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冷戦だ!!冷戦が再開したぞ!!

2007年07月20日 08時47分58秒 | 地政学・国際関係
さて、最近こういう「事件」があったことはご存じでしょうか。

「報復」措置を示唆、英による外交官追放でロシア外務省
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707170024.html

--------以下引用--------
ロンドン――英国政府が16日、昨年末のロシアの元情報将校の毒殺事件に絡み駐英のロシア外交官4人の国外退去を命じた問題で、ロシア外務省報道官は同日、英側の行動を「道徳に反するもの」と非難、しかるべき報復措置を取ると警告した。

AP通信によると、報道官は英国の挑発的な対応は、両国関係で最悪の結果を招きかねないと述べた。報復措置の具体的な内容には言及しなかったが、17日午後にも発表の見通し。ロシア各紙は「外交戦争の開始」と大々的に伝えている。

ロ外交官の追放は、英国が求めた事件容疑者で旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員のアンドレイ・ルゴボイ氏の身柄引き渡しをロシア政府が拒否したことを受けた措置。

ロシアのインタファクス通信によると、ルゴボイ氏は16日、英国による外交官処分を受け毒殺事件は初めから政治的な文脈を持っていたことを改めて示したと語った。同氏は事件で無罪を主張している。
--------引用以上--------

  文中の毒殺事件というのは、こういう事件です。

リトビネンコ事件のまとめ
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/11/post_371c.html

  元ロシアの諜報部員だったリトビネンコという人物が、ロシア当局に毒を盛られて殺害されたのではないかという事件です。リトビネンコ氏の経歴について、面白い記述があります。

--------以下引用--------
1998年、FSB上司をロシア富豪ベレゾフスキー氏暗殺を企てたと公的に告発し、職権濫用罪で9ヶ月間収監される。釈放後の2000年にイギリスに亡命し英国市民権を得て、家族と共にロンドンに在住していた。
--------引用以上--------

  普通の方であれば、思ったのではありませんか。

  なぜ、イギリスなんかに亡命したんだ?

  あくまで私の考えですが、リトビネンコは「イギリスのスパイ」だったのではないでしょうか。それも、亡命した2000年以降ではなく、1998年に上司を告発した時点から。
  イギリスというのは、かの有名な映画「007シリーズ」の元ネタになるほど、情報機関が強い国として有名です。「イギリス情報局保安部」(いわゆるMI5)と「イギリス情報局秘密情報部」(いわゆるMI6。残念ながら、殺人許可証を持っている職員はいないらしい)という機関が有名です。

  そして、ついさっき入ってきた続報です。

英の外交官4人を追放 ロシアが報復、声明発表
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007072002033979.html

--------以下引用--------
 ロシア外務省のカムイニン情報局長は十九日、モスクワに駐在する英国人外交官四人を追放するとともに、英国政府職員のロシア訪問を停止するとの声明を発表した。英政府がロシアの外交官四人の国外追放を発表したことへの報復措置。ロシア外務省のグリシコ次官が同日、ブレントン駐モスクワ英大使に通告した。

 インタファクス通信などが伝えた。

 ロシア側が、外交関係の事実上の一部凍結に踏み切ったことで、英ロ関係が決定的に悪化することは、避けられない情勢となった。

 カムイニン局長によれば、ロシア側は英国政府職員へのビザ発給を停止、ロシアの外交官も英国へのビザ申請を行わない。従来続けてきたテロ対策での両国の協力も停止される。声明でロシア側は「英国政府の挑発的で非友好的な措置への回答だ」と英国を批判している。
--------引用以上--------

  もっとも、このへんについて細かい知識をいちいち知っても仕方がありません。問題は、これらの事件が何を意味しているかということです。

  ズバリ申し上げましょう、それは「欧州ではすでに第二の冷戦が始まっている」ということです。

  それを示す資料を、いくつか挙げておきます。

米MD計画 チェコ配備見直さず ロシア反発の可能性(6/15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007061502024405.html
--------以下引用--------
 ベルギー訪問中のゲーツ米国防長官は十四日、ブリュッセルで記者会見し、東欧へのミサイル防衛(MD)配備に関連して「チェコへのレーダー配備を進めるつもりだ」と述べ、ロシアが反対するチェコへのレーダー配備の見直しに否定的な考えを示した。
 東欧へのMD配備に反対してきたロシアのプーチン大統領は先週行った米ロ首脳会談の中でチェコではなく、アゼルバイジャンのレーダーをMDシステムに組み込むことを逆提案し、これが受け入れられれば、MD配備を検討する意向を示していた。
 ゲーツ長官はチェコへの配備にこだわる一方で、「アゼルバイジャンのレーダーは追加的な能力とみている」などと指摘。ロシア側の主張に配慮し、場合によってはチェコのレーダーに加え、アゼルバイジャンのレーダーを使用する可能性を排除しなかった。
 ブッシュ米大統領も検討を約束し、七月のプーチン大統領の訪米時までに両国間で専門家協議を行う意向を示していた。
 ゲーツ長官の発言はアゼルバイジャン配備を完全否定するものではないが、ロシア側の反発を招く可能性もある。
--------引用以上--------

  アメリカの動きです。「チェコ」という国に、アメリカがミサイル用レーダーを導入しようとしているのですが、ロシアはそれに反対しているようです。
 
  「チェコ」は東ヨーロッパの国です。東欧の地図を確認しておきましょう。



  赤い★印がチェコです。ちょうどヨーロッパの中央に位置しているのがよくわかりますね。

  アメリカは、チェコにおけるミサイル防衛の目的を「ならずもの国家への対抗手段」だと表明しています。すぐに思いつくのが、核開発を進めている「イラン」のことです。そこで、ロシアのプーチン大統領は「それならアゼルバイジャンでもいいじゃん」と、逆提案しているのです。
  もちろん、アメリカがそんな要求を呑むわけがありません。理由は簡単です。アメリカのミサイル防衛の対象国は「ロシア」だからです。チェコは北大西洋条約機(NATO)の加盟国です。この団体の本来の目的は、「ソ連の西欧侵攻を防ぐ」ことでした。まあ、言うなればNATO本来のあるべき姿に戻ったということになります。

  ロシアも当然これには一歩も引かない構えでいます。

ロシア、欧州通常戦力条約の履行停止
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070714AT2M1401L14072007.html

--------以下引用--------
 ロシア大統領府は14日、プーチン大統領が欧州地域での戦車や火砲など通常兵器の保有上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行を停止する大統領令に署名したと発表した。欧米に揺さぶりをかけ、米国が計画する東欧へのミサイル防衛(MD)施設配備や北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大問題で譲歩を引き出す狙いとみられる。

 ロシア外務省は同日、声明を発表し、CFE条約の停止について「ロシアの安全保障上の懸念に建設的な回答がない」などと説明。「対話の道に門を閉ざすわけではない」とも指摘した。プーチン大統領は4月の演説の中で、東欧へのMD配備やNATO拡大を批判し、条約の履行を一時停止すると表明していた。
--------引用以上--------

>欧州地域での戦車や火砲など通常兵器

  ロシアは典型的な「ランドパワー」(大陸国家)です。ランドパワーの力関係は、相手国にどれだけ陸軍力を投射できるかで決まりますから、ロシアが戦車や火砲を無制限に保持することは大変危険なわけです。
 
  では、なぜアメリカとロシアがそこまで角逐するのか。理由は、以下の記事からもわかります。

カタール、ロシアと天然ガス開発で協力
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070628AT2M2800528062007.html

--------以下引用--------
 カタールのアティーヤエネルギー・産業相は27日、ロシアのフリステンコ産業エネルギー相らと会談するため同国に向け出発した。アティーヤ氏はカタールとロシアが天然ガス開発で協力する可能性を示唆したが、石油輸出国機構(OPEC)のような機能を持つガス生産国のカルテルを設ける意図については「難しい」と否定した。

 天然ガスの確認埋蔵量でロシアは世界一位、カタールは同三位。両国やイランなどでつくる「ガス輸出国フォーラム」は4月の閣僚級会合で、将来のカルテル創設の可能性を探る作業部会の設置で合意していた。カルテル創設にロシア、イランが前向きだが、カタールは難色を示している。
--------引用以上--------

  アメリカが潰したいのは、これです。

>ガス生産国のカルテル

  今後、枯渇する可能性が高く、温暖化の元凶となっている石油から、天然ガスへシフトしようという動きが世界的に高まっています。そこにきて、こんなものができてしまったら、ロシア=ランドパワーが世界を支配することになってしまいかねません。

  さらに、面白いニュースもあります。

欧州向けガス管建設でガスプロムが覚書
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20070624D2M2400B24.html

--------以下引用--------
 ロシア産業エネルギー省などによると、ロシア政府系企業ガスプロムは23日、イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る欧州向け天然ガスパイプラインを建設する覚書に調印した。

 ロシアはイタリアを含む欧州南部への天然ガス、原油の輸出を強化する戦略を推し進めており、同省は今回の建設計画が「欧州のエネルギー安全保障の向上に貢献できる」としている。欧州のガス需要増加に対応すると同時に、資源を通じて欧州への影響力を拡大する狙いもあるとみられる。

 ロシアから欧州へのパイプラインによるエネルギー供給は、主にウクライナ、ベラルーシを経由しているが、両国とロシアの対立のあおりで昨年と今年の2回にわたって一時停止しており、ロシアは供給ルートの多角化を図ってきた。

 欧州連合(EU)は天然ガスの約4分の1をロシアに依存している。  
--------引用以上--------

>イタリアの石油大手ENIとの間で、ロシアから黒海を経てブルガリアに至る
>欧州向け天然ガスパイプラインを建設する

  ここは重要です。もう一度、さっきの地図を見てみましょう。

  ロシアから天然ガスのパイプラインを引っ張り、直接ガスを供給することになれば、ヨーロッパはロシアにエネルギーを依存することになるわけです。元栓はロシアが握っているわけですから、言うこともきかざるをえなくなるでしょう。つまり、ロシアにはエネルギー依存度を高めてヨーロッパを支配するという遠大な目標があるわけです。
  そこで、軽いジャブとして、まずサミット参加国でもある工業国イタリアを落としにかかったというわけです。ブルガリアはNATO加盟国ではありますが、ポーランドのようなアメリカの飼い犬というレベルにはありません。
  おそらく、次に狙われるのは、NATO脱退の前歴がある「ギリシャ」か、コソボ紛争でNATOに攻撃された過去があり、ロシアと自由貿易協定を結んでいる「セルビア」でしょう。特に後者は内陸国なので、ロシアには口説きやすそうです。
  そうなると、次はそのセルビアから分離した「モンテネグロ」が狙い目です。ここを突破すれば、アドリア海の向こうがイタリアです。この国の動静は注目ですね。

  そうは言っても、こちらはまだ「小物」です。ロシアが本当に狙っているのは「ドイツ」です。なぜなら、ドイツは欧州最大の工業国であり、何より常にロシアにとって脅威になってきたランドパワー国家だからです。ここを骨抜きにすれば、陸軍力の弱いフランスやオランダなどものの数ではないわけです。ロシアがドイツを狙っているというのは、ドイツのシュローダー前首相が、ロシアのガス会社「ガスプロム」の系列会社で社長になり、丸儲けしていたという事件(●こちらのブログを参照)からもわかります。
  だからこそ、アメリカもチェコにミサイル防衛をテコ入れしているのです。●以前の記事でお伝えしたように、黒海の東岸にあるグルジアはアメリカの飼い犬になっていますから、あとはチェコでにらみを利かせれば、オーストリア経由だろうと、バルト海経由だろうと、どちらのパイプラインも妨害できます。まさに、ここがオセロの角なのです。

  これが、冷戦でなくて何なのでしょう?

  今回の米ロ対決が以前の冷戦と違う点は、アメリカの防衛ラインが東寄りになったことと、統一したドイツが旧西ドイツほどの「同盟国」(アメリカの言うことを素直に聞く手下)ではなくなっている点です。これは、アメリカにとっては、ヨーロッパにおける防衛コストが増大しているということを意味します。このことは、冒頭にあるように、ロシアとの戦いにイギリスの力を借りていることからもわかります(イギリスは特に中東ではアメリカより情報網が強い)。
  これに加えて中東ではイラクの問題があるわけです。アメリカにしてみれば、アジアに力を注いでなんていられないわけです。
  だからこそ、アメリカは「北朝鮮」という便利な駒を使おうとしているのです。もちろん、狙いは中国の牽制です。以下の記事からもその徴候が見えます。

「米、対北朝鮮平和協定の年内着手を希望」
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007071081068

--------以下引用--------
米行政府は、北東アジア地域の恒久的な平和体制を確保できる新しい枠組みを構想しており、その一環として年内に北朝鮮との平和協定への協議開始を希望している、とウォールストリートジャーナル(WSJ)が9日、報じた。

同紙は「米国は6者協議が北東アジア地域の安保脅威を解消する永久的なフォーラムへと移行することを希望している」とし、このように伝えた。

米国とアジア諸国の管理は東南アジア諸国連合や欧州安保協力機関(OSCE)のような形態の枠組みを予想しており、このような恒久的な地域安保構築のカギは北朝鮮が核プログラムを完全に解体するかどうかにかかっている、と同紙は報じている。

同紙はまた、クリストファー・ヒール米国務省東アジア太平洋担当次官補が「非核化への移行が進展を見せれば、平壌(ピョンヤン)と年内に停戦協定を平和協定に代える議論を始めることを希望している」と話した、と伝えた。

同紙は、米行政府は米朝間の直接対話から4者協議まで専任行政府で議論された平和体制構築のアプローチ方法をことごとく検討しており、管理は4者協議の枠組みになる可能性が最も大きいと話した、と報じた。
--------引用以上--------

  もう、さっさと手打ちにしようという姿勢が見え見えです。日本も、対ロシア包囲網に協力するくらいはいいとして、東アジアの狂った国々との関係については、もうアメリカを頼りにしない方がいいでしょう。
  それどころか、「アメリカ様おねげぇしますだ」と取りすがっている内に、外資系企業に身ぐるみを剥がれて、「東アジア共同体」としてバーゲンセールに出される(当然買うのは中国)事態にもなりかねません。いや、そうなるでしょう。「日米同盟」などという虚妄にすがると馬鹿を見ます。

  インドとの防衛協定やら、東南アジア諸国やオーストラリアとのシーレーン防衛の枠組み作りなど、自主的に動けるところから動いておくべきでしょうね。

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コメント (3)

そして中国と朝鮮は開戦する(3)~降りかかる火の粉を払え

2007年07月14日 23時06分15秒 | 地政学・国際関係
  ●そして中国と朝鮮は開戦する(2)~「南」は落城寸前だ!!の続きです。

  さて、韓国が経済破綻した際、日本が迫られる対応のうち、注意しなければならないものは以下の二つです。

(1)韓国が短期外債の引受など「経済援助」を迫ってきた場合の対応
(2)比較的豊かな韓国人が日本に逃亡してくる事態への対応


  まず、(1)から考えてみましょう。

  この点について、実は、日本にとって非常にまずい取り決めがあるのです。「通貨スワップ協定」がそれです。

「日韓財務対話」谷垣財務相と韓悳洙副首相兼財政経済相が日韓通貨スワップ協定の拡大で合意
http://kabusiki.info/2006/02/post_6.html

--------以下引用--------
谷垣財務相と韓国の韓悳洙(ハン・ドクス)副首相兼財政経済相は4日、「日韓財務対話」の第1回会合を都内で開き、日韓通貨スワップ協定の拡大で実質合意したほか、少子化やテロ資金対策などで相互協力の強化を確認した。日韓財務当局の間でトップレベルの定例会合がスタートしたことについて、両国財務相は「歴史的なこと」と評価した。日本側によると、拡大スワップ協定は今月中に署名される予定。
 この日午前10時から2時間行われた第1回会合後の記者会見で谷垣財務相は「地域金融協力を推進する観点から、チェンマイ・イニシアチブにおける日韓通貨スワップ取り決めを改定し、総額150億ドルの双方向スワップを締結することに実質合意した」と述べた。
 日韓通貨スワップはこれまで、日本から韓国に対し、上限70億ドルを供給する内容だった。今回の改定により、韓国から要請があれば、日本が上限100億ドルの米ドルを供給することができる。また、双方向の協定にすることで、韓国が上限50億ドルの米ドルを日本に供給することが可能になり、双方向合計で150億ドルの通貨スワップ協定に発展する。財務省筋は、「今月中に署名したい」としている。
--------引用以上--------

  日本が韓国に米ドルの供給を要請する事態に陥った場合、すでに韓国経済も死んでいるでしょうから、この記事の要点は、

>韓国から要請があれば、日本が上限100億ドルの米ドルを供給することができる。
  
  ここに尽きるでしょう。

  もちろん、このような協定が結ばれた趣旨は、韓国が破綻すれば日本も無傷では済まないので、それを防ぐためだ、とでもいうところなのでしょう。
  しかし、100億ドルは1ドル120円としても「1,2兆円」にも昇るのです。まあ、限度枠の20%を超える融資をする場合は、国際通貨基金(IMF)の介入を受けなくてはならないという安全弁はついていますが、こんなものをデフォルト(債務不履行)がクセになっているような国と結ぶというのは、ドブに金を捨てる行為です。谷垣氏を首相にしないで正解だったでしょう(もちろん、安倍氏も「正解」とは程遠いのだが・・・)。

  しかし、よく見てください。この協定は、あくまで、

   「供給 で き る 」

  としか書いていません。履行を強制する根拠にはならないのです。だから、いろいろと難癖をつけて引き延ばしてしまえばいいだけです。

  たとえば、韓国が絶対に飲むことができない条件、すなわち「竹島からの独島守備隊の撤退」「1954年以降の日本国に対する主権侵害についての謝罪」を援助の条件にするのです。韓国は間違いなく断ります。断らなかったら、政権が存続できないからです。
  この通貨スワップだけでなく、様々な援助、経済協力といった韓国からの「ゆすり・たかり」を切り抜けることができるかどうかが、参議院選後の政権の外交上の最初の試金石になるかもしれません。
  はっきり予言しておきますが、「アジア・ゲートウェイ構想」を掲げ、アジアとの絆を深めるなどと公言している安倍内閣なら、即座に韓国に援助します。安倍氏の祖父や父と韓国との関係を考えても、間違いなくそうします。
  まあ、もしそうなっても、何も分かっていないブロガーの方々は、「財務省の売国役人が悪い」などという筋違いの論評を掲げるのでしょう。賢明な読者の方々は、そのような言説に惑わされないように望みたいものです。

  (注:どうせコメントで「議論」したがる人がいるので先に言っておくが、韓国政府の要求を断ることが今の政治状況では難しいということは筆者も承知している)

  さて、(1)は何とかなったとして、(2)はどうでしょう。

  韓国の実態は、馬鹿なネット右翼の言うような後進国でないのは、前回取り上げたサムスンのような世界的企業があることからも明らかです。しかし、国民はというと、自国から逃げ出したくてたまらないようです。少し探すとこんなニュースがゴロゴロ出てきます。

海外移民者が資産を国外に持ち出すワケ
http://www.chosunonline.com/article/20061208000050

――――――――――以下引用――――――――――
 米国に移住し、旅行会社を経営するファン某さん(53)は、今年2月、ソウル江南に残してあった30坪台のマンションを売り、そのお金でサンフランシスコ近郊の食堂を2店舗買収し、家を1軒新築した。

 ファンさんは「8年前に2億ウォン(約2500万円)だったマンションの価格が、今年に入って13億ウォン(1億6000万円)にまで跳ね上がったが、不動産保有税(財産税+総合不動産税)が大幅に上がったために売り払った」と話した。このように、海外に移住した人たちが不動産保有税から逃れるために韓国内に保有していた住宅を売却するケースが、今年に入って急増している。7日の韓国銀行のまとめによると、今年1月から10月までに移民者が海外に持ち出した資産の規模は25億490万ドル(約2884億円)にも上り、史上最大の金額となった。これは昨年の同時期の19億9130万ドル(約2293億円)に比べると、25.7%も増えている。

 移民者らが今年持ち出した資産のうち、移住直後の定着資金として持ち出した移住費(4億8620万ドル=約560億円)は昨年より9.3%減少したが、その一方で、以前移住した人たちが韓国内に残してきた資産を売却して持ち出した金額(20億1870万ドル=約2325億ドル)は38.6%も増えた。韓国銀行では、移民者らが海外へ持ち出す資金の規模が、今年1年間で30億ドル(約3455億ドル)を突破するものと予想している。2003年に13億960万ドル(約1508億5000万円)だった資産の持ち出し規模が、わずか3年で2倍にも膨れ上がったというわけだ。

 米国ロサンゼルスにある「ロサンゼルス韓美銀行」のホン・ソンギュ副頭取は「最近、移民者らが総合不動産税を逃れるために韓国内の不動産を売却し、優秀な学校が集まるロサンゼルス近郊のアーバイン地区に投資するケースが大幅に増えた」という。ホン副頭取はまた、「最近、米国では相続税を段階的に廃止する傾向にある。移民者たちが相続税から逃れるために韓国内の住宅を売却し、米国の住宅を購入する傾向もある」と付け加えた。また、ウォン・ドル為替レートの下落で、より多くのドルを確保できることも、韓国内の資産売却に拍車をかける要因になっているという。そうした中、ハナ銀行ウェルスマネージメント部門のチ・ウンヨン不動産係長も「移民者たちの間で韓国内の資産の売却が、最近かなり目立って増えてきている」と話した。
――――――――――引用以上――――――――――

  典型的なキャピタルフライトの事例です。ウォン高ということは、当然円安でもあるので、彼らが資金を日本円に換えるのは難しいことではありません。

  また、こんな記事もあります。

新世代の米国と日本に対する認識 「嫌い」から「好き」へ
http://www.chosunonline.com/article/20050815000018

――――――――――以下引用――――――――――
米国と日本に対する新世代らの認識が、「嫌い」から「好き」に変化しつつある。

2002年12月にギャロップが調査したところ、20代の75.5%が「米国は嫌い」と回答した反面、「好き」という回答は21.3%にとどまっていた。しかし、今回の調査では「好き」が50.5%と、過半数をやや上回ったほか、「嫌い」は49.5%に減った。

 米国に対する好感度は、女性(48.1%)より男性(53.5%)が、16~20歳(48.5%)より21~25歳(52.6%)がそれぞれ高かった。

 日本に対しても同様だった。「好き」という回答が2002年の29.1%から36%に増えた。日本に対する好感度は、21~25歳(33.2%)よりも16~20歳(38.7%)の方が高かった。

 とりわけ、2003年9月の調査では、「移住を希望する国」を問う質問で、20代は2.5%だけが日本としていた反面、今回の調査では15.3%が日本と答え、全体で3位を占めた。

 日本に対する新世代の認識が友好的になりつつあることを示す例といえる。

 しかし、中国を含め、韓半島の周辺国に対する新世代の認識を調査すると、中国に対する好感度(55.3%)が最も高くなった。
――――――――――引用以上――――――――――

  日頃は、「朝鮮半島が分断されたのは日本のせい」などという、脳味噌のどこらへんを使ったら出てくるのか理解できない言いがかりをつけておいて、本音ではこの態度です。まるでストーカーです。60万人いる在日朝鮮人だけでさんざんかき乱されているというのに、後からこんな連中が押し寄せてきたら大変なことになります。

  これに対処するには、まず不法滞在外国人を閉め出すことです。韓国に対して恒久化されている観光ビザ免除を撤回し(外国員の傀儡である公明党出身の国土交通大臣など言語道断)、出入国管理を極限まで強化すべきです(それを実施する法務省に、パチンコ議員がいるのは言語道断)。●以前の記事も参照していただくとよろしいかと思います。
  その狙いは、日本は外国人に対して冷たい国だという意思表示です。欧米や正規の留学生なら困るはずがありません。
  これに反して、「日本が世界とアジアの架け橋になる」などと吹聴し、留学生をどんどん招き入れようなどと提唱しているのが安倍政権です。参議院選でとどめを刺さなくては、日本は外国人に乗っ取られてしまいます。

  また、元栓の部分も締めてもらわなくてはいけません。そこで、日本の最大の武器である「技術力」を取引材料に、韓国、とみに、中国が傀儡化した後の政権に対して、人口流出を防ぐ措置をとらせるべきです。
  韓国は確かに国際競争力のある工業を持っていますが、日本に対して決定的な弱点があるのです。それは、高度な技術的蓄積を必要とする「中間財」(商品である最終財を生産するために必要な部品や装置)の生産ノウハウが少なく、それゆえ、中間財の輸入を日本に依存しているという点です。皮肉なことに、韓国が対外輸出で外貨を稼げば稼ぐほど、日本に対して貿易赤字が増える形になってしまってさえいます。
  日本はこれを取引材料に使えばいいのです。具体的には、韓国を対象とした中間財の輸出に「逆関税」(輸出品に課税すること)をかける、または企業に輸出申告義務を課すなどすればいいのです。そうすれば、韓国の支配者が誰であろうと、すぐに音を上げてきます。そこで、交換条件として、出国管理などの厳格化を迫るわけです。全体主義国家は人間を囲い込みたいと思うでしょうから、かえって中国が傀儡政権を作ってくれた方がいいかもしれませんね。
  
  え?それだけ?韓国は放置するの?とお思いの方。

  その通りです。中国が朝鮮族を使って韓国を支配する動きを見せれば、朝鮮半島を舞台にした米中の角逐はますます激化します。日本はその様子を冷ややかに眺めながら、オーストラリアやイギリスとの同盟を強化し、海洋権益を確保すればいいのです。
  念のために言っておきますが、変な邪念を出して、朝鮮に恩を売ろうなどと思ってはいけません。シーパワーである日本は、大陸に権益を持ってはダメなのです。1910年の韓国併合が、今に至る在日朝鮮人問題につながっていることを、絶対に、絶対に忘れてはいけません。
   逆に、「愛国」や「保守」を名乗りながら、大陸に何らかの権益を持ったり、提携関係に入ることが日本の国益につながるのだと主張する人間は、相当怪しいと思うべきです。彼らは、保守の皮を被った「グローバリスト」(利益の極大化を実現するために、国内への影響を顧みず、海外に積極的に進出し、もしくは国家間の枠組みを取り払おうとする人間)だからです。かつては満州国の生き残りだった岸信介(韓国との結びつきは●こちらを参照)、かつて留学生10万人計画なる怪論を提唱し、今は東アジア共同体推進者である中曽根康弘●こちらのブログを参照)などが典型例です。こういう人間に騙されてはいけません。

   もちろん、朝鮮の現状を正確につかむための情報収集は必要です。在日朝鮮人というのは、そういう活動のために使うべきです。今の日本は、●こちらの事件に見られるように、彼らに使われてしまっている人間が多すぎるのです。

  地政学の命題は、「相手国の意志のコントロール」であると言われます。

  そして、相手の意志をコントロールするには、軍事力以外にも手段がたくさんあるのです。参院選後は、そのような方法を複眼的に検討できるリーダーにでてきてもらいたいものです。
  ひるがえって、現状のように、「憲法改正して国軍を持たなければ何もできない」などという近視眼的な考え方をする人々に支持されているような国家指導者など、今の日本には百害あって一利無しです。

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コメント (9)

そして中国と朝鮮は開戦する(2)~「南」は落城寸前だ!!

2007年07月06日 01時09分51秒 | 地政学・国際関係
  ●「そして中国と朝鮮は開戦する(1)~侵略に晒されるのは「南」だの続きです。

  私は、前回の記事の末尾で、「韓国は中国による間接侵略に晒されている」と申し上げました。

  ここで、「そういえば、このブログは朝鮮族はキムジョンイルの手先になって、中国東北部で破壊活動する可能性があると言っていなかったか?」とお思いの方もいるでしょう。確かに、その可能性はあります。しかし、朝鮮族が同胞の手足になって働くことは、ある事象の一側面でしかありません。
  ここで強調しておきたいことは、朝鮮族は中国にとって獅子身中の虫であるとともに、中国による朝鮮侵略の先兵にもなりうるということです。しかも、その攻撃先としては、北朝鮮より韓国の方がはるかに「効率がいい」ということです。

  言い換えるとこうなります。キムジョンイルが独裁を敷く北朝鮮を征服しようと思えば、「直接侵略」、すなわち武力による制圧が必要です。もちろん、中国はそのオプションを実行できる手はずをきちんと整えているのは、●以前の記事からも明らかです。
  しかし、このやり方には大きなリスクが伴います。つまり、北京五輪・上海万博後、成長の起爆剤となる唯一の土地である中国東北部を、戦乱の地にしてしまう危険があるのです。そうなれば、日本などの先進国からの投資は望めなくなるばかりか、上海やシェンチェンの株式市場の大暴落まで招きかねません。
  一方、南朝鮮、すなわち韓国の場合、直接侵略による攻撃は不可能(在韓米軍がいるから)ですが、パクチョンヒ政権以来、日本を模倣した貿易立国であり、海外に向かって閉じることができないという根本的な欠点を持っています。
  そこで、朝鮮族労働者という形で「中国人」を送り込み、内側から社会を崩壊させるという「間接侵略」を使って攻撃するというわけです。これこそが、中国の古典『孫子』に謂う、「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」(孫子・謀攻編第一章)です。

  そんな馬鹿なことを言うな、単純労働者ばかり送り込んでも、韓国のような閉鎖的な国の上層部を乗っ取れるはずがない、という反論がありそうですが、それは楽観的すぎます。以下の記事をご覧ください。

朝鮮族、韓国産業銀行で中国専門家に
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070321-4.htm

――――――――――以下引用――――――――――
韓国産業銀行は既に昨年末から今年にかけ、中国朝鮮族を網羅した 25人の外部専門家を選抜し、各部署に投入した。

韓国産業銀行は 19日 “最近、人力需要調査を実施した結果、本店 10部署で外部専門家が必要と判明した” とし “これにより今年約 18人の外部人力を充員する方針”と明らかにした。

今回、産業銀行の誘致対象は法務室に勤める弁護士 2人、計量分析士 3人、 引受合併(M&A)の専門家 1人、社会貢献分野の専門人材 1人などだ。

韓国産業銀行のこのような変化は、金昌録総裁の “国籍、出身などを問わず、該当分野の専門家を選抜せよ” という特命が出た後から、本格化した。
――――――――――引用以上――――――――――

  韓国産業銀行は大企業を主な取引先とし、産業基盤整備など政策金融を担う大銀行中の大銀行です。●こちらの朝鮮日報の記事からもわかるように、待遇面でも一流で、まさに韓国のエリート中のエリート企業と言っても過言ではありません。。
  ここに朝鮮族が入ってくるというのは、日本でたとえれば、以前の日本興業銀行(興銀)の重要なポストに、日系ブラジル人職員が入ってくるということです。高度成長期の日本でこんなことがあったら、きっと大騒ぎになったことでしょう。
  しかも、弁護士やM&Aの専門家であれば、大企業の機密情報を入手することも可能なポジションです。この朝鮮族のリクルートを決断した金昌録総裁という人物は、たいそう「同胞愛」のあるお方なのでしょう。もちろん皮肉ですが・・・。

  こういう社会の上層部に相当するような分野にまで朝鮮族が入り込んできているということは、このような人間たちが間接侵略の道具となるだけでなく、「朝鮮併合」後の支配側の人材にもなりうるということです。
  韓国としては、もちろん「産業競争力を高める」という意図のためにやっているのでしょうが、それが奇しくも中国の侵略の足がかりになってしまっているわけです。あるいは、韓国の産業界や政界の内部に、中国の工作が浸透しているのかもしれません。日本にさえ「媚中派」なる議員がいるのですから・・・。
  
  さらに、実にタイミングがいいことに、韓国では今年中に「国家破産」があるのではないかと言われています

韓国経済スレまとめサイト(Wiki)
http://toanews.sakura.ne.jp/pukiwiki/index.php?%B6%DB%C7%F7%B4%B6%A4%F2%C1%FD%A4%B9%B4%DA%B9%F1%B7%D0%BA%D1

  韓国は2007年中に返済しなければならない短期外債が昨年9月末の時点で約1080億ドルあった(当然金利負担があるので今はもっと増えている)のですが、それにも関わらず経常収支は赤字です。そうなると、さらなる短期外債の発行で凌ぐしかありません。長期外債を発行しても引き受けたいと思う国や団体がいないからです。債務不履行の危険が高いので、当然発行する外債の金利は相当な高金利になります。
  ひどいたとえですが、知人から借りた金を返済するためにサラ金から借りて、それを返せないので今度は闇金から金を借りるようなものです。もちろん、ブラックリストの名前の横にはデカデカと「デフォルト危険:最大」という文句が載っているはず(笑)です。
  もし、この外債の引受先がないとなると、韓国は1997年に続く国家破産を余儀なくされます。以前のそれよりも厳しいIMF(国際通貨基金)の管理下に入ることは間違いありません。

  さて、あなたが中国共産党の指導者だったらどうしますか?

  私なら、韓国が破綻したところで、国際競争力のある企業をばんばん買い叩きます。日本より格は落ちますが、それでも世界的に見ればかなりの実力がある企業群には違いありません(いわゆる「嫌韓厨」には認めがたいだろうが)。

  これは非現実的な考えではありません。最近、こんなニュースが入ってきたのをご存じでしょうか。

中国政府、米買収ファンドに初の出資・30億ドル
http://www.nikkei.co.jp/china/news/20070521c2m2100p21.html

--------以下引用--------
米大手企業買収ファンドのブラックストーン・グループ(ニューヨーク市)は20日、中国政府から30億ドル(約3600億円)の出資を受け入れると発表した。中国政府による買収ファンドへの投資は初めて。年内に予定しているブラックストーンの株式上場に合わせ、中国政府が近く設立する外貨準備の運用機関を通じ出資する。中国が高利回りを求めて世界一の外貨準備の積極運用に動き始めた。
--------引用以上--------

  チャンネル桜もこんな特集を組んでいます。

中国マネーで大手日本企業も買収の危険性
http://www.youtube.com/watch?v=Nin2srtZyng

  もちろん、中国は高利回りの運用など求めていません。中国が狙っているのは、経済侵略です。世界最大の外貨準備高を武器に、優良企業を買い漁ろうと虎視眈々というわけです。
  そんな中、続々と企業防衛策を導入し始めた日本企業よりも、完全に資金が枯渇し、余裕ゼロの韓国企業の方をとりあえず料理しようという気が起きても全く不思議ではありません。なにしろ、中国には、技術やノウハウといえるものは「何もない」のですから・・・。

  たとえば、タイミング良く、「お買い得」な企業が出てきています。

低迷サムスンが「緊縮経営」発表・気になる韓国の空洞化と財閥体質
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT13000029052007

――――――――――以下引用――――――――――
 5月28日、韓国のマスコミはサムスン電子の「緊縮経営」を経済面のトップニュースとして一斉に報じた。営業利益、純利益が2007年1-3月期もまた前四半期比でそれぞれ42%、32%減ったのを受けた経営改善策だ。DRAM市況の低迷やウォン高の打撃で、利益は4年前の水準まで落ち込んでいる。サムスン電子はデジタルメディア総括、情報通信総括といった部門別に新しい主力業種を探して戦略を修正するとともに、経費節減と生産性向上に必死になっている。
 サムスン電子の主力商品である512メガバイトDRAMは市況の回復が期待されていたが、供給過剰で価格は1.7ドルまで落ち込み、原価の1.5ドルすれすれの状況になっている。
 一方、ウォンドル為替レートも一段とウォン高が進み、最高値を連日更新している。ウォン相場が10ウォン上昇すると、サムスン電子の営業利益は3000億ウォン減る。円安ウォン高も深刻な状況で、この10年でウォンが25%も高くなった。このままでは4-6月期の利益水準は1兆ウォンを下回ってしまう。

 株価もさえない。5月28日、サムスン電子の時価総額は80兆6815億ウォンで、韓国株式市場全体の時価総額814兆5120億ウォンに占める比率は9.9%。わずか0.1%とはいえ、1999年10月以来初めて10%を下回った。2004年4月にはサムスン電子の時価総額が23%に達していたことを考えると大きな落ち込みである。
 株価指標のKOSPI指数は上がっているのにサムスン電子だけが下落しているのは、それだけ韓国経済に対する影響力が小さくなったからとみられている。だた、業績回復の兆しがないのも原因で、赤字を出しているグループ会社の切り離しまで噂される始末だ。
 実は今回サムスン電子が発表した緊縮経営は、すでにLG電子やハイニックス半導体が3月から取り組むなど、韓国の電子系企業のほとんどに広がっている。ただ、サムスン電子の社員らの反応を聞くと「今回の緊縮経営発表は予防や段取りではなく戦そのもの。すでに昇給は凍結、新規採用も中途採用もなくなったようだ。(中略)

 サムスン電子もLG電子も韓国内では費用節減、賃金節減と厳しい。ただし、海外投資にはとても積極的だ。サムスン電子は1万円以下の低価格の携帯端末製造のため、ベトナムに工場設立を検討していると発表した。これで韓国では年間700人ほどの職がなくなる。中国とインド工場の増設を含めると2年後には8000人ほどの職が失われる。
 サムスン電子は今年のR&D費用の4割を海外に振り向ける計画だ。しかし、だからといって「サムスンはひどい」とは言えない。ライバルのモトローラやノキアが既にグローバル生産体制を築いているのに、サムスン電子には愛国のため生産コストが高くても韓国にいてほしいとは言えないだろう。

 韓国財政経済部の統計をみると、韓国企業の海外直接投資は毎年急増していて、2006年は前年比2倍と伸び180億ドルを超えた。その25%が中国に投資され、中国を含むアジアへの投資は103億ドルで全体の56%を占めている。北米は16.5%、ヨーロッパは15.6%だった。
 海外投資に積極的なのは安い賃金と土地を求めてというのが一般的だが、実際には韓国の首都圏の不動産バブル、工場を新設できない厳しすぎる土地利用規制、生産職労働組合との問題なども影響している。
 当然だがその分、韓国内の製造業は穴が開いてしまっている。このままではコストの低い海外への移転が加速し、雇用が減り収入が減り消費も減少し経済成長も鈍化する悪循環になってしまうのではないかと怖くなる。産業資源部の調査によると、大手企業上位200社の2007年の韓国国内投資は前年比6.8%増加の56兆4000億ウォンの見込みだが、このまま海外投資が毎年2倍ずつ成長すれば2年後には金額が逆転する。
――――――――――引用以上――――――――――

   サムスンやLGだけではありません。

「韓国企業の利益率はさらに悪化」LG経済研
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=88756&servcode=300§code=300

――――――――――以下引用――――――――――
  昨年の韓国企業の売上高営業利益率は同業種のグローバル企業の半分程度にしかならないことが調査で分かった。 特に、為替レート要因で海外グローバル企業は利益率が高まっているのに対し、韓国企業は利益率が落ちている。

  これはLG経済研究院が業種別にグローバル100大企業と国内10大企業の平均営業利益率を比較した結果だ。 26日、報告書「グローバル業種版図の変化」でこうした内容を発表した。

  ベ・ジホン研究員は「今年に入ってウォン高が進み、韓国企業の利益率はさらに悪化していると予想される」と憂慮を表した。

  以下は報告書の要約。

  昨年、国内電気・電子10大企業の売上高営業利益率は平均1.4%だった。 グローバル100大企業(4.5%)の3分の1にもならない。 自動車も国内企業は平均2.4%であるのに対し、グローバル企業は5.5%と2倍以上だった。 鉄鋼(国内6.8%、グローバル14.7%)分野でも国内企業の実績はグローバル企業の半分水準だった。 韓国主力産業が利益の小さいビジネスをしていたということだ。

  個別企業も同じだ。 現代(ヒョンデ)自動車の昨年の売上高営業利益率は4.4%と、トヨタ(9.3%)、BMW(9.1%)、ホンダ(8.5%)のおよそ半分だった。 00年代初めまで韓国企業の収益性は悪くなかった。 国内電気・電子企業の営業利益率は02年の6.1%から06年には1.4%に落ちた。 電気・電子ほどの利益率低下ではないが、同じ期間、自動車(5.9%→2.4%)、化学(7.9%→5.1%)、鉄鋼(7.4%→6.8%)も落ちている。

  利益率が悪化したのは何よりもウォン高の影響が大きい。 また円安の影響を受ける日本企業、韓国を急速に追い上げる中国企業と激しい競争を繰り広げながら輸出採算性が悪化している面もある。 だからといってウォン高など外部要因を言い訳にすることはできない。 在庫をほとんど抱えないJIT(Just in Time)経営技法を開発し困難を克服した日本のトヨタのように、韓国企業も新しいアイデアで収益性を高めなければならない。
――――――――――引用以上――――――――――

  これらの企業は、今後は資金調達も苦しくなるでしょう。そこに、ブラックストーンのような「中国系ファンド」が乗り出してきたらどうなるか。

  もちろん、抵抗はあるでしょう。しかし、心配はいりません。その買収の先兵として、さっき出てきたような「エリート朝鮮族」を使えばいいのです。それに、国民の大多数が事情を飲み込む前に、また日本をやり玉に挙げたキャンペーンをやっておけば、世論対策としては十分です。

  こうして、中国が韓国を経済侵略で陥落させれば、北朝鮮の背後を取ることができます。近頃急接近している米朝の「同盟」を寸断することも可能になるのです。

  もし、北朝鮮が暴発してきたらしめたものでしょう。大義名分を付けて北朝鮮に侵攻してキムジョンイルを処刑し、さっさと併合してしまえばいいのです。北朝鮮が核を使ってくる可能性はありますが、それなら先制してピョンヤンや核開発サイトにミサイル攻撃やを加える手もあります(アメリカやロシアは北朝鮮と安全保障条約を結んでいないので、何もできない!!)

  そして、その後は朝鮮族を指導層に据えて、完全な傀儡国家を作ってしまうというわけです。

  もちろん、アメリカがいつまでもこういう動きに気づかないということはないでしょうが、どうも北朝鮮を「対中国包囲網」に取り込むことばかりに気を取られていると、韓国というもう一つの「朝鮮」の動きを見過ごすことになりかねません。

  さて、ここで誰もが思うのは、「日本はどうすればいいのか」ということでしょう。その辺は、次回で続けます。(分量が多すぎるので分割した記事になってしまいます。申し訳ありません)

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そして中国と朝鮮は開戦する(1)~侵略に晒されるのは「南」だ

2007年06月26日 22時28分17秒 | 地政学・国際関係
  このブログがしつこく取り上げている中国と朝鮮の冷戦は、ヒートアップしていく一方のようです。6月初めに北朝鮮が動きました。

北朝鮮、ミサイル発射・黄海に短距離1―3発か
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070607AT2M0702J07062007.html

――――――――――以下引用――――――――――
韓国軍合同参謀本部は7日、北朝鮮が同日、朝鮮半島西側の黄海に向けて短距離ミサイルを発射したことを明らかにした。ミサイルの種類や数などは確認中という。これに関連して韓国政府関係者は「発射したのは短距離地対空ミサイルで、数は1発から3発と推定される」と述べた。
 同政府関係者は「今回の黄海でのミサイル発射は、北朝鮮が定例的に実施している通常の軍事訓練の一環とみられる」と指摘した。ただ北朝鮮は最近、「韓国軍が黄海に戦闘艦船を侵入させる軍事的挑発を強行した」と非難しており、韓国に対する示威行為との見方も一部に出ている。
(中略)
(韓国聯合ニュース)は発射したミサイルが射程100キロメートル以内の地対艦または艦対艦短距離ミサイルで、北朝鮮の領海内に落下したと報じた。  
――――――――――引用以上――――――――――

  さすが、腰抜けの日本マスコミです。場所が「黄海」だというのに、今回の北朝鮮のミサイル発射の仮想敵が中国であることに触れることすらできません。朝鮮と中国と、どちらにもつけずにオロオロしているのが情けない限りです。
  今回のミサイル発射は、中国の「攻撃」に対する応戦です。中国の攻撃はこれです。

東北工程:高麗も中国が建てた国=中国歴史雑誌
http://www.chosunonline.com/article/20070606000006

――――――――――以下引用――――――――――
 韓半島(朝鮮半島)の王朝国家・高麗について、「箕子朝鮮、高句麗に続き、中国が韓半島に打ち建てた3番目の政権」と歪曲(わいきょく)した論文が、最近中国・吉林省の社会科学院が発行した雑誌に掲載されたことが確認された。

 吉林省社会科学院が隔月刊で発行する歴史雑誌『東北史地』は、2007年第3号(5・6月号)に掲載した「後唐の明宗が、高麗を建国した太祖・王建(ワンゴン)の族籍を明らかにした」という主題の論文で冒頭のような主張を展開した。

 吉林省社会科学院の歴史研究所の史長楽研究員が著者となっているこの論文は、「王建は決して韓半島の新羅人の子孫ではなく、中国・淮河流域から来た漢人の末裔(まつえい)」と主張し、933年に後唐の明宗が太祖・王建に送った冊封詔書などをその根拠として提示した。

 冊封詔書には太祖・王建を「長淮の茂族」と呼んでいる部分があり、この論文は「長淮は淮河流域を意味する言葉で、太祖・王建の本籍地が中国であるため、高麗は中国人が建国した国」と主張している。これに対し、国民大の朴宗基(パク・チョンギ)教授は「高麗は高句麗を継承したことを自ら主張したわが民族の王朝」と反論した。
――――――――――引用以上――――――――――

>王建は決して韓半島の新羅人の子孫ではなく、中国・淮河流域から来た
>漢人の末裔(まつえい)

  すごいことになってきました。ついに●高麗王朝までが中国の王朝という「歴史」が作られてしまったようです。もうこうなれば、新羅や李氏朝鮮が飲み込まれるのも時間の問題ですね。

  東北行程がつつがなく進んでいるということは、中国の朝鮮を併合する意志に変化はないということです。そうなると、読者のみなさんとしては、「いつ」「どのように」中国の併合、もしくは中朝の開戦があるか、という点が気になるところでしょう。
  それを占うために、今回は、中国東北部に居住する「朝鮮族」に注目し、中国と朝鮮が取りうるオプションを検討していきたいと思います。

  そもそも朝鮮族とは何かということですが、●こちらのサイトに簡単な概要が出ています。当たり前ですが、日本が強制連行したのではありません(笑)。清王朝の時代に、満州を開拓するために送り込まれたのが最初で、その後満州国が建国されると「五族共和」(日本人、満州族、漢民族、蒙古族、朝鮮族)という理念の下、朝鮮半島から続々と開拓民が渡来してきました。これが現在、中国東北部に200万人居住する朝鮮族のルーツです。
  彼らの一部が満州に留まり、中国国民になったのは、中国共産党が朝鮮族を弾圧せず、1952年には自治権を与えたからです。もちろん国共内戦や朝鮮戦争での「貢献」も考慮されたのでしょう。満州国軍出身の朝鮮族兵士も、共産党側に多数いたことが知られています。
  その後、民族教育の実施や、民族大学(延辺大学)の設立運営も認められて、朝鮮族は中国内の少数民族(55いると言われる)の一つとして平和に暮らしていました。

  彼らの運命を大きく変えたのが、冷戦の終結です。

  冷戦の終結に伴い、中国と「母国」である韓国が国交を回復しました(1992年)。これ以降、中国東北部の朝鮮族には、「韓国への出稼ぎ」という新しい選択肢が出てきたのです。冷戦の終結というのは、こんな風にして主に東側に属していた人々に、多くの選択肢を与えることになりました。
  しかし、出稼ぎ先の韓国は、朝鮮族にとってとても「楽園」とは言えない場所だったようです。

  まず、韓国国民の朝鮮族を見る目です。面白い記述を紹介しましょう。

朝鮮族は「在中糞胞
http://toron.pepper.jp/jp/syndrome/nation/santai.html

――――――――――以下引用――――――――――
現在韓国では、中国朝鮮族を含めた外国人労働者が数多く生活している。

同じ民族の「同胞(トンポ)」であるにもかかわらず、
朝鮮族は「糞胞(トンポ)」と蔑んで呼ばれ、まさに糞味噌に扱われているのは周知の事実だ。

中国朝鮮族は、貧しくて金儲けのために押しかけてきたから
「在中糞胞(チェイルドンポ)」だと定義するのが韓国人である。
同じ血が流れる民族なのに、このような酷い差別をする国があるだろうか?

二言目には、もの凄く人情深い云々と強調する韓国人が、
食べ残した魚の頭と骨を、家政婦の中国朝鮮族のおばさんに差し出し、
「中国では、こんな高級魚を食べたことがないだろう」と、
恩着せがましく言ったりするのだから、韓国人の人情とは、所詮、その程度のレベルなのだろう。

この一言だけで、韓国人の貧しい人々に対する冷遇と蔑視の感情が充分に読みとれる。

韓国で働く外国人労働者が集まれば、冗談交じりにでるこんな話題があるという。
自分たちが不慮の事故で切断された指を全部集めれば、
少なくとも、かます一杯にはなるだろう。という話だ。

ところが悲惨なことに、このように指が切断されても、補償すらまともに受けられないのが現実だという。
補償どころか、治療さえも受けることができない人もいるし、逆に痛い目に遭う人までいる。

韓国民に告ぐ 金文学・金明学著 より
――――――――――引用以上――――――――――

  差別意識丸出しですね。当然、こういう風に見下している人たちですから、ろくな仕事にも就けませんでした。●こちらのPDFを見ていただけるとわかりますが、中韓国交回復からしばらくの間、出稼ぎ朝鮮族は不法就労を余儀なくされ、3D(Dirty・Dangerous・Difficult)業種と言われる単純労働にしか就けなかったのです。
  どの社会でもそうなのですが、豊かな生活を夢見て先進国家に渡ってきた移民が、現実に直面した後とる行動は「失意の内の帰国」と「犯罪集団化」です。朝鮮族も、韓国内で同じような過程を辿りました。

中国朝鮮族の暴力団員32人を一斉検挙
http://www.chosunonline.com/article/20070427000062

――――――――――以下引用――――――――――
 ソウル九老区加里峰洞一帯のチャイナタウンで活動していた中国朝鮮族の暴力組織「延辺黒蛇派」32人が警察に逮捕された。韓国に在留中の海外同胞らが自ら組織名までつけて暴力団活動を行い、摘発されたのは非常に珍しいケースだ。

 警察は26日、中国・延辺出身者らで暴力団を結成し、他の暴力団員らを暴行、歓楽街の遊興業者などから金品を奪った容疑で、ヤン某容疑者(38)など7人を逮捕、チェ某容疑者(44)など25人を立件した。

 警察によれば、ヤン容疑者は中国の巨大マフィア組織の1つ「黒蛇会」行動隊長として中国延辺地域で活動し、2001年7月に韓国に入国、05年7月に加里峰洞で中国朝鮮族の不法滞在者などを集め、延辺黒蛇派を結成したという。
――――――――――引用以上――――――――――

  今年になってからの記事ですが、もうすでにマフィア的組織や闇社会まで構成しているようです。日本の中国人社会とよく似ていますね。

  上の事件には後日談もあります。少し長い記事ですが、全文引用します。

合法滞在時代、韓国警察の公権力は '張子の虎'?
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070308.htm

――――――――――以下引用――――――――――
同胞集中村が危険になっている

去る 1月24日、安山元谷洞の殺人事件以後、外国人集中村が犯罪危険地帯として再びクローズアップされており、残念なことになっている。 しばらくの間、大した事件・事故が起こらなかった加里峰地域も危険になっている。 ある年の正月節日よりも同胞の事件・事故がたくさん起こったというのが加里峰地区隊に勤める警察の話だ。

2月一ヶ月に起きた刃物殺傷事件だけでも 4件に及ぶ。 旧正月に久し振りに会った知り合いたちが食堂で食事をしてけんかが起こり、瓶を割って突き刺す事故につながり、建設現場で働く同胞が一緒に働く同胞 4人を刀で突いて逃げだした事例も発生した。 加里峰の治安を管轄している九老警察署加里峰地区隊の警察官たちは ‘同胞が警察をもはや恐ろしがらない“とまで言う。 これは同胞たちが過去数年間、不法滞留状態で生活しながらパトカーさえ見れば後退りした時から比べると、状況が完全に変わったことを意味する。

加里峰で長い間勤めたある警察は、同胞たちの滞在が合法化されてから事故がさらにたくさん発生するようだと言う。パトカーが通ると、今では道も空けようとせず、どうして車が通り過ぎるのに退かないで前を塞ぐのかと聴けば、逆に警察に罵声を浴びせる場合もあるという。また警察と言い争いになれば、周りにいる同胞たちが大挙して集まって来て、むしろ警察官が慌てるという、笑えない状況も起きてしまうのだ。

“中国の公安なら恐がるのに、どうして韓国の警察は舐めてかかるのか、本当に問題が多い”と本音を打ち解ける警察もいる。

甚だしくは中国から同胞たちが韓国へ来る時、 “韓国の警察は民衆の杖だ” と言いながら “警察が何か言えば、インターネットに載せれば身動きできない”という類の事前教育を受けて入国する場合もあると言う。 結局、度が外れた “人権、人権” 云々の韓国の社会的雰囲気に便乗して、韓国の法と秩序をよく知らず、合法滞在なら何をやっても良いと考えている一部の同胞たちの横暴で、韓国の警察の苦悩が並大抵ではないことが感じられる話だ。

既に合法的に滞在する中国同胞が多くなり、同胞たちの集中居住地域もソウル地域だけで数十ヶ所に拡散している。しかし相変らず行政・政府はこうした状況に対する実態調査や対備策が用意されていないということが、問題として指摘される。 韓国の法と秩序をよく知らず、韓国文化と中国の文化の違いや生活方式の違いから来る問題により発生する事件・事故の予防教育に関心を持って広げなければならない時だといえよう。

犯罪危険の沼にはまった安山'元谷洞外国人村'

"外国人に話しかけるな"という不文律も出来る

今年に入るや否や、安山市元谷洞一帯だけで 2件の殺害事件が発生した。去る 1月 24日地下鉄 4号線安山駅構内の障害者トイレで発見されたバラバラ死体遺棄事件の容疑者である中国人・孫氏(35)が 1日夜、事件発生の 8日後に京畿道軍浦市金井駅地下鉄 4号線域内で警察につかまり、幸いにも一段落となったが、再び安山市元谷洞にある某アパートの花壇で 38歳の金さん(女)が死んで発見され、警察が捜査に出た。

しかも警察は金さんがアパート住民ではない点から、道を歩いていて殺害されたものと見ており、事件現場で壊れた携帯電話を回収し、復元作業を通じて携帯電話の通話記録照会と周りの人々との怨恨関係についての調査、容疑者手配をした。

このように事件が起こると、元谷洞住民の不安はますます高くなり、不法滞在の外国人に対する拒否感が高くなるしかない。

安山市元谷洞地域に住む地域住民の間には"元谷洞で外国人たちと、もしトラブルになれば後でどんな目に逢うかも判らない" "深夜の時間帯には外国人に声を掛けない方がよい"という話まで通用するほどだといい、地域民の外国人に対する認識がいかによそよそしくなっているのかが窺い知れる。

インターネットのサイトでも元谷洞を '無法天地 'と紹介し、そこの女学生が道を歩いていて外国人からひどい目にあった話とか、喧嘩をやめさせようとしたら、外国人に逆に殴られて死ぬところだったというタクシー運転手の話を実話のように紹介した。 特に中国人に対する元谷洞住民の警戒心が高くなっているという。
――――――――――引用以上――――――――――

  この記事は、非常に大きな意味を持っています。重要な箇所は2カ所あります。分けて紹介します。

  まず、初めの箇所はここです。

>既に合法的に滞在する中国同胞が多くなり、同胞たちの
>集中居住地域もソウル地域だけで数十ヶ所に拡散している。


  今や朝鮮族の韓国での就労は、合法滞在が当たり前になってきているということです。以下の記事をご覧いただいても、それがよくわかるというものです。

韓国就業割り当て:中国・朝鮮族が最多2万322人
http://www.chosunonline.com/article/20070502000023

――――――――――以下引用――――――――――
 法務部は、韓国内に親族のいない海外在住の韓国系(朝鮮民族系)外国人のうち、今年の「訪問就業制」実施で入国が許可される3万人の在住国別割り当て数を1日、発表した。これによると、中国からの受け入れが2万322人と最も多く、ついでウズベキスタン4022人、ロシア2500人の順となっている。割り当て数は該当国の韓国系の数や経済水準などを考慮し、決められた。

 今年3月から実施された訪問就業制とは、国内に親せき・姻族がいない韓国系外国人についても入国を許可し、3年間の滞在や就職を可能にした制度。法務部は韓国系外国人が韓国内に押し寄せることを懸念し、親せきのいない人については今年の入国を3万人に限り許可することを決めた。

 祖国で働くことを望む中国の朝鮮族やウズベキスタンの高麗人は9月16日に現地で行われる韓国語試験に合格しなければならない。

 基準点以上を取った人のうち、抽選で最終的な入国者を選定する。これ以外の国の韓国系海外居住者は在外公館に訪問就業の申請をすることになっている。入国は11月から可能だ。
――――――――――引用以上――――――――――

  今年になって朝鮮族受け入れの動きが加速しているのです。

>今年3月から実施された訪問就業制とは、
>国内に親せき・姻族がいない韓国系外国人についても入国を許可し、
>3年間の滞在や就職を可能にした制度。法務部は韓国系外国人が
>韓国内に押し寄せることを懸念し、親せきのいない人については
>今年の入国を3万人に限り許可することを決めた。

  親戚がいない朝鮮族の受け入れは今年こそこそ3万人に限っていますが、おそらく今後この動きは拡大することでしょう。朝鮮族労働者の受け入れの意図は、日本における日系ブラジル人就労許可と同じく「コストパフォーマンスのいい単純労働力の導入」だからです。要するに、この動きの背後にいるのは韓国内外の「グローバリスト」(利益の最大化を図るために、国内への影響を顧みず国家間の垣根を取り払う措置を求める企業や個人)なのです。
  法務当局は、韓国語試験を導入し、しかもその場所をわざと朝鮮族の多い地区をはずす(●こちらのリンクを参照)という形で抵抗しているようですが、どこまで頑張れるでしょうか。

  元の記事に戻って、この箇所にも注目です。

>“警察が何か言えば、インターネットに載せれば身動き
>できない”という類の事前教育を受けて入国する場合もあると言う。


  ネット右翼や自称保守の方々には異論があるところでしょうが、韓国も中国と比べれば十分に先進国であり、特に警察権力に対して人権がよく保障されているのです。その状況を悪用して、犯罪行為が蔓延っているというのです。
  なにか、近くにある凶悪な犯罪者になればなるほどジンケンを尊重する我が国と似ていますね。どうやら、先進国はどこも同じような病気にかかっているようです。

  では、このような状況が意味するものは何か。

  簡単にいえば、「韓国は中国による間接侵略にさらされている」ということです。

  ・・・と、もったいつけておいて、次回に続きます(笑)。


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【破滅への】東アジア共同体とアジア・ゲートウェイ構想【片道切符】

2007年06月25日 01時12分44秒 | 地政学・国際関係
  私は以前から、「日教組のような反日左翼が国を滅ぼすのだ」と思ってきました。そして、巷に溢れる「愛国」「憂国」「保守」を自称するブログの多くも、そのような文脈で執筆されているようです。
  しかし、今はかなり違う考えを持つに至りました。それは、

  「国を滅ぼすのはグローバリストである」

  というものです。

  まず、以下のニュースをご覧下さい。

「東アジア会議」開幕、比大統領が日本の役割への期待表明
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070624i311.htm

--------以下引用--------
 世界経済フォーラム(本部・ジュネーブ)などが主催する「東アジア会議」が24日、シンガポールで開幕した。

 フィリピンのアロヨ大統領は「東アジア共同体づくりに取り組む」とし、とりわけ日本に対し、アジアの地域統合や持続的な成長に向けて主導的な役割を果たすよう期待を表明した。

  (中略)

 世界経済フォーラムはダボス会議の主宰者。今回の会議は「アジア版ダボス会議」とも呼ばれる。「アジアの世紀に果たすべき指導力」をテーマに、25日まで2日間の日程で、26か国の政財界や市民団体から300人以上が参加。日産自動車のカルロス・ゴーン社長が共同議長を務めている。
--------引用以上--------

>フィリピンのアロヨ大統領は「東アジア共同体づくりに取り組む」とし

  「東アジア共同体」とは何でしょうか。実現に向けて動いている人たちはこんなことを言っています。

グローバル化経済の中で日本が役割を-やっと立ち上がった東アジア共同体評議会
http://www.ceac.jp/j/detail/detail-2.html

--------以下引用--------
 北米経済圏、欧州経済圏など世界経済の勢力図が大きな地域ブロックへと収斂していくグローバル経済化の流れの中で、“世界の工場”としてのアジア経済圏が注目されている。いまこそ、この経済圏の中で日本が大きな役割を果たすべきときである。
--------引用以上--------

  どうやら、東アジア共同体というのは、「アジア経済圏における地域ブロック」のようです。そうだとすれば、その中には「市場統合」や「通貨統合」も当然に含まれていることでしょう。  
  
  さらに、アヨロ大統領は続けて、

>日本に対し、アジアの地域統合や持続的な成長に向けて
>主導的な役割を果たすよう期待を表明した。

  と言っています。

  これの何が問題なのだ?と思われる方は、残念ですが、すでに騙されている可能性があります。

  次に、この記事の終わりに出てくる「世界経済フォーラム」と「ダボス会議」について簡単に見てみましょう。

世界経済フォーラム(Wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0

--------以下引用--------
世界経済フォーラム (略称WEF)は、ジュネーブに本部を置く独立の非営利財団。毎年、世界中の大企業約1000社の指導者、政治指導者(大統領、首相など)、選出された知識人、ジャーナリストが参加する会議を主催する。通常は、スイスのダボスで開催されるため、会議を指してダボス会議と呼ばれる。(中略)

毎年1月下旬に、年次総会をスイスの観光地ダボスで開催。日本ではダボス会議と呼ぶ。加盟する企業のトップ、政治家・学者・ジャーナリストなどの招待客3000人以上が参加する。(中略)日本からは経済同友会、日銀、NTT、日本経済新聞社、日産やトヨタなど34社の指導者が参加。

  (中略)

会議の批判者たちによれば、

世界経済フォーラムは、ただのビジネスフォーラムで、世界最高レベルの金持ちな会社同士で容易に交渉でき、世界最強の政治家たちに容易にロビー活動を行うことが出来る場で、貧困問題のような社会問題の解決ではなく、むしろ金銭利益を作り出すことを目指している。また、エリート主義者たちのフォーラムで、民主政治を通さずに、秘密主義的な意思決定を行っていると批判されている。
--------引用以上--------

>経済同友会、日銀、NTT、日本経済新聞社、
>日産やトヨタなど34社の指導者が参加

  ここは重要ですので、是非頭に置いて以下の部分をお読み下さい。

  ダボス会議が主催する会合で、東アジア共同体を推進する発言があり、それには日本の主導的役割が必要だとされている・・・このことが持つ意味は何か。

  簡単に言いましょう。世界経済のプレーヤー達は、日本の金や技術を中国の労働力と統合させ、最大限の利益を生み出そうと考えているということです。
 
  しかし、どうもその重大性を理解できない方が多いようです。

中国に譲るな東アジア共同体
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2005/11/post_a61e.html

  こちらのブログに、以下のようなくだりがあります。

>これに対して我が国が構想する「東アジア共同体」は、
>あくまでも「地域における経済統合と主権尊重と友好協力を
>原則とした政治的・経済的域内協力(の枠組)である。

  つまり、中国が提唱する「東アジア共同体」は危険だが、日本が提唱するそれは、「主権尊重と友好協力を原則とした」ものなので、心配はいらないというわけです。

  しかし、これこそ誤解です。どんな形であれ、中国との間に経済ブロックは作ってはならないのです。

  そもそも、経済ブロックが作られるメリットは、

●市場統合(域内の非関税化)
●資本移動の規制緩和
●労働力の移動自由化
●通貨統合

  といった施策に基づく、他ブロックとの競争優位性の確保にあります。ヨーロッパ連合(EU)はそうやって作られました。

  しかし、それを我が国と中国の間で実現したら何が起こるか、少し想像力を働かせてみればわかりそうなものです。

  まず、「市場統合」すれば、中国製工業製品の価格優位性が高まるため、対中輸入はますます増えることになるでしょう。そうなれば、企業が利益を出すには中国に移転した方がいいという結論になります。「利益を出す」のが株式会社の使命である以上、これは避けられません。そうなると、産業の空洞化はますます進むことになります。
  また、「資本移動の規制緩和」となれば、日本から金だけ送ればいいということになり、中国に生産・販売拠点を置く企業は益々増えます。そうしないと「利益を出す」ことができないからです。これによって失業者も増加し、購買力はますます低下します。これがデフレにつながるというのは、中学生でもわかる理屈です。
  さらに、「労働力の自由化」が実現すれば、デフレ下で利益を出さなくてはいけない日本在住企業は、安価な中国人労働者を進んで雇おうとします。「利益を出す」のが株式会社の使命なので、これも避けられません。大量の移民が流入すれば、●フランスのような状態になることは間違いありません。
  そして、「通貨統合」です。ここまで来た段階で、日本の経済力は著しく低下していることは間違いないので、アジア共同通貨を管理する中央銀行が東京に置かれることはまずありません。恐らくは「上海」、よくて「シンガポール」でしょう。
  結末は、もう言うまでもありませんね。「日本という国の破滅」に他なりません。
  
  上の記述で、私が何度となく「利益を出す」というフレーズを出したのは、企業というのがそういうものだからです。だから、東アジア共同体を推進するダボス会議にトヨタや日産のような輸出企業、経済同友会のような企業団体や、中国進出を煽りまくった張本人である日経新聞が参加しているのです。
  このように、自国に与える影響を顧みることなく、海外に積極的に進出し、国家間の垣根を取り払おうとしている人々が「グローバリスト」なのです。戦前、「大アジア主義」を唱えて満州に進出し、「大東亜共栄圏」を創り上げようとした財閥や陸軍、革新官僚などもこの範疇に入るでしょう。

  最悪なのは、安倍政権が自身をグローバリスト政権であることを公言していることです。このブログでも何度となく触れてきた「アジア・ゲートウェイ構想」がそれです。
  既出ですが、重要なので再度紹介します。

安倍内閣メルマガ~「アジア・ゲートウェイ構想」について
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2007/0517.html

--------以下引用--------
21世紀はアジアの時代である。通貨危機後のアセアン諸国の復興や、中国
の台頭は、アジアの成長力の高さを実証した。今や「世界の成長センター」
であるアジアは、東アジア共同体構築の名の下に、非常なスピードで変化を
続けている。

 日本の経済社会は、このアジアの激変という現実から切り離して考えるこ
とはできない。少子高齢化の中で人口減少の局面を迎えた日本でも、社会の
開放のスピードを加速化し、近隣諸国との絆を強化することで、アジア諸国
と繁栄を共有することができる。

 こうした背景から「アジア・ゲートウェイ構想」は、アジアなど海外の活
力を取り込むため、人・モノ・資金・文化・情報の流れにおいて日本がアジ
アと世界の架け橋となることを目指す戦略として、安倍政権の政策の柱の一
つに位置づけられている。

  (中略)

 まず、これまでの航空政策を大転換し、「航空自由化」を、スピード感を
持って推進することを打ち出した。これは、人・モノ・資金など全ての交流
のインフラとなる空のネットワークを戦略的に構築するため、消費者の利便
性の向上、地域経済の活性化といった広い意味での国益の観点からの判断で
ある。また、2010年に増大する羽田空港の国際線発着枠については、これま
での基準を見直して更なる国際化を推進することも求めている。

 政府が重点的に取り組む教育改革についてもグローバル化という視点を欠
かすことができない。大学の国際化や留学生政策の再構築を提言した。

 また、金融資本市場の強化については、「アジアの利用者にとって最も魅
力的な金融市場の構築」という切り口からインパクトのある政策を提示して
いる。

 さらに、農業など国内需要対応を主としてきた産業の成長の可能性も示し
ている。農業分野についても、グローバル化に適応した強い農業に変革する
ために必要な、経営力の強化を重視している。異業種のノウハウを取り込ん
だ、農業の発展を実現するための政策を示した。
--------引用以上--------

  いくつか注釈をしてみましょう。    

>東アジア共同体構築の名の下に

  すでに安倍政権の内部で「東アジア共同体」が既定路線になっているということです。

>少子高齢化の中で人口減少の局面を迎えた日本

  少子化・高齢化というキーワードは、グローバリストが国民を脅迫するための文句だということです。

>「航空自由化」

  ●前回の記事で私が提唱したのと、正反対の方向性です。安倍内閣は、中国包囲網に参加するつもりはないのでしょう。

>大学の国際化や留学生政策の再構築

  日本の大学をアジア人(中国人)のための教育機関にするということです。

>アジアの利用者にとって最も魅力的な金融市場の構築

  日本人はどうでもいいようです。間違いなく、「資本移転の規制緩和」は行うつもりですね。

>農業分野についても、グローバル化に適応した強い農業に変革
 
  輸出して自給率をさらに低下させ、中国産の食料品への依存を強化するということです。

  このような政策を打ち出しているのが安倍内閣です。8月の参議院選挙で自民党と公明党が大勝すれば、「東アジア共同体」に向けてゴーサインが出ることになるでしょう。

  かといって、民主党も「沖縄ビジョン」や「憲法中間提言」に見られるように、完全にグローバリストの作った路線に乗っかっている政党です。唯一救いなのは、小泉政権を引き継いだ安倍政権よりも、準備期間がより多く必要だという点や、ブロガーに目の敵にされているので、政権についても監視の目が働きやすいという点でしょうか。
  社民党は、基本的に自民と民主をまともな政党に見せるためのピエロ役なので、何も期待できません。

  そうだとすれば、グローバリストの息のかかっていない野党を勝たせて、現在の与党や民主党に対する批判勢力にするしかありません。あくまで私の考えですが、「国民新党」や「共産党」、さらには「維新政党新風」の方が、はるかにましでしょう。
  このような小政党が政権運営などできるわけがないとお思いの方は、国会の仕組みをよく知らないのかも知れません。国会で10議席得られれば、「参議院での代表質問権」「党首討論権」「議院運営委員会での理事参加権」など、多くの権利が手に入ります。さらには、20議席で「議案提出権」も得られます。
  当面はこれらの権利でもってグローバリストの息のかかった政党を牽制し、東アジア共同体の実現を可能な限り引き延ばしいくしかない、というのが、今のところの私の考えです。
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【ランドパワーを】いよいよ始まった対中国包囲網、日本はどうする?【包囲せよ!!】

2007年06月24日 01時17分10秒 | 地政学・国際関係
  管理人が無精なので、タイムラグがあるのをご容赦いただきたいところですが、重要なニュースが入ってきています。

豪首相がダライ・ラマと会見、中国は豪中関係の悪化を警告
http://www.afpbb.com/article/politics/2240191/1694985

――――――――――以下引用――――――――――

オーストラリアのジョン・ハワード(John Howard)首相は15日、10日間の予定で訪豪中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世と会談した。この会談に対し中国政府は不快感をあらわにした。

 ハワード首相は当初、ダライ・ラマと会見する予定はなかったが、この中国政府への配慮が逆に批判され予定を変更。日程を調整し、15日午後にシドニー(Sydney)の首相官邸で約20分間会談することとなった。

 ハワード首相は会談前、宗教に限らず何でも議論すると語っていたが、会見後はその内容を明らかにはしなかった。

 両者の会談による豪中関係の悪化を警告していた中国政府は、ただちにこの会談を非難。

 中国外務省の秦剛(Qin Gang)報道官は国営新華社(Xinhua)通信に対し、「ダライ・ラマは単なる宗教的指導者ではなく、分離独立運動に長年関与してきた政治亡命者であり、中国の国家としての一体性を破壊しようとしている」と批判し、「良き豪中関係維持のため、豪政府にダライ・ラマとの距離を改めるよう希望する」と述べた。

――――――――――引用以上――――――――――

  このニュースは、地政学的に大きな意味を持っています。

  ダライ・ラマ氏について、ごく簡単に紹介しておきます。ダライ・ラマ氏は、記事にもあるようにチベット仏教界の最高指導者です。しかし、同地は中華人民共和国によって征服されてしまっているため、ダライ・ラマご自身はインドに亡命中です。
  中国は1950年のチベット侵攻やそれに続く併合を「内政問題」としています。そして、55年にも渡る「侵略」の過程で、相当数のチベット国民が虐殺されています(詳しくは●ダライ・ラマ法王日本代表部にて)。これに対してはかなりの国際的非難が起こっていますが、中国政府は全く耳を貸そうとしません。
  しかし、厚顔無恥を絵に描いたような中国も、この点にはやましさを感じているようで、ダライ・ラマ法王が世界の要人と会見すると、即座に非難声明を発表します。

  今回、注目に値するのは、オーストラリアの、しかも首相がダライ・ラマ法王と面会したということです。

  もちろん、チベットにおける虐殺その他、中国を直接的に非難するよう共同声明を発表したわけではありません。しかし、その重要性は計り知れないものがあります。
  まず、オーストラリアは「資源輸出国」であり、中国もその顧客であるという点です。●こちらのPDFをご覧いただくとわかるように、オーストラリアは中国に対して「鉄鉱石」「石炭」「銅鉱石」といった重要な物資を輸出しています。これは、中国が資源を依存しているというだけでなく、オーストラリアも中国がいいお客さんだということでもあります。
  しかし、それにも関わらず、オーストラリアがなぜ中国政府を挑発するようなダライ・ラマ法王との会見に踏み切ったのかということです。もちろん、人権問題を憂慮しているから、などという皮相な理由ではありません。

  以下で紹介する二つの出来事をご覧になってください。このブログをお読みの方なら、それでもう「解答」が出てくるかもしれません。

日豪、北朝鮮問題で連携・初の2プラス2開催
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070607AT3S0601H06062007.html

――――――――――以下引用――――――――――

 日本とオーストラリアの両政府は6日夜、飯倉公館で初の外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。国連平和維持活動(PKO)を想定した自衛隊と豪軍の共同訓練といった安全保障協力に関する行動計画の策定の加速を決定。8月の日米豪戦略対話開催へ調整を進める方針などを盛り込んだ共同発表文を公表した。

 日豪2プラス2は、3月に安倍晋三首相とハワード豪首相が署名した安全保障協力に関する共同宣言に基づいて開いた。次回は来年に豪州が主催する。今後、日米豪3カ国での協力を深める方向性を確認した。

 北朝鮮の弾道ミサイルや核開発問題を巡っては「北東アジア情勢を不安定化する行為だ」と深い懸念を表明。北朝鮮の核放棄をうたった6カ国協議の共同声明などの完全履行へ協力を強化する方針を再確認した。拉致問題の迅速な解決の重要性でも一致した。

――――――――――引用以上――――――――――

  この会議の表向きの目的、すなわち北「朝鮮問題への対処」自体はあまり重要ではありません。重要なのはここです。

>国連平和維持活動(PKO)を想定した自衛隊と豪軍の共同訓練

  つまり、日本とオーストラリアが、アメリカを飛ばして一体化を図るということです。●以前の記事でも取り上げましたが、アメリカはリムランド(ランドパワーとシーパワーの接点である沿岸地域)の国と個別に安保条約を結んで分割統治するという原則を捨て、リムランド同士の同盟を認めざるを得なくなっているのです。
  そうなると、日本とオーストラリアには「仮想敵国」がいるはずですが、果たしてそれは北朝鮮なのでしょうか?

  さらに、このニュースです。

ダルフール虐殺黙認 「中国に抗議」米下院決議
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070607/usa070607001.htm

――――――――――以下引用―――――――

 米国議会下院は5日、本会議で、中国政府がスーダン政府の支援を受けた民兵組織によるダルフールでの大量虐殺を黙認していることは、北京オリンピックの精神に反するとして、抗議する決議案を全会一致で可決した。同下院本会議が賛成410票、反対ゼロ票で可決した同決議案は、「ダルフールでの大量虐殺をやめさせるように影響力を行使することを中国政府に求める」としている。

 超党派61議員により、5月21日に共同提案された同決議案は、拘束力こそないが、最終的に共同提案者は130人に上り、5日に採決された。

 同決議はダルフールでスーダン政府に支援された勢力が2003年以来、競合部族の大量虐殺を続け、その犠牲者はすでに数十万に達したとして、中国が(1)スーダン産石油の70%を購入する(2)スーダンとの軍事協力を強め、2005年には兵器類約7000万ドル以上を売った(3)スーダンに総額100億ドルを投資した-ことなどから、スーダン政府に対し独特の強いきずなを保つ立場であるのに、大量虐殺をやめさせようとしなかった、と抗議している。

 同決議はそのうえで中国政府に対し(1)ダルフール大量虐殺を認識したうえで公式に非難する(2)スーダン政府への兵器の販売を全面停止する(3)スーダンとの経済協力や投資を停止する-ことなどを求める一方、とくに中国政府がこの種の大量虐殺を認め、支援することはオリンピックの精神にはそぐわない、として、中国がダルフールでの大量虐殺を阻止するための行動をとらない場合は北京五輪のボイコットも辞さないという姿勢を明らかにした。

――――――――――引用以上――――――――――

  スーダンでの大量虐殺を助長しているのは中国政府であり、状況が改善しないようなら、北京オリンピックへの参加を見合わせる可能性もある、ということです。この話題は先のハイリゲンダム・サミットでも取り上げられています。
  実際問題として、アメリカが五輪を完全にボイコットするということは考えにくいのですが、それでもなおこのようなメッセージを発することには意味があります。というより、オリンピックというのは名目で、本当の目的は別にあるのです。なにしろ、アメリカが「人権」などという題目を唱えたときは、100%政治的な裏があるのは今までの歴史から自明です。
  
  これでもう、オーストラリアの首相とダライ・ラマ法王が会見した意味がおわかりでしょう。上記三つの出来事を総合すれば、答えは一つしか出てこないのです。それは、

「世界的な対中国包囲網が形成されつつある」

  ということです。

  中国は明らかに危険な国家です。経済「発展」しているとはいうものの、国内での貧富の格差はもう是正が不可能なほど拡大しており、メディアが発達したために国民がその状況を客観的に認識して不満を持つようになってしまっています。その上、野放図な開発が、地球規模での環境破壊にまで発展しています。
  しかも、この国は貿易で上げた利益を、軍拡に注ぎ込んでいます。世界最大の兵力を誇る陸軍のみならず、近頃はロシア製の艦船を導入したり、自前の潜水艦を開発したりと、海軍の増強まで始める始末です。
  国内問題でにっちもさっちも行かなくなった中国が、北京オリンピックを境に暴発する・・・これが世界中の国が恐れている事態です。マスメディアが「記者交換協定」を通じて中国に支配されている日本の国民は、残念ながらこの事態に対して警戒レベルが著しく低いというのが現状です。

  その緩んだ現状を反映したのか、それとも個人的に資質が欠如しているのか、我が国の自称「戦う政治家」(笑)である現在の首相は、●中国様の逆鱗に触れないように早速予防線を張っています。政治家として上のステージに到達して、変節する政治家は結構いると思うのですが、この人は落差がひどすぎです。入閣する前は理想論片手に喧嘩腰、入閣したら自分の意見を言わずにダンマリ、首相になったら長期政権めざして現実路線「だけ」・・・いまだに「首相の全てを否定するつもりはない」などとおっしゃる方もいますが、ここまでキッパリスッキリ裏切られて、まだよく弁護する気になるもんだと、感心してしまいます。

  そのようなリーダーには即刻退陣していただくとして、日本として取りうる選択はどのようなものがあるでしょうか。

  簡単です。中国国内にある「権益」を段階的に手放すということです。

  対外的にシーパワー(海洋国家)である日本は、大陸内部に権益を自力で保持することは事実上不可能です。現在中国に現存する日本企業の設備投資は、全て中国側の「厚意」によって利用できているに過ぎません。中国国内で急速に治安や政治状況の悪化があったとしても、日本は自力で権益への攻撃(たとえば●日貨排斥運動のような動き)を排除することは不可能です。そして、日中戦争は日本が権益に固執したことから生まれたことを忘れてはいけません。
  そうだとすれば、導かれる解答はひとつしかありません。日本は大陸に権益を持ってはならないということです。それが、あの「十五年戦争」が我々に教えることです。日中友好など、真に受けては絶対にいけません。

  そうは言っても、急速にことを進めると国内企業からの反発も大きいでしょうし、なにより有力な資金や技術の提供元である日本を、中国側が手放すわけがありません。だからこそ、たかだか神社に誰が参拝するかという程度のことを大げさな政治問題にしてまで、我々に粘着しようとするのです。

  そこで、手始めに、「国際電話回線の縮小」を試みるというのはどうでしょうか。

  まず、●以下のリンクにもあるように中国と日本の間にはいくつかのルートで海底ケーブルが存在しています。このうちのいくつかが何らかの「事故」によって切断してしまったら、大騒ぎになるでしょう。ビジネスにもかなりの影響が出るはずです。現に、台湾地震があったとき、海底ケーブルの破損でかなりの影響がでています(詳しくは●こちらのリンクを参照)。
  我が国と中国の間のビジネスが盛んだからこそこういった通信ネットワークが整備されているとも言えますが、逆もまた真なり、通信環境が良好だからこそ中国との間でビジネスが盛んになっているとも言えます。
  馬鹿を言うな、そんなのNTTみたいな業者がすぐに修復するじゃないか、とお考えの方もいるでしょうね。しかし、ケーブルの破損個所付近で「正体不明の不審船が沈没」したり、「海底火山の隆起があって危険」だったらどうでしょうか?海上保安庁が原因究明を名目に現場付近を封鎖し、ケーブル業者が近づけなくなってしまうはずです。
  あるいは、陸揚げ局でテロとおぼしき爆発事故があったらどうでしょう?特に、宮崎で陸揚げされている中国専用のケーブルであるC-J FOSC(China-Japan Fiber Optical System Cable)が狙い目です。まずここを適当な名目をつけて断線させ、中国側の反応を見るべきです。
  いざとなれば、沖縄で陸揚げされているアジア向けの最大の回線(40Gbps)も断線させればいいのです。もちろん、同盟国であるオーストラリアとは、グアム経由できっちり通信ラインを確保しておくことを忘れてはいけません。
  
  そうしておいて、次に「中国直通の国際線の便数を減らす」のです。

  名目は・・・そうですね。中国向けの直通便をターゲットにした爆破予告が相次ぐとか、不審な機体の故障が続出というのはどうでしょうか?あるいは、中国本土で発生した疫病を予防するために、出入国時のウイルス検査などを厳密化するという手もあります。もちろん、中国からの観光ビザも強化する方向で動くべきです。
  こうすると、実に笑える現象が起こるでしょう。それは、あの中国が、日本に対して「安全対策をしっかりやって飛行機を飛ばしてくれ」と懇願してくるというものです。向こうには、日本が落とす金、日本が提供する技術がなくなれば死活問題なのです。
  そうなると、こういった政策を司っている「国土交通省」が、中国べったりの公明党の大臣によって牛耳られていることの意味が見えてくるというものです。北側前大臣や冬柴大臣は、中国が合法的に工作員を送り込むための窓口なのです。逆に言えば、ここに対中強硬派、たとえば、●こういう政治家が就任したら、上に上げたような政策を採る可能性がでてきます。
  もちろん、経団連あたりからものすごい突き上げがあると思いますが、「反対するようなら、企業防衛のためのポイズンピルを違法にするぞ」と脅せばいいのです。それでも反対する売国企業は、身ぐるみを剥いだ上で、北京や上海に叩き出してやればいいのです。●この会社なんて危ないかも知れませんね(笑)。

  麻生外務大臣が首相になったら、こういう政策を期待したいところですが、この人も著作を見るとアジアアジアと連呼しているので、正直あまり期待できません。今の日本に必要なのは、大陸と手を切る勇気を持っている政治家なのですが・・・。
  
  とにかく、中国の暴走を予期して、オーストラリアさえ中国を挑発する策を打っています。我が国も、だんだんと中国と手を切る方向に向かわなければなりません。そうでなければ、中国権益を守るために多大な犠牲を払わされることになります。昔はそれが日本の若者の血だったのですが、今回は何になるのか・・・「尖閣諸島は中国固有の領土」と認めさせられることかも、中国との沖縄共同統治かもしれません。
  日本にとって、今後中国と関わることによるマイナスはどんどん増えてくるはずです。この流れを読まずして、我が国の未来を語る意味はありません。
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中朝開戦!!そのときロシアは

2007年06月05日 23時25分45秒 | 地政学・国際関係
  今回は、このブログでたびたび取り上げている「中国・朝鮮の冷戦」について、この二カ国と国境を接するロシアに注目してみたいと思います。

  先日ですが、面白いニュースが飛び込んできました。

ロシア、対北制裁措置実施へ
http://www.chosunonline.com/article/20070601000012

--------以下引用--------

 ロシアも北朝鮮に対する制裁に加わることになった。イタル・タス通信は先月30日、ウラジーミル・プーチン大統領が先月27日に、昨年10月の北朝鮮の核実験に伴う国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議を履行するよう命じる大統領令に署名した、と伝えた。

 今回の大統領令には、国連決議1718号(対北朝鮮制裁決議)に盛り込まれた、北朝鮮に対する兵器の禁輸措置がそのまま盛り込まれている。つまり、ロシアのすべての政府機関と企業は、北朝鮮に戦車・戦闘機・戦艦・重火器・ミサイル関連部品を輸出することはできず、また核開発に使用される可能性がある物質の北朝鮮への搬入も禁止された。また合わせて、大量破壊兵器(WMD)や核兵器の開発計画に関わった北朝鮮の関係者のロシア入国を許可しないことになった。

--------引用以上--------

  ロシアが北朝鮮に対して、兵器の禁輸措置をとったというニュースです。

  「え?今さら経済制裁?」と思いますよね。私も、不覚ながら、とっくにこの程度のことはやっているのだと思っていました。

  他のブログやサイトを見ると、「北朝鮮が債務を値切ろうとしたから、その意趣返しだ」という意見が目立ちます。本当でしょうか。

  ロシアという国は、図体がでかいわりには後々のことを考えて行動できる国だといえます。同じランドパワー(大陸国家)でも、中国とは随分違うということです。この点、頭に刻んだ上で、次のニュースもご覧下さい。

ロシア、現物での債務返済を韓国に提示
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2007053118618

--------以下引用--------

  6月1日から始まる韓国へのロシアの債務返済が予定通りに進められるかどうか、危ぶまれている。

  ロシア・モスクワの外交消息筋は30日、「ロシアが債務残高13億3000万ドル(約1兆2369億ウォン)のうち、7~8億ウォンドルを防衛産業品などの現物で返済したいと、非公式で提案した」と伝えた。

  韓国政府は03年9月、経済協力借款の利子のうち、6億6000万ドルは帳消しにし、残り分は今年6月から現金で返済してもらうことでロシアと合意したが、借款全額の現金償還の可能性が低くなっている。

  ロシアがこのような提案をしたことで、韓国政府の借款回収政策の見直しをめぐる議論とともに、4年前に失敗に終わった対ロシア債権交渉の二の舞になるのではないか、という声も聞こえている。韓国政府は03年、利子を帳消しにする見返りとしてナホトカ経済特区に入居する韓国企業に対する税制優遇を希望したが、ロシアは昨年、ナホトカ経済特区計画を事実上反故にした。
  債務の返済期日を控え、ロシアが再び現物返済を提案した根拠は、4年前の交渉当時、韓露両国が署名した合意文の条項だ。
  当時両国は合意文で、「07年から返済する借款については、現金での返済を原則とするが、両国の合意があれば、現物でも返済できる」という条項を入れたことが伝えられた。
  ロシアには、韓国への借款返済をロシア製の兵器輸出の足場として利用する思惑があるようだ。モスクワの軍事専門家らは「ロシアが韓国への債務を空気浮揚艇やT-86U戦車などの現物で返済して以来、部品の輸出で完成品輸出並みの収益を上げている」と述べた。

--------引用以上--------

  今度はロシアと韓国の間のニュースです。

  ロシアはソ連崩壊後、いろんな国に金を借りまくっており、韓国もその一つでした。要するに、その返済を「金ではなく現物決済にしろ」と、ロシアが迫っているということです。
  もう少し詳しい事情が知りたい方は、以下のリンクを参照にするとよろしいでしょう。

ロシアに貸した1767億円、一体どうなったのか
(上)http://www.chosunonline.com/article/20070516000040
(中)http://www.chosunonline.com/article/20070516000041
(下)http://www.chosunonline.com/article/20070516000042

  興味深いのは、この部分です。

>現物による償還は「第2次プルゴム事業」として実現し、
>韓国はロシアからT‐80U戦車や歩兵戦闘車BMP-3、
>上陸作戦用の空気浮揚艇「ムレナ」など6種類の兵器を導入した。

  全部戦争用の機械ですね。この点について少し見てみます。以下のPDFを参照しましょう。

ロシア、武器輸出が増大するも問題山積(ノーボスチ通信)
http://www.rotobo.or.jp/jouhoukan/novosti/2006No.026.pdf  

  「問題」とやらはさておき、目を剥くのは、ロシアがいまだに武器輸出で膨大な利益を挙げていることです。その金額は2005年の時点で61億ドルです。今年は70億ドルを突破するのではないかと言われています。
  上記PDFに、戦闘機製造企業のスホーイが、「戦闘機の消耗品だけで3億ドルを稼いだ」とありますが、ここは非常に重要です。武器はハードそのものを売る以上に、メンテナンスを売ることで利益を上げるという側面があるからです。東亜日報の記事の中の、

>ロシアが韓国への債務を空気浮揚艇や
>T-86U戦車などの現物で返済して以来、
>部品の輸出で完成品輸出並みの収益を上げている

  という部分も、そういう意味です。いや、これはベンツやレクサスLS450なんて比べものにならないくらい儲かりますよ(笑)。

  兵器というのは恐ろしく高い買い物ですから、買い手としては兵器が故障その他の原因で動作しないというのが一番困るわけです。だいいち、故障を放置したら「いざというとき」に役に立ちません。周辺国に対する脅しにもなりません(たとえば、●こういう戦闘機は全く怖くない)。
  ロシアといえば「資源輸出国である」という印象があるでしょうし、証券会社が顧客を煽るために作る「これからはBRICsが買いだ!」などという広告にもそういう記述しか出てきません。しかし、実はロシアは武器輸出で儲けていたのです。

  東亜日報の記者も、そういうことをわかっているようです。記事に

>ロシアには、韓国への借款返済をロシア製の兵器輸出の
>足場として利用する思惑があるようだ。

  という記述があるからです。この記者は、ロシアの狙いが、武器の供給をロシアに依存させるものだと思っているようですが、私もこの点には賛成です。

  では、これが最初の「北朝鮮への武器禁輸措置」とどう絡んでくるのでしょうか。
 
  私の頭の中で、朝鮮半島を巡る一連のニュースと、今回の記事、そして、こちらのブログが取り上げている話題を見て、全ての線が一本につながりました。

ロシアの牙と唸り声
http://klingon.blog87.fc2.com/blog-entry-244.html

  要するに、ロシアは新しい冷戦を作りだし、「ランドパワーの盟主」として君臨しようという腹づもりだということです。
  冷戦の意義はなにか、と言われれば、普通は世界が二大帝国(米ソ)のもと、くっきりと色分けされていた時代だと言われます。
  私は、それでは不十分だと感じます。冷戦の真の意味とは、「世界中の至る所にホットスポット(紛争が生じやすい地域)を作りだし、それを利用して米ソが武器輸出で利益を上げていた時代」と考えるべきなのです。

  そして、上記二つのニュースが意味するのは、ロシアが新しい冷戦の「実験店舗」として選んだのが、このブログで何度も取り上げてきている「中国東北部とその周辺領域」だということなのです。
  これは、アメリカが朝鮮から手を引くことに関係しています。アメリカは、国連軍という名目で駐留している在韓米軍を2004年から08年にかけて漸次縮小していますが、それに加えて戦時作戦統制権を、2009年には韓国(朝鮮)に返還することを表明しています。もしかすると、盧武鉉大統領の在任中である08年中にもありうるとのことです(●こちらのリンクを参照)。
  これが意味することは何かといえば、朝鮮側が中国の南下を防ぐ有力な手段を失うことになったということです。今までなら、「出来レース」のような分断国家にすることで、北を犠牲にしても南を生き残らせるという戦略を採ることが可能でしたが、もうそういうことはできなくなったということです。
  ゆくゆくは、韓国とアメリカの同盟関係も解消される運びとなるでしょう。アメリカは武器輸出の市場を失うことになりますが、韓国の隣にいるアメリカの下僕=日本に武器を売れるから別にいいのです。その武器とはMD(ミサイル防衛)です。

  そして、朝鮮半島という空白に入り込んでくるのが、ロシア製の武器になるわけです。

  忘れてはならないのは、ロシアは北朝鮮に対してつい最近まで武器を禁輸していなかったということです。つまり、北朝鮮の軍当局は、ロシア製の武器の扱い方を知っているわけです。

  ロシアの武器輸出によって110万人の朝鮮共和国陸軍は、乞食の軍隊から、近代的軍隊に生まれ変わる・・・この「朝鮮軍のロシア化」には、もう一つ大きな意義があります。それは、中国東北部を朝鮮に狙わせることによって、ロシアの宿敵である中国を牽制することができるということです。
  中国の弱点は「資源を自給できないこと」と「水不足」です。これを一気に解消するには、シベリア侵攻という有力なオプションがあります。ロシアの沿海州や東シベリアは、鉱物資源に富んでおり、飲用に適する淡水の湖が沢山あるからです。
  しかし、ここを失えば、ロシアの当該政権は間違いなく瓦解するでしょう。ランドパワーの国は領土が命であり、それを失ったツァーリ(皇帝)は権威が失墜し、ニコライ2世のように抹殺される運命にあるからです。
  そこで、朝鮮を噛ませ犬に使い、中国を押さえつけようというわけです。ここで、アメリカと完全に利害が一致しています。

  そうはいっても、朝鮮にそんなに武器を買う金があるのか?という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
  方法は二つあります。まず、朝鮮国内にある鉱物資源の採掘権とバーターすることです。ロシアの利点は、北朝鮮との間に鉄道が直結していることです。他国の企業と競合したとしても、ここから陸軍を送り込めば権益を保持できます。日本には逆立ちしても出来ない方法です。
  そして、もう一つは、「ピョンヤン宣言にしたがって日本に金を出させる」というものです。
  なんと言ってもロシアは6月から「北朝鮮包囲網」に加わったのですから、日本に堂々と「早く金を出せ」と主張できる立場にいるのです。今後、この方面からも揺さぶりが来るでしょう。ロシアと関係の深い議員(例えば、●日ロ友好議員連盟所属の議員)や、ソ連時代からロシア文化に心酔している学者たちの発言には要注意です。

  残念ながら、これに対して日本にできることはあまり多くありません。先だっての「六カ国協議」で、安倍政権が、核開発やミサイル発射といった問題点を差し置いて、「拉致問題」という最後のカードを真っ先に切ってしまったからです。側近に大量のパチンコ議員を抱える彼では、朝鮮資本から本国への送金停止という最大の手を使うことも期待できません。
  そうなれば、日本は、北朝鮮についてあれこれ難癖をつけて、国交正常化交渉などという暴挙を先延ばしにするしかありません。そして、その間に中朝の対立を先鋭化させ、日本が金を出す前にどちらかが暴走するのを待つのです。ただし、その場合「難民の流入」などのリスクをきっちり管理する用意をしておかなくてはいけません。その時になれば、●こういう「ボートピープル」の上陸をあっさり許して、「人道上の措置」などやっている余裕はありません。

  その辺りの機微を読んだ政治家が、今こそリーダーになってくれないものでしょうか・・・。
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中朝の戦いはもう始まっている!?

2007年05月29日 12時21分10秒 | 地政学・国際関係
  何度か取り上げている「中朝冷戦」ですが、今回は角度を変えて、韓国と中国東北部との経済的な関わりを取り上げてみたいと思います。

  なお、このブログは基本的に南北朝鮮が一体化しているという視点に立っていますが、今回は便宜上「韓国」(=比較的経済発展している市場経済の朝鮮)という概念を用いて記事を書きますので、ご了承下さい。

  まず、この記事をご覧下さい。

在ハルピン韓国投資企業協議会、朝鮮族村新しい農村建設の推進へ
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070521-3.htm

--------以下引用--------

ハルピン韓国投資企業協議会が朝鮮族村の新しい農村建設推進に本格的に参入した。 19日午前、在ハルピン韓国投資企業協議会と阿城区阿什河街道城建村は、城建村で姉妹提携を公式締結した.

  (中略)

この日、姉妹提携式の挨拶の言葉で宋ハンサン会長は "ハルピンで事業し、地域社会、特に中国で新しい農村建設を積極的に推進しているこの時に、朝鮮族村との協力に期待する"とし "今後、我が同胞がたくさん居住する城建村が、都市に負けず劣らず建設されて行ってほしい."と述べた。

  (中略)

この日締結した姉妹提携書の骨子は '今後、在ハルピン韓国投資企業協議会と城建村は新しい農村への発展を支援、農村の人手支援と農産物の直接取引など多様な交流を通じて共同目標を達成すること'であった。

この日、在ハルピン韓国投資企業協議会から城建村に 20匹の種子豚を寄贈し、 CJ(ハルピン)飼料有限公司からは 200kgの高級豚飼料を寄贈した。

この日、城建村では宋ハンサン会長ら在ハルピン韓国投資企業協議会の8人の会員企業代表を '城建村農村経済発展顧問'として招いた。

--------引用以上--------

>在ハルピン韓国投資企業協議会

(中国東北部の地図)


  中国東北部で最も重要な都市といえるハルピンに、韓国企業はしっかりと拠点を築いているようです。韓国はウォン高のせいで青息吐息だと言われていますが、この地方への進出意欲は衰えていません。

  韓国企業の「中国」進出は、1992年の両国の国交正常化以降、一気に盛んになりました。
  もっとも、1998年の通貨危機前後に、韓国企業の撤退が相次ぎます。2001年くらいまで、韓国企業の毎年の事業撤収実績が二桁台で推移していることからもそれがわかります。
  そして、韓国経済の不振が、ワールドカップを境に一段落すると、再び対中投資額が増え始めるのです。●こちらのレポートにもあるように、2002年に投資先として米国を抜くと、続く03年もさらに投資額は拡大しています。
  そして、その翌年の2004年に、こんな記事が「人民日報」に掲載されます。

東北地方旧工業基地、韓国中小企業が投資に興味
http://j.peopledaily.com.cn/2004/07/12/jp20040712_41220.html

--------以下引用--------

   東北地方旧工業基地の振興の加速を目指す中国政府の政策により、多くの韓国中小企業が中国東北地方への投資に大きな興味を示している。

 吉林省の長春市では10~12日、「中韓経済貿易交渉会および優良商品博覧会」が開かれ、韓国中小企業100社以上が参加した。企業は自社の優良製品やプロジェクトを携え、現地企業との提携や発展を求めて長春を訪れた。

 韓国京畿道安陽市の徳永工程機械株式会社の朴永桓理事は、「東北地方は非常に特殊で潜在力のある土地だと感じる。中国東北地方の市場は広く、労働力は廉価だ。中韓両国はゆったりとした自由な投資環境の中で、中国政府のサポートを受け、共に発展できると信じている。東北地方への投資に自信がある」と話した。

 韓国中小企業の責任者の一部は、中国政府が東北旧工業基地の調整と改造の加速に関する政策を提起したことで東北地方に多くのビジネスチャンスが生まれることを認めながらも、東北地方の投資環境と政策への理解不足を理由に様子見の姿勢を示し、中国政府が東北旧工業基地への企業誘致をさらに強化し、投資家のために適切に便宜を図るよう望んでいる。

--------引用以上--------

  中国・ロシア・朝鮮の三大勢力がぶつかり合う場所「中国東北部」が、勇躍「潜在力のある土地」として登場するわけです。

  この年は、中国の歴史再評価プロジェクトである「東北工程」(詳しくは●こちらのリンク)が一段落して、高句麗も渤海も中国の地方政権であるというメッセージが発せられたばかりです。それにも関わらず、韓国企業の東北部への進出は続き、冒頭に紹介した記事のような状況にまで至るわけです。

  ここで、こんなことを思った人がいるのかもしれません。

  ブログ主が言うように、朝鮮と中国が対立しているなら、なぜ朝鮮の企業が中国への進出を強め、中国がそれを容認しようとするのだろう?

  ここは、重要なところです。単純に割り切れないところがあるので、少しずつ考えを述べます。

  まず、頭に置いていただきたいのは、韓国だろうとどこだろうと、中国という国は、他国からの投資がなければもたない「脆弱な経済」の国であるということです。
  それが端的に現れているのは、貿易依存度の高さです。中国経済が貿易に頼っている割合は、2005年には輸出入それぞれ34.2%、29.6%となっています。加工貿易国であると定義され、国際競争力うんぬんと喧伝される我が日本でさえ、わずか10%です(●こちらのデータを参照)。
  しかし、そのための設備投資をやるような原資もノウハウも中国にはありません。だから、世界中から金を呼び込まなければいけないのです。
  こんな事を言うと、「韓国企業って●こんなアホなことばっかりしているのに、頼りになるのかよ?」というひともいるかも知れませんが、それでもまだ中国よりは技術力(みたいなもの)があります。それに、なんだかんだ言って韓国の工業製品はアメリカやヨーロッパでそれなりのシェアを獲得してはいます。一応工業国だと認識すべきでしょう。

  そうは言っても、このブログが論じている東北部というのは、投資のインセンティブ(誘引力)が低い場所です。理由は簡単で、近くに北朝鮮がいるからです。原子力発電所の近くにマイホームを持ちたがる人があまりいないのと同じように、どうしてもリスクの少ない沿岸部に比べると企業は二の足を踏むようです。
  しかし、コキントウ政権は、以前も紹介したように、この「東北部旧工業基地」の振興を新たな経済成長の起爆剤にしようと考えています。他の地域で、「安価な労働力を売る」という最大の魅力が薄れてきていることが大きな原因です。
  ●こちらのリンクをご覧頂けると雰囲気が掴めると思いますが、沿岸部の便利な場所では中国人労働力もかなり高く付くのが現状のようです。
  それと引換え、中国東北部はまだ人件費がそれほど高くありません。満州国の時代に整備されたインフラ、特に鉄道が非常にしっかりしており、大連や旅順のような海外への輸出港もあります。また、これら二つの港が手狭になれば、北朝鮮の清津(チョンジン)港や、ロシアのナホトカ港、ウラジオストク港を利用することも可能です。
  だからこそ、ここに投資してくれる存在が必要なのです。それが、朝鮮族という同胞を持つ韓国企業だったというわけです。
  もちろん、あまりにも韓国企業の進出が進めば、中国にとっては、韓国のカネによって東北部を「征服」されてしまう可能性もあるわけです。企業が進出するどころか、冒頭の記事にあった「新しい農村」などというものを作られて、知らない内に朝鮮族の人口を増やされれば、相対的に漢民族の影響力が下がることになります。当然、こういう集落には北朝鮮の工作員も潜入するでしょう。
  それにも関わらず、韓国企業の投資がなければ維持していけないのが今の東北部なのです。
  
  もっとも、少し見方を変えると、これは「朝鮮」の側にとっては、命取りになりかねない要素でもあります。
  なぜなら、東北部における韓国企業の投下資本というのは、韓国に取ってみれば人質のようなものだからです。
中国のようなランドパワー(大陸国家)の戦略というのは、自国領の奥深くまで敵を誘い込み、補給線が伸びきったところで逆襲するというものです。
  具体例は歴史上たくさんあります。ロシアを攻めたナポレオン、ソ連を攻撃したナチスドイツ、南京の国民党を攻撃した帝国陸軍(蒋介石はあっさり南京を蜂起して重慶に逃亡)、全てこの手でやられています。初めは局地戦で大勝したにも関わらず、最後には惨めな敗退をしているのです。
  これを経済の世界に置き換えれば、ランドパワーであるは初めは沿岸部を開放して投資を引きつけ、それが後戻りできない段階まで達した、あるいは相互依存を相当程度深めた段階で、一気に反撃に転じるのです。
  以前紹介した●サハリンのガス田におけるロシアの卑劣なやり口もそうですし、戦前の中国における「日貨排斥運動」もそうです。
  そして、韓国はもう後戻りできない段階に突入しています。以下の記事を見るとよくわかります。

中国居住の韓国人 70万名に
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070511-6.htm

--------以下引用--------

中国の改革開放と 1998年韓国の IMF危機をきっかけに、中国に群がって来始めた韓国人が、現在 70万人にのぼるものと集計された。

韓国人は当初、東北3省と山東省を中心に生活の基盤を求めていたが、現在は中国全域に分布し、新彊ウルムチにまで韓国人社会が形成されている。

中国 30の省、直轄市、自治区に散らばって暮している韓国人 70万人余りは、韓国の一つの中小都市の人口にあたる規模で、在中国韓国人会は “現在、中国に居住している外国人の中で韓国人の数が最も多く、韓国人は毎年 6万~7万人ずつ増加している”とし “来年 8月の北京オリンピックをきっかけに、中国に進出する韓国人はさらに増加して約 100万人に至るものと予想される”と伝えた。

(中略)

1991年、黒龍江省韓国留学生1号としてハルピンの土を踏んだ金ジェユン(39歳)さんは、黒龍江中医学大学で中国医学の学士、修士、博士の学位を取得し、去年、中国の医師資格証試験に合格、現在、ハルピンに病院を設立している。 金ジェユンさんは中国で自分の最も貴重な青春時代を過ごしたといい、むしろ今は韓国の生活に適応する自信がないと言いながら、新朝鮮族として暮したいとその意志を明らかにしている。

--------引用以上--------

  韓国のみならず、北朝鮮も引きずり込まれているようです。

瀋陽市政府、北朝鮮と IT共同研究開発を予定
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070511.htm

--------以下引用--------

北京、上海等に続き、中国内の重要な IT産業基地として生まれかわるため、近年、その発展テンポを急いでいる瀋陽市政府が、北朝鮮と合作して瀋陽に IT(情報技術)共同研究開発基地を設立する予定だと、遼寧朝鮮文報が報道した。

瀋陽市科学局対外科学技術交流センター(主任・金鮮一)は去年 7月、市政府の指示精神に従って、北朝鮮科学院とソフトウェア共同開発協力提携書を締結、北朝鮮の IT人力を大量に招いてソフトウェアを共同開発する事とした。

北朝鮮の招聘人員は統一的に瀋北新区蒲河新城に立てられた '瀋陽東北亜ソフトウェア・アウトソーシング連盟'の開発団地に入居することになる。 これまで民間企業が北朝鮮の IT人力を招いた事例はあるが、政府次元の両国の IT 共同研究協力事例は今度が初めてだ。

金鮮一主任によれば、今月中旬、北朝鮮科学院から第一陣として IT人力 14人を派遣、 徐々にその数が増える。 現在、瀋陽の IT企業等には北朝鮮の IT人力 85人が使われているという。

--------引用以上-------

  これらは全て中国の「人質」となる可能性があるわけです。

  そういう視点から見てみると、北朝鮮の核開発というのは、全く違う顔を見せてくるのです。
  そうです。日本が満州国を建国し、大陸派遣軍を送ったように、朝鮮は北の核兵器によって、東北部の権益を維持しようとしているのではないか、ということです。

  私は最前の記事で、中国と朝鮮の開戦は絵空事ではなく現実の危機だと言いましたが、もう少し複眼的な説明が必要でした。ここで、改めて中国東北部を舞台に繰り広げられている「中朝冷戦」について、一つの仮説を立ててみます。

  まず、朝鮮側は清王朝の時代や日本統治時代、満州国時代を通じて一貫して東北部に移民を送り出しており、それが現在の朝鮮族200万の基礎になっています。
  それを足がかりにして、朝鮮はこの地域の支配に着手した、と考えるとわかりやすいです。だから、韓国も北朝鮮も「渤海」「高句麗」を自国史として教えているのです。もちろん、朝鮮人特有の自我肥大傾向も影響はしています。
  時は過ぎ、冷戦時代は米ソの対立を受けて半分「出来レース」のような対立をしていた南北朝鮮は、冷戦後連携して東北部に攻撃をしかけます。一方は「狂気の軍事独裁国家」を装って核開発を行い、他方は「躍進するアジアの虎」として、東北部にカネを注ぎ込む。韓国の経済危機はあったものの、その後息を吹き返し、「朝鮮」は東北部への圧力を強めていきました。
  あくまで想像ですが、このようなアプローチには、アメリカの黙認もしくは消極的な支援があったのかもしれません。もしコケても全て金正日のせいにしてしまえばいいのであり、アメリカにはリスクが少ない「中国封じ」だからです。
  中国の「東北工程」は、このような朝鮮側の攻撃に対抗するものだったと考える余地があります。もちろん、中国の領土拡張意欲(というか、首都からなるべく国境線を遠ざけようとするランドパワーの習性)も無視できません。しかし、中国からすれば「殺らなければ殺られる」という危機感があったように思うのです。
  
  そして今、中国としては、いざというとき直接侵略に転じて、キムジョンイルを武力で除去できるようにし向けているわけです。先だってお伝えした、白頭山付近の空港建設や三本の中朝間高速道路がそれです。
  ここまでの手を見ると、北朝鮮が核兵器を開発したとはいえ、中国の方が一歩上に立っているというのが私の印象です。今後動くとすれば、朝鮮側でしょう。●冬季アジア大会で、韓国選手が「白頭山は我が領土」というプラカードを掲げた事件は有名ですが、あそこまでやるということは、朝鮮側が相当追いつめられているということです。
  もっとも、中国も東北部は虎の子の土地、上海万博の後を睨めば唯一と言っていい発展の余地のある場所です。ここを本当の紛争地帯にすることは望んでいないだろうし、資本主義の朝鮮を利用して儲けておきたいという考えもあるはずです。何より、北の核攻撃(北京なら十分届く)を怖れているはずです。


  日本としては、こういう状況を、中国封じの一手段としておおいに活用すべきでしょう。そのための方法は、●こちらの記事●その追記に記してあります。
  間違っても、中国東北部に大規模な設備投資や、人間の移住など行ってはいけません。盛大に罠にはまるのは、韓国だけで十分です。

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中国と朝鮮はやがて開戦する!!

2007年05月08日 23時48分40秒 | 地政学・国際関係
  旅行関係の記事を上げようかと思っていたのですが、大変重要なニュースを取り上げ損ねていました。

  以前からこのブログでも取り上げている中国と朝鮮の間の冷戦状態が、いよいよ差し迫ったものになってきました。以下の朝鮮日報の記事をご覧下さい。

中国、白頭山の原生林を伐採し新空港を建設
http://www.chosunonline.com/article/20060816000006

--------以下引用--------

 中国が白頭山の西側山麓の原生林に空港を建設中であることがわかった。

 現場は白頭山・天地の西側入り口付近から白山方向に車で20分ほどのところにある吉林省撫松松江河だ。長白山の開発のために先月11日に着工した空港の建設現場ではすでに原生林が切り開かれていた。

 しかしここが工事現場だということを知らせる標識や看板などはどこにもない。その代わりに、せわしく土砂を運び出すトラックの間に「百年大計」と書かれた赤、青、黄色の垂れ幕が見える。

 このスローガンのもと、作業にあたっている現場の作業員のほとんどが軍服姿だ。現場責任者はこの場所が国際法上中国の領土であり、開発は中国の権利であることを繰り返し主張した。この責任者はさらに「白山自然保護区域から9.4キロメートルも離れている」ということを強調した。この開発工事は正当なものだと言いたいのだろう。

 空港建設が着工してから1カ月。工事は中国の経済成長速度を証明するかのように急ピッチで進んでいる。原生林の伐採がほぼ終わり、土地をならすために土砂を運び出す作業が進められていた。

 総事業費3億6000万元(約53億円円)を投じ、滑走路2.6キロメートル、年間輸送能力52万人規模の空港を作るという同事業は、2008年8月の北京オリンピック前の完成を目標としている。

 このプロジェクトは中国の東北地域の交通網を張り巡らせようという計画の一部なのだ。さらに現在中国は北朝鮮と国境線を成す豆満江と鴨緑江の川岸に沿って東辺道鉄道と3つの高速道路の建設も進めている。

 白頭山は韓民族(朝鮮民族)の聖山だ。中国側の山麓が崩されているのにも関わらず、北朝鮮はなすすべもなく、韓国ははるか遠くから見ているしかないのが現実だ。

--------引用以上--------

  ●以前の記事でも言及したとおり、中国と朝鮮との間には、「高句麗問題」や「イオド問題」といった、国家の成り立ちや主権に関わる深刻な対立があります。
  ところが、日本のメディアは全くこれについて伝えません。理由は簡単です。両国のシンパが日本のメディアに食い込んでおり、どちらの顔も立たなくなるニュースを扱えないからです。

(中国東北部の地図)


  さて、どうやら今回は中国が先手を打ったようです。そして、何より注目すべきは、

>豆満江と鴨緑江の川岸に沿って東辺道鉄道と3つの高速道路の建設

 という部分です。中国東北部や朝鮮北部に、高速道路が三つも必要なほどマイカーや輸送用トラックがあるわけがありません。
  ●中央アジアについて扱った記事で、中国が「新シルクロード」という道路を中国が建設中だということを書きました。中国の西部国境から、タジキスタン・キルギスタンを横切ってウズベキスタンに達する予定の道路です。
  このような国境をまたぐ道路というのは、両国の物流や人的交流の促進というのが表の顔ですが、本当の狙いは「有事における陸軍力の投射」にあります。
  いまだに「どっちも反日だから北朝鮮は中国の子分」などと寝ぼけたことを考えている人のために書きますが、この3本の高速道路や新しい鉄道は、人民解放軍が北朝鮮を制圧するための通路ということです。これだけパイプが有れば、数に勝る人民解放軍が、火力の乏しい北朝鮮陸軍を圧倒するのは間違い有りません。

  ここで、朝鮮側の反撃手段として考えられるオプションは、

(1)核兵器による恫喝

(2)朝鮮族を使ったテロ

(3)中国と対立する第三国との連携


  といったところが考えられます。(1)や(3)については、例の「六カ国協議」で、日本に平壌宣言を履行させるという合意でかなりの部分達成されています。あの合意の真の意味は、アメリカが朝鮮の核保有を事実上承認し、日本に金を出させることで提携関係に入ったということです。
  まあ、それでも「日米同盟が裏切られるはずはない」「安倍首相は拉致問題を楯に援助を突っぱねてくれる」と思っている方は、ずっと勘違いしていて下さい。あとで後悔しても、私は責任を持ちません。

  私が注目しているのは(2)です。

  実は、朝鮮にとって千載一遇のチャンスがあります。北京オリンピックです。す。
  たとえば、イスラム過激派のしわざに見せかけて、どっかの競技場や観客移動用のバスを吹っ飛ばしたりするのでしょうか。しかし、中国のような猜疑心のかたまり(ランドパワーはみなそういう性質がある)の国が、そう簡単に騙されるとも限りません。

  それ以前にも、たとえば、こういう機会を「利用」する可能性があります。

2008年北京五輪聖火リレー、延吉を経由
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070430-3.htm

  もちろん、単純に聖火ランナーに危害を加えるというのでは芸がありません。各国のマスコミが延吉に集まったタイミングで、何らかのデモを行い、そこでキムジョンイルの息のかかった朝鮮族の人間が中国人の警官に暴行を受けるというようなパターンです。
  中国が統制国家といえども、(日本の根性無しメディア以外)各国マスコミはこぞってニュースにするでしょう。もっとも、これ自体では中国共産党にはあまり打撃を与えられません。
  そうではなくて、そのニュースを民族意識高揚に利用するわけです。韓国のマスコミは、同胞に対する「弾圧」を連日報道するでしょう。あの民族は頭に血が昇ると見境がつかなくなりますから、「高句麗は我が故郷」などと煽り出す新聞や番組が必ず出てきます。
  そして、南側の秘密裏のバックアップ(と、アメリカの了承?)を得て、北朝鮮共和国軍が中朝国境を突破するのです。朝鮮としては、攻め込まれた場合、現在の国際情勢では38度線までしか後退できず、圧倒的に不利になります。そんな状況を招くくらいなら、攻めに転じるということです。
  呼応して、ハルピンやシェンヤンのような大都市で朝鮮族が蜂起するでしょう。今でもキムジョンイル配下の工作員たちが相当紛れ込んでいるはずです。無理はありません。
  北朝鮮の第一の標的は、中国の核ミサイル基地のある「通化」です。私が北朝鮮の参謀なら、110万の陸軍のうち60万は通化攻略に割きますね。現地の地勢や防衛体制も、朝鮮族を通じてきっちりリサーチ済みでしょう。キムジョンイルは、狂ってはいますが馬鹿ではありません。南の馬鹿大統領と一緒にしては叱られます(笑)。

  日本としては、これを座視するのではなく、朝鮮側に肩入れするような姿勢を見せるべきです。なぜなら、現在東アジア地域で最も脅威になっているのは、膨張政策を露骨に打ち出している中国であり、ひとまずこれを押さえつける必要があるからです。
  何も、政府が率先して声明を出す必要はありません。こういう時こそ、日教組や左翼の学者グループを北朝鮮に渡航させて、高句麗問題について発言させればいいのです。本当は、在日朝鮮人の資本をこの地域に投下させるというのが、彼らの国内への経済的支配力を削ぐという効果もあり上策ですが、いきなりは難しいでしょう。ならば、まずはくすぶり始めた火種に風を吹き込むことから始めればいいのです。
  中国の治安状況が悪化すればするほど、中国からの資本撤退という雰囲気が生まれてきます。製造業の日本回帰が起これば、雇用も回復するでしょう(その前に偽装請負などという違法行為を経団連の会長が率先してやるような仕組みを改めなくてはいけないが)。
  未だに中国の無限の可能性とやらを信じている、経団連の媚中派たちも、刃傷沙汰が起きれば少しは目を覚ますはずです。
  もちろん、以前の記事で述べたように、中国東北部の再開発に的を絞った経済援助というカードも忘れずにキープしつつ、中朝冷戦の行方を注意深く見つめるべきです。
  なにしろ、日本の最大の利点は中・朝・ロいずれの国とも国境を接してないことです。だから、中国を潰すために朝鮮を使い、逆に、朝鮮が強力になりすぎたら中国を使って潰すという、状況に応じた選択ができます。このような立場をオフショア・バランサーといいます。
  日本に欠けているのは、オフショア・バランサーとしての地位を自覚し、主体的に働きかける姿勢です。また、戦前の轍を踏まないよう、内陸に権益を持たないことも大切でしょう。
  微妙な選択や慎重かつ大胆な行動が求められますが、本当に自分の足で立って歩いていくならそのくらいはできて当然です。それが嫌なら、永遠にアメリカの奴隷に甘んじるしかありません。
  
  要するに、中国東北部、すなわち「満州」の情勢は、20世紀初頭に戻ってしまったということです。いよいよ目が離せなくなってきましたね・・・。
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【なんとか】中央アジアの資源ってどうなの??【スタン】

2007年04月30日 01時55分52秒 | 地政学・国際関係
  日本の外交というと、最近どうも「東アジア」と「アメリカ」関係で騒ぎが多いので、他の地域のことを忘れがちですが、そんな中面白い記事を見つけました。

経産相とウズベキスタン首相が声明、資源開発で関係強化へ
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070428i112.htm?from=main1

--------以下引用--------

ウズベキスタン訪問中の甘利経済産業相は28日、同国のミルジヨエフ首相と会談し、ウランや石油、天然ガスなどの資源開発や技術協力の面で関係強化することを明記した共同声明を発表した。

 声明では、日本企業によるウズベキスタンへの投資を促すため両国官民による「ビジネス・投資環境改善ワーキンググループ」を設けることを盛り込んだ。

 一方、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構とウズベキスタン政府がウランなどの探査・開発で協力を進めることなど、3件の覚書を両国の官民が交わした。

 甘利経産相は29日、ウラン埋蔵量で世界第2位のカザフスタンを訪れ、同国のナザルバエフ大統領と会談する予定だ。

--------引用以上--------

  「ウズベキスタン」「カザフスタン」という、おそらくみなさんに耳慣れない国名が登場しました。

  上の二カ国はいわゆる「中央アジア」に位置する国です。



  この地域の特性を簡単にまとめると、二つのポイントがあります。

1.トルコ系のイスラム教徒が多数派である
2.かつてソビエト連邦の一部だった


  この地域は8世紀半ばにイスラム王朝であるアッバース朝の支配を受けて以来、支配的宗教はイスラム教でした(1.)。ところが、1552年にロシアがカザン・ハン国を併合して以降、ロシアの勢力が拡大し、それがそのままソビエト連邦に受け継がれたわけです(2.)。
  ソ連は社会主義国家であり、社会主義(マルクス・レーニン主義)の中核思想は「無神論」でした。当然中央アジアにおける教育にもこの考えが持ち込まれました。今でも他のイスラム教国、たとえばサウジアラビアやイランに比べて、社会全体の宗教色は薄いです。

  この地域は、1991年のソ連崩壊以降、一貫してロシアの影響から抜けだそうとしています。その際、国策として天然資源開発が組み込まれており、欧米の企業がたくさん進出しています。
  今回の甘利大臣の訪問も、当然日本の資源戦略の一環でしょう。

  では、日本は中央アジアでの資源開発に成功するでしょうか。

  結論から言えば、あまり期待しない方がいいというのが私の考えです。

  ところで、中央アジア二カ国の特性として、上で私が触れなかったことがあります。それは、

    3.内陸国である

  という点です。

  そんなの地図を見りゃあわかるだろ、という声が聞こえてきそうですが、これは決定的に重要なことなのです。

  上の地図で、もう一度ウズベキスタンを見てみて下さい。隣接している国全てに、ある特徴があります。何だかわかりますかね?

  アフガニスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギスタン・・・スタンスタンうるせえと言いたくなります(ちなみに「スタン」はペルシア語起源の単語で「国・地域」という意味)が、ここに挙げたのは全て内陸国です。つまり、ウズベキスタンは内陸国に囲まれた内陸国なのです。

  ここから、日本にとって非常に重大な問題が持ち上がるのです。それは、資源をどうやって日本に運んでくるかというものです。

  ウランや石油、天然ガスなどの資源を、飛行機に乗せて運んでくるわけに行きません。そんなことをしたら、運ぶ度に損失が生じてしまいます。

  それなら、陸路で輸送して、船に乗せようということになるわけですが、これが非常に困難な方法なのです。

  一番近いのは、ウズベキスタンからアフガニスタンを通り、パキスタンの「カラチ」という港まで運んでくるルートです。
  アフガニスタン・・・何年か前にたびたび耳にした国です。今あの国はどうなっているんでしょうか。

アフガニスタンの治安現況
http://www.jiji.com/jc/c?g=saf2&k=2007042600654  

--------以下引用--------

 (1)アフガニスタンについては、首都カブール、ジャララバード、ヘラート、バーミアン、マザリ・シャリフ各市内に対して危険情報「渡航の延期をお勧めします。」を、これらを除く全土に対して危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(「退避勧告」)を発出するとともに、スポット情報において、累次にわたりテロや誘拐の脅威について注意を促しています(2007年4月19日付けスポット情報「治安情勢」等)。

  (2)3月4日にヘルマンド県でタリバーンに拉致されたイタリア人ジャーナリストが同月19日に解放されましたが、同解放は、アフガニスタン政府に拘束されていたタリバーン関係者の釈放と引き替えに行われた旨報じられました。さらに、4月3日にはニムローズ県でフランス人NGO活動家2人とアフガン人職員3人がタリバーンに誘拐されました。今後、タリバーン等の反政府勢力が、被拘束者の奪還に向けてさらに外国人を誘拐する可能性が指摘されており、日本人を含む外国人が誘拐の標的になる可能性は排除されないことから、特に東部については、より一層の注意が必要です。

  (3)また、昨年の事例を踏まえれば、アフガニスタンでは雪解けが始まる春以降にテロリストの活動が活発化しており、今後は治安がさらに不安定化することも懸念されます。さらに、これまで外国人を標的とした誘拐事件や、日本のNGOのアフガニスタン人職員が搭乗した車両に対する銃撃事件が発生しており、日本人も誘拐やテロなどの標的となる可能性は排除されません。首都カブールにおいても多くのテロ事件が発生しているほか、昨年以降、全土で自爆テロ事件の発生が顕著になっており、本年1~3月期に発生した自爆テロは昨年同期の約4倍に当たる41件にのぼりました。

--------引用以上--------

>1~3月期に発生した自爆テロは昨年同期の
>約4倍に当たる41件


  こんなところで、石油パイプラインを建設したり、ウランを輸送したりしたら、何が起こるかは、小学生でも想像できます。

  かりに、アフガニスタンが何とかなったとして、パキスタンはどうでしょうか。たとえば、こんな資料があります。

中国とパキスタンの反テロ合同軍事演習「友情2006」
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2007/01/post_2651.html

  もう、タイトルだけで雰囲気が掴めますね。要するに、この国は中国の影響下にあるのです。
  日本の資源外交を中国が助けてくれる、などと思っているお人好しは、訪日した温家宝の演説を「名前の通り温かい」だの「歴史的な名演説」だの、わけのわからないお世辞を言っている馬鹿共●こちらのブログを参照)くらいでしょう。当然、横やりが入るに決まっています。

  ところで、中国といえば、資源に飢えているとしかいいようのない行動を世界各地で展開しているのは有名です。
  当然、中央アジアの石油・天然ガスも狙っており、すでに着々と地歩を固めているようです。

カザフスタン=中国間の原油パイプラインが建設開始(PDF)
http://oilresearch.jogmec.go.jp/enq/frame.php?lurl=/information/pdf/2004/0406_out_j.m_kz.cn_oil_pl.pdf

  このニュースが出たのが2004年5月です。建設はかなり進んでいると思われます。

  それ以上に、重要なのが以下のリンクの内容です。
  
中国と中央アジアを結ぶ「新シルクロード」建設
http://www.china.org.cn/japanese/244086.htm

--------以下引用--------

現在、中国国内では、連雲港から新疆ウイグル自治区のホルゴスまでの幹線道路がすでに全線開通しており、「新シルクロード」中国区間の整備はすでに完了している。中国とタジキスタンを結ぶ中国―タジキスタン自動車道路も開通しており、中国―キルギスーウズベクスタン自動車道路の建設工事もすでにスタートしており、タジキスタンーキルギス間およびタジキスタンーウズベクスタン自動車道路の建設および改造プロジェクトについても合意に達しており、カザフスタンを東から西へと横断する国際基準レール鉄道、中国―キルギスーウズベクスタン鉄道などのプロジェクトも前後して交渉のテーブルのテーマとなっている。

--------引用以上--------

  この新シルクロードとやらが持つ意味を見逃してはいけません。

  道路で国同士が結ばれるということは、両国の交流が活発になるということだけを意味していません。裏返しとして、有事の際に、隣接国に軍事力を投射できるという利点があるのです。
  三つ前のリンクにある中国・パキスタン間の合同軍時演習の目的が「反テロ」であることを、みなさんはどう考えたでしょうか。
  中国は、●「東トルキスタン」の分離独立問題を抱えています。
  この地域を完全に中国に同化するために、女性は強制中絶、男性は政治犯として処刑しまくっています。そして、中国国内では、この問題にに起因するテロ行為や暴動が起こっているという話を聞きますが、中国当局は自分に都合の悪い情報は徹底的に握りつぶしており、日本や欧米には正確な情報が伝わってきません。
  しかし、この問題は中国にとってはかえって「チャンス」でもあるわけです。なぜなら、東トルキスタンのウイグル人は「トルコ系イスラム教徒」であり、隣接国であるなんとかスタンに逃げ込んだテロリスト討伐という名目で、これらの国々に軍事力を差し向けることが可能だからです。反テロを錦の御旗にして世界中を荒らし回っている困った国が、こういう名目を使ってもいいよという風潮を作り出してしまったわけですが・・・。
  つまり、仮になんとかスタンの国々が、中国と敵対する、もしくは、中国が敵対している国に協力するということになれば、「反テロ」を名目に人民解放軍が侵入し、権益の維持を図ることができるということです。
  実際には、そのような中国による侵略の可能性があるというだけで中国には十分です。戦争を実際にやるのは下策(愚かな手段)です。むしろ、軍事力や経済力を使って相手国の意思をコントロールすることが重要なのです。

  では、日本はウズベキスタンに対して、「意思をコントロールする手段」を持っているのでしょうか?
  細かい周辺知識をいちいち挙げていると本質が見えなくなるのでズバリ申し上げますが、日本は内陸国に対して、意思をコントロールするための手段を何も持っていないのです。

  ここで思い出してほしいのは、地政学の法則です。

  日本は、対外的には「シーパワー」(海洋国家)であることは間違いありません。国境が全て海上に存在することがその根拠です。
  それに対して、ウズベキスタンなどの中央アジア諸国は「ランドパワー」(大陸国家)です。
  こういったランドパワーの国の意思をコントロールするための最も効果的な手段は、「陸軍力」です。要するに、言うことを聞かなければ、おまえの国を叩きつぶすと脅すことです。
  航空戦力や核ミサイルでもいいのではないか、と思ってしまいそうですが、それは正しくありません。制空権を取り、大規模な爆撃を行っても、その国の生産手段や国民をコントロールすることはできません。核ミサイルを使っても、放射能汚染や諸外国からの非難というデメリットがあるので、同じことです。
  当たり前ですが、陸軍力は、陸地を接していないと使用できません。その国との間に広大な砂漠や急峻な山脈があれば陸軍力を用いることが難しくなりますが、道路の拡幅や鉄道の敷設でかなりの程度カバーすることができます。だから、ランドパワーの国は鉄道や高速道路が大好き(ロシアとシベリア鉄道を思い浮かべればすぐにわかる)です。
  これを上に挙げた中央アジアの状況に当てはめてみると、中国は中央アジア諸国をコントロールし、権益を維持発展させるための条件を満たしていますが、日本にはそれが全くないということは簡単にわかるでしょう。

  日本が権益を持つべきなのは「海」や「港」です。そうしておいて、離れた地域同士を海運で結びつける、もしくは、自国に資源を導いて付加価値をつけて転売するというのが、シーパワーの王道です。ギリシャのアテネ、中世のベネチア、近代のイギリス・・・小さな国土しか持たない海洋国家が発展してきたことが、その何よりの証拠です。
  その一番の障害になるのが、ランドパワー国家が遠隔地を一本の交通手段で結ぶことです。なぜなら、そういう交通手段が出来てしまうと、シーパワーの利益の源泉である、海洋経由の「中間マージン」(イギリス型)や「付加価値の付与」(日本型)が発生しなくなってしまうからです。
  だから、シーパワーが取るべき戦略は、ランドパワーを分断しておき、そのような交通手段を作らせない・利用させないことです。
  たとえば、第一次大戦前に、ドイツがオスマン・トルコ領内を通る「バグダード鉄道」を敷設しようとした時、イギリスは宿敵フランスと「英仏協商」を結んで、フランスとロシアにドイツを挟撃させようとしました。以前の記事でも書いたような、ランドパワー同士を相討ちさせるという戦略を見事に実行したわけです。
  甘利大臣のウズベク・カザフ両国訪問が、中国に対する牽制であるという可能性はあります。しかし、それならばインドやイランを使った方が効果的です。むやみに中央アジアにお金を落とさない方がいいでしょう。現地に大規模な生産設備や日本人居留地のような「権益」を持つに至っては論外です。

  日本企業が巨額の投資を行ったところを、根こそぎランドパワーに持って行かれるという失敗は、満州国がよい例です。
  日本は、旅順という後背補給港があったにも関わらず、満州国の権益を守り通すことができませんでした。周りが敵だらけで、長大な国境線を守らなくてはいけない・・・周りが海しかない日本には、もともと向いていなかったのです。
  もし、何とかして世界恐慌後の不況を脱したかったなら、同じシーパワーであるイギリス・オランダのアジア権益を狙った方が賢明だったでしょう。マラッカ海峡とマリアナ諸島だけ押さえておけば、この地域の権益は守ることができるからです。

  この考えは、現代においても当てはまるはずです。ランドパワーが有利な土俵で戦いを進めてはいけません。
  とりあえず原油や天然ガスを利用しながら、「風力発電」「太陽光発電」「波力発電」「海洋温度差発電」といった、シーパワーに有利な発電方法を発展させ、高度な技術が必要な燃料電池を実用化レベルに持っていき、内陸国の石油権益を相対化する方向へ向かわなければいけません。
  そうすれば、おのずと道は開けるでしょう。政府やマスコミも、そういうことをもっと盛んに宣伝してほしいものです。そうすれば、日本国民ももっと未来に夢を持つことができると思うのですが・・・。    
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【NEW】「地政学を勉強してみよう」追補【NEW】

2007年04月01日 00時27分46秒 | 地政学・国際関係
  本業が春期講習中で、更新が滞っており、申し訳ありません。

  ●前回の記事について、少々補足してみたい事が出てきました。そこで、追補の記事を上梓いたします。

  まず、ランドパワー(ロシア、中国、朝鮮)の海洋進出封殺について、日本は大きく前進しました。以下のリンクは重要です。

日豪2プラス2創設で一致/防衛相とハワード首相
http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/article.aspx?id=20070313000254

(以下引用)

久間章生防衛相は13日午前、ハワード・オーストラリア首相と都内で会談し、外務、防衛担当閣僚による日豪安全保障協議委員会(2プラス2)を創設することで一致した。同日夕の安倍晋三首相との日豪首脳会談で発表予定の安全保障協力に関する共同宣言に盛り込まれる。

 ハワード氏は、陸上自衛隊が駐留していたイラク南部サマワで豪軍が治安維持を担当するなど、両国の防衛交流が緊密になっていることに触れ「共同宣言の締結は、日本との防衛分野での関係を密にするものだ」と評価。同時に「オーストラリアが2プラス2を実施しているのは米国、英国だけで、日本との2プラス2を前進させることが重要になる」と述べた。

 久間氏は2プラス2の実現に賛意を示した上で「ネルソン国防相の訪日をお願いしたい」と要請した。

(引用以上)

  久間防衛長官は、以前アメリカのイラク政策を批判した発言をした人物です。穿った見方ですが、防衛庁内の制服組(自衛官経験者)が彼を担いでいるのかも知れません。
  その目的は、ズバリ「アメリカを通さない軍当局同士の連携」です。

  さらに、この記事です。

日豪首脳、安保協力共同宣言に署名
http://tuf.co.jp/i/news/mori/0314/03140941.htm

(以下引用)

  安倍総理はオーストラリアのハワード首相と首脳会談を行い、安全保障協力に関する共同宣言に署名しました。日本が安全保障の分野で協力関係を結ぶのは、アメリカ以外では初めてです。
  「安全保障協力に関する日本とオーストラリアの共同宣言」では、両国の協力をテロ対策や海上の安全・平和活動などにも拡大するとし、防衛当局の人的交流や共同訓練の実施のほか、外務・防衛担当閣僚による対話、いわゆるツープラスツーの創設なども盛り込んでいます。
  また首脳会談では、EPA=経済連携協定の交渉を進めていくことも合意されましたが、これについて安倍総理は「日本にとっての農業の重要性を認識しながら相互の利益を実現させていきたい」と述べ、日本の農産物への影響に配慮しながら交渉を進める姿勢を強調しました。

(引用以上)

>日本が安全保障の分野で協力関係を結ぶのは、アメリカ以外では初めて

  このことの重要性は、いくら強調してもしすぎることはありません。

  アメリカは、ランドパワーを制圧するために、リムランド(ランドパワーと接触する海岸部)の国と個別の安全保障条約を結んできました。リムランドにいる国を自分の権益下に置くためです。いわゆるスパイクマン理論(詳しくは、●こちらのリンク)というものです。
  この戦略は、アメリカの力が圧倒的だった時期(たとえば湾岸戦争まで)は有効に働いていましたが、いわゆる9.11テロ以降、アメリカが中東に戦力を集中させるような軍事戦略を採るようになると、しだいにボロを出すようになりました。
  そして、本来はスパイクマン理論ではタブーだった、アメリカ抜きの海洋国家による安全保障協力体制が持ち上がってきたのです。もう、アメリカにはこれを止める力はないでしょう。ただでさえ、一触即発の中東で手一杯なのですから。

  オーストラリアは資源国であり、その資源を一番買っているのは我が日本です。オーストラリアとしては、太平洋西部の海の安定は至上命題なのです。そういう点で、日本とは地政学上の利害が完全に一致します。
  経済連携協定(EPA)については、交渉をして行くしか有りません。しかし、オーストラリアの農作物は、日本と相互補完になっているものが少なくありません。その中でも特に牛肉は、狂牛病のリスクがゼロです。●牛丼チェーンの「すき家」が米国産牛肉を一切使わずに、オーストラリア産牛肉だけを使った牛丼を提供しているのは有名な話ですね。
  それに、農産物の品質に問題があるなら、改善して欲しいという交渉をすればいいのです。武力にものをいわせて不良牛肉を押し売りしてくるヤクザのような国とは違い、対等なパートナーシップのあるオーストラリアは必ず交渉に応じます。
  たとえば、オレンジやレモンにしようしている防かび剤(TBZやイマザリル)は、輸出向け食品に使用しないように申し入れるのです。そのかわり、「オーストラリア産フルーツのは安全」という宣伝をすればよいでしょう。
  その割を食うのはアメリカの農薬漬けフルーツでしょうが、そんなのは知ったことではありません。相手国の消費者感情を無視して「買え」と言ってくるような国から、食べ物を買う必要はありません。
  
  要するに、我が国に、やってもいない慰安婦の強制徴発を謝罪しろという決議を議会がしてくるような「同盟国」など不要だということです。アメリカは日本を嘗めきっています。少し距離を置いて、他の国との提携も模索するべきです。

  また、ランドパワー同士を相討ちさせるための格好の材料を見つけました。政府関係者の方がもしご覧になっていたら(笑)、ぜひ参考にして下さい。

朝鮮族学校の経費難
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070313-2.htm

(以下引用)

《朝鮮族学校の運営に存在する一番難しい問題点》に、おおよそ 89%の校長たちが 経費難》を挙げた。》朝鮮族学校で一番至急に解決しなければならない問題点》でも 《資金の解決》(57%)が過半数 1位と出て、朝鮮族学校の運営で資金難が一番深刻な問題であると言う事をうかがうことができる。

(引用以上)

  前回の記事では、朝鮮族が運営する「延辺大学」への援助を通じて、中国東北部における朝鮮族の民族運動を活発化させるという提案をしましたが、朝鮮族学校の運営基金を設立するというのも有望なプランですね。費用対効果も良さそうです。
  もちろん、こういう場所には在日朝鮮人を間に噛ませて間接的に資金援助をするわけです。在日朝鮮人の多くが、日本を敵視しており、おかしな運動に加担しているのは事実ですが、そうでない者も一定数は存在します。そういう連中を、アメと鞭でコントロールし、ランドパワーの対立を煽るための活動に協力させるべきです。
  ネット右翼や自称「保守」の方々も、もういい加減現実と向き合った方がいいです。在日朝鮮人をいきなり全員排除するより、こういう工作活動に従事できる人々を残し、敵性の強い連中を排除していくべきです(もちろんそれは、「朝鮮総連は悪い奴だが韓国民団は悪くない」という馬鹿げた図式を指すのではない)。
  以前も言いましたが、日本にも敵がいるように、ランドパワー(在日朝鮮人も含む)にも敵が存在するのです。それを利用して、最終的には自分たちが生き残るための道筋を探すのが、本当の国家戦略です。
  地政学は、そのための視点を提供してくれる貴重な分野です。本ブログでも紹介した地政学のサイトに行って、是非いろいろ考えてみて下さい。
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【感情論は】地政学を勉強してみよう(3)【要らない】

2007年03月20日 08時08分28秒 | 地政学・国際関係
  前回までの認識に基づいて、日本が取るべきランドパワー対策について述べます。

 基本となる方針は、これです。
 
  1.海洋への進出を封殺する
  2.最も強力な中国に対して、ロシア・朝鮮を対立させる

  隣接するランドパワー同士は対立するという原則が守られるためには、その国の意識を内陸に向かせることが必要です。
  たとえば、資源・エネルギー政策で有れば、日本近海の海底資源にはアクセスさせないことです。そうすれば、ランドパワーは隣接ランドパワーを奪う方向に向かうのです。
  我が国は、アメリカ軍の力を借りる、というより、アメリカ軍に全面的に依存する形でランドパワーの海洋進出を封じていますが、これはあまり好ましい状況ではありません。なぜなら、アメリカの都合によって、防衛体制に緩みが出てくる可能性があるからです。自分の国の防衛は、自分の国でできるようにしなくてはいけません。
  そこで、こういう案を採るのはどうでしょうか。
  在日米軍の主力空母である「キティホーク」が、2008年をもって退役します。これをアメリカから購入するのです。
  もちろん、初めは「練習用空母」という名目で構いません。訓練期間の間に、艦載機を購入又は生産し、来るべき就航に備えます。日本はパイロットの腕はいい方なので、何年か演習を積めば作戦行動に支障はなくなるでしょう。
  これにイージス艦を護衛につければ、尖閣諸島や対馬へのランドパワーの上陸は問題なく防げます。
  問題はアメリカがこれを飲むかどうかですが、将来紙屑になりかねない国債を大量に買ってやっているよしみと、「同盟国アメリカには是非中東での作戦に集中してもらいたい」という意志表示をすればいいだけです。キティホークがなくなっても、横須賀の米軍基地にはニミッツ級の原子力空母が寄港するので、アメリカ軍のプレゼンスは変わりません。

  これで、とりあえず1.はクリアです。次は2.です。

  これについては、前回見たように、対立の火種はランドパワー自身が抱えています。そうだとすれば、日本が行えばいいのは中朝ロの対立に油を注ぐことだけです。
  では、具体的にはどうするのでしょうか。あくまで私見ですが、以下のようなオプションを紹介します。
  前回の記事を思い出して下さい。中国と朝鮮は「高句麗問題」で対立し、ロシアと中国は「沿海州への中国人流入」という火種があるということは、すでにお伝えしました。
  そこで、我が国は、最大の武器である「金」と「技術」で、この問題を先鋭化することに専念すればいいわけです。
  
  まず、中国との間で、「経済協力」を持ちかけます。
  そうですね、名目は中国共産党が取り組んでいる「東北地区等旧工業基地振興」への協力とでもしておきましょうか。もちろん、そのために共産党の幹部を何人か買収しておく必要があります。
  特に、金や技術を注ぎ込むべきなのは、朝鮮国境に近い地域です。瀋陽(シェンヤン、旧奉天)や、撫順(フーシュン)、鞍山(アンサン)あたりがいいでしょうね。当然、こういった町の共産党幹部には袖の下攻勢を仕掛けます。
  中朝国境付近ですから、当然朝鮮の軍隊が侵攻してくるリスクも高いわけです。中国共産党の中央指導部は避けようとする可能性がありますが、そこを地元政治家を抱き込んでしまうわけです。もっとも、中国は国家自体が自転車操業です。党中央も、北京五輪、上海万博以降の投資の目玉には、飛びついてくるでしょう。
  もっとも、この段階で日本の企業が直接進出してはいけません。日本が提供するのは、あくまで技術指導と資金提供です。権益を持ってしまうと、後々身動きが取りづらくなるからです。
  こうして、上の地域が発展する徴候を見せれば、中国としてはやはり直接の脅威である北朝鮮軍を排除もしくは無力化しようとするはずです。最低でも、この近辺に駐留する陸軍を増強してくれればいいのです。キムジョンイル政権への圧力にはなります。

  また、朝鮮としても、わざわざ「高句麗・渤海は朝鮮の歴史」という主張をしているほどですから、この地域に対する領土的野心は少なからずあります。
  朝鮮人の国民感情をよく表した資料があるので、紹介しておきます。

ある韓国ネチズンの小説「世界は朝鮮を中心に回ってゆくニダ」
(厳選!韓国情報)
http://blog.goo.ne.jp/pandiani/e/d29a186671dc049c219700fd9d09ee2a

>中国の東北地方やロシアのシベリア南東部は完全に韓国経済の
>支配下に入り、これらの地域の地方政府や住民は本国より
>韓国との関係強化を望むようになった。
>住民投票で韓国に併合してもらおうという世論が高まり
>中国やロシア政府は戦々恐々だ

  見事に中国東北部が入っていますね。なお、ここでも、

>黄教授の才能を惜しんだ政府が、北朝鮮の協力を得て
>ひそかに金剛山に秘密研究所を設置し研究を続けさせていた

  という風に、南と北が一体化していることを伺わせるくだりがあります。まあ、同じ民族なのですから当然と言えばですが。
  そう思わずに(あるいは知っているのに)「北朝鮮は危ない奴らだが、韓国は仲間」などという言動をするマスコミや政治家が多いことに、日本という国の抱えている深刻な病状が表れています。

  そうしておいた上で、もう一つ手を打ちます。それは、朝鮮族が運営する延辺大学への資金援助です。
  この狙いは、朝鮮族の民族意識の高揚です。うまくいったら、延辺大学内の、朝鮮族の民族自治拡大、もしくは独立を狙っているグループを援助するという手もあります。
  中国に同化せず、朝鮮式の生活を続ける朝鮮族は、いわば東北地方の獅子身中の虫です。数がまとまって、騒ぎを起こすようになれば、中国側としては「弾圧」を始めるでしょう。
  そうすれば、またぞろ韓国政府やマスコミが高句麗がどうのこうのと騒ぎ始めるに違い有りません。朝鮮のメディアが「朝鮮族を救え」「韓民族は一つの家族」などと言い始めたらしめたものです。
  私が朝鮮関連のニュースや文献を見ていて気づいたのは、朝鮮人は自分の置かれている立場をわきまえずに行動するクセがあるということです。
  だから、ちょっと自信を付けると、すぐにボロが出るのです。たとえば、今までは歴史教育などを通じてプロパガンダを行っていたのに、それがうまく行き始めたと見るや、自分たちがしゃしゃり出てきて、馬脚を現してしまうのです。すでに終わりが近づいた(終わった?)韓国ドラマ「ブーム」などがよい例でしょう。
  この傾向は、一方的な歴史教育を施された朝鮮本土の人間にはよりよく当てはまります。朝鮮半島がキムジョンイルを総司令部として日本に浸透工作をしかけているように、日本も朝鮮に対してプロパガンダを仕掛ける余地は十分にあります。

  問題は、この朝鮮族への工作が中国側にかぎつけられることですが、こういう時こそ在日朝鮮人を使うべきです。
  汚い話になりますが、違法行為をしている在日朝鮮人企業を摘発し、処罰を免れさせることを条件に、朝鮮族を援助させるのです。万が一キムジョンイル側がこれを知っても、止めないでしょう。むしろ、こういう面では朝鮮と協力しても構わないのです。日本には、何も不利益にはならないのですから。
  さらに、長い目で見て、在日朝鮮人の中に、日本のために働くような人材を植え込んでおくということも必要になってくるでしょう。

  こうして、東北地方は、経済発展を続けたい中国と、あわよくば権益を満州にうち立てようとしている朝鮮の間の「ハートランド」になるというわけです。

  なに?そんなやり方には現実味がない?

  そんなことはありません。歴史の上でも、中国と朝鮮の対立を利用した日本の政治家がいるのです。厩戸王子(いわゆる聖徳太子)がその人です。
  聖徳太子が、遣隋使に持たせた国書で、日本の天皇を「天子」と称して隋の皇帝の怒りを買ったのは有名な話です。しかし、隋はその後日本に返礼の使者を送ってきました。隋が当時朝鮮北部にいた高句麗と対立しており、日本と高句麗が接近することを怖れたからです。
  つまり、強力な朝鮮半島の政権と戦うためには、中国は朝鮮の背後にいる日本と協力せざるを得なくなるのです。聖徳太子はそこをちゃんと理解していたのです。彼が偉人だと言われるゆえんです。

  現代の政治家は、こういう面倒くさい「外交」を全てアメリカに丸投げしてしまっています。だから、朝鮮にも中国にもなめられるのです。

  では、ロシアに対してはどうでしょうか。

  日本が採るべき方法は、中国人の沿海州・シベリア流入を促進することです。
  具体的には、中国企業と合同で、ロシアの資源を加工・精錬する施設を作ります。この時も、出すのは金と設計図だけで、労働力は全て中国側に拠出させます。そして、この工場で中国人を雇わせれば、一丁上がりでしょう。「沿海州に行けば仕事がある」という噂が出回れば、低所得層の民工(単純労働者)がどんどん入ってきます。
  焦ったロシアが入国許可を厳密にすれば、なおのこと好都合です。「勤勉な中国人労働者の力がもっとほしい」などと言って、地方の共産党幹部やブローカーに金を渡すのです。そうすれば、必ず国境侵犯をやらかす中国人が出てきます。
  もうここまで行けば、国際問題化するのは間違い有りません。
  国外への投資というのは、こういう目的のために使うのです。敵と戦うのは、軍事力だけではないのです。使えるものは何でも使うべきです。

  これらの方法のポイントは、いかに現地とコネのある人間をコントロールできるかにかかっています。
  集中的に狙うターゲットは、中国の地方の共産党幹部です。中国は、放っておくとすぐに地方から腐敗が始まる国です。歴代政権が、あれほど賄賂や利益あっせんは罪だと言って綱紀粛正を唱えても、少し経てば汚職が常態化するのが中国です。
  中国人は個人主義で、同郷人や家族、もっと極端にいえば自分しか信用してしません。だから、本源的に群雄割拠に陥りやすいです。朝鮮やロシアよりも調略を仕掛けやすいのです。
  もっとも、戦前の轍を踏むことだけは避けなくてはなりません。
  戦前の日本は、尾崎秀美(ほつみ)のような共産主義の活動家にうまく乗せられ、この群雄割拠状態を「権益の樹立」に使おうとしました。そして泥沼の日中戦争です。
  それではいけません。●「ロシアとのビジネスは成立するか?」という記事でも述べたように、ランドパワーの国に権益を持っても、土地に対する支配力のない日本にはそれを守ることはできません。
  そうだとすれば、日本としては「エサをまく」ことに徹するべきです。

  今の日本は、それぞれのランドパワーと単独で向き合おうとしているから、手詰まりになって、何をやっても友好友好になってしまうのです。「自分に敵がいるように、相手にも敵がいる」と考え、それをうまく使っていくという発想が必要です。
  そのとき、一番邪魔になるのは、「よい・わるい」の価値判断で選択の余地を狭めることです。
  たとえば、上で私が「在日朝鮮人を使う」ということを書いたとき、何を思ったのかということです。おそらく、巷に見られる「ネット右翼」や自称「保守」は、在日という言葉だけで何か食あたりを起こしたような反応をするのかもしれません。
  それでは、合理的な国家戦略など成り立ちません。朝鮮人が嫌いだとか、中国政府は許せないとか、そういう価値判断をすること自体は仕方がないとしても、それを優先して、有効な手段を放棄するのは愚かなことです。
  私が、いわゆるネット右翼や自称保守の人々について一番懸念するのは、彼らは朝鮮や中国が擦り寄ってきたら真っ先に助けてやったり、友好親善に走ったりするタイプだということです。
  だってそうでしょう?彼らは「好き・嫌い」でしか物事を判断していないのです。だから、朝鮮が今までの「悪行」を全て悔い改めて、日本を仰ぐような姿勢をとるようになったら、途端に「アジアの同胞を助けろ」などと言いだしかねないのです。特に、大東亜戦争をアジア解放戦争だったと礼賛している人は、注意した方がいいです。
  戦前の日本は、そういう人間が多数派だったために、日韓合邦(日本の国費の20%を朝鮮半島の近代化のために「浪費」)や、満州国建国(不況の本土よりも設備投資が優先されたばかりか、米英も敵に回す)という馬鹿げた事態を生んでしまったのです。

  ランドパワー対策が数学の問題ならば、地政学は「公式」「公理」であり、人類の歴史は「解法のパターン」なのです。
  それぞれの問題を、公式も解き方(たとえば、同じ島国のイギリスの国際関係史)も知らないで解こうとしたり、感情的な判断を先行させることの愚かさに気づかなくてはいけません。

  さて、こういう記事だとどうも自分の見識の無さが露見してしまうので、次回からは私の仕事(塾講師です。念のため)に関係した記事なども交えて、しばらく力を抜いた記事を書いていこうと思います。
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【中朝ロ】地政学を勉強してみよう(2)

2007年03月11日 02時36分35秒 | 地政学・国際関係
  前回の続きです。

  前回、私は、日本のような海洋国家(シーパワー)が、中国のような大陸国家(ランドパワー)と戦うと、「最後には必ずランドパワーが勝つ」という話をしました。
  ランドパワーには人命を省みない戦法と取れるという強みがあり、さらに、最近はシーパワー諸国に移民を送り込んで間接支配(同胞バラ撒き作戦)を実現するという新戦法を編み出しています。特に後者については、アメリカとの安保によって対抗することは困難です。
  では、どうすればいいのかというと、

 「シーパワー国家は、ランドパワー国家の
  協力なしにはランドパワーには勝てない」

 という法則を実践することです。

  こう言うと、おそらくこのブログをご覧になっているみなさんは、非常にひっかかる部分があるのではありませんか。それは、おそらく、

 「ランドパワー国家の協力」


  という部分です。

  要するに、そもそも、日本に「協力」できるようなランドパワー国家がいるのかという疑問です。

  確かに、日本の周りにいるランドパワーは「過去の出来事を捏造して金を巻き上げるヤクザ」や、「開き直って逆ギレする誘拐犯」「いっしょに商売をやろうと金を出させておいて、約束を反故にする詐欺師」のような国しかいません。これは、私にも異論がありません。

  しかし、ここで是非理解して頂きたいのは、地政学における「協力」という言葉には、倫理的・道義的意味は全くないということです。
  地政学の根本的な命題は、「その国の置かれた地理的条件に即して、他国に対していかに優位を保つか」という点にあります。要するにパワーゲームです。
  ここでは、外国に対する好悪の感情は問題になりません。利用できるものは全て利用するのです。
  日本人というのは、こういうところが異常なまでにナイーブです。戦後教育とやらで「外国人はみんな友達」だと思ってやってきて、それが国家戦略にまで影を落としているのです(特に、前者の病気に冒されている役人や政治家が多い)。
  そうかと思えば、ネットの世界では朝鮮や中国の名前を出すと全否定というのが、もはやパターン化しつつあります。どちらも極端です。地政学は、好悪の感情や道義的な価値判断を前提にはしていません。むしろ、それらは邪魔になる場合が多いのです。

  そういうわけで、以下では、道義的な価値判断はとりあえず脇に置いて、日本が取るべき戦略を考えていきましょう。

  そもそも、日本の周りにいるランドパワーは、お互いをどう思い合っているのでしょうか?
  まず、大物同士から生きましょう。中国とロシアです。

  この二カ国は、「上海協力機構」というランドパワー連合の二大巨頭です(同機構については●こちらを参照)。この2カ国が団体を組織しているのは、当然強敵(=アメリカ)に圧力をかけるためです。
  また、エネルギー分野でも、この二カ国は非常に緊密な関係を築き上げつつあります。東シベリアを通る石油パイプラインはすでに着工しており、中国ルートは2008年末にも完成することになっています。日本相手にはサハリンのガス田でだまし討ちのような真似をするくせに(詳しくは●こちらの記事)、たいした大盤振る舞いです。

  しかし、注意して下さい。これは、あくまで「表の顔」です。

  本当の中ロ関係は、こういうところに表れています。

押し寄せる中国人、「沿海州経済」を掌握(上)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/12/25/20061225000050.html
同タイトル(下)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/12/25/20061225000051.html

  沿海(沿海地方)というのは、こういうところです(画像の真ん中下やや右)。



>沿海州でビザを取得し、活動している中国人は25万人
>(沿海州全体の人口の3.8%)に上り、不法滞在者を加えれば
>沿海州全体の人口(650万人)の10%に上るものと推定
>されている。(中略)
>沿海州の今年1月から9月までの外国人入国者数は26万人だが、
>このうち中国人が68%を占めている。  

  日本全国の外国人登録者総数は200万人程度であり、不法滞在する「外国人」は推定で25万人と言われています。1億2千人を超える人口の中での225万人(1.7%)です。それを考えると、4%近くを中国人のみで占めているという状況のすごさが実感できるでしょう。
  ある調査では、中国人労働者の極東・シベリア開発への参加に66%が危険だとして反対し、中国人の自由往来についても「制限すべき」が69%に上っています(●こちらのホームページを参照)。
  面白いもので、ロシア語で「中国人」というのはкитай(キターイ)と言います。かつて万里の長城以北にいた遊牧民「契丹族」から来ている名称です。アジア系の遊牧民といえば・・・そう、「モンゴル人」ですね。ロシアは中世にモンゴルに征服されていた歴史があります(タタールのくびき)。
  ロシア人から見れば、新たなモンゴル人に国土を浸食されているという印象なのかもしれません。そして、その流入は、どうやら止まるところを知らないようです。

  しかし、その沿海州を中国側から見てみると、全く違う認識になります。
  ●北京条約という条約をご存じでしょうか。清王朝が、イギリス・フランスと「アロー戦争」という戦争を戦ったとき、仲裁したのがロシアでした。その仲裁の代償として、何と清が支配していた沿海州をロシアに割譲することになってしまったのです。
  こういう恨みは、なかなか忘れられないものです。ランドパワーというのは土地に固執する性質がありますから、出来ることなら沿海州を取り返してやりたいと思っている中国人は結構いるはずです。だからこそ、ロシアの懸念を余所にどんどん人を送り込んでいるのかもしれません。

  以上をまとめると、ロシアは沿海州など自国領に中国人が流入するのを怖れ、中国はロシアに対して領土をかすめ取られたという意識を持っている可能性が高いことがわかります。

  次に、中国と朝鮮についてはどうでしょうか。

  歴史を捏造してそれをネタに日本をゆすっていたり、過去には属国であったという歴史から、「朝鮮は中国べったり」などと思っている人が多いのではないでしょうか。

  結論から言います。現実は全く逆です。実は、中国人と朝鮮人は、日本人に対する以上にお互いを敵視しています。
  証拠はあります。「高句麗問題」がそれです。

  「高句麗」というのは、現在の北朝鮮から中国・吉林省の辺りで、特に6世紀前後に栄えた国です。実は、この国が、中国の歴史に属するか、朝鮮の歴史に属するか、朝鮮と中国の間でものすごい論争が起きているのです。
  
  きっかけは、中国政府が1997年に始めた歴史研究プロジェクト「東北工程」です。この研究の結果として、中国政府は2004年に「高句麗・渤海は中国の地方政権だった」と明言するに至りました。
  それに対する、朝鮮側の反応です。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/17/20040917000027.html

>外交通商部は17日、中国政府の傘下機関が発行する月刊誌で
>「中国の少数民族政権」と再び高句麗史を歪曲したことと関連し、
>中国側に是正措置を要求する方針だと明らかにした。

  歴史の歪曲・・・もはやウンザリするほど聞かされた(笑)文句ですが、朝鮮はそのネタで中国に対しても噛みついているわけです。

  ところで、以前から私は南北を分けずに「朝鮮」として扱っています。そして、その認識は100%間違っていないと断言できます。以下の記事が根拠です。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/09/14/20040914000071.html

>北朝鮮の官営朝鮮中央放送は14日、「高句麗は対外関係において
>確固たる民族的自主権を固守しており、それを侵害しようとする
>いかなる試みも断固として撃破した」とし、
>「高句麗は大国の少数民族政権や地方政権、属国ではなく、
>堂々とした自主独立国家だった」と報じた。

  まあ、見事と言う他はない援護射撃です。

  歴史問題程度か・・・と思う方には、もう一つ紹介しましょう。実は、中国と朝鮮は領土問題を抱えているのです。それが離於島(イオド)問題です。

  中国が、我が国の沖の鳥島(日本最南端の島)を「ただの岩だ」と主張しているのは有名な話ですが、それを朝鮮相手にも主張しているのです。

中国「離於島の韓国海洋基地、法的効力ない」
http://senkakujapan.jugem.jp/?eid=16

(以下引用)

中国は済州道(チェジュド)東南海域の暗礁である離於島(イオド)地域の韓国海洋探測基地建設に関し、「韓国側の一方的な行動は全く法律的効力がない」と主張した。

中国外務省の秦剛報道官は14日の記者会見で、「蘇岩礁(離於島の中国名)は(国際法上島ではなく)東中国海北部の水面下にある暗礁」とし、このように述べた。

(引用以上)

  事の発端は、どうやら排他的経済水域(EEZ)のようです。そして、これが朝鮮側のどんな反応を呼び起こしているか。韓国の日刊紙・中央日報の社説を見てみます。

http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=79934&servcode=100§code=110

(引用)

 中国外交部スポークスマンはおととい「離於島は東シナ海北部に位置した暗礁」とし「韓国政府で扱った一方的行動は法的効力がない」と主張した。もちろん離於島が水中の暗礁だから国際法上、我々の領土ではない。しかし離於島は我々の排他的経済水域(EEZ)内に位置している。最も近い中国の島は247キロも離れているが、済州島(チェジュド)からは149キロしか離れていない。現在、中国とEEZ交渉を進行中だが、両国間の海洋が200カイリ未満の場合、中間線がEEZ界線というのが国際法の一般原則だ。したがって離於島は我々が権利を持っている海域である。

  我々が海洋基地を作る作らないは、中国の干渉する事項ではない。海洋資源確保のための中国のこんな主張は一言で詭弁にすぎないといえる。中国が離於島問題を取り挙げたのは、緻密な計算によるものと見なければならない。高句麗(コグリョ)及び渤海(パルヘ)史歪曲や漢江(ハンガン)流域中国領土説、白頭山アジア大会聖火採火と大々的な白頭山開発、そして離於島問題提起など、一連の挑発は中国の覇権主義的な領土への野望を露骨に表したものだ。

中国がこのように我々を甘く見るのは、この政府が自ら招いた側面が強い。対中国低姿勢外交がこうした事態を招いたのだ。政府は離於島問題に対して中国に強力に抗議し、離於島に対する実効的管轄を確固たるものにしてほしい。

今後は中国にも言うことは言う外交を望む。

(引用以上)

>中国の覇権主義的な領土への野望

  敵愾心むき出しですね。朝鮮が中国にヘコヘコしていえるという印象は、なくした方がいいかもしれません。
  
  では、なぜ中国がここに来てわざわざ朝鮮に対して敵対し始めているのでしょうか。
そのもっとも大きな理由は、中国東北地方、いわゆる「満州」をめぐる情勢の変化です。

  現在の胡錦濤政権が、目玉として打ち出しているのが「東北地区等旧工業基地振興」です。取り残された内陸部を発展させて、格差を是正しようというプランのようです。中でも満州の老朽化した工場への新たな設備投資は、さらなる成長への起爆剤として効果を期待されています。

  ところが、この起爆剤を、本当に「爆発」させてしまいかねない連中がいます。そうです。核実験に成功したキムジョンイル政権です。
  北朝鮮の核は、弾道ミサイルに詰めません。しかし、車に満載して爆発させることくらいなら可能です。つまり、今の段階で北朝鮮の核に最も怯えているのは、陸続きで長大な国境線を持つ中国ということになります。

  しかも、満州にはキムジョンイルの手下になって動きかねない「異民族集団」が大量に住み着いているのです。それが「朝鮮族」です。
  満州の朝鮮族の歴史は、19世紀後半、飢饉をきっかけに李氏朝鮮領内から満州へ朝鮮人が大量に流入したことに始まります。1885年には清王朝が朝鮮移民による満州開拓を奨励して、さらに朝鮮人が満州へ入ってきました。その後、韓国併合を期に日本の資本による後押しで、朝鮮人の満州流入は続きます。
  一つの転機は、日本の敗戦と中華人民共和国の成立です。共和国政府は、満州の朝鮮人を「少数民族」として認定し、主権を認めない代わりに、朝鮮語による教育やラジオ放送が認められました。吉林省の延辺大学は、朝鮮語で講義を行う大学として1949年という早い時期に設立されています。
  その吉林省など、いわゆる東北三省には、約200万人の朝鮮族が住んでおり、今でも朝鮮語を使い、キムチを日常食にして暮らしているというわけです。ここに北朝鮮の工作員が紛れ込んでも、見つけるのは難しそうです。
  現に、以下の記事のような朝鮮族の工作員もいるのです。

北に国内IT情報を渡したスパイを拘束
http://news.pyongyangology.com/archives/2006/04/it_23.html

>中国朝鮮族の北朝鮮工作員チョ・ギョンチュン(50)

  今まで見てきたような「中朝対立」を踏まえれば、このような人物が満州で暗躍している可能性大です。中国が朝鮮を信用するはずがありません。
  何か紛争の種があれば、南北まとめて叩きつぶし、満州を躍進の地に・・・などと考えているかもしれません。

  あまり論じる意味がないので、朝鮮とロシアの間の話は取り上げませんが、要するにこの参加国は、余り仲が良くない、もっと言えばお互いをかなり嫌っているというのが伝わってくるのではないでしょうか。
  それもそのはずです。隣接するランドパワー同士は、仲が悪いというのが世界の歴史を通じた絶対の法則なのです。
  なぜかというと、ランドパワーの本質がそういうものだからです。ランドパワーの生息地は内陸なので、常に周りが敵という状況で生きて行かざるをえませんでした。そうなると、サバイバルのために、社会全体が他人を信用せず、攻撃的な性格にならざるを得ないのです。だから、隣り合う国など絶対に信用しません。
  
  そういうランドパワーが手を取り合うのは、他によほど大きな敵がいる場合に限られます。たとえば、中国における「国共合作」の時は、日本軍という敵がいました。上海協力機構なら、世界の警察アメリカであり、中国の海洋進出を邪魔する日本(及びバックのアメリカ海軍)です。

  そうだとすれば、日本の取るべき戦略もわかってくるはずです。

  長くなるので、次回で最後にします。
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【よく出る(笑)】「地政学」を勉強してみよう(1)

2007年03月02日 00時48分00秒 | 地政学・国際関係
  私は記事の中で、たびたび「ランドパワー」や「シーパワー」という言葉を用いています。いわゆる「地政学」というやつです。
  私が参考にさせていただいているのは、主に江田島孔明氏●「世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略」です。

  簡単に言えば、世界の勢力には二つの種類がいるということです。「ランドパワー」は大陸国家(ロシア、中国、朝鮮など)であり、「シーパワー」は海洋国家(イギリスなど)であって、日本は、あえてどちらか一方に決めろと言うなら、シーパワーです。

  ランドパワーが強くなると、近くにいるシーパワーを攻撃してきます。変なたとえですが、周り(隣接地域)に食べるものがなくなったので、海の向こうのご馳走に手を伸ばしてくるような感じです。中国が「沖縄は歴史的に見て我が国の領土だ」「沖の鳥島は岩だ」などと主張し始めているのが良い例です。

  ランドパワーに征服されないためには、シーパワー同士で同盟を組んで立ち向かうしかありません。海の平和が乱されると、海上貿易で利益を上げているシーパワーはダメージを受けるからです。ロシアに対抗した日英同盟(1902年)や、日米安全保障条約がその例です。
  
  ・・・と、まあ、こんな感じに今までは私も単純に考えていました。
 
  ところが、重要なファクターを見逃していたことに気づいたのです。

  ●地政学を英国で学ぶというブログがあります。そこに、注目すべき記事がありました。

(以下引用)

シーパワーは単独では勝てない

 (中略)

  さて、私は地政学を研究しているということはみなさんも当たり前のようにご存知かと思われますが、日本の他の地政学のサイトなどを見ていてよく感じるのが、

「シーパワー対ランドパワー」

  という図式に思考が固まってしまう人の意見です。近代の歴史から考えると、当然のように

「日本はシーパワーだから英米豪のシーパワー連合と手を組んでいかなければならない」

  という意見は説得力あるように思われます。私もこれには異論なしです。

  ところがこれを鵜呑みにして、

「シーパワーのほうが強いのだ!」

  と単純に考えてしまう人がいるのは困りものです。

  たしかにこの二元対立の構造はスッキリ考えることができるからよいのですが、だからと言って複雑な現実というものを飛び越えて「シーパワーのみで!」という考え方はちとまずい。

  歴史を見ればわかる通り、シーパワー国家というのは、単純にシーパワーの力だけでは勝てないのです。ここんとこ非常に重要です。

  ではシーパワー国家が勝った時、何がその鍵になったのかというと、ランドパワー国家(A)とついたから、ランドパワー国家(B)に勝てた、ということなのです。

  つまりシーパワー国家は、ランドパワー国家の協力なしにはランドパワーには勝てない、ということなのです。

 (中略)

  シーパワー国家と組むというのは日本にとってもとても大切。しかし日本が強いシーパワーであるためには、ユーラシア大陸にあるランドパワー国家(勢力でもよい)と組んで、脅威を及ぼしてくるさらに強大なランドパワーに対抗しなければならない、という条件があるのです。

(引用以上)

  さすが専門の学者の方だけあります。私のような「聞きかじり」が陥りがちな考えの穴を鋭く指摘されています。

  では、ここで改めて仕切り直しをしてみましょう。

  私を含め、ブログをやってる日本人の多くは、「ランドパワー対シーパワー」の図式を提示されると、単純にどっちが強いかという視点を取りがちです。
  そして、その結論は、ほとんどの場合「シーパワーの方が上」ということになってしまいます。ある意味当然です。自分が属する陣営が優れていると思いたいのが人情です。日本には「高度な科学技術」や「日米安保」のような、自分たちが中国や朝鮮より上だと思いこんでしまいがちな材料があるので、なおさらです。
  しかし、ここであえて逆の結論を採ってみます。ランドパワーとシーパワーがガチンコ勝負を挑んだら、100%ランドパワーが勝つというのが公理です。

  この「勝つ」というのは、単に一回だけの勝利を言うのではありません。長い目で見た、民族・国家のサバイバルという観点からの勝利です。これは、どういうことでしょうか。

  確かに、シーパワーには、往々にして進んだ技術や高度な教育を受けた人材がいるようです。ペルシアと戦った古代ギリシアのアテネも、中世の都市国家ベネチアも、19世紀のイギリスもそうでした。日本もそうでしょう。
  その優劣がそのまま国力に反映すれば、なるほどシーパワーが勝つに違いありません。

  しかし、ランドパワーには、シーパワーが逆立ちしても手に入れられない最強(最凶)の武器があるのです。それは

  「人命」

  です。

  たとえば、中国を例にとって見てみましょう。中国発のニュースには、どうも以下のような記事が目立ちます。

5人乗りの車に、32人乗って運転→事故って16人死亡、16人ケガ
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/917419.html

トランプが原因で手榴弾投げる→4人死亡
http://www.tokkai.com/a-column/data/news/1143474403.html

春節の爆竹・花火で北京市だけでも663人負傷、一人死亡
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007022500130

6歳女児、虎にかみつかれ死亡
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0223&f=national_0223_001.shtml  

  あえて三面記事的なものだけ取り上げてみましたが、やたら人が死んでます。

  特に、最後の記事の、この部分を見て、日本人で驚かない人はいないはずです。

>記念撮影をするために女児はいとこ2人とともに
鉄の檻に入り、虎の後ろに立った。

  「そんなことをやったら、危なくないのか?」と、考えるのは、私やみなさんが日本人だからでしょう。独断との誹りを覚悟の上で決めつけますが、中国では、人の命が軽いのです。
  歴史的に見ても、中国は人の命が軽い文化を保っています。たとえば、中国で王朝が交替するとき、必ず行われるのが「屠城」です。
  ランドパワーの国では、勝った者が権威になります。歴史も、新しい勝利者に都合のいいように書き換えられます。そして、以前の支配者の権威を否定するために、その首都を完全に破壊し、文物を破棄し、逆らった住民も皆殺しにするのです。
  これをただ単に野蛮と片づけるわけにはいきません。そうしなければ、反乱を起こされて、権力を覆されてしまうのです。だから、禍根を少しでも断っておかなければならない。そういう背景があって、中国の歴代王朝は「屠城」を行ってきました。
  こういう背景がある国民が、日本人がやるような過敏なまでの安全対策などするはずがありません。なぜなら、そんなことをしなくても国として存続していくからです。死んでもバンバン子供を産めばよく、それを可能にする土地や資源もあります。
  日本人からすれば、とうてい受け容れようのない文化的認識でしょうが、そういう文化なのです。別に、劣っているとか優れているとか、そういう問題ではありません。屠城が幾度となく行われた中国で、儒学や唐詩、三国志などの文学が生まれているのがその証拠です。

  それどころか、この人命の軽さは、戦争になったときはものすごい武器になります。人命を省みない戦術で、欧米や日本を圧倒できるのです。
  中国が核保有国になったときに、指導者である毛沢東が次のような言葉を口にしたと言われています。

「いま核戦争をやれば、アメリカ人はすべて死ぬ。
 ロシア人も全て死ぬ。もちろん中国人も死ぬ。
 しかし、もしアメリカ人が3人生き残ったとすれば、
 中国人は1000人は生き残っている。
 ・・・だから21世紀は中国の時代になる。」

  中国政府も、以下のように考えています。

ネットにリークされた、中共軍部の危険思想
http://jp.epochtimes.com/jp/2005/08/html/d26023.html

>どのような事態に直面しても、我々は党と国、そして国家の
>未来のために前進するのみであり、そのためには
>困難を乗り越え、犠牲はやむを得ないのである。
人口の半分以上が死に絶えてもまた再生できるが、
>もし党が無くなれば、すべてがなくなり、永遠になくなるのだ

  「大紀元」という中国の反体制派メディアの記事ですから信憑性に一抹の不安はあるものの、似たようなことは考えているでしょう。要するに、半分死のうが、3分の2死のうがどうということはないのです。
  人命がこれですから、国土や社会資本がいくらぶっ壊されても屁でもないのは言うまでもありません。日中戦争の際、日本軍はこれが理解できずに、南京さえ占領すれば蒋介石は音を上げるだろうと勘違いしました。これが大間違いでした。蒋介石率いる国民党は、奥地の重慶に逃げ込んでしまったのです。
  おそらく、重慶まで追いつめていたら、今度は四川省の成都まで逃げていたでしょう。日本軍はどんどん奥地に引きずり込まれ、損害を拡大しました。ランドパワーというものをわかっていなかったのです。
  現代においても、こういう相手と対峙しているということは忘れては行けません。
  
  もっとも、これには反論がありそうです。それは、「シーパワーである日本を攻めるには海を渡らなくてはならず、制海権を握れない限り人海戦術は使えないはずだ」というものです。
  確かに、いくら中国が「尖閣諸島は俺のものアルよ」などと叫んでも、兵士が泳いで東シナ海を渡るわけにはいきません。それに、兵士が10万人上陸しようと、制海権が取れなければあっという間に艦砲射撃や爆撃で蹴散らされてしまいます。

  しかし、近年ランドパワー、特に中国と朝鮮は恐るべき戦術を採用するに至ったのです。それが「同胞バラ撒き作戦」(笑)です。
  最近、中国韓国叩きを趣味にしているようなブログの管理人さんたちが、ワクワクするようなニュースが入ってきました。

マイク・ホンダ氏と従軍慰安婦決議
http://daikichi1966.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_a306.html

マイク・ホンダというのは、こういう人物です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80

> 従軍慰安婦問題についてホンダ議員は日本政府への
>慰安婦に対する謝罪要求決議案を米下院に提出している。
>韓国側の主張を完全に支持する一方、日本側からの反論には
>全く耳を貸さなかったとことから、韓国系米市民の支持を
>集める一方、日本側からの支持は全く失ったという。

  要注意は、ここです。

>韓国系米市民

  ●こちらのリンクを見ていただくとよくわかりますが、何とアメリカには119万人もの韓国系(実際は北朝鮮出身者もいるだろうが)移民がいるのです。1990年代初め頃から急激に増え始め、いつの間にか、日系(110万人)を追い越してしまったのです。
  彼らはもちろん「有権者」ですから、その票は無視できないことになります。ホンダ氏もその声を受けて、日本に不利になるような決議案を上程したのでしょう。
  この慰安婦云々の話は、他のブログでさんざん触れられているのでここでは割愛します。私が言いたいのは、これこそがランドパワーの戦法だということです。
  朝鮮人や中国人は自分の国こそ最高だと教えられ、また信じているようですが、だからといって自分の国に住み続けたいと思っているわけではありません。

20~30代の会社員88%「移民したい」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2001/11/04/20011104000003.html

  これはほんの一例ですが、中国人に関しても、日本に嫁いでくる女性が多いなど、やはり海外移住に積極的です。
  しかし、たちが悪いのは、移住した先で母国のための政治活動を積極的に行うことです。これによって、移民先の国の国家意思形成を母国に有利なように歪めてしまうのです。
  それどころか、彼らは敵の体内に直接住み着くことさえあります。たとえば、●こういう人たちは絶対に愛する祖国に帰りません。強制的に連れてこられたという物語まで作って、生活保護や特別永住資格という形で日本に寄生しています。その中から、「パチンコ」「サラ金」「芸能人」はては「帰化した国会議員」といった、日本社会に重大な影響を与えるなりわいを営む者が出てくるわけです。
  こういう話をすると、相手を感情的に叩きたくなる気持ちはわからなくありません。しかし、そんなメンタリティでは何も前進しません。これが、儒教系アジアの生存戦略であり、間接侵略だということを認識し、クールに対応することが必要です。

  最近気づいたのですが、こういう戦法をとられると、ランドパワー/シーパワー二分論でよくある「シーパワー同士の同盟」というのは何の役にも立たないのです。
  シーパワーの同盟というのは、あくまで「共通の利害」に乗っ取って結成されるものです。日英同盟であれば、日本とイギリスにとっては、ロシアが外洋(日本海や太平洋)に出てくると困るという共通点があったわけです。
  ところが、上に挙げたマイク・ホンダと従軍慰安婦決議というのは、安全保障条約を結んでいるアメリカにとっては「どうでもいい」ことなのです。それどころか、そうやって日本が先の大戦に対して負い目を感じることは、アメリカにとって有利に働きます。それが現実です。
  だから、マイク・ホンダの提案に、共和党の議員が反対の声を上げただけで喜んでいてはしょうがないのです。その議員すら、「謝ってるから許してやれよ」と言っているだけで、従軍慰安婦が強制的だったという朝鮮人の嘘を暴いているわけではありません。
  それにも関わらず、ブログをやっている方々が「アメリカ人が味方してくれている!」という低レベルな喜び方をしていては、いつまで経っても進歩がありません。

  では、どうすればこの状況を打開できるかというと、鍵になるのが「地政学」なのです。

  つまり、最初の所に出てきた、

「シーパワー国家は、ランドパワー国家の
 協力なしにはランドパワーには勝てない」

  という名言が、大きなヒントになるのです。

  次回は、日本における「ランドパワー国家の協力」について、具体的に考察していきたいと思います。
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【参戦回避】ついに始まった?文明の戦争②【自主外交】

2007年02月25日 23時00分14秒 | 地政学・国際関係
  前回扱った「アメリカvsイランの戦争勃発」ですが、それが近いことを伺わせる出来事がありました。

(以下引用)

英、アフガンに1000人増派へ=メディア報道
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/meast/070223085505.8yg4rzao.html

【ロンドン23日】英ガーディアン紙などは23日、英政府が近くアフガニスタンへの軍部隊1000人増派を発表すると伝えた。ブラウン国防相が26日に下院で詳細を明らかにするという。(中略)

アフガンには現在、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)3万5000人が駐留。このうち英軍は南部ヘルマンド州を中心に5000人を派遣しており、雪解けを待って春の攻勢に出る見通しのイスラム原理主義勢力タリバンと衝突する可能性がある。

英国防省スポークスマンは同紙などの報道について確認を避けながらも、「軍は常に再検討を行っており、調整する必要があれば行い、公表する」と述べた。

ブレア英首相は21日、イラク駐留部隊7100人のうち1600人の撤退計画を発表したばかり。NATO内部では、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどがアフガンに増派すべきかどうかをめぐり議論が続いている。

(引用以上)

  イランの東隣にあるアフガニスタンは、2001年以来アメリカが支配する地域になっています。ここをきちんと押さえておくことは、イランとの戦いを進める上では重要です。アメリカとしては、同盟国にとって抵抗の少ないところからテコ入れを図ったのでしょう。
  当然、今後は同盟国である日本に対しても、何らかの要求をしてくる可能性があります。当然、以下の会談でも、それに向けた「強い要請」があったものと推測ができます。

首相と米副大統領が会談、北の核放棄に向け連携確認
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070221it15.htm

(以下引用)

安倍首相は21日、首相官邸で、チェイニー米副大統領と会談し、北朝鮮の核放棄に向けて日米両国が連携していくことを改めて確認した。

 副大統領は日本人拉致問題について日本の立場に理解を示した。

 (中略)

 副大統領の「北朝鮮シフト」は、首相への側面支援であると同時に、北朝鮮に融和的な動きも出てきた米国内向けのけん制との見方がある。

  (中略)

 一方、日本側では、当初、6か国協議の共同文書に米国のテロ支援国家リストから北朝鮮を削除する作業の開始が明記されたことや、イラク戦争を批判した久間防衛相と副大統領の会談が実現しなかったことなどから、日米関係への懸念も出ていた。しかし、米上院議長も兼ねる副大統領が議会休会中の短い機会にあえて日豪両国を選んで訪問し、「2国間関係は最もよい状態だ」と明言したことを評価している。

 ただ、副大統領の影響力には、イラク政策の失敗や側近の起訴などで陰りも見られる。残り任期2年を切ったブッシュ大統領自身の求心力が低下する中、「今回の訪日が成功しても、日米関係の先行き不透明感は、完全には消えない」(政府筋)とも指摘されている。

(引用以上)

>日本側では、当初、6か国協議の共同文書に米国の
>テロ支援国家リストから北朝鮮を削除する作業の
>開始が明記されたこと

  ここまで譲歩しているとなると、北朝鮮に対する金融制裁の解除も時間の問題でしょう。なんともまあ、頼りにならない同盟国です。

>副大統領の「北朝鮮シフト」は、首相への
>側面支援であると同時に、北朝鮮に融和的な
>動きも出てきた米国内向けのけん制との見方がある。

  どうせ朝日新聞だと全く別の「見方がある」のでしょうが、この読売の記事も楽観的すぎますね。チェイニーの頭の中も、イランのことでいっぱいのはずです。そのことは、

>議会休会中の短い機会にあえて日豪両国を選んで訪問

  という部分でもわかります。要するに、これからイランとの間で(ヤクザ風に言えば)出入りが始まるから、ちゃんとご主人様を支えろと、日本と、イラクに積極的なオーストラリアに釘を差しにきたに違いありません。

  前回の繰り返しになりますが、アメリカの現在の国際戦略は、「石油決済通貨としてのドル防衛」「イスラエル防衛」という二つの大きな要因にひきずられています。
  そして、これは本来の米軍の国際戦略ではありません。冷戦時代のアメリカは海軍力でソ連を陸に封じ込めるという作戦を採用していました。1991年の湾岸戦争でも、米軍が展開したのはペルシア湾沿岸のクウェートだけに留まり、イラク本土に駐留はしませんでした。From The Seaというドクトリンを採用していたわけです。
  そういう観点からすれば、アメリカが本来の戦略に立ち戻って、「ペルシア湾を封鎖して、イラン上空の制空権を取るだけに留める」という作戦を採ることも考えられます。しかし、それではイラクへの武装勢力の流入を止めるのに不十分です。
  また、こういう懸案では、「アメリカはまさか~しないだろう」というような希望的観測をするべきではないというのが私の考えです。最悪の事態に、心理面でも備えておいて損はありません。

  では、本当にアメリカvsイランの地上戦に突入したとして、日本はどうすればよいのか。

  まず、アメリカが求めてくるのは「戦費の拠出」です。これは間違いありません。地上戦のなかった湾岸戦争でさえ、日本は90億ドルの出費を強いられています。
  結論から言えば、これを断ることは至難の業でしょう。安倍内閣というのは、集団的自衛権を認めようという方向で動いている内閣です。そんな内閣が、「同盟国の戦争に、金も出さないのか?」という突っ込みに、抗えるわけがありません。
  したがって、何らかの出費は致し方ないところでしょう。

  次に考えられるのは、「日本に何らかの立法をさせて、ペルシア湾に展開するアメリカ海空軍の支援をさせる」ことです。
  これは、すでにアフガニスタンで海上自衛隊が米軍の補給を支援しているという実績があります(●こちらを参照)。安倍内閣の路線が、この実績を作った小泉内閣と基本的に同じである以上、これも断るのは難しいでしょう。
  ここも、我慢しなくてはいけないようです。

  では、問題は「何らかの地上部隊をイラン本土に出す」かどうかです。
  確かに、イラクには陸上自衛隊が展開しました。また、その活動はつつがなく行われ、自衛隊の能力の高さ、規律の正しさも証明されました。
  しかし、あれはあくまで「復興支援」であったことを忘れてはいけません。アメリカが一通りイラクを叩きのめした後の整地作業みたいなものだったのです。前回の記事でも書きましたが、国土が広く、山地の多いイランを制圧することはかなり困難です。
  そうだとすると、占領段階で自衛隊を使いたいというのがアメリカの本音でしょう。「自由と民主主義を防衛するのに、日本はいつも自分の血を流さない!」とでも言えば、アメリカ国民を煽るのも簡単に出来ます。

  正直、安倍内閣がこれを拒否できるのかは微妙なところです。

  安倍内閣の対応について、少しシミュレーションしましょう。

  開戦時期がいつになるかはわかりませんが、どちらにしろ日本に「派兵」の要求をしてくるのは参議院選挙の後になるでしょう。
  その際にエクスキューズになるのは、「我が国の生命線であるペルシア湾の平和と安全のために」ということでしょう。じっさい、日本は中東から90%近くの原油を調達しています。それを守るために戦うのだ、という理屈は一応立ちます。もちろん、ドルの価値やイスラエルの防衛という目的は言いません。そのために、きっと、「イランというのはこんなにひどいやつらだ」というニュース(プロパガンダ)も流れることでしょう。もしかしたら、「イラン軍の船」が日本のタンカーを襲うかも知れません。
  そうした上で、安倍内閣が取りうる対応は、以下のようなものです。

  1.憲法を改正して、自衛軍を派遣する

  2.憲法改正無しに、自衛隊を派遣する

    a. 他国同様、戦闘に加わる
    b. 後方支援のみに加わる
  
  3.派兵せず、間接支援に留める

  まず、1.ですが、これを可能にするには参議院選挙で大勝しなければなりません。
  つまり、憲法改正には「両議員の総議員の3分の2」が必要です。与党である自民党・公明党の改選しない議席は57ですから、参議院(242議席)で3分の2にあたる162議席を取るために、今年の選挙で105議席取らなくてはいけません。なんと改選議席の86%に当たる数字です。
  しかも、安倍内閣の人気は正直落ち目です。そうだとすると、このオプションは、まず不可能ということになります。

  これに対して、2.は実現可能性の高いものです。
  駒が欲しいアメリカ軍としては、a.の方を要求したいのでしょうが、さすがにこれは世論を考えると難しいものがあります。前任者の首相であれば、「自由と民主主義を守るには、痛みを共有しなければいけない!」と、ことあるごとに絶叫して開き直る(笑)のでしょうが、安倍首相はそれをできるキャラクターではなさそうです。
  そうだとすると、安倍政権の今後のことも考えて、あくまでb.後方支援に留めるというところに落ち着くでしょう。
  しかし、それでも、補給部隊を担当して、イランの内陸部まで自衛隊員が赴く可能性はあるでしょう。米英やオーストラリアが矢面に立つと、どうしてもそこまで人が足りなくなるからです。
  そうすれば、「武装勢力」や「テロリスト」に間違いなく狙われます。

  ペルシア湾の安全という分かったような分からないような目的のために、ペルシア湾ではない土地で自国の兵士が死ぬのです。私は他所で「保守派」として紹介されることもありますが、そういう私でもそんなのは絶対に許せないと思うでしょうね。

  ただ単に、人が死ぬのが嫌だというのではないのです。自国の独立維持とはほとんど関係のないところで、貴重な兵力が失われるのが嫌なのです。そんなことをするくらいなら、竹島を奪い返したり、原発の警備をしてもらったり、日本のためにやってもらえる仕事がたくさんあるはずです。

  アメリカとの同盟関係の維持が大事だというのなら、なぜアメリカは同盟国日本の直接の脅威である北朝鮮にあそこまで譲歩したのかと、逆に私からその人に聞きたいものです。
  まさか、冒頭の読売新聞のように、「チェイニーさんが来てくれた。日本を大事にしてくれているんだ」という脳内お花畑状態になっている人がいるんでしょうか。「右翼」とか「保守」とかブログやホームページで自称されている方に限って、そういう人が多いのかも知れません。情けないことです。

  それならば、日本が取るべき道は一つ、3.の「派兵はしない」というものです。

  それは難しいのでは、という人は、思い出してほしいものです。我が国には、平和主義の憲法という実に便利な言い訳があるのです。
  いずれ憲法第9条を含む現行憲法は改正されるでしょうし、私もそれ自体反対ではありません。しかし、今度の「イラン戦争」に限っては別です。この戦争は泥沼中の泥沼になることは確実です。イラクのような、いやそれを上回る規模の武装勢力の蜂起、散発的なテロが起こり、派兵した国は確実に疲弊します。だからこそ、9条をダシにして参戦を避けるより他ないのです。
  幸い、我が国と共通の立場にいる国があります。イギリスやオーストラリアのような、アメリカの「同盟国」です。
  この2カ国と日本の共通点は、自国の国益とイラン戦争が直結していないという点に尽きます。イギリスはヨーロッパの勢力均衡や大西洋の平和さえ守れればいいわけですし、オーストラリアは太平洋の自由航行さえ確保できればいいのです。別に、イラクの米軍が維持できなければおしまいだ、というわけではないのです。
  特に、イギリスはイラク派遣軍の縮小を明言している国であり、日本とイラン問題で協調できる可能性は高いといえます。

  そして、これは本来、アメリカも同じはずなのです。戦争が必要なのは、ドル支配を守りたい国際金融資本とイスラエルだけなのです。そういう雰囲気があるからこそ、こんなニュースも出てきたということです。

開戦承認決議見直しへ法案 民主党が策定作業開始
http://www.usfl.com/Daily/News/07/02/0223_009.asp?id=52565

(以下引用)

  ロイター通信によると、上院民主党の実力者、レビン軍事委員長とバイデン外交委員長は22日までに、議会がイラク開戦を承認した2002年の「対イラク武力行使承認決議」を見直す法案の策定作業を開始した。米軍の任務をイラク軍訓練などに限定することにより、戦闘部隊を08年初めまでに撤退させるとの内容になる見通しだ。

 休会明けの27日に開かれる上院民主党総会での協議を経て本会議提出を目指す。

 法案は決議と違って拘束力があるため、民主党が多数派を握る上下両院で可決された場合、ブッシュ大統領が拒否権を行使するのは確実。AP通信によると、拒否権行使を防ぐため、大統領が議会に成立を要請している反テロ法の付帯条項としてこの法案を提出する案などが民主党内では検討されているという。

(引用以上)

  日本やオーストラリア、イギリスといった国がこの辺の動きと連動して、ブッシュ政権にプレッシャーをかければ、あるいは今回の戦争は回避できるかも知れません。これこそが、本当の「主張する外交」でしょう。

  そのためにまず、日本で我々が出来そうなことがひとつあります。  

  それは、参議院選挙で安倍自民党を負けさせることです。
  この選挙で自民党が敗北すれば、安倍首相は退陣するか、少なくとも身動きが取りづらい状態に陥ります。そうそう期待できませんが、そうなれば、「派兵したら次の選挙で野党に負ける」と言い訳をする口実にはなります。
  自分は保守なんだが、という方には、とりあえず維新政党新風はどうでしょう。この党は、「北京オリンピックをボイコットしろ」「武力行使してでも竹島を奪還しろ」と主張している唯一の政党なので、お勧めできます。
  残念ながら「新党21世紀」は参議院選には候補を出しません(笑)。

  最後に、最終的にイラクがどうなるかという点について、多少考えを述べておきます。
  米軍はイラクから撤退すべきでしょう。しかし、中東に軍事力の空白が出来てしまうというのも、それはそれで考え物です。
  そこで、アメリカとイラクが安全保障条約を結び、南部の「バスラBasra」にだけ米軍を駐屯させるというのはどうでしょうか。

イラクの地図


  なぜなら、バスラさえ押さえておけば、イラクの石油がペルシア湾から運び出すルートはひとまず押さえられるからです。こうすれば、アメリカ国内の石油資本にも、我慢してもらうことが出来ます。シリア経由で地中海に向かうパイプラインは、放棄するしかないでしょう。
  この案の狙いは、地上軍を大幅に削減しつつ、なおかつ中東の軍事バランス(ペルシア湾の制海権保持)を崩さずに済むことです。イラクのシーア派とイランが結びつく危険はありますが、そうなればかえってサウジアラビアやヨルダン、UAEといった穏健派イスラム諸国がアメリカ側になびいてくる可能性が高くなります。「国王」「首長」といった人々が、イスラム革命で自分の地位を追われたくないと思うはずだからです。

  とにかく、アメリカは自ら破滅の道を歩みたくなければ、振り上げた拳を「同盟国に諭されて、渋々下ろした」という方向でイラン戦争を回避し、イラク「撤退」に動き出すべきです。我が国が率先して、泥沼の戦いに手を貸す必要などありません。
      
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