------

  多分中川幹事長が発言者だと思うのですが、これが典型的なグローバリストの発想です。またぞろ卑近なたとえですが、「おまえに魅力がないのが悪いんだ。魅力をつけて、外国人でもいいから金持ちや美女をゲットしろ」という感じでしょうか。貨幣価値の獲得だけを考えると、こういう発想になります。
  輸出相手国との関係が悪化したらどうなるだろうとか、急激な変化に耐えられる農家がどれほどいるだろうかとか、自給率が下がったらどうするんだとか、そんなことは関係ありません。グローバリストの発想では、「付いてこられない人間が悪い」のです。
  そうやって、正社員は派遣社員に置き換えられ、役所の仕事は外注に出され、外国人労働者がどんどん導入されているというわけです。私のような普通の国民が「そんなのやめてくれ」という仕組みが導入されていく裏は、ほとんど全てグローバリストの策動だと思った方がいいでしょう。
  そういう世の中を素晴らしい世の中だと思う方は、是非自民党か公明党に投票して下さい(笑)。「他にどこに投票すればいいんだ」という疑問に対する答えは、もう散々ブログに書いてきたので、ここでは割愛します。

  こういった食料品の流通の現状に関しては、(グローバリストと、彼らの伴奏で踊っている人々を除いて)誰もが何かしら釈然としないものを感じていると思います。だからこそ、「地産地消」(作られたものを作られた場所やその付近で消費する)というキーワードがいろいろな場面で提唱されているのでしょう。
  しかし、その地産地消の実体はお寒いものです。都会の人間は流通の過程で全国のもの、もっと言えば世界のものが手に入りますから、本気で地産地消を実現しようとしません。
  また、生産現場である地方も、●「道の駅」のような施設を作って売るくらいしかしません。そういうところで地元の農作物や加工品を買っているのは、都会から来た観光客というのが現実なのです。
  いや、彼らは努力しないというより、やりようがないのです。金を持っていない地方の生産者は、販路や流通の手続きを握っていないので、常に卸売りや大規模小売店に対して弱い立場に置かれてしまうのです。
  魅力のある品物を作って売ればいい、という論理は、ここでは通用しません。なぜなら、それは結局貨幣価値の獲得に向けられた行動原理であり、いくら魅力を高めても、地産地消にはつながりません。
逆に、アフリカ諸国のモノカルチャー(商品作物の単一栽培)のように、作ったものを一生口に入れることができないという馬鹿馬鹿しい事態を生むだけです。
  先に紹介した、検疫施設のない空港から定期便もない上海に農作物を売ればいいとデマを振りまいている与党幹事長など、それをわかっていてあえてグローバリストのお手伝いをしているのでしょう。こういう人間こそ、選挙で痛い目に遭わせるべき人間です。こういう腐った人間は、どうせ自分のところにはちゃっかり利益誘導をしているのでしょうが。
  競争に勝てばいいじゃないか、みんな努力すれば世の中はよくなる・・・この言葉が、古今東西、様々な社会でいったい何度提唱されたことでしょうか。残念ながら、それで世の中がよくなった例を私は知りません。

  そうなると、付け焼き刃の対策ではなく、根本的な部分にメスを入れるしかありません。そうです、「貨幣価値の獲得」という、流通の大前提を換えてしまうのです。
  具体的に言えば、地産地消を促すためには、産地か、もしくはそのすぐ近くでだけ通用する「食料品用の通貨」を導入してしまえばいいのです。たとえば、地元で作られた食料品、もしくは農林水産物に限定したクーポンを発行するというのはどうでしょう。

  実は、こういう政策を訴えている政党があるのです。「平和党」がそれです。

  平和党が訴えている政策は、「自然主義経済」というものです。自然にあるものは生まれて成長したのち、年老いて死んでいきます。人間なら人生八十年なわけですし、野菜なら生育した後収穫すれば腐ってしまいます。つまり、「自然から生まれたものは全て減価する」ということです。
  それなのに、この世界にたった一つだけ減価しないものがあります。それが通貨です。減っていかないどころか、貯めておいて人に貸せば「金利」などという訳の分からない収入が入ってきます。
  この金利という力が貧富の差をどんどん拡大していくというのは、少しものを考えられる人ならわかるでしょう。何しろ、金を元々持っている人間はそれを貸すだけで収入を得られるのに対し、金を持っていない人間は彼らから金利を出して借りるしかないからです。
  この仕組みが非常に不公平な仕組みであるというのも、直感的にわかるはずです。頭のいい人がこの仕組みを肯定していたり、おかしな点を直視しようとしないのは、彼ら自身が受益者か、もしくは受益者になれると信じている(だまされている)からです。
  自然主義経済というのは、こういう金というものの異常さを認め、乗り越えようとしていく考え方です。その中核は、自然界にある諸物同様、金も減価させるべきであるというもの(減価する通貨)です。
  この自然主義経済は、第二次大戦前にオーストリアのヴェルグルという町ですでに実践されています。その説明を●「経済の民主化に向けて」というサイトから引用してみましょう。

--------以下引用--------
この小さな町は当時、他の町同様不況に喘いでいた。1932年春にはわずか人口4216人の町で350人が失業しており、そのうち200人以上は失 業保険も切れていた。税収も減り、町役場も破産の危機にあった。そこで町長であったミヒャエル・ウンターグッゲンバーガーはこの苦境から脱出するために、 1932年7月に地域通貨として「労働証明書」の発行を決断した。

1・5・10シリングの労働証明書が印刷され、町役場から建設労働者に賃金として支払われた。各紙幣は月末になると有効期限を迎え、それを再度有効 にするには額面金額の100分の1のスタンプが必要であった。つまり、たとえば1000円の労働証明書を今日(5月9日)に受け取ったとすると、この紙幣 は5月31日までしか有効ではなく、今月中にこの紙幣を使いきれなかった場合には10円のスタンプを買って貼らなければならない。そのためこのお札を受け 取った人間はこのお札を手元に置いておくのではなく使うことを推奨され、これによりヴェルグルの経済活動が息を吹き返した。平均でわずか5490シリング の通貨供給で250万シリング以上の取引がわずか1年あまりの間に起こり、町役場はこのお札のおかげで公共事業に10万シリング以上支出ができるようにな り、また失業も4分の1減った。
--------引用以上--------

>各紙幣は月末になると有効期限を迎え、それを再度有効 にするには
>額面金額の100分の1のスタンプが必要であった。

  つまり、月に1%減っていく仕掛けになっているのです。銀行の貸付(信用創造)は債務者に金利という金を払わせますから、ちょうど逆になっているわけです。これなら、「貯める」より「遣う」方がはるかにいいということになるでしょう。
  もちろん、この通貨には、発行された地域でしか遣えないという欠点があります。しかし、それがいいのです。
  今の田舎の経済の仕組みを簡単に言うと、農家が農作物を売って貨幣価値を獲得し、その貨幣を使って●ジャスコのような大規模小売店舗で生活必需品を買うというのが定番になっています。以前私の同僚だった女性が結婚し、愛媛県の新居浜という町に移り住んだのですが、「ジャスコしか行くところがない!」と言っていました。地方の方で、思い当たるフシのある人はきっといるはずです。
  そして、ジャスコはジャスコで流通の過程での競争に勝ちたいわけですから、売ればより利益になる商品を売ろうとするはずです。だから、●新居浜のジャスコではベトナム産のエビが50円で売っていたり、アメリカ産のヒレカツ用豚肉が88円(ただし両方ともご奉仕品。笑)が売っていたりするのです。遠くから連れてきても、儲かればそれでいいからです。
  もちろん、ジャスコのような店は、良い品を安く提供しているのから売れているんだ、何が悪いんだと反論するでしょう。しかし、もし新居浜店の業績が傾いたら、そこから逃げ出すはずです。当然でしょう。彼らの目的は貨幣価値の獲得なのであって、地域生活を維持することではないからです。
  ところが、自然通貨で商売をすれば、そういう事態がほとんど起こらなくなります。自然通貨を使うと、地域から吸い上げた利益を本社に引き上げるという行為ができなくなるので、大規模店舗が進出しにくくなるからです。そうなると、地元の人間がものを作り、それを地元に提供するというサイクルが形成されるようになります。 
  ここで忘れてはいけないのは、自然通貨と我が国の通貨である日本円は共存ができるということです。そもそも、地域間の取引には地域を越えて通用する貨幣が必要でしょうし、貿易もゼロになることはないでしょう。
  しかし、地元でミカンを作っているのに、安いオレンジジュースが幅を利かせるという現象は確実に起こらなくなるはずです。地域のものは地域で使う方が絶対に有利になるからです。

  こういう政策を掲げる平和党のような政党を、農家の方たちが応援してほしいものです。

  もちろん、現時点でいきなり自然通貨を全国で導入することはできません。だから、当面はグローバリストによる農水省や農協、そして農家個人への攻撃を妨害しなくてはならないでしょう。
  しかし、それは単なる先延ばしに過ぎません。本当に農業を守りたい、地域を守りたいなら、最後は経済の仕組みから変えるしかないのです。
  そうすれば、地域経済も息を吹き返し、日本国としての食糧自給率も自然と向上していくはずです。

  減価する通貨による「自然主義経済」・・・どこかの自治体が、ヴェルグルの町のような英断を下してくれないものでしょうか?

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冷戦だ!!冷戦が再開したぞ!!

2007年07月20日 08時47分58秒 | 地政学・国際関係
さて、最近こういう「事件」があったことはご存じでしょうか。

「報復」措置を示唆、英による外交官追放でロシア外務省
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707170024.html

--------以下引用--------
ロンドン――英国政府が16日、昨年末のロシアの元情報将校の毒殺事件に絡み駐英のロシア外交官4人の国外退去を命じた問題で、ロシア外務省報道官は同日、英側の行動を「道徳に反するもの」と非難、しかるべき報復措置を取ると警告した。

AP通信によると、報道官は英国の挑発的な対応は、両国関係で最悪の結果を招きかねないと述べた。報復措置の具体的な内容には言及しなかったが、17日午後にも発表の見通し。ロシア各紙は「外交戦争の開始」と大々的に伝えている。

ロ外交官の追放は、英国が求めた事件容疑者で旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員のアンドレイ・ルゴボイ氏の身柄引き渡しをロシア政府が拒否したことを受けた措置。

ロシアのインタファクス通信によると、ルゴボイ氏は16日、英国による外交官処分を受け毒殺事件は初めから政治的な文脈を持っていたことを改めて示したと語った。同氏は事件で無罪を主張している。
--------引用以上--------

  文中の毒殺事件というのは、こういう事件です。

リトビネンコ事件のまとめ
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/11/post_371c.html

  元ロシアの諜報部員だったリトビネンコという人物が、ロシア当局に毒を盛られて殺害されたのではないかという事件です。リトビネンコ氏の経歴について、面白い記述があります。

--------以下引用--------
1998年、FSB上司をロシア富豪ベレゾフスキー氏暗殺を企てたと公的に告発し、職権濫用罪で9ヶ月間収監される。釈放後の2000年にイギリスに亡命し英国市民権を得て、家族と共にロンドンに在住していた。
--------引用以上--------

  普通の方であれば、思ったのではありませんか。

  なぜ、イギリスなんかに亡命したんだ?

  あくまで私の考えですが、リトビネンコは「イギリスのスパイ」だったのではないでしょうか。それも、亡命した2000年以降ではなく、1998年に上司を告発した時点から。
  イギリスというのは、かの有名な映画「007シリーズ」の元ネタになるほど、情報機関が強い国として有名です。「イギリス情報局保安部」(いわゆるMI5)と「イギリス情報局秘密情報部」(いわゆるMI6。残念ながら、殺人許可証を持っている職員はいないらしい)という機関が有名です。

  そして、ついさっき入ってきた続報です。

英の外交官4人を追放 ロシアが報復、声明発表
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007072002033979.html

--------以下引用--------
 ロシア外務省のカムイニン情報局長は十九日、モスクワに駐在する英国人外交官四人を追放するとともに、英国政府職員のロシア訪問を停止するとの声明を発表した。英政府がロシアの外交官四人の国外追放を発表したことへの報復措置。ロシア外務省のグリシコ次官が同日、ブレントン駐モスクワ英大使に通告した。

 インタファクス通信などが伝えた。

 ロシア側が、外交関係の事実上の一部凍結に踏み切ったことで、英ロ関係が決定的に悪化することは、避けられない情勢となった。

 カムイニン局長によれば、ロシア側は英国政府職員へのビザ発給を停止、ロシアの外交官も英国へのビザ申請を行わない。従来続けてきたテロ対策での両国の協力も停止される。声明でロシア側は「英国政府の挑発的で非友好的な措置への回答だ」と英国を批判している。
--------引用以上--------

  もっとも、このへんについて細かい知識をいちいち知っても仕方がありません。問題は、これらの事件が何を意味しているかということです。

  ズバリ申し上げましょう、それは「欧州ではすでに第二の冷戦が始まっている」ということです。

  それを示す資料を、いくつか挙げておきます。

米MD計画 チェコ配備見直さず ロシア反発の可能性(6/15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007061502024405.html
--------以下引用--------
 ベルギー訪問中のゲーツ米国防長官は十四日、ブリュッセルで記者会見し、東欧へのミサイル防衛(MD)配備に関連して「チェコへのレーダー配備を進めるつもりだ」と述べ、ロシアが反対するチェコへのレーダー配備の見直しに否定的な考えを示した。
 東欧へのMD配備に反対してきたロシアのプーチン大統領は先週行った米ロ首脳会談の中でチェコではなく、アゼルバイジャンのレーダーをMDシステムに組み込むことを逆提案し、これが受け入れられれば、MD配備を検討する意向を示していた。
 ゲーツ長官はチェコへの配備にこだわる一方で、「アゼルバイジャンのレーダーは追加的な能力とみている」などと指摘。ロシア側の主張に配慮し、場合によってはチェコのレーダーに加え、アゼルバイジャンのレーダーを使用する可能性を排除しなかった。
 ブッシュ米大統領も検討を約束し、七月のプーチン大統領の訪米時までに両国間で専門家協議を行う意向を示していた。
 ゲーツ長官の発言はアゼルバイジャン配備を完全否定するものではないが、ロシア側の反発を招く可能性もある。
--------引用以上--------

  アメリカの動きです。「チェコ」という国に、アメリカがミサイル用レーダーを導入しようとしているのですが、ロシアはそれに反対しているようです。
 
  「チェコ」は東ヨーロッパの国です。東欧の地図を確認しておきましょう。



  赤い★印がチェコです。ちょうどヨーロッパの中央に位置しているのがよくわかりますね。

  アメリカは、チェコにおけるミサイル防衛の目的を「ならずもの国家への対抗手段」だと表明しています。すぐに思いつくのが、核開発を進めている「イラン」のことです。そこで、ロシアのプーチン大統領は「それならアゼルバイジャンでもいいじゃん」と、逆提案しているのです。
  もちろん、アメリカがそんな要求を呑むわけがありません。理由は簡単です。アメリカのミサイル防衛の対象国は「ロシア」だからです。チェコは北大西洋条約機(NATO)の加盟国です。この団体の本来の目的は、「ソ連の西欧侵攻を防ぐ」ことでした。まあ、言うなればNATO本来のあるべき姿に戻ったということになります。

  ロシアも当然これには一歩も引かない構えでいます。

ロシア、欧州通常戦力条約の履行停止
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070714AT2M1401L14072007.html

--------以下引用--------
 ロシア大統領府は14日、プーチン大統領が欧州地域での戦車や火砲など通常兵器の保有上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行を停止する大統領令に署名したと発表した。欧米に揺さぶりをかけ、米国が計画する東欧へのミサイル防衛(MD)施設配備や北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大問題で譲歩を引き出す狙いとみられる。

 ロシア外務省は同日、声明を発表し、CFE条約の停止について「ロシアの安全保障上の懸念に建設的な回答がない」などと説明。「対話の道に門を閉ざすわけではない」とも指摘した。プーチン大統領は4月の演説の中で、東欧へのMD配備やNATO拡大を批判し、条約の履行を一時停止すると表明していた。
--------引用以上--------

>欧州地域での戦車や火砲など通常兵器

  ロシアは典型的な「ランドパワー」(大陸国家)です。ランドパワーの力関係は、相手国にどれだけ陸軍力を投射できるかで決まりますから、ロシアが戦車や火砲を無制限に保持することは大変危険なわけです。
 
  では、なぜアメリカとロシアがそこまで角逐するのか。理由は、以下の記事からもわかります。

カタール、ロシアと天然ガス開発で協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070628AT2M2800528062007.html

--------以下引用--------
 カタールのアティーヤエネルギー・産業相は27日、ロシアのフリステンコ産業エネルギー相らと会談するため同国に向け出発した。アティーヤ氏はカタールとロシアが天然ガス開発で協力する可能性を示唆したが、石油輸出国機構(OPEC)のような機能を持つガス生産国のカルテルを設ける意図については「難しい」と否定した。

 天然ガスの確認埋蔵量でロシアは世界一位、カタールは同三位。両国やイランなどでつくる「ガス輸出国フォーラム」は4月の閣僚級会合で、将来のカルテル創設の可能性を探る作業部会の設置で合意していた。カルテル創設にロシア、イランが前向きだが、カタールは難色を示している。
--------引用以上--------

  アメリカが潰したいのは、これです。

>ガス生産国のカルテル

  今後、枯渇する可能性が高く、温暖化の元凶となっている石油から、天然ガスへシフトしようという動きが世界的に高まっています。そこにきて、こんなものができてしまったら、ロシア=ランドパワーが世界を支配することになってしまいかねません。

  さらに、面白いニュースもあります。

欧州向けガス管建設でガスプロムが覚書
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20070624D2M2400B24.html

--------以下引用--------
 ロシア産業エネルギー省などによると、ロシア政府系企業ガスプロムは23日、イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る欧州向け天然ガスパイプラインを建設する覚書に調印した。

 ロシアはイタリアを含む欧州南部への天然ガス、原油の輸出を強化する戦略を推し進めており、同省は今回の建設計画が「欧州のエネルギー安全保障の向上に貢献できる」としている。欧州のガス需要増加に対応すると同時に、資源を通じて欧州への影響力を拡大する狙いもあるとみられる。

 ロシアから欧州へのパイプラインによるエネルギー供給は、主にウクライナ、ベラルーシを経由しているが、両国とロシアの対立のあおりで昨年と今年の2回にわたって一時停止しており、ロシアは供給ルートの多角化を図ってきた。

 欧州連合(EU)は天然ガスの約4分の1をロシアに依存している。  
--------引用以上--------

>イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る
>欧州向け天然ガスパイプラインを建設する

  ここは重要です。もう一度、さっきの地図を見てみましょう。

  ロシアから天然ガスのパイプラインを引っ張り、直接ガスを供給することになれば、ヨーロッパはロシアにエネルギーを依存することになるわけです。元栓はロシアが握っているわけですから、言うこともきかざるをえなくなるでしょう。つまり、ロシアにはエネルギー依存度を高めてヨーロッパを支配するという遠大な目標があるわけです。
  そこで、軽いジャブとして、まずサミット参加国でもある工業国イタリアを落としにかかったというわけです。ブルガリアはNATO加盟国ではありますが、ポーランドのようなアメリカの飼い犬というレベルにはありません。
  おそらく、次に狙われるのは、NATO脱退の前歴がある「ギリシャ」か、コソボ紛争でNATOに攻撃された過去があり、ロシアと自由貿易協定を結んでいる「セルビア」でしょう。特に後者は内陸国なので、ロシアには口説きやすそうです。
  そうなると、次はそのセルビアから分離した「モンテネグロ」が狙い目です。ここを突破すれば、アドリア海の向こうがイタリアです。この国の動静は注目ですね。

  そうは言っても、こちらはまだ「小物」です。ロシアが本当に狙っているのは「ドイツ」です。なぜなら、ドイツは欧州最大の工業国であり、何より常にロシアにとって脅威になってきたランドパワー国家だからです。ここを骨抜きにすれば、陸軍力の弱いフランスやオランダなどものの数ではないわけです。ロシアがドイツを狙っているというのは、ドイツのシュローダー前首相が、ロシアのガス会社「ガスプロム」の系列会社で社長になり、丸儲けしていたという事件(●こちらのブログを参照)からもわかります。
  だからこそ、アメリカもチェコにミサイル防衛をテコ入れしているのです。●以前の記事でお伝えしたように、黒海の東岸にあるグルジアはアメリカの飼い犬になっていますから、あとはチェコでにらみを利かせれば、オーストリア経由だろうと、バルト海経由だろうと、どちらのパイプラインも妨害できます。まさに、ここがオセロの角なのです。

  これが、冷戦でなくて何なのでしょう?

  今回の米ロ対決が以前の冷戦と違う点は、アメリカの防衛ラインが東寄りになったことと、統一したドイツが旧西ドイツほどの「同盟国」(アメリカの言うことを素直に聞く手下)ではなくなっている点です。これは、アメリカにとっては、ヨーロッパにおける防衛コストが増大しているということを意味します。このことは、冒頭にあるように、ロシアとの戦いにイギリスの力を借りていることからもわかります(イギリスは特に中東ではアメリカより情報網が強い)。
  これに加えて中東ではイラクの問題があるわけです。アメリカにしてみれば、アジアに力を注いでなんていられないわけです。
  だからこそ、アメリカは「北朝鮮」という便利な駒を使おうとしているのです。もちろん、狙いは中国の牽制です。以下の記事からもその徴候が見えます。

「米、対北朝鮮平和協定の年内着手を希望」
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007071081068

--------以下引用--------
米行政府は、北東アジア地域の恒久的な平和体制を確保できる新しい枠組みを構想しており、その一環として年内に北朝鮮との平和協定への協議開始を希望している、とウォールストリートジャーナル(WSJ)が9日、報じた。

同紙は「米国は6者協議が北東アジア地域の安保脅威を解消する永久的なフォーラムへと移行することを希望している」とし、このように伝えた。

米国とアジア諸国の管理は東南アジア諸国連合や欧州安保協力機関(OSCE)のような形態の枠組みを予想しており、このような恒久的な地域安保構築のカギは北朝鮮が核プログラムを完全に解体するかどうかにかかっている、と同紙は報じている。

同紙はまた、クリストファー・ヒール米国務省東アジア太平洋担当次官補が「非核化への移行が進展を見せれば、平壌(ピョンヤン)と年内に停戦協定を平和協定に代える議論を始めることを希望している」と話した、と伝えた。

同紙は、米行政府は米朝間の直接対話から4者協議まで専任行政府で議論された平和体制構築のアプローチ方法をことごとく検討しており、管理は4者協議の枠組みになる可能性が最も大きいと話した、と報じた。
--------引用以上--------

  もう、さっさと手打ちにしようという姿勢が見え見えです。日本も、対ロシア包囲網に協力するくらいはいいとして、東アジアの狂った国々との関係については、もうアメリカを頼りにしない方がいいでしょう。
  それどころか、「アメリカ様おねげぇしますだ」と取りすがっている内に、外資系企業に身ぐるみを剥がれて、「東アジア共同体」としてバーゲンセールに出される(当然買うのは中国)事態にもなりかねません。いや、そうなるでしょう。「日米同盟」などという虚妄にすがると馬鹿を見ます。

  インドとの防衛協定やら、東南アジア諸国やオーストラリアとのシーレーン防衛の枠組み作りなど、自主的に動けるところから動いておくべきでしょうね。

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そして中国と朝鮮は開戦する(3)~降りかかる火の粉を払え

2007年07月14日 23時06分15秒 | 地政学・国際関係
  ●そして中国と朝鮮は開戦する(2)~「南」は落城寸前だ!!の続きです。

  さて、韓国が経済破綻した際、日本が迫られる対応のうち、注意しなければならないものは以下の二つです。

(1)韓国が短期外債の引受など「経済援助」を迫ってきた場合の対応
(2)比較的豊かな韓国人が日本に逃亡してくる事態への対応


  まず、(1)から考えてみましょう。

  この点について、実は、日本にとって非常にまずい取り決めがあるのです。「通貨スワップ協定」がそれです。

「日韓財務対話」谷垣財務相と韓悳洙副首相兼財政経済相が日韓通貨スワップ協定の拡大で合意
http://kabusiki.info/2006/02/post_6.html

--------以下引用--------
谷垣財務相と韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)副首相兼財政経済相は4日、「日韓財務対話」の第1回会合を都内で開き、日韓通貨スワップ協定の拡大で実質合意したほか、少子化やテロ資金対策などで相互協力の強化を確認した。日韓財務当局の間でトップレベルの定例会合がスタートしたことについて、両国財務相は「歴史的なこと」と評価した。日本側によると、拡大スワップ協定は今月中に署名される予定。
 この日午前10時から2時間行われた第1回会合後の記者会見で谷垣財務相は「地域金融協力を推進する観点から、チェンマイ・イニシアチブにおける日韓通貨スワップ取り決めを改定し、総額150億ドルの双方向スワップを締結することに実質合意した」と述べた。
 日韓通貨スワップはこれまで、日本から韓国に対し、上限70億ドルを供給する内容だった。今回の改定により、韓国から要請があれば、日本が上限100億ドルの米ドルを供給することができる。また、双方向の協定にすることで、韓国が上限50億ドルの米ドルを日本に供給することが可能になり、双方向合計で150億ドルの通貨スワップ協定に発展する。財務省筋は、「今月中に署名したい」としている。
--------引用以上--------

  日本が韓国に米ドルの供給を要請する事態に陥った場合、すでに韓国経済も死んでいるでしょうから、この記事の要点は、

>韓国から要請があれば、日本が上限100億ドルの米ドルを供給することができる。
  
  ここに尽きるでしょう。

  もちろん、このような協定が結ばれた趣旨は、韓国が破綻すれば日本も無傷では済まないので、それを防ぐためだ、とでもいうところなのでしょう。
  しかし、100億ドルは1ドル120円としても「1,2兆円」にも昇るのです。まあ、限度枠の20%を超える融資をする場合は、国際通貨基金(IMF)の介入を受けなくてはならないという安全弁はついていますが、こんなものをデフォルト(債務不履行)がクセになっているような国と結ぶというのは、ドブに金を捨てる行為です。谷垣氏を首相にしないで正解だったでしょう(もちろん、安倍氏も「正解」とは程遠いのだが・・・)。

  しかし、よく見てください。この協定は、あくまで、

   「供給 で き る 」

  としか書いていません。履行を強制する根拠にはならないのです。だから、いろいろと難癖をつけて引き延ばしてしまえばいいだけです。

  たとえば、韓国が絶対に飲むことができない条件、すなわち「竹島からの独島守備隊の撤退」「1954年以降の日本国に対する主権侵害についての謝罪」を援助の条件にするのです。韓国は間違いなく断ります。断らなかったら、政権が存続できないからです。
  この通貨スワップだけでなく、様々な援助、経済協力といった韓国からの「ゆすり・たかり」を切り抜けることができるかどうかが、参議院選後の政権の外交上の最初の試金石になるかもしれません。
  はっきり予言しておきますが、「アジア・ゲートウェイ構想」を掲げ、アジアとの絆を深めるなどと公言している安倍内閣なら、即座に韓国に援助します。安倍氏の祖父や父と韓国との関係を考えても、間違いなくそうします。
  まあ、もしそうなっても、何も分かっていないブロガーの方々は、「財務省の売国役人が悪い」などという筋違いの論評を掲げるのでしょう。賢明な読者の方々は、そのような言説に惑わされないように望みたいものです。

  (注:どうせコメントで「議論」したがる人がいるので先に言っておくが、韓国政府の要求を断ることが今の政治状況では難しいということは筆者も承知している)

  さて、(1)は何とかなったとして、(2)はどうでしょう。

  韓国の実態は、馬鹿なネット右翼の言うような後進国でないのは、前回取り上げたサムスンのような世界的企業があることからも明らかです。しかし、国民はというと、自国から逃げ出したくてたまらないようです。少し探すとこんなニュースがゴロゴロ出てきます。

海外移民者が資産を国外に持ち出すワケ
http://www.chosunonline.com/article/20061208000050

――――――――――以下引用――――――――――
 米国に移住し、旅行会社を経営するファン某さん(53)は、今年2月、ソウル江南に残してあった30坪台のマンションを売り、そのお金でサンフランシスコ近郊の食堂を2店舗買収し、家を1軒新築した。

 ファンさんは「8年前に2億ウォン(約2500万円)だったマンションの価格が、今年に入って13億ウォン(1億6000万円)にまで跳ね上がったが、不動産保有税(財産税+総合不動産税)が大幅に上がったために売り払った」と話した。このように、海外に移住した人たちが不動産保有税から逃れるために韓国内に保有していた住宅を売却するケースが、今年に入って急増している。7日の韓国銀行のまとめによると、今年1月から10月までに移民者が海外に持ち出した資産の規模は25億490万ドル(約2884億円)にも上り、史上最大の金額となった。これは昨年の同時期の19億9130万ドル(約2293億円)に比べると、25.7%も増えている。

 移民者らが今年持ち出した資産のうち、移住直後の定着資金として持ち出した移住費(4億8620万ドル=約560億円)は昨年より9.3%減少したが、その一方で、以前移住した人たちが韓国内に残してきた資産を売却して持ち出した金額(20億1870万ドル=約2325億ドル)は38.6%も増えた。韓国銀行では、移民者らが海外へ持ち出す資金の規模が、今年1年間で30億ドル(約3455億ドル)を突破するものと予想している。2003年に13億960万ドル(約1508億5000万円)だった資産の持ち出し規模が、わずか3年で2倍にも膨れ上がったというわけだ。

 米国ロサンゼルスにある「ロサンゼルス韓美銀行」のホン・ソンギュ副頭取は「最近、移民者らが総合不動産税を逃れるために韓国内の不動産を売却し、優秀な学校が集まるロサンゼルス近郊のアーバイン地区に投資するケースが大幅に増えた」という。ホン副頭取はまた、「最近、米国では相続税を段階的に廃止する傾向にある。移民者たちが相続税から逃れるために韓国内の住宅を売却し、米国の住宅を購入する傾向もある」と付け加えた。また、ウォン・ドル為替レートの下落で、より多くのドルを確保できることも、韓国内の資産売却に拍車をかける要因になっているという。そうした中、ハナ銀行ウェルスマネージメント部門のチ・ウンヨン不動産係長も「移民者たちの間で韓国内の資産の売却が、最近かなり目立って増えてきている」と話した。
――――――――――引用以上――――――――――

  典型的なキャピタルフライトの事例です。ウォン高ということは、当然円安でもあるので、彼らが資金を日本円に換えるのは難しいことではありません。

  また、こんな記事もあります。

新世代の米国と日本に対する認識 「嫌い」から「好き」へ
http://www.chosunonline.com/article/20050815000018

――――――――――以下引用――――――――――
米国と日本に対する新世代らの認識が、「嫌い」から「好き」に変化しつつある。

2002年12月にギャロップが調査したところ、20代の75.5%が「米国は嫌い」と回答した反面、「好き」という回答は21.3%にとどまっていた。しかし、今回の調査では「好き」が50.5%と、過半数をやや上回ったほか、「嫌い」は49.5%に減った。

 米国に対する好感度は、女性(48.1%)より男性(53.5%)が、16~20歳(48.5%)より21~25歳(52.6%)がそれぞれ高かった。

 日本に対しても同様だった。「好き」という回答が2002年の29.1%から36%に増えた。日本に対する好感度は、21~25歳(33.2%)よりも16~20歳(38.7%)の方が高かった。

 とりわけ、2003年9月の調査では、「移住を希望する国」を問う質問で、20代は2.5%だけが日本としていた反面、今回の調査では15.3%が日本と答え、全体で3位を占めた。

 日本に対する新世代の認識が友好的になりつつあることを示す例といえる。

 しかし、中国を含め、韓半島の周辺国に対する新世代の認識を調査すると、中国に対する好感度(55.3%)が最も高くなった。
――――――――――引用以上――――――――――

  日頃は、「朝鮮半島が分断されたのは日本のせい」などという、脳味噌のどこらへんを使ったら出てくるのか理解できない言いがかりをつけておいて、本音ではこの態度です。まるでストーカーです。60万人いる在日朝鮮人だけでさんざんかき乱されているというのに、後からこんな連中が押し寄せてきたら大変なことになります。

  これに対処するには、まず不法滞在外国人を閉め出すことです。韓国に対して恒久化されている観光ビザ免除を撤回し(外国員の傀儡である公明党出身の国土交通大臣など言語道断)、出入国管理を極限まで強化すべきです(それを実施する法務省に、パチンコ議員がいるのは言語道断)。●以前の記事も参照していただくとよろしいかと思います。
  その狙いは、日本は外国人に対して冷たい国だという意思表示です。欧米や正規の留学生なら困るはずがありません。
  これに反して、「日本が世界とアジアの架け橋になる」などと吹聴し、留学生をどんどん招き入れようなどと提唱しているのが安倍政権です。参議院選でとどめを刺さなくては、日本は外国人に乗っ取られてしまいます。

  また、元栓の部分も締めてもらわなくてはいけません。そこで、日本の最大の武器である「技術力」を取引材料に、韓国、とみに、中国が傀儡化した後の政権に対して、人口流出を防ぐ措置をとらせるべきです。
  韓国は確かに国際競争力のある工業を持っていますが、日本に対して決定的な弱点があるのです。それは、高度な技術的蓄積を必要とする「中間財」(商品である最終財を生産するために必要な部品や装置)の生産ノウハウが少なく、それゆえ、中間財の輸入を日本に依存しているという点です。皮肉なことに、韓国が対外輸出で外貨を稼げば稼ぐほど、日本に対して貿易赤字が増える形になってしまってさえいます。
  日本はこれを取引材料に使えばいいのです。具体的には、韓国を対象とした中間財の輸出に「逆関税」(輸出品に課税すること)をかける、または企業に輸出申告義務を課すなどすればいいのです。そうすれば、韓国の支配者が誰であろうと、すぐに音を上げてきます。そこで、交換条件として、出国管理などの厳格化を迫るわけです。全体主義国家は人間を囲い込みたいと思うでしょうから、かえって中国が傀儡政権を作ってくれた方がいいかもしれませんね。
  
  え?それだけ?韓国は放置するの?とお思いの方。

  その通りです。中国が朝鮮族を使って韓国を支配する動きを見せれば、朝鮮半島を舞台にした米中の角逐はますます激化します。日本はその様子を冷ややかに眺めながら、オーストラリアやイギリスとの同盟を強化し、海洋権益を確保すればいいのです。
  念のために言っておきますが、変な邪念を出して、朝鮮に恩を売ろうなどと思ってはいけません。シーパワーである日本は、大陸に権益を持ってはダメなのです。1910年の韓国併合が、今に至る在日朝鮮人問題につながっていることを、絶対に、絶対に忘れてはいけません。
   逆に、「愛国」や「保守」を名乗りながら、大陸に何らかの権益を持ったり、提携関係に入ることが日本の国益につながるのだと主張する人間は、相当怪しいと思うべきです。彼らは、保守の皮を被った「グローバリスト」(利益の極大化を実現するために、国内への影響を顧みず、海外に積極的に進出し、もしくは国家間の枠組みを取り払おうとする人間)だからです。かつては満州国の生き残りだった岸信介(韓国との結びつきは●こちらを参照)、かつて留学生10万人計画なる怪論を提唱し、今は東アジア共同体推進者である中曽根康弘●こちらのブログを参照)などが典型例です。こういう人間に騙されてはいけません。

   もちろん、朝鮮の現状を正確につかむための情報収集は必要です。在日朝鮮人というのは、そういう活動のために使うべきです。今の日本は、●こちらの事件に見られるように、彼らに使われてしまっている人間が多すぎるのです。

  地政学の命題は、「相手国の意志のコントロール」であると言われます。

  そして、相手の意志をコントロールするには、軍事力以外にも手段がたくさんあるのです。参院選後は、そのような方法を複眼的に検討できるリーダーにでてきてもらいたいものです。
  ひるがえって、現状のように、「憲法改正して国軍を持たなければ何もできない」などという近視眼的な考え方をする人々に支持されているような国家指導者など、今の日本には百害あって一利無しです。

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「土用の丑の日」とグローバリゼーション

2007年07月11日 00時40分02秒 | 社会と教育
  ここ最近、私は「グローバリスト」という概念をよく取り上げます。

  しつこいようですがグローバリストというのは、「利益の極大化を実現するために、国内への影響を顧みず、海外に積極的に進出し、もしくは国家間の枠組みを取り払おうとする個人や団体」のことです。 
  みなさんはこの話を出すと「外資」や「ユダヤ系金融資本」を思い浮かべる方が多いのでしょうが、在来種、つまり日本に生まれ育ったグローバリストというのもいます。「商社」がそれです。
  彼らの行動様式をよく示しているニュースが出てきたので、取り上げておきましょう。

中国ウナギ安全とアピール 丑の日前に輸入業者
http://www.sakigake.jp/p/news/national.jsp?nid=2007071001000517

--------以下引用--------
 米食品医薬品局(FDA)が、発がん性が指摘されている抗菌剤が含まれていたとして中国産ウナギなどの養殖魚介類を一時輸入停止したことに関し、日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は10日、都内で記者会見。30日の土用の丑(うし)の日を前に「日本に輸入されている中国産ウナギは中国政府による検査や、日本での水際検査をパスしており安全だ」とアピールした。

 森山理事長は「ウナギが危ないと連日報道されて消費者の不安があおられ、ウナギの売れ行きは激減している。いかに努力して安全なものにしているか実態を理解してほしい」と話した。

 FDAは先月、米国内で使用が禁止されている抗菌剤ニトロフランやマラカイトグリーンなどが微量に含まれていたとして、エビやウナギなど5種類の魚介類の輸入を一時停止した。

 同組合によると、日本向け中国産ウナギについては、中国政府が国内で検査などを実施している上、厚生労働省による命令で、検査が義務付けられている。
--------引用以上--------
  
  ふざけた記事だとお思いの方は多いでしょう。私も腹が立ちました。しかし、それに留まっては進歩がありません。このブログの狙いである「少し上から見る」という視点で、このニュースを分析してみましょう。

>日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)

  ●こちらのリンクに、この輸入組合のメンバーの名前が出ています。「伊藤忠フレッシュ」「住金物産」あたりは、戦前から続く財閥系の商社であり、「豊田通商」というのは、自動車のトヨタが21%出資している商社です。中には、「中日友交商会」という、扱い先丸わかり(しかも、「日中」でないところにいやらしさを感じる)の会社もあります。
  これらの商社がどうやって利益を出しているかというと、生産者と小売業者の間を取次、その手数料を稼ぐとい方法です。ひどい言い方をすれば「中間搾取」です。儒教や、それをバックボーンにした江戸幕府が、商人を最も低い身分に置いていたことを思い出して下さい。あれには、ちゃんと理由があるのです。

  このような業者が嗜好する行動様式は、以下の二つです。

  一つ目は、ものが頻繁に動くこと(大量・反復性)です。取次行為というのは、取り次いだ量や回数に比例して手数料が発生するのが自然です。だから、活発にものが行き来してくれた方がいいわけです。
  二つ目は、遠くからものを仕入れること(遠隔性)です。もちろん、輸送の費用がかかるというマイナスはあります。しかし、遠い土地というのはよく知らない土地であることが普通ですから、その遠い土地について知識がある、たとえば現地の言葉を知っていたり、現地の商人とコネクションがあったりすれば、買い手に対して圧倒的に優位に立てることになります。

  そうなると、どうしても中国のような国に目を付けざるをえないわけです。日本からそれほど遠くはないが、商習慣も言葉も違うので、どうしても仲を取り持つ商社の存在が必要になるわけだし、何しろ日本よりものを安く仕入れることができますから、頻繁な取引が可能だからです。ロシア産のキャビアやフランス産のワインでは、そういうわけには行きませんからね。

  しかし、冒頭の定義に戻れば、やはり国内への影響は出ているのです。5年前にこんなニュースがありました。

死んでもやせたい? 中国製ダイエット食品で死亡!
http://allabout.co.jp/fashion/diet/closeup/CU20020717A/

--------以下引用--------
先日(平成14年7月12日)厚生労働省の医薬局が中国製のダイエット用健康食品2品目について、未承認の医薬品成分が検出されたなどとして商品名の公表を行いました。商品名は「御芝堂減肥こう嚢(おんしどうげんぴこうのう) 」と「せん之素こう嚢(せんのもとこうのう)」です。因果関係は明確ではないとしながらも、御芝堂減肥こう嚢を摂取していた女性のうち一人は急性重症肝不全により死亡。また、その他商品も含めて使用者のうち計12名が肝障害を患ったことも同時に報告しています。
--------引用以上--------

  こういうことが起こるのはある意味当然でしょう。外来の食品というのは、本来私たちの生活環境の中に存在しなかった未知の物質なのです。現地の人間が使っていたとしても、我々自身に免疫がない可能性がある、いや、むしろ免疫がなくて当たり前なのです。
  それに、中間にさまざまな流通過程があるため、生産者に対する抗議ができないのも問題です。中国産だからといって、まさか中国共産党に抗議するわけには行きません(笑)。顔の見えない怖さ、注文をつけられない怖さということもできます。
  しかし、グローバリストにとっては、このような国内への影響は二の次なのです。彼らの目的は、我々の生活の向上ではなく、利益の追求なのです。
  彼らが用いる「広告」や「CM」というものは、そういう目的を無害に見せかけるためのもの、要するに「詐欺」といってもいいかもしれません。具体例を挙げます。

「鰻丼」と「鰻定」を8月上旬まで期間限定販売
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070705_yoshinoya_unadon/

--------以下引用--------
昨年にも試験的に100店舗ほどで「鰻めし(うなめし)」というのを販売していたようですが、今年は「鰻丼(うなどん)」と「鰻定(うなてい)」という形になって全国展開です。開始日時は7月6日(金)15時から。

  (中略)

価格は「鰻丼」が490円、「鰻定」が550円。「鰻定」はみそ汁・お漬物付。お持ち帰りは「鰻丼」のみ可能。
--------引用以上--------

>価格は「鰻丼」が490円、「鰻定」が550円。

  ウナギがこんなに安く食べられるものなら、「土用の丑の日に(=その日くらいは)ウナギを食べる」などという風習ができるはずがありません。
  おおかた、消費者が手を出さなくなった中国産ウナギが、商社の手元に余っているから、それをさばこうということなのでしょう。そして、試験販売の段階で、「この牛丼屋に来る客はウナギの産地に疑問を持たない」という消費行動の分析が出たからこその「全国展開」なのでしょう。

  もちろん、省略したところに「ウナギは中国産100%」などと書いていません。伝えるべき事を伝えないことも詐欺の一種だと考えれば、これも立派な詐欺でしょう。暗に了解した上で食べるなら、止めはしませんが・・・。

  また、ウナギの輸入業者の記事にある、

>「日本に輸入されている中国産ウナギは中国政府による検査や、
>日本での水際検査をパスしており安全だ」とアピール

  というのも、まさにそういった詐欺の一種でしょう。まあ、あまり騙される人はいないでしょうが・・・。

  こんなことを言うと、「紀元前からシルクロードで遠隔地貿易が行われていた。それが文化の発展に役立ったという歴史的な意味を忘れていないか」という人がいるかもしれません。
  しかし、それこそ何も分かっていないか、うまいこと騙されているのです。今まで素性の知れない食べ物に悩まされずに済んできたのは、単純にものが動く距離や、その量が今より小さかったからにすぎません。シルクロードの時代にコンテナ船や飛行機があれば、間違いなくダイエット食品で死亡するような例が出ていたはずです。ラクダと帆掛け船しか移動手段がなかった時代と、害悪の度合いを比較するのは、本質的ではありません。
  本来、その土地にないものを持ち込むというのは、それくらい重大なことなのです。ブラックバスを放流したら、河口湖に魚がいなくなってしまったように、我々の生活環境が(悪い方に)ねじまげられてしまうことになるからです。

  一番厄介なことは、このような商社(グローバリスト)が日常的に行っているような行動を批判すると、「偏狭な国家主義」というレッテルを簡単に貼られてしまうということです。これは、本当に難儀なことです。
  今の日本では、「国際的なのはいいことだ」とか、「いろいろな国と仲良くすることが大切だ」とかいった考え(国際協調主義)が主流になっています。しかし、それはともすれば、外国からもたらされた災難(危険食品や犯罪者)を一方的に許容しろという論理で使われることが多いのです。
  そして、それこそがグローバリストの工作なのです。リンクさせてもらっている「晴耕雨読」というサイトで、優れた考察がなされています。

寄生性と知的謀略
http://sun.ap.teacup.com/souun/143.html

--------以下引用--------
宿主に寄生する最高の方法は、自分たちが効率的に養分を吸い上げられる価値観や制度を宿主共同体が持つようになってくれることです。

端的には、収奪者(寄生者)ができるだけ自由に収奪活動に励むことができ、被収奪者(宿主)が収奪されるための仕掛けだとは思わず、それを素晴らしい考え方だと信じる理念・価値観・制度を普及させることです。

このために、宗教・学問・政治制度などを利用します。(中略)

民主主義・個人主義・自由主義・経済学・科学的世界観なども、寄生者が宿主から“養分”をスムーズに吸い上げるためにつくり普及させた論理的説明体系です。
--------引用以上--------

>自分たちが効率的に養分を吸い上げられる価値観や制度

  この中に、まさに「国際協調主義」という考えも含まれるでしょう。外から来る物品に対して拒否感を抱くことを許さない空気をかもし出すわけです。「みんな仲良く」という考えは単純なので、それを国家間の問題までずらしてしまい、人々の本能的な警戒心を解くというのがその狙いです。

  もっとも、日本人というのはそういう点でかなり過敏な反応をする人々です。面白いことに、勉強して万国共通の知識や概念をたくさん獲得しているインテリと言われる人種(自称も含む)より、そこらへんにいる庶民にそういう警戒心が強いのです。これは、60年あまり国際協調主義に則った教育が行われてきたことを考えると、ある種の驚きです。
  実は、日本においてグローバリストの破壊的な行動を抑制してきたのは、そういう庶民の感性だったのだと思います。アメリカ産牛肉をどう思いますか、ときけば、ほとんどの主婦が「できれば食べたくない」と答えるでしょう。そういう感性は、変に身につけた知識よりもずっと大切です。

  私としては、そういう感性が舶来の理念(グローバリストが利用しやすい嘘)に負けてしまわないよう、普通の人たちを応援してきたいと思います。安いウナギを怪しいと思うあなたは「正解」です。

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ロシアに自動車工場・・・いいことなのか?

2007年07月09日 03時20分11秒 | ロシア関連
  目を惹くニュースがあったので、紹介しておきます。このブログが最近取り上げているテーマと密接に関連しているので、是非ご覧下さい。

日産、ロシア工場着工 2車種、09年に生産開始
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/36866.html

--------以下引用--------
 日産自動車は八日、ロシア第二の都市、サンクトペテルブルク市郊外で、乗用車の組立工場の起工式を行った。日本企業のロシアでの乗用車生産工場建設はトヨタ自動車に次いで二社目。二○○九年初頭から生産を開始し、生産能力は最大で年間五万台を予定している。

 カルロス・タバレス副社長は式典後の会見で、生産車種は高級セダン「ティアナ」とスポーツタイプ多目的車(SUV)「エクストレイル」になることを初めて発表。同社がロシア市場の成長性を高く評価していることを強調した。投資総額は二億ドル(約二百四十六億円)に上り、七百五十人の地元雇用を予定している。

  (中略)

 サンクトペテルブルクには世界の自動車企業が相次ぎ進出し、トヨタは今年末から乗用車生産を開始する計画。スズキも同市に工場を建設するほか、三菱自動車も工場建設を検討している。
--------引用以上--------

  我が国の自動車工業が、ロシアに進出するという話です。この話には二つの意味があります。

  まず、ロシアの経済がそれほど好調だということです。参考になるニュースを掲げておきます。

ロシア経済会合に1万人 資源大国への関心高く
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/economics/20070609/20070609_009.shtml

--------以下引用--------
 ロシアのサンクトペテルブルクで8日、世界の大企業のトップらが集まり、ロシアの経済情勢などを話し合う「国際経済フォーラム」が開幕した。

 主催する経済発展貿易省によると、参加者は過去最高の約1万人。高成長を続ける資源大国ロシアへの各国の関心は高く、中国は呉儀副首相率いる訪問団を派遣した。

 国際石油資本(メジャー)の英BPなど約60カ国の企業の幹部ら500人以上に加え、世界貿易機関(WTO)のラミー事務局長、シュワブ米通商代表らが出席。ロシア側はプーチン大統領はじめ政財界の要人が勢ぞろいし、10日までの期間中「エネルギー」「ロシアなど新興市場の成長」などのテーマで意見交換する。商談も予定され、昨年の3倍を超える計33億ドル(約4000億円)の契約が結ばれる見通し。   
--------引用以上--------
 
  上に挙げられているような契約が本当に成立するかは別問題として、参加人数を見ると、ロシア経済に対する経済界の期待が大きいことが窺えます。

  ロシアの経済は何故好調かときかれたら、私は一言で答えることができます。

  「プーチン大統領の指導力と、9・11事件のおかげだ」

  ロシアは共産主義のソ連時代から資源輸出国として知られいました。ソ連崩壊とその後の混乱で一時的に停滞はするものの、プーチン大統領が石油企業の整理統合、それに続く事実上の国有化を図りました。そして、同時多発テロ(2001年)以降の原油高を利用する形で、以前の力を取り戻してきたのです。
  この人は、ソ連時代を彷彿とさせる言論弾圧(たとえば●こちらのブログを参照)をやっていますが、別に驚くべき事ではありません。ランドパワー(大陸国家)というのは、そういうものだからです。すなわち、長大な国境線を持ち、国内に様々な民族を抱えるロシアのよう国は、自由主義で国を運営すると破綻してしまいます。ゴルバチョフ時代がまさにそうでした。
  それを防ぐには、強権政治で統治するしかないのです。別に、我々に迷惑をかけなければ「どうぞご勝手に」で済む問題でしかありません(中国のように、海洋進出を狙うようになれば話は別だが)。
  それに、プーチンの支持率は依然として高いものがあります。単純です。国民をちゃんと食わせているからです。

  それが端的に現れているのは、車の売れ行きです。

露で日本車ブーム 販売台数5年で17倍
http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20070604ve02.htm

--------以下引用--------
 ロシアで日本車の人気が高まっている。石油などの資源輸出で得た巨額の外貨が国民の所得水準を押し上げ、アニメなどが火を付けた「日本文化ブーム」も追い風になっている。現地生産工場を建設中のトヨタ自動車、日産自動車に加え、三菱自動車工業なども現地生産に向けた調査を進めている。

 お相撲さんと芸者が乗った新車が富士山を背景に疾走する――ロシア国内では、三菱の小型車「ランサー」のテレビCMが大好評だ。今年3月にはロシアの販売総代理店「ロルフ・ホールディングス」の一行約80人が来日し、益子修社長に片言の日本語で「クルマクダサイ」と詰め寄った。

 三菱は他社に先駆けて1992年からロシアに輸出を始め、ランサーはロシアでは日本車の代名詞だ。2006年には4万5000台を販売し、車種別の輸入車販売数では首位だ。

 米国の自動車業界情報サービス会社「R・L・Polk」社によると、06年にロシアで販売された新車(乗用車)181万台のうち日本車は33万台。ここ5年間の増加率は、全体の1・8倍に対し、日本車は約17倍に達する。

  (中略)

 資源高で裕福な国民が増え、利幅の大きい中・高級車も売れる。ロシア車は価格が安いにもかかわらず、01年に9割超だったシェア(市場占有率)は、5年で5割以下に減った。

 三菱は昨年末から生産工場建設に向けた現地調査を進めている。ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでは、トヨタが07年末、日産が09年の稼働を目指して完成車工場を建設中だ。現地生産なら25%の関税もかからず、価格競争力も増す。

 ただ、現地生産の場合、一定量の部品の現地調達をしなければ、関税の減免措置が受けられないなど制約も多いが、地元メーカーの技術力はまだ未熟だ。自動車業界に限らず、過去にはロシア政府や自治体が朝令暮改で企業に対する規則を変えたり、不透明な理由で巨額な罰金を請求する事例もあった。「事業拡大にはまだリスクが大きい」(ホンダ)と慎重なメーカーも多い。
--------引用以上--------
 
  庶民の生活に余裕があり、今後も安定した収入が確保できる見通しがある(=ローンが組める)からこそ、ベンツでもBMWでもなく、大衆車がメインの日本車が売れているのでしょう。
  この豊かさも、ロシアが西欧べったりにならず、ランドパワーの王道に則って国を統治しているからこそもたらされたものです。プーチンという人物は、ロシアの「本来あるべき姿」をよく分かっているのです。

  さて、冒頭のニュースから分かるもう一つのこととは何か。

  それは、日本の基幹産業だと考えられてきた自動車産業が、日本を捨てることが確実になってきたということです。

  日本での新車の売れ行きがさんざんなのは、以下のニュースでもわかります。

新車販売“総崩れ” 2007年上期
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200707030009a.nwc

--------以下引用--------
 ■登録車30年前の水準/軽自動車4年ぶり減

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が2日に発表した2007年上期(1~6月)の登録車(軽自動車除く)の新車販売台数は、前年同期比10・5%減の178万8440台と2年連続で減少した。1977年以来30年ぶりに180万台を割り込んだ。同日、全国軽自動車協会連合会が発表した軽自動車の上期の販売台数は1・7%減の105万4080台で、好調だった軽自動車も4年ぶりに減少に転じ、日本の自動車需要は総崩れの様相を呈してきた。

 上期の登録車販売台数は、小型乗用車が15・1%減の89万2206台と大幅に減少するなど、乗用車、商用車を含めて全項目で減少。6月単月の新車販売台数も前年同月比11・2%減の29万1640台と24カ月連続減少するなど需要回復の傾向はみえておらず、「打つ手なし」(自販連広報室)の状況となっている。

 販売低迷の理由は、景気が回復しても個人消費に大きな改善がみられず、耐久消費財の自動車への出費が家計の中で後回しになっていることが大きい。「税制の抜本的な見直しなどがない限り増加はない」(同)とし、需要回復には家計の負担軽減策が必要と訴えている。
--------引用以上--------

  フジサンケイビジネスアイの記事ですが、以前の●外資べったりのムカムカする記事に比べて、実態をきちんと捉えています。

>販売低迷の理由は、景気が回復しても個人消費に大きな改善が
>みられず、耐久消費財の自動車への出費が家計の中で後回しに
>なっていることが大きい。

  景気が回復しているだの、税収がアップしただのとニュースで言っていても、「ホントかよ」と思うのは、企業の業績は良くなっても国民一人一人の購買力はどんどん減少しているからです。
  会社が儲かっているのに、国民一人一人の使えるお金が減っているのは、本来国民の手に委ねるべき貨幣価値を削り、企業の内部留保にしているからです。
  簡単に言えば、お米を作っている農家が、苗を作らずに、来年の苗にするための米(種もみ)を売り払っているのと同じです。一時的には儲かりますが、将来返ってくる貨幣価値を犠牲にしているので、やがてジリ貧になります。小学生にもわかる理屈です。

>好調だった軽自動車も4年ぶりに減少に転じ、

  というところも、それを端的に表しています。今までは「収入減→維持費の低い軽自動車へ」という流れがあり、登録自動車の販売台数の減少を余所に、軽自動車は売りに売れていたのです。しかし、もう軽自動車すら買えない層が出てきているわけです。いよいよ、種もみも食い尽くしたということでしょうか。

  そうなると、根本的な解決策は、国民一人ひとりの可処分所得を増やすしかないわけですが、自動車業界の考えていることは全く逆です。簡単に言えば、

  「日本で儲からないなら外国で売ればいい」

  というものです。だから、一気に自動車会社が四社もロシアに進出するのです。

  今の自動車会社の行動様式は、完全に「グローバリスト」(利益の極大化のために、国内への影響を顧みずに海外へ進出し、国家間の枠組みを取り払おうとする人々)のそれになってしまっています。
  もしかしたら、10年後トヨタはロサンゼルスに、日産はモスクワに、スズキはニューデリーに本社を移転しているかもしれません。そんな国が、自動車王国と呼べるでしょうか。

  グローバリストを野放しにすると、彼らは利益の極大化のために、生まれた国を粗末にし、やがて捨てようとするのです。戦前の満州に入れ込んだ財閥など、まさにそのような亡国の徒でした。
  しかも、進出した土地(大陸)は周囲が敵だらけなので、権益を守るためには武力を投入するしかありません。満州の関東軍が最大70万の兵力を誇ったことからも、そのコストが膨大であることがわかります。
  そのような軍事力の投射ができないならば、いずれはその権益を奪われることになります。ランドパワーの国は、約束を守らないからです。三つ目の読売新聞の記事にも、

>自動車業界に限らず、過去にはロシア政府や自治体が
>朝令暮改で企業に対する規則を変えたり、不透明な理由で
>巨額な罰金を請求する事例もあった。

  と、書いてあるではありませんか。

  最近でも日本は、ロシアの豹変で痛い目に遭わされています。「サハリンのガス田開発」がそれです。開発費用を散々出させておいて、いざ操業間近になったら環境保護を名目にロシア企業に権益を譲れと言い出したという事例です。(詳しくは●以前の記事を参照)。これこそが、ランドパワーというものなのです。

  つまり、日本は大陸に進出するといずれは損する運命にあるということです。

  日本の場合、基本的に内需を中心に経済を回し、余った生産物を外国に売るくらいでちょうどいいのです。それを可能にする条件(技術力の高さ、教育程度の高さ、人口密度、恵まれた水資源など)が日本にはあります。
  歴史を見ても、日本が平和で豊かだった時代(平安時代、江戸時代、戦後のオイルショックまでの時期)は内需中心の仕組みを採用し、対外関係はむしろ閉鎖的でした。逆もまた真なり、大陸との付き合いが活発になった時期(飛鳥時代、室町・戦国時代、そして昭和)は、動乱の時代だったということです。

  ロシアは、資源の切り売りと狡猾な外交、そして強権政治という「本来あるべき姿」を忠実に実行して国を豊かにしました。
  日本も、内需中心という「あるべき姿」に戻ってはいけない道理はないはずです。今からでも決して遅くはありません。日本車を日本人が買える国を取り戻しましょう。

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そして中国と朝鮮は開戦する(2)~「南」は落城寸前だ!!

2007年07月06日 01時09分51秒 | 地政学・国際関係
  ●「そして中国と朝鮮は開戦する(1)~侵略に晒されるのは「南」だの続きです。

  私は、前回の記事の末尾で、「韓国は中国による間接侵略に晒されている」と申し上げました。

  ここで、「そういえば、このブログは朝鮮族はキムジョンイルの手先になって、中国東北部で破壊活動する可能性があると言っていなかったか?」とお思いの方もいるでしょう。確かに、その可能性はあります。しかし、朝鮮族が同胞の手足になって働くことは、ある事象の一側面でしかありません。
  ここで強調しておきたいことは、朝鮮族は中国にとって獅子身中の虫であるとともに、中国による朝鮮侵略の先兵にもなりうるということです。しかも、その攻撃先としては、北朝鮮より韓国の方がはるかに「効率がいい」ということです。

  言い換えるとこうなります。キムジョンイルが独裁を敷く北朝鮮を征服しようと思えば、「直接侵略」、すなわち武力による制圧が必要です。もちろん、中国はそのオプションを実行できる手はずをきちんと整えているのは、●以前の記事からも明らかです。
  しかし、このやり方には大きなリスクが伴います。つまり、北京五輪・上海万博後、成長の起爆剤となる唯一の土地である中国東北部を、戦乱の地にしてしまう危険があるのです。そうなれば、日本などの先進国からの投資は望めなくなるばかりか、上海やシェンチェンの株式市場の大暴落まで招きかねません。
  一方、南朝鮮、すなわち韓国の場合、直接侵略による攻撃は不可能(在韓米軍がいるから)ですが、パクチョンヒ政権以来、日本を模倣した貿易立国であり、海外に向かって閉じることができないという根本的な欠点を持っています。
  そこで、朝鮮族労働者という形で「中国人」を送り込み、内側から社会を崩壊させるという「間接侵略」を使って攻撃するというわけです。これこそが、中国の古典『孫子』に謂う、「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」(孫子・謀攻編第一章)です。

  そんな馬鹿なことを言うな、単純労働者ばかり送り込んでも、韓国のような閉鎖的な国の上層部を乗っ取れるはずがない、という反論がありそうですが、それは楽観的すぎます。以下の記事をご覧ください。

朝鮮族、韓国産業銀行で中国専門家に
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070321-4.htm

――――――――――以下引用――――――――――
韓国産業銀行は既に昨年末から今年にかけ、中国朝鮮族を網羅した 25人の外部専門家を選抜し、各部署に投入した。

韓国産業銀行は 19日 “最近、人力需要調査を実施した結果、本店 10部署で外部専門家が必要と判明した” とし “これにより今年約 18人の外部人力を充員する方針”と明らかにした。

今回、産業銀行の誘致対象は法務室に勤める弁護士 2人、計量分析士 3人、 引受合併(M&A)の専門家 1人、社会貢献分野の専門人材 1人などだ。

韓国産業銀行のこのような変化は、金昌録総裁の “国籍、出身などを問わず、該当分野の専門家を選抜せよ” という特命が出た後から、本格化した。
――――――――――引用以上――――――――――

  韓国産業銀行は大企業を主な取引先とし、産業基盤整備など政策金融を担う大銀行中の大銀行です。●こちらの朝鮮日報の記事からもわかるように、待遇面でも一流で、まさに韓国のエリート中のエリート企業と言っても過言ではありません。。
  ここに朝鮮族が入ってくるというのは、日本でたとえれば、以前の日本興業銀行(興銀)の重要なポストに、日系ブラジル人職員が入ってくるということです。高度成長期の日本でこんなことがあったら、きっと大騒ぎになったことでしょう。
  しかも、弁護士やM&Aの専門家であれば、大企業の機密情報を入手することも可能なポジションです。この朝鮮族のリクルートを決断した金昌録総裁という人物は、たいそう「同胞愛」のあるお方なのでしょう。もちろん皮肉ですが・・・。

  こういう社会の上層部に相当するような分野にまで朝鮮族が入り込んできているということは、このような人間たちが間接侵略の道具となるだけでなく、「朝鮮併合」後の支配側の人材にもなりうるということです。
  韓国としては、もちろん「産業競争力を高める」という意図のためにやっているのでしょうが、それが奇しくも中国の侵略の足がかりになってしまっているわけです。あるいは、韓国の産業界や政界の内部に、中国の工作が浸透しているのかもしれません。日本にさえ「媚中派」なる議員がいるのですから・・・。
  
  さらに、実にタイミングがいいことに、韓国では今年中に「国家破産」があるのではないかと言われています

韓国経済スレまとめサイト(Wiki)
http://toanews.sakura.ne.jp/pukiwiki/index.php?%B6%DB%C7%F7%B4%B6%A4%F2%C1%FD%A4%B9%B4%DA%B9%F1%B7%D0%BA%D1

  韓国は2007年中に返済しなければならない短期外債が昨年9月末の時点で約1080億ドルあった(当然金利負担があるので今はもっと増えている)のですが、それにも関わらず経常収支は赤字です。そうなると、さらなる短期外債の発行で凌ぐしかありません。長期外債を発行しても引き受けたいと思う国や団体がいないからです。債務不履行の危険が高いので、当然発行する外債の金利は相当な高金利になります。
  ひどいたとえですが、知人から借りた金を返済するためにサラ金から借りて、それを返せないので今度は闇金から金を借りるようなものです。もちろん、ブラックリストの名前の横にはデカデカと「デフォルト危険:最大」という文句が載っているはず(笑)です。
  もし、この外債の引受先がないとなると、韓国は1997年に続く国家破産を余儀なくされます。以前のそれよりも厳しいIMF(国際通貨基金)の管理下に入ることは間違いありません。

  さて、あなたが中国共産党の指導者だったらどうしますか?

  私なら、韓国が破綻したところで、国際競争力のある企業をばんばん買い叩きます。日本より格は落ちますが、それでも世界的に見ればかなりの実力がある企業群には違いありません(いわゆる「嫌韓厨」には認めがたいだろうが)。

  これは非現実的な考えではありません。最近、こんなニュースが入ってきたのをご存じでしょうか。

中国政府、米買収ファンドに初の出資・30億ドル
http://www.nikkei.co.jp/china/news/20070521c2m2100p21.html

--------以下引用--------
米大手企業買収ファンドのブラックストーン・グループ(ニューヨーク市)は20日、中国政府から30億ドル(約3600億円)の出資を受け入れると発表した。中国政府による買収ファンドへの投資は初めて。年内に予定しているブラックストーンの株式上場に合わせ、中国政府が近く設立する外貨準備の運用機関を通じ出資する。中国が高利回りを求めて世界一の外貨準備の積極運用に動き始めた。
--------引用以上--------

  チャンネル桜もこんな特集を組んでいます。

中国マネーで大手日本企業も買収の危険性
http://www.youtube.com/watch?v=Nin2srtZyng

  もちろん、中国は高利回りの運用など求めていません。中国が狙っているのは、経済侵略です。世界最大の外貨準備高を武器に、優良企業を買い漁ろうと虎視眈々というわけです。
  そんな中、続々と企業防衛策を導入し始めた日本企業よりも、完全に資金が枯渇し、余裕ゼロの韓国企業の方をとりあえず料理しようという気が起きても全く不思議ではありません。なにしろ、中国には、技術やノウハウといえるものは「何もない」のですから・・・。

  たとえば、タイミング良く、「お買い得」な企業が出てきています。

低迷サムスンが「緊縮経営」発表・気になる韓国の空洞化と財閥体質
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT13000029052007

――――――――――以下引用――――――――――
 5月28日、韓国のマスコミはサムスン電子の「緊縮経営」を経済面のトップニュースとして一斉に報じた。営業利益、純利益が2007年1-3月期もまた前四半期比でそれぞれ42%、32%減ったのを受けた経営改善策だ。DRAM市況の低迷やウォン高の打撃で、利益は4年前の水準まで落ち込んでいる。サムスン電子はデジタルメディア総括、情報通信総括といった部門別に新しい主力業種を探して戦略を修正するとともに、経費節減と生産性向上に必死になっている。
 サムスン電子の主力商品である512メガバイトDRAMは市況の回復が期待されていたが、供給過剰で価格は1.7ドルまで落ち込み、原価の1.5ドルすれすれの状況になっている。
 一方、ウォンドル為替レートも一段とウォン高が進み、最高値を連日更新している。ウォン相場が10ウォン上昇すると、サムスン電子の営業利益は3000億ウォン減る。円安ウォン高も深刻な状況で、この10年でウォンが25%も高くなった。このままでは4-6月期の利益水準は1兆ウォンを下回ってしまう。

 株価もさえない。5月28日、サムスン電子の時価総額は80兆6815億ウォンで、韓国株式市場全体の時価総額814兆5120億ウォンに占める比率は9.9%。わずか0.1%とはいえ、1999年10月以来初めて10%を下回った。2004年4月にはサムスン電子の時価総額が23%に達していたことを考えると大きな落ち込みである。
 株価指標のKOSPI指数は上がっているのにサムスン電子だけが下落しているのは、それだけ韓国経済に対する影響力が小さくなったからとみられている。だた、業績回復の兆しがないのも原因で、赤字を出しているグループ会社の切り離しまで噂される始末だ。
 実は今回サムスン電子が発表した緊縮経営は、すでにLG電子やハイニックス半導体が3月から取り組むなど、韓国の電子系企業のほとんどに広がっている。ただ、サムスン電子の社員らの反応を聞くと「今回の緊縮経営発表は予防や段取りではなく戦そのもの。すでに昇給は凍結、新規採用も中途採用もなくなったようだ。(中略)

 サムスン電子もLG電子も韓国内では費用節減、賃金節減と厳しい。ただし、海外投資にはとても積極的だ。サムスン電子は1万円以下の低価格の携帯端末製造のため、ベトナムに工場設立を検討していると発表した。これで韓国では年間700人ほどの職がなくなる。中国とインド工場の増設を含めると2年後には8000人ほどの職が失われる。
 サムスン電子は今年のR&D費用の4割を海外に振り向ける計画だ。しかし、だからといって「サムスンはひどい」とは言えない。ライバルのモトローラやノキアが既にグローバル生産体制を築いているのに、サムスン電子には愛国のため生産コストが高くても韓国にいてほしいとは言えないだろう。

 韓国財政経済部の統計をみると、韓国企業の海外直接投資は毎年急増していて、2006年は前年比2倍と伸び180億ドルを超えた。その25%が中国に投資され、中国を含むアジアへの投資は103億ドルで全体の56%を占めている。北米は16.5%、ヨーロッパは15.6%だった。
 海外投資に積極的なのは安い賃金と土地を求めてというのが一般的だが、実際には韓国の首都圏の不動産バブル、工場を新設できない厳しすぎる土地利用規制、生産職労働組合との問題なども影響している。
 当然だがその分、韓国内の製造業は穴が開いてしまっている。このままではコストの低い海外への移転が加速し、雇用が減り収入が減り消費も減少し経済成長も鈍化する悪循環になってしまうのではないかと怖くなる。産業資源部の調査によると、大手企業上位200社の2007年の韓国国内投資は前年比6.8%増加の56兆4000億ウォンの見込みだが、このまま海外投資が毎年2倍ずつ成長すれば2年後には金額が逆転する。
――――――――――引用以上――――――――――

   サムスンやLGだけではありません。

「韓国企業の利益率はさらに悪化」LG経済研
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=88756&servcode=300§code=300

――――――――――以下引用――――――――――
  昨年の韓国企業の売上高営業利益率は同業種のグローバル企業の半分程度にしかならないことが調査で分かった。 特に、為替レート要因で海外グローバル企業は利益率が高まっているのに対し、韓国企業は利益率が落ちている。

  これはLG経済研究院が業種別にグローバル100大企業と国内10大企業の平均営業利益率を比較した結果だ。 26日、報告書「グローバル業種版図の変化」でこうした内容を発表した。

  ベ・ジホン研究員は「今年に入ってウォン高が進み、韓国企業の利益率はさらに悪化していると予想される」と憂慮を表した。

  以下は報告書の要約。

  昨年、国内電気・電子10大企業の売上高営業利益率は平均1.4%だった。 グローバル100大企業(4.5%)の3分の1にもならない。 自動車も国内企業は平均2.4%であるのに対し、グローバル企業は5.5%と2倍以上だった。 鉄鋼(国内6.8%、グローバル14.7%)分野でも国内企業の実績はグローバル企業の半分水準だった。 韓国主力産業が利益の小さいビジネスをしていたということだ。

  個別企業も同じだ。 現代(ヒョンデ)自動車の昨年の売上高営業利益率は4.4%と、トヨタ(9.3%)、BMW(9.1%)、ホンダ(8.5%)のおよそ半分だった。 00年代初めまで韓国企業の収益性は悪くなかった。 国内電気・電子企業の営業利益率は02年の6.1%から06年には1.4%に落ちた。 電気・電子ほどの利益率低下ではないが、同じ期間、自動車(5.9%→2.4%)、化学(7.9%→5.1%)、鉄鋼(7.4%→6.8%)も落ちている。

  利益率が悪化したのは何よりもウォン高の影響が大きい。 また円安の影響を受ける日本企業、韓国を急速に追い上げる中国企業と激しい競争を繰り広げながら輸出採算性が悪化している面もある。 だからといってウォン高など外部要因を言い訳にすることはできない。 在庫をほとんど抱えないJIT(Just in Time)経営技法を開発し困難を克服した日本のトヨタのように、韓国企業も新しいアイデアで収益性を高めなければならない。
――――――――――引用以上――――――――――

  これらの企業は、今後は資金調達も苦しくなるでしょう。そこに、ブラックストーンのような「中国系ファンド」が乗り出してきたらどうなるか。

  もちろん、抵抗はあるでしょう。しかし、心配はいりません。その買収の先兵として、さっき出てきたような「エリート朝鮮族」を使えばいいのです。それに、国民の大多数が事情を飲み込む前に、また日本をやり玉に挙げたキャンペーンをやっておけば、世論対策としては十分です。

  こうして、中国が韓国を経済侵略で陥落させれば、北朝鮮の背後を取ることができます。近頃急接近している米朝の「同盟」を寸断することも可能になるのです。

  もし、北朝鮮が暴発してきたらしめたものでしょう。大義名分を付けて北朝鮮に侵攻してキムジョンイルを処刑し、さっさと併合してしまえばいいのです。北朝鮮が核を使ってくる可能性はありますが、それなら先制してピョンヤンや核開発サイトにミサイル攻撃やを加える手もあります(アメリカやロシアは北朝鮮と安全保障条約を結んでいないので、何もできない!!)

  そして、その後は朝鮮族を指導層に据えて、完全な傀儡国家を作ってしまうというわけです。

  もちろん、アメリカがいつまでもこういう動きに気づかないということはないでしょうが、どうも北朝鮮を「対中国包囲網」に取り込むことばかりに気を取られていると、韓国というもう一つの「朝鮮」の動きを見過ごすことになりかねません。

  さて、ここで誰もが思うのは、「日本はどうすればいいのか」ということでしょう。その辺は、次回で続けます。(分量が多すぎるので分割した記事になってしまいます。申し訳ありません)

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たまには「ロシア料理」でもいかが?

2007年07月04日 02時50分00秒 | ロシア関連
  「こいつはいつもランドパワーとかグローバリストとか生徒の前でも言ってる変な塾講師なんじゃないか?」(笑)とか、「コメントを書き込む時間からして、ネット中毒なんじゃないか?」(笑)とか、憶測されるのも嫌なので、たまには趣味らしいものを紹介しておきましょう。

  私は、ひとりでも外国料理のレストランにでかけて食事を摂るのが好きです。

  以前はフランス料理やインド料理が多かったのですが、最近これに「ロシア料理」が加わりました。

  今日は、私が何度か行っている東京・新宿のロシア料理店「スンガリー」をご紹介いたします。

  まず、店内です。



  少し薄暗い感じですが、まあカリブ海料理やメキシコ料理を食べるわけではないので(笑)これくらいでちょうどいいでしょう。

  食前酒は、ビールにしました。ロシアで最も飲まれている「バルチカБалтика」というビールです。



  詳しくは●こちらのリンクをご覧下さい。このビールには0から10まで番号が振ってあって、それぞれ味や色が異なるというのがセールスポイントのようです。私が飲んだのは「3番」(ラガービール)です。
  私は酒類はあまり好きではないのですが、外国製のビールは好んで飲みます。アメリカの●「ミラー」というブランドが特に好きですが、バルチカの3番はアルコール度数や口当たりがミラーと似ていて、気に入りました。
  ロシアに行ったら、「俺は酒が飲めなくはない」と主張するために、バルチカの3番を飲むことにします(笑)。ウォッカводкаが飲めないと人間扱いしてもらえないかもしれませんが(笑)。

  次は、前菜です。鮭のクレープ(блины)包みです。



  フランス料理でも似たようなのを食べたことがあります(●こちらのレストランの「そば粉のクレープ」)。可もなく不可もなくといったところでしょうか。玉ねぎに生臭さがなかったのは、当たり前と言えば当たり前ですが、「さすがレストラン、自分の作る料理とは違う」と実感しました(笑)。

  次に、スープです。ボルシチборщも選べたのですが、迷わず「ラグマンлагмон」にしました。



  画像を見れば一目瞭然ですが、ラーメンです(笑)。ウズベキスタンでは麺料理を「ラグマン」と言うようです(ロシア語になるとЛАГМАН ДУНГАНСКИЙ 「中央アジアのラグマン」とでもいうことか)。ДУНГАНというのは、トルコ系の民族を指す言葉ですから、多分中国で食べていた麺類がシルクロードを経て中央アジアに伝わったのでしょう。
  味は、「チリトマトヌードル」のような感じです。ウズベキスタンに行くと日本食はあまり食べられないでしょうから、これが出てくると有り難いことでしょう。もっとも、ロシアなら「ラプシャーлапша」と呼ばれるカップ麺(だいたい韓国製)が沢山売っていますが・・・。

  今回のはスープ麺でしたが、「焼きラグマン(Ковурма лагмон、ロシア語風にлапша поджаренная)」というのもあるみたいです(●こういう感じです)。旅行に行ったら、是非食べてみたいですね。

  さて、メインディッシュです。これも中央アジア起源の「シャシリクшашлык」です。



  写真だとただの一口ステーキのように見えますが、出てくるときは串刺しで出てきます。要するにバーベキューです。「そのまま食べるんですよね」ときいたら、「熱いので皿に取ります」と言われてしまいました(笑)。
  肉は羊肉ですが、臭みが全くなかったのにはビックリしました。牛肉を食べているような気になり、思わず店員さんに確かめてしまったほどです。脂をきちんと取ると臭みがなくなるようですね。

  食後には、「ロシアンティーчай」をいただきました。



  普通の紅茶と大きく違うのは、写真左側にあるようにジャムが付いている点です。それぞれ「カシス」「サクランボ」「バラと蜂蜜」のジャムでした。
  そして、飲み方はというと、中に入れてかき混ぜるのではありません。ジャムを口に入れて舐めるのです。そこにお茶を入れて薄めるような感じです。
  サクランボというのは残留農薬がかなり多い(笑)のであまり手を付けたくなかったのですが、そのまま残すのも何なので、一口だけもらいました(こういうときまで食の安全とやらこだわると、興が冷めるのでやめた方がよい)。カシスのジャムが一番美味しかったですね。

  これで5000円を下回ったので、満足できました。

  しかし、いい気分で外に出たら、マッサージを勧誘する中国人女性が(笑)。そう、ここはかの悪名高き「歌舞伎町」。
  すぐに、道の反対側である西武新宿駅側に逃げました(笑)。閉店時間は早いですが、純朴な方(笑)は「新宿西口店」をご利用になる方がよいかもしれませんね。

  うーむ、出来上がった記事を一瞥すると、わざとらしくロシア語を挿入しているのが実にイラヤシイ記事になってしまいました。
  一応ネットサーフィンだけでなく、ロシア語を勉強しているということを見せつけておきたかったのです。ご容赦下さい

ロシア料理 スンガリー
http://www.sungari.jp/

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【参院選】自民ダメ、民主ダメ・・・ならばどうする?

2007年07月02日 03時53分59秒 | 社会と教育
  ●「自民党は野党よりましだ」と思っている人々へという記事の続きです。

  さて、前編では、自民党も民主党もグローバリストと親和性があり、どちらに勝たせても危険であるということを申し上げました。そのうえで、参議院選挙でどのように投票すればよいのか、私の考えを述べさせていただきます。

  なお、予め断っておきますが、私の考えを初めから理解しようとしなかったり、建設的な姿勢の窺えないコメント(例:○○党みたいな売国政党を支持するなんて信じられない)には一切お答えしません。私は、そういう方に考えを変えていただこうなどと僭越な考えは持っていません。悪しからずご了承下さい。

  まず、重要なことは、今回の選挙に限らず「選挙というのは最善を目指すより、最悪を避けることを考えなければならない」ということです。

  これは私のオリジナルの言葉ではなく、コメントを頂いた早雲さんのおっしゃったことです。しかし、非常に重要な意味を持っていると思うので、あえて取り上げさせていただきました。

  最善を目指してしまうと、困った事態を招く可能性があります。それは、理想として掲げているもの(最善)だけに目を奪われて、それ以外の側面を見ようとしなくなることです。
  安倍首相はいろいろ美しい理念を掲げて、手垢の付いた戦後体制を脱却しようとブチ上げました。もちろん、それを支持する人は結構いたわけで、私もまあ消極的に支持した過去があるくらいです。
  しかし、その理念を実現したいと思う余り、その政治家の負の側面に全く目を向けなくなってしまうのはどうかと思うのです。日本が毅然とした国になるために、憲法をなんとしても改正してほしい。だから、経済問題は目をつむろう、どうせ数字や専門用語が多くて自分にはよくわからないし・・・というのは、有権者として好ましい姿勢とはどうしても思えません。
  わからないだけならまだいいのですが、地方と都会の格差だの、非正規雇用の増大だのを話題にした人間に対して牽強付会で反論したあげく、「おまえは社会主義者だ」「安倍さんを批判して、北朝鮮の工作員か」などと罵倒し始めたらもうおしまいです。

  そうして、安倍首相は非正規雇用ばかりの若者に希望を与える策も打ち出せず、年金問題では行政責任者として泥縄の対応に終始しました。結局、支持を失って、憲法改正からも遠ざかってしまっているのです。そうなる前に、支持者の方たちは、首相に対して、愛の鞭を加えておくべきだったのではありませんか。

  最善の政治を思い描くことと、現実にいる政治家を「理想の政治家だ」と信じて疑わないことは全く別の問題です。批判を受けない政治家にとっても、彼に無批判な国民にとっても、いい結果は生みません。

  今は安倍首相の話をしましたが、もちろん、同じことは民主党にも言えるわけです。「共生」社会の理念に共感して民主党を支持し続けたら、いつの間にか中国が作らせた「強制」収容所にブチ込まれていたというのでは話になりません。

  そして、このブログが避けなければならないとする「最悪」というのは、

  「安倍政権が国民の信任を受け、グローバリストの暴走に歯止めがかからなくなること」

  です。理由は、前回の記事に書いたので割愛します。

  しかし、だからといって、

「民主党が本格的に政権を運営する立場に就く」

  というのも、避けなくてはいけませんです。そうなれば間違いなく、中国との一体化が進められてしまうからです。グローバリストも、彼らの利益を極大化する政策(たとえば中国とのEPAや、外国人労働者の解禁)については、積極的に民主党政権を支援するはずです。
  そうだとすれば、参院選に限らず、最も遅くて2009年にある衆議院選挙でも、考えなくてはいけないのは、「その時の政権与党(=グローバリストの道具)に独走させないこと」に尽きると言えるでしょう。矢継ぎ早にデフレ推進や対外進出促進の法案を通されないためです。国民経済を守るには、これしかありません。

  そして、今回の参院選の投票の仕方としては、こんな感じでいいと思われます。

(1)鳥取のような一人区では、民主党に投票する

(2)東京のような複数改選の選挙区では、
  「国民新党」か「共産党」に投票する。
  (改選人数が二人なら、民主でもよい。)

(3)比例区は、第一に「維新政党新風」、
  第二に「国民新党」「共産党」のどちらかに投票する

(4)「自民党」「公明党」「社民党」には絶対に投票しない  

  (1)は、自民党の独走を押さえるという意味合いです。特に、東アジア共同体の成立を前提としている安倍内閣の「アジア・ゲートウェイ構想」は、絶対にお流れにしなくてはいけません。
  「中国朝鮮でないアジアと結びつくならいいじゃないか」などという問題ではありません。それで済むなら、なぜ日本企業はベトナムではなく中国にばかり進出するのでしょうか。たとえばフィリピンで足りなくなったら、絶対に中国も入れようという話になります。利益を極大化するグローバリストの習性を忘れてはいけません。

  (2)で、本当は新風を挙げたいところですが、涙を呑んでこの二つの政党を挙げます。

  「国民新党」は、旧来の自民党の土木利権と結びついている政治家が多く在籍しています。しかし、「累進課税の強化」という、グローバリストにとって一番痛い政策を掲げている(ということは、グローバリスト寄りの政策にはことごとく反対する)ところは評価に値します。外国のファンドによる企業買収にも否定的(●こちらのリンクを参照)です。
  なにより、彼らは「利権政治家」であり、利権の種になる地方経済を決定的に破壊してしまうような暴挙までは犯せません。そんなことをしたら、自分も終わってしまうからです。

  グローバリストが平気で地方社会の破壊に走るのは、シャープ亀山工場の事例や、日立の茂原工場の事例などで明らかです(●こちらのリンクを参照)。
  この二つの企業は、誘致活動で税金の投入を受けながら、地元での正規雇用をほとんどしない、それどころか減らすような真似に出ました。シャープの株主の30%、日立に至っては40%が外国人投資家です。こういう連中が「株主利益の最大化」「国際競争力の強化」と称して、極端な合理化を進めさせているというわけです。

  もちろん、国民新党がそういう動きを阻止、是正しようとしないのなら、次の衆議院選挙では投票してはなりません。

 「共産党」ですが、私ははっきり言ってこの政党が嫌いです。彼らの支持母体である全教(全日本教職員組合)が、教育現場でろくなことをしていないのは、国立市の教育の惨状を見れば明らかだからです。
  しかし、「蔑視」はしていません。雇用や労働問題、行きすぎた規制緩和に対しては、それなりに筋の通ったことを主張しているからです。

  たとえば、以下のリンクに興味深い記事が出ています。

【奥谷禮子】郵政民営化を食い物にする蛆虫【バカ社長】
http://drmccoy.blog39.fc2.com/blog-entry-64.html#more

--------以下引用--------
 人材派遣会社「ザ・アール」の奥谷禮子社長が郵政民営化後の持ち株会社、「日本郵政株式会社」の社外取締役という公職につきながら、「ザ・アール」が日本郵政公社の仕事をこの四年間で七億円近くも受注しているという関係がわかりました。

 これは、日本共産党の吉井英勝衆院議員の資料要求に対して、日本郵政公社が「ザ・アール」との契約実績を明らかにしたもの。

 それによると、「ザ・アール」は、二〇〇三年四月一日からことしの二月二十三日までの間、日本郵政公社との間で三十五件、約六億八千三百六十万円にのぼる契約をしています。
--------引用以上--------

  これって、立派な自己取引ですね。会社から損害賠償請求されて当然の事例です。しかも、郵政公社というのはまだ公営企業なのですから(こういうときだけ「郵政事業は単体で黒字だから」などと言う人は、じゃあなんで郵政民営化に賛成したんだ!!)、収賄に限りなく近い事案だといえます。

  国政調査権や委員会質問というのは、こういうことのために使うのです。

  なぜ、こんな薄汚い真似を、格好の「小泉カイカク」に対する攻撃材料を、他の野党は使わないのでしょうか。特に、民主党は一体何をやっているんでしょうか!?歳費を返せ、と言いたくなります。

  こういう「ほじくり返し」が増えれば、そのうちマスコミも取り上げざるを得なくなります。取り上げなければ、今度はネットの世界で「マスコミは党首討論に変なカットを入れてるんじゃないのか」と指弾されます(それすらなかったら、もうネットの力で・・・云々など何も期待できない)。
  このよううに、グローバリストによる日本暴走を防ぐには、共産党のような偏向政党でも役に立つのです。
  
  じゃあ、「社会民主党」はダメなの?という人がいるかもしれません。絶対ダメです。
  この政党について、不思議に思うことがありませんか?それは、「議員の数が少ないのに、醜聞が異常に多い」(たとえば●幹事長の下半身問題など)ことや、「共産党よりも、発言が格段にメディアに取り上げられたり、某掲示板で叩かれる回数が圧倒的多い」ということです。
  この政党はグローバリストの手下たちをまともに見せたり、雇用問題を取り上げる政治家を反日勢力に見せるためのサクラ役なのです。鋭い委員会質問もなく、安倍首相にブチのめされて終わるだけの党首討論ばかりしているところから、もうやる気もなく、ピエロとしての仕事を甘んじて引き受けようとしているのでしょう。もしかしたら、社会党の頃みたいに、自民党と賭け麻雀をやってわざと負けてもらい、国会対策費用を頂戴しているかもしれません(●こちらのリンクの西山氏の文章を参照)
  こんな政党が議席を増やしたら、グローバリストはかえって喜ぶんじゃないでしょうか。そういえば、民主党もこの党とはやたら選挙協力していますよね・・・。

  (3)について、「維新政党新風」は言うまでもなく一押しの政党です。あえて国民新党と共産党を入れているのは、一応、新風の思想を理解できない方々のためです。

  新風の議員を1議席でも2議席でも国会に送り込めれば、愛国や保守を志す人々は自民党を見限っているという強烈なメッセージになります。まだご覧になっていない方は、是非とも●こちらのビデオ(3本のうちの2本目)を見ていただきたいです。「公明党と創価学会」「解放同盟」「在日朝鮮人」「パチンコマネーと北朝鮮のつながり」といった、我が国の政治を決定的に歪めている要因の指摘を、これほどはっきり行った政党が今まであったでしょうか?

  「理想を目指すのはダメなんじゃないの?」と突っ込みたくなる方もいるかもしれませんが、国民の間に瀬戸さんの演説を支持する声があるのだ、という事実を、グローバリストやその犬たちに突きつけなければなりません。既存の政党に対する、最上級の牽制になること間違い無しです。

  では、上のような私が考える絵図に従って選挙が終わったとして、もう一つ大事なことがあります。上の三つの政党、特に新風に期待することと言ってもいいかもしれません。

  それは、「公明党(の閣僚)に対する徹底攻撃」です。

  公明党が二期連続で支配している省庁が、どんな「実績」を挙げているか。簡単に見ただけで空恐ろしくなります。

外国人犯罪を誘引する「公明党」に引導を!
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-621.html

  こちらで言及されている、「韓国人に対する観光ビザ免除の恒久化」を決めたのは、「北側一雄」前・国土交通大臣です。

日中韓でICカード、交通や宿泊で共通利用・導入検討で一致
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20070626AS2M2600K26062007.html

--------以下引用--------
 日中韓の3カ国は26日午前、青島市内のホテルで観光担当相会合を開き、3カ国の観光協力の具体策を盛り込んだ「青島宣言」を採択した。「観光客の利便性を高めるシステム構築について協議を推進する」として、3カ国の公共交通機関などで利用できる共通ICカードシステムの検討を進める方針を示した。
--------引用以上--------

  リンク先で満面の笑みを浮かべているのは、「冬柴鐵三」現・国土交通大臣です。朝鮮や中国と仲良くできるのが本当に嬉しそうですね。

  残念ながら、創価学会の票を当てにしている自民党や、どう考えても中国寄りの民主党には、こういう政策は批判できません。だからこそ、特定の支持団体のない新風が、これらの売国行為を徹底的に批判して行くべきなのです。

  具体的には、小政党の必殺技である「質問主意書」を、集中的に公明党の閣僚に送りつけます。これは、口頭の質問と違って時間的制約がない上に、閣僚には答えなければならない義務があるからです。そして、その答弁書を全てネットにアップします。今更この党が「親日的」になるわけがありませんから、外国人寄りの答弁ばかりしているのが、白日に晒されるというわけです。

  党首討論になったら、国民新党と手を組んで、公明党の閣僚を集中攻撃すべきです。特に、「公明党は自民党といっしょになって格差社会を容認しているのか」「外国人犯罪を助長していないか」というのは、福祉を謳っている政党だけに、かなりダメージになるでしょう。
  そうすることで、自民党内に連立に慎重になろうという意見がでてきやすくはなります。何より、他の党を支持している有権者が、新風を支持するようになるはずです。それを衆議院選や、統一地方選につなげるのです。

  そうやって、自民党にまだ何人か残っている、グローバリストの犬に成りきっていない政治家が動きやすい環境を作っていくことです。その流れに、民主党のまともな政治家たちが合流すれば、本当の意味での政界再編につながります。
  そのためにも、是非、「維新政党新風」が議席を勝ち取らなくてはいけないのです。参議院選挙で、みなさんが賢明な判断を下すことを期待いたします。

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外資におもねる「保守」系新聞社~戦前の悪夢再び?

2007年07月01日 02時45分33秒 | 社会と教育
  ●以前の記事で取り上げた、「はげたか」外資を、ブルドックソースが撃退に成功したというニュースです。  

価格向上の買収、排除の恐れ ブルドック防衛策 司法判断で波紋
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200706300022a.nwc

--------以下引用--------
 米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドが申し立てていたブルドックソースの買収防衛策の差し止め請求が東京地裁で28日、却下された。却下そのものに対しては、「妥当」との声が大勢だ。ただ、今回の司法判断が確定すれば、「敵対的買収」が完全に排除され、結果として、日本のM&A(企業の合併・買収)が後退しかねないと懸念する声も上がっている。

 今回の決定は、株主総会に特定の株主を退ける権限を認めたという点で大きな意味を持つ。特に、防衛策発動への賛成が83・4%に上り、3分の2以上の賛成が必要な「特別決議」をクリアしたことを評価した。経営サイドから見れば、特別決議をクリアすれば、経営陣に不都合な株主を排除することができるということになる。

 ≪少数株主の権利奪う≫

 そもそも、「賛成が80%を超えるなら、防衛策は必要なかったはず」(法曹関係者)との声は根強い。賛成票を投じた株主がスティールのTOBに応じる可能性は限りなく小さく、スティールは経営に影響力を行使できる3分の1超を確保できなかったはずだ。

 敵対的TOBの排除は、スティールのTOB価格を評価し、売却したいと考える少数株主の権利を奪うことにもなる。

 新株予約権の発行でスティールの持ち株比率を引き下げる防衛策を発動するのではなく、「株主にスティールの問題点を示すと同時に企業価値向上のための対抗策を提示し、TOBを受けて立つべきだった」(同)ともいえる。

 株式市場関係者の間では、敵対的TOBについて、「経営者の恣意的な判断を排除し、純粋に株主の判断に委ねるという点で意味がある」(証券アナリスト)との声は多い。

 総会も株主に判断を委ねるという点では同じ。ただ、安易な防衛策の導入は、経営者が市場や株主の監視の目を意識しなくなるなど、経営規律の緩みを招き、結果として、企業価値が低下し、株主利益が損なわれる懸念もある。

 大和総研制度調査部の横山淳統括次長は却下の影響について「戦略の修正を迫られる投資ファンドが出てくる」と指摘する。今後は、経営陣や従業員の同意を得た友好的な投資ファンドしか、日本市場では受け入れられなくなる可能性があるためだ。

 ≪改革スピードダウン≫

 だが、経営陣にとっては不都合だが、企業価値向上につながる大胆な提案までも排除されるような辞退となれば、日本の企業の経営改革のスピードを大きく損なわれることになる。

 スティールに敵対的TOBを仕掛けられた明星食品が、「ホワイトナイト(白馬の騎士)」となった日清食品の傘下に入ったように投資ファンドが再編の背中を押す役割を担っているのは間違いない。M&A後退は、少子高齢化を見据えた日本経済の構造改革にもマイナスとなる。

 株式市場では「M&A機運の高まりは基本的には買い」(大手証券)との声は多く、欧米市場ではM&Aの活発化が株価を押し上げている。29日の東京市場では、スティールが手を引くとの観測から、投資先企業の株価が軒並み値を下げた。「日本市場には障壁がある」との見方が広がれば、日本からの資金流出が一気に加速する懸念もある。
--------引用以上--------

  これ自体は、悪くないニュースでしょう。むしろ、日本企業にとって、吉報といっていいかもしれません。

  しかし、その後の論評にはかなり問題があります。フジサンケイビジネスアイという雑誌が、グローバリスト(※注)におもねっているからです。

※グローバリスト
 自国内に与える影響を考慮せず、自己の利益を
 極大化するため、積極的に海外に進出し、
 国家間の垣根を取り払おうとする個人または集団
 (●こちらの記事を参照)

>日本のM&A(企業の合併・買収)が後退しかねないと
>懸念する声も上がっている。

  ウンウン肯いていた方もいらっしゃっるんじゃないですか?しかし、実はここ、要注意箇所です。

  この部分は「主観の垂れ流し」にすぎません。「M&Aが後退」することが、「懸念す」べき問題なのかどうか、論拠を示していないからです。このような主張をする以上、なぜM&Aが必要か、十分に論証しなくてはならないということです。
  これとよく似たミスリードは、朝日新聞がよく使います。非常に卑怯な論法です。親(産経新聞)が朝日と、社説で仲良く低レベルな罵り合いをしているだけはあります(●こちらのブログを参照)。

>日本の企業の経営改革のスピードを大きく損なわれることになる。

  これも、上と同様のミスリードです。この部分が正しい言説であるためには、「日本の企業」一般が、自力で「経営改革」を行うことができない、もしくは企業存続を危うくするほど改革のスピードが遅くなくてはなりません。そうであって初めて、買収防衛策を排除することは不当だという結論が出るのです。
  もちろん、その点について論拠は全く提示されていません。日本企業はみんな愚図でのろまなやつばっかりだ、という低劣な罵倒に過ぎません。経団連や経済同友会は、「日本企業のイメージダウンを狙った悪質な言論」として、フジサンケイビジネスアイを名誉毀損もしくはで告訴すべきです(笑)。

>M&A後退は、少子高齢化を見据えた日本経済の
>構造改革にもマイナスとなる。

  少子高齢化というのは、グローバリストが国民をくらーい気持ちにさせるために、よく使われるキーワードです。しかも、だから「構造改革」をしろと・・・もう、骨の髄までグローバリストの軍門に下っていますね。

  国民も、こんな論法にいつまでも騙されていてはいけません。

>企業価値向上につながる大胆な提案までも
>排除されるような辞退となれば

  周囲から見て容易にわかるほど画期的な提案なら、役員会が真っ先に検討すると思うのですが・・・・。

  まさか、この記事を書いた人間は、「日本企業は全て退廃していて、企業努力は期待できない」とでも考えているのでしょうか。日本でそこまで腐りきっているのは「新聞」などの「マスメディア」くらい(笑)でしょう。自分たちが真っ黒だから、他の企業も真っ黒だと決めつけない方がいいと思います。

  ところで、「大胆な提案」をしてくれそうな出資者様の実態はこんな感じです。  

謎の投資ファンド「スティール・パートナーズ」とは
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/03/post_2074.html

>「スティール・パートナーズ」は2人のユダヤ系アメリカ人
>ウォレン・リヒテンシュタインとトム・ニーダーマイヤー
>によって旗揚げされた。

>1990年代にケイマン諸島(税金を安く済ませるために多くの
>企業が法人設立をしている、タックスヘイブンとも呼ばれる)
>に複数の投資ファンドを設立

  本物のグローバリストですね。中でも一番たちの悪い「国際金融資本」という連中です。

  彼らの武器は基本的に「金」しかありません。しかし、近代化の過程で、土地や労働力は全て金銭に換算して取り引きされるシステム(いわゆる「近代経済」)が完成している以上、これ以上の武器はありません。
  基本的に、国際金融資本は投資した相手が利益をもたらすかどうかという一点だけに関心があります。養鶏家が、鶏の生む卵に関心があるのと似ていますが、国際金融資本は、基本的に鶏(=企業)に餌もやらず、世話もしません。
  当然鶏は身体が弱ってきますが、そうしたら別の鶏を買えばいいと思っているだけです。そういう点では、洗車もオイル交換もせず、走らなくなったら道ばたに車を捨てるカーオーナーと似ています。たしかに、日本人から見れば「大胆」ではあります(笑)。

>興味深いのはこのファンドが設立された直後、両者は
>来日し、村上ファンドの村上世彰氏をたずねたという。
>村上氏は、「スティール・パートナーズは『時価総額が
>純資産を下回る割安な株に注目している』。
>つまりは村上ファンドがしているようなことを
>日本でスティール・パートナーズも行いたい」
>という相談を持ちかけたとのことだ。

  まあ、こういう人々だということです。村上ファンドが出資した企業が、魅力的な商品を生み出したり、何か生活を便利にしたというニュースを聞いたことがあるでしょうか。
  村上ファンドは、日本版国際金融資本になろうとしたのでしょう。しかし、派手にやりすぎました。その結果、企業防衛の必要性が認知されてしまったわけです。もしかしたら、それがグローバリスト(国際金融資本)の逆鱗に触れて、お縄を頂戴したのかも知れませんね。

>「日本市場には障壁がある」との見方が広がれば、
>日本からの資金流出が一気に加速する懸念もある。

  そんなことは絶対にありません。日本企業の多くが、国民経済に寄与する財やサービスを提供することができています。技術力のレベルも、後を追う朝鮮や台湾に完全に水をあけています。投資対象としての魅力は衰えていません。
  だいいち、スティールパートナーズはそういう企業(株価が割安な優良企業)が多いからこそ、日本に進出してきたのではありませんかね。それを、日本のマスコミ自身が「日本の企業はダメだ」と、勝手に騒いでいるわけです。そうして結果として株価が下がれば、優良企業をもっと買収しやすくなりますからね。

  こうなると、日本のマスメディアは、グローバリストから金をもらって記事を書いているといるんじゃないかとすら思えてきます。

  こちらのリンクも、参考になります。

外国人労働者問題-在京六紙がすべて賛成の恐ろしさ-
http://homepage3.nifty.com/nskk/ronpyo013.htm

  ネット右翼や自称保守の方々が大好きな産経新聞も、こんな記事を書いているしまつです。

--------以下引用--------
【2004年7月11日付産経新聞「主張」より】政府は、看護師、介護士などは、日本語ができ、日本での研修を条件に、枠を決め、部分的、段階的に受け入れる方向を検討中のようだが、当面の策としては妥当な方向だろう。ただ、外国人労働者受け入れは、少子・高齢化対応などでメリットも期待できる半面、不法滞在者、外国人犯罪の増加、単純労働者への差別、社会不安要因など問題も多い。教育、社会保障の整備など総合的、長期的に取り組む必要もある。安易な受け入れは危険で、国益に反しかねない。日本経団連は今年四月、「外国人受け入れ問題に関する提言」で、(1)秩序ある受け入れ(2)外国人労働者の人権と尊厳(3)受け入れ国、送り出し国の双方のメリット-の三原則を示し、政府に「外国人庁」の創設を求めたが、傾聴に値する内容だった。国民的議論の高まりを期待したい。
--------引用以上--------

  グローバリストの相互扶助団体である経団連の外国人受け入れ提案を「傾聴に値する」などと書いています。
  冒頭の記事もそうですが、産経グループが保守だというのはひどいジョークです。どこの世界に、移民受け入れを「傾聴に値する」などとうそぶく保守派がいるのでしょうか。
  狂牛病問題を注意深く避けたり、安倍内閣を支持し続けているところから見て、産経こそグローバリストの御用新聞だという可能性すらあると思われます。

  まるで、戦前のようですね。あの頃は、「財閥」や「革新官僚」というグローバリストを応援するために、新聞各紙は日本のアジア進出をさんざん煽りまくりました。いわゆる「大アジア主義」です。

言論死して国ついに亡ぶー新聞メディアの反省と教訓(PDF)
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/~maesaka/gennronnshishitekunihorobu_050406.pdf

--------以下引用--------
戦後、新聞は自らの戦争責任についてはほとんどふれず、戦前の報道についてはとかく、言論統制や検閲の厳しさばかりを強調しがちである。しかし、満州事変から二・二六事件あたりまでは、書く気さえあれば、その後ほどがんじがらめの統制ではなかった。言論の勇気の欠如こそが問題なのである。

事変(引用者注:1931年の満州事変のこと)前までは厳しい軍部批判を展開していた『大阪朝日』も事変勃発とともに「木に竹をついだ」転換が行われた。当初、大阪朝日編集局は整理部を中心に事変反対の空気がみなぎっていた

が、事変約一ヵ月後に開かれた重役会は「日本国民として軍部を支持し国論を統一することは当然」として軍部や軍事行動に対しては絶対に非難、批判を下さないよう決定したのである。 これに対して、整理部の反対が依然として続き、会社側は大異動して事変反対の空気を一掃した。

 (中略)

国際連盟で一致して採択されたリットン報告書が1932(昭和七)年十月に公表された時、各社は猛烈に反発し最大級の悪罵が並んだ。ヒステリックでセンセーショナルという当時の新聞の〝病気″が社説にも示されていた。

『東京朝日』 - 「錯覚、曲弁、認識不足」
『東京日日』『大阪毎日』-「夢を説く報告書-誇大妄想も甚し」
『読売』 - 「よしのズイから天覗き」
『報知』 - 「非礼誕匿たる調査報告」

国際連盟脱退のキャンペーンをいち早くはったのは『東京日日』だが、『朝日』、『読売』らもこれに追随した。同年十二月十九日、全国百三十二の新聞は連盟脱退への共同宣言を第一面に掲載した。
--------引用以上--------

  私は筆者である前坂教授に全面的に同意はしませんが、このような戦前の新聞の実態を取り上げている点は評価したいです。

  当時、朝日新聞にコミンテルンの工作員である尾崎秀美(おざきほつみ)が在籍していたことは有名ですが、どうも本質的に、大新聞にはスポンサーであるグローバリストの宣伝装置の役割を果たすという性質があるように思えるのです。

  新聞記事が自分にとって「耳触りがよい」、もしくは「価値中立的である」ように思える場合こそ、私たちは警戒しなくてはなりません。それが、グローバリストの撒き餌という可能性もあるのです。気づいたら、中国権益を巡って戦争が始まっていたというのでは話になりません。
  このようなブログで情報を発信できることの意味は、そのへんにあるように思うのですが。

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