日々是勉強

教育、国際関係、我々の社会生活・・・少し上から眺めてみよう。

「地産地消」は絵に描いたモチなのか?

2007年07月27日 22時09分19秒 | 社会と教育
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 私はラーメンが好きなのですが、近くの店に食べに行っても、「この小麦はアメリカから来たんだろうか・・・農薬が入ってないといいけどな」「高菜が食べ放題になっている。ということは、安い中国産だろうな。食べんのやめた」などと考えてしまうタチです。
  その「ラーメン」にまつわる記事から今日の記事を始めたいと思います。
 
十勝産カップラーメン?(PDF)
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyuuritsu/report17/38-39.pdf
  文字化けにより引用できないので、本文を参照いただきたいのですが、北海道十勝地方の農協が、地元商工会議所との連携で、十勝産の小麦粉を使ったカップラーメンを「開発」したという事例です。

  このカップラーメン、どうやら、初めは生の麺にする方向だったのですが、開発元の得意分野がそちらだったということで、カップラーメンになってしまったという経緯があるようです。そして、いざ売り出す段階になったら、その場で食べる人が少なく、贈答用にどんどん売れていったということです。
  この文章の締めくくりは、このようになっています。

>このように、農外との連携によって地域の農産物の魅力を発掘し、
>消費者に受け入れられやすいものを創り上げていくというのも
>食糧自給率の向上につながる取り組みです。

  農水省の担当者がどう考えているのかはわかりませんが、この部分は非常に重要です。それは、農産物やその加工品は「商品」であり、流通に乗せて初めて価値が生じるものとして扱われているということです。

  流通というのは、生産地から離れた場所に産物を届けるということです。「生産者」から「卸売業者」がものを買い上げ、それを「物流」に乗せて、他の卸売業者や「小売店」にたどり着き、最後に「消費者」の手に渡るという経路を採るのが一般的です。
  そして、流通の過程では競争が行われるのが一般的です。安く売って高く売れば儲かるわけですから、当事者はなるべく安い値段で「生産者」から仕入れたり、競合他社より安い値段で小売店に卸したりという行動を取るようになるのです。こういう仕組み自体は、江戸時代くらいから日本でも当たり前になってはいました。
  重要なのは、現代ではこのような流通の過程に「外来種」が参入していることです。戦後日本が工業化に成功し、大きく経済成長したので、通貨である日本円が外貨に対して強くなり、輸入がしやすくなりました。同時に、経済成長によって人件費や地価も値上がりしたので、日本で作られたものが割高になってくるという現象が起きます。そこで、競争に勝つために、より安い輸入品が導入されるようになったというわけです。この傾向は、今でも変わっていません。
  むしろ、外国との相互依存は拡大しています。私はどうも体が受け付けない(食べると翌日腹の調子がおかしくなる)野菜ですが、オクラというと「フィリピン産」が一般的であり、ゆずは国産が多いものの「韓国産」がかなりのシェアを占めていて(たとえば●この商品は韓国産を使用)、冷凍食品コーナーで商品の原産国を確認すれば「中華人民共和国」の文字が踊っているのが、我々の日常生活です。

  ここで忘れてはならないのは、食料品を輸入し始めたのは、「必要だから」ではなく「利益が出るから」「安いから」という動機だったということです。

  そんなのは当たり前だろう、と思う方がほとんどでしょうが、これはかなり重大なことなのです。本来、食べるものというのは、食べるために存在するのです。それが、流通という過程が入り込むことによって、金、すなわち貨幣を獲得するための手段に成り代わってしまっているのです。
  
  そもそも、カップラーメンにしてまで十勝産の小麦を売らなくてはいけないのはなぜかというと、「お金を出してもらう」ためです。十勝の農家の人たちがカップラーメンをうちで食べたのかどうかはわかりませんが、自分や家族や近所の人に食べさせようと思って作ったのではありません。流通システムの中に放り込んで、金に換えるためだったはずです。
  これは裏を返せば、金がたくさんで回っている場所に農産物が引き寄せられるということでもあります。お金がたくさんで回っているのは「大都市」です。たとえば東京には平成16年の統計で全国の企業の16.5%が集中しています。東京都の人口は全国比10%前後ですが、その数字を大きく上回っています。こういう場所では、それだけ金が回っていますから、全国の食料品も同じくらい東京の企業によって取り引きされていると考えた方がいいでしょう。

  ここで、困ったことが二つ出てきます。

  一つは、様々な流通過程を経ることで、生産者の顔が見えにくくなることです。
  ラーメン屋に行ったとき、私は時たま「この肉、どこ産ですか」と店の人に聞いたりするのですが、ほとんどは「わかりません」で終わってしまいます。どうも、現場でものを売っている人々は、材料に関しては卸業者に任せきりというケースが多いようです。
  それどころか、積極的に混ぜモノや産地の偽装までして利益を上げようという企業もあるようです。●「ミートホープ」事件がその典型です。まあ、さすがに黒く色を付けてふやかした段ボールを肉まんに詰めたり、髪の毛から醤油を作ったりするような日本の流通業者はいないようですが・・・。
  すぐ近くに生産現場があれば、文句の一つも言えるでしょうし、何より隣近所の人間に害悪を与える居心地の悪さが、混ぜモノや偽装をかなりの程度食い止めることは容易に理解できます。ところが、間に「商社」(どんな人々かは●ウナギを扱った記事を参照)が入ってしまうと、妙な方向に話が行ってしまうわけです。

  もう一つは、農産物の需給が売れるか売れないかという点に左右され、必要かそうでないかという点が後回しにされてしまうことです。
  みなさんはよく、ブルドーザーでキャベツを潰している光景を見たことがありませんか。いわゆる「生産調整」というやつです。繰り返しになりますが、市場経済というのは、貨幣価値の獲得を唯一無二の目的としていますから、作りすぎてしまえば安くなってしまうのです。
  そこで、農水省は「野菜価格安定制度」のような公的補助を与えています。要するに、社会主義です(●こちらのホームページを参照)。ものすごく卑近なたとえをしてしまえば、あまり魅力のない男女であっても、仲人が話をつけて結婚に持ち込んでしまうのに似ています。
  リンク先の筆者の方は、この制度を批判し、「魅力的な野菜を作って販路を開拓すればいい」と主張しています。どこかで聞いたことがあるなぁ、と思ったら、そっくりなことを言っている人々がいました。安倍内閣です。

「強い農業」をめざす自民党
http://www.jimin.jp/sansen/enzetsu/hnakagawa.html#nogyo

--------以下引用--------
高知は“フルーツ王国”と言われるほど、豊かな農産物を産出する地域でもある。この農産物を、アジアのお金持ちにどんどん輸出する。朝採れた高知の農産物を、高知龍馬空港を経て、夕方には上海の食卓に並べる。もうそういう時代だ。そうして、農家の人たちが1兆円もうける農政をどんどんやっていく。そのための競争力強化の手当や政策をどんどんやっていく。これがわれわれ与党の自民党の農政だ。(7月15日高知県高知市)
--------引用以上--------

  多分中川幹事長が発言者だと思うのですが、これが典型的なグローバリストの発想です。またぞろ卑近なたとえですが、「おまえに魅力がないのが悪いんだ。魅力をつけて、外国人でもいいから金持ちや美女をゲットしろ」という感じでしょうか。貨幣価値の獲得だけを考えると、こういう発想になります。
  輸出相手国との関係が悪化したらどうなるだろうとか、急激な変化に耐えられる農家がどれほどいるだろうかとか、自給率が下がったらどうするんだとか、そんなことは関係ありません。グローバリストの発想では、「付いてこられない人間が悪い」のです。
  そうやって、正社員は派遣社員に置き換えられ、役所の仕事は外注に出され、外国人労働者がどんどん導入されているというわけです。私のような普通の国民が「そんなのやめてくれ」という仕組みが導入されていく裏は、ほとんど全てグローバリストの策動だと思った方がいいでしょう。
  そういう世の中を素晴らしい世の中だと思う方は、是非自民党か公明党に投票して下さい(笑)。「他にどこに投票すればいいんだ」という疑問に対する答えは、もう散々ブログに書いてきたので、ここでは割愛します。

  こういった食料品の流通の現状に関しては、(グローバリストと、彼らの伴奏で踊っている人々を除いて)誰もが何かしら釈然としないものを感じていると思います。だからこそ、「地産地消」(作られたものを作られた場所やその付近で消費する)というキーワードがいろいろな場面で提唱されているのでしょう。
  しかし、その地産地消の実体はお寒いものです。都会の人間は流通の過程で全国のもの、もっと言えば世界のものが手に入りますから、本気で地産地消を実現しようとしません。
  また、生産現場である地方も、●「道の駅」のような施設を作って売るくらいしかしません。そういうところで地元の農作物や加工品を買っているのは、都会から来た観光客というのが現実なのです。
  いや、彼らは努力しないというより、やりようがないのです。金を持っていない地方の生産者は、販路や流通の手続きを握っていないので、常に卸売りや大規模小売店に対して弱い立場に置かれてしまうのです。
  魅力のある品物を作って売ればいい、という論理は、ここでは通用しません。なぜなら、それは結局貨幣価値の獲得に向けられた行動原理であり、いくら魅力を高めても、地産地消にはつながりません。
逆に、アフリカ諸国のモノカルチャー(商品作物の単一栽培)のように、作ったものを一生口に入れることができないという馬鹿馬鹿しい事態を生むだけです。
  先に紹介した、検疫施設のない空港から定期便もない上海に農作物を売ればいいとデマを振りまいている与党幹事長など、それをわかっていてあえてグローバリストのお手伝いをしているのでしょう。こういう人間こそ、選挙で痛い目に遭わせるべき人間です。こういう腐った人間は、どうせ自分のところにはちゃっかり利益誘導をしているのでしょうが。
  競争に勝てばいいじゃないか、みんな努力すれば世の中はよくなる・・・この言葉が、古今東西、様々な社会でいったい何度提唱されたことでしょうか。残念ながら、それで世の中がよくなった例を私は知りません。

  そうなると、付け焼き刃の対策ではなく、根本的な部分にメスを入れるしかありません。そうです、「貨幣価値の獲得」という、流通の大前提を換えてしまうのです。
  具体的に言えば、地産地消を促すためには、産地か、もしくはそのすぐ近くでだけ通用する「食料品用の通貨」を導入してしまえばいいのです。たとえば、地元で作られた食料品、もしくは農林水産物に限定したクーポンを発行するというのはどうでしょう。

  実は、こういう政策を訴えている政党があるのです。「平和党」がそれです。

  平和党が訴えている政策は、「自然主義経済」というものです。自然にあるものは生まれて成長したのち、年老いて死んでいきます。人間なら人生八十年なわけですし、野菜なら生育した後収穫すれば腐ってしまいます。つまり、「自然から生まれたものは全て減価する」ということです。
  それなのに、この世界にたった一つだけ減価しないものがあります。それが通貨です。減っていかないどころか、貯めておいて人に貸せば「金利」などという訳の分からない収入が入ってきます。
  この金利という力が貧富の差をどんどん拡大していくというのは、少しものを考えられる人ならわかるでしょう。何しろ、金を元々持っている人間はそれを貸すだけで収入を得られるのに対し、金を持っていない人間は彼らから金利を出して借りるしかないからです。
  この仕組みが非常に不公平な仕組みであるというのも、直感的にわかるはずです。頭のいい人がこの仕組みを肯定していたり、おかしな点を直視しようとしないのは、彼ら自身が受益者か、もしくは受益者になれると信じている(だまされている)からです。
  自然主義経済というのは、こういう金というものの異常さを認め、乗り越えようとしていく考え方です。その中核は、自然界にある諸物同様、金も減価させるべきであるというもの(減価する通貨)です。
  この自然主義経済は、第二次大戦前にオーストリアのヴェルグルという町ですでに実践されています。その説明を●「経済の民主化に向けて」というサイトから引用してみましょう。

--------以下引用--------
この小さな町は当時、他の町同様不況に喘いでいた。1932年春にはわずか人口4216人の町で350人が失業しており、そのうち200人以上は失 業保険も切れていた。税収も減り、町役場も破産の危機にあった。そこで町長であったミヒャエル・ウンターグッゲンバーガーはこの苦境から脱出するために、 1932年7月に地域通貨として「労働証明書」の発行を決断した。

1・5・10シリングの労働証明書が印刷され、町役場から建設労働者に賃金として支払われた。各紙幣は月末になると有効期限を迎え、それを再度有効 にするには額面金額の100分の1のスタンプが必要であった。つまり、たとえば1000円の労働証明書を今日(5月9日)に受け取ったとすると、この紙幣 は5月31日までしか有効ではなく、今月中にこの紙幣を使いきれなかった場合には10円のスタンプを買って貼らなければならない。そのためこのお札を受け 取った人間はこのお札を手元に置いておくのではなく使うことを推奨され、これによりヴェルグルの経済活動が息を吹き返した。平均でわずか5490シリング の通貨供給で250万シリング以上の取引がわずか1年あまりの間に起こり、町役場はこのお札のおかげで公共事業に10万シリング以上支出ができるようにな り、また失業も4分の1減った。
--------引用以上--------

>各紙幣は月末になると有効期限を迎え、それを再度有効 にするには
>額面金額の100分の1のスタンプが必要であった。

  つまり、月に1%減っていく仕掛けになっているのです。銀行の貸付(信用創造)は債務者に金利という金を払わせますから、ちょうど逆になっているわけです。これなら、「貯める」より「遣う」方がはるかにいいということになるでしょう。
  もちろん、この通貨には、発行された地域でしか遣えないという欠点があります。しかし、それがいいのです。
  今の田舎の経済の仕組みを簡単に言うと、農家が農作物を売って貨幣価値を獲得し、その貨幣を使って●ジャスコのような大規模小売店舗で生活必需品を買うというのが定番になっています。以前私の同僚だった女性が結婚し、愛媛県の新居浜という町に移り住んだのですが、「ジャスコしか行くところがない!」と言っていました。地方の方で、思い当たるフシのある人はきっといるはずです。
  そして、ジャスコはジャスコで流通の過程での競争に勝ちたいわけですから、売ればより利益になる商品を売ろうとするはずです。だから、●新居浜のジャスコではベトナム産のエビが50円で売っていたり、アメリカ産のヒレカツ用豚肉が88円(ただし両方ともご奉仕品。笑)が売っていたりするのです。遠くから連れてきても、儲かればそれでいいからです。
  もちろん、ジャスコのような店は、良い品を安く提供しているのから売れているんだ、何が悪いんだと反論するでしょう。しかし、もし新居浜店の業績が傾いたら、そこから逃げ出すはずです。当然でしょう。彼らの目的は貨幣価値の獲得なのであって、地域生活を維持することではないからです。
  ところが、自然通貨で商売をすれば、そういう事態がほとんど起こらなくなります。自然通貨を使うと、地域から吸い上げた利益を本社に引き上げるという行為ができなくなるので、大規模店舗が進出しにくくなるからです。そうなると、地元の人間がものを作り、それを地元に提供するというサイクルが形成されるようになります。 
  ここで忘れてはいけないのは、自然通貨と我が国の通貨である日本円は共存ができるということです。そもそも、地域間の取引には地域を越えて通用する貨幣が必要でしょうし、貿易もゼロになることはないでしょう。
  しかし、地元でミカンを作っているのに、安いオレンジジュースが幅を利かせるという現象は確実に起こらなくなるはずです。地域のものは地域で使う方が絶対に有利になるからです。

  こういう政策を掲げる平和党のような政党を、農家の方たちが応援してほしいものです。

  もちろん、現時点でいきなり自然通貨を全国で導入することはできません。だから、当面はグローバリストによる農水省や農協、そして農家個人への攻撃を妨害しなくてはならないでしょう。
  しかし、それは単なる先延ばしに過ぎません。本当に農業を守りたい、地域を守りたいなら、最後は経済の仕組みから変えるしかないのです。
  そうすれば、地域経済も息を吹き返し、日本国としての食糧自給率も自然と向上していくはずです。

  減価する通貨による「自然主義経済」・・・どこかの自治体が、ヴェルグルの町のような英断を下してくれないものでしょうか?

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「土用の丑の日」とグローバリゼーション

2007年07月11日 00時40分02秒 | 社会と教育
  ここ最近、私は「グローバリスト」という概念をよく取り上げます。

  しつこいようですがグローバリストというのは、「利益の極大化を実現するために、国内への影響を顧みず、海外に積極的に進出し、もしくは国家間の枠組みを取り払おうとする個人や団体」のことです。 
  みなさんはこの話を出すと「外資」や「ユダヤ系金融資本」を思い浮かべる方が多いのでしょうが、在来種、つまり日本に生まれ育ったグローバリストというのもいます。「商社」がそれです。
  彼らの行動様式をよく示しているニュースが出てきたので、取り上げておきましょう。

中国ウナギ安全とアピール 丑の日前に輸入業者
http://www.sakigake.jp/p/news/national.jsp?nid=2007071001000517

--------以下引用--------
 米食品医薬品局(FDA)が、発がん性が指摘されている抗菌剤が含まれていたとして中国産ウナギなどの養殖魚介類を一時輸入停止したことに関し、日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は10日、都内で記者会見。30日の土用の丑(うし)の日を前に「日本に輸入されている中国産ウナギは中国政府による検査や、日本での水際検査をパスしており安全だ」とアピールした。

 森山理事長は「ウナギが危ないと連日報道されて消費者の不安があおられ、ウナギの売れ行きは激減している。いかに努力して安全なものにしているか実態を理解してほしい」と話した。

 FDAは先月、米国内で使用が禁止されている抗菌剤ニトロフランやマラカイトグリーンなどが微量に含まれていたとして、エビやウナギなど5種類の魚介類の輸入を一時停止した。

 同組合によると、日本向け中国産ウナギについては、中国政府が国内で検査などを実施している上、厚生労働省による命令で、検査が義務付けられている。
--------引用以上--------
  
  ふざけた記事だとお思いの方は多いでしょう。私も腹が立ちました。しかし、それに留まっては進歩がありません。このブログの狙いである「少し上から見る」という視点で、このニュースを分析してみましょう。

>日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)

  ●こちらのリンクに、この輸入組合のメンバーの名前が出ています。「伊藤忠フレッシュ」「住金物産」あたりは、戦前から続く財閥系の商社であり、「豊田通商」というのは、自動車のトヨタが21%出資している商社です。中には、「中日友交商会」という、扱い先丸わかり(しかも、「日中」でないところにいやらしさを感じる)の会社もあります。
  これらの商社がどうやって利益を出しているかというと、生産者と小売業者の間を取次、その手数料を稼ぐとい方法です。ひどい言い方をすれば「中間搾取」です。儒教や、それをバックボーンにした江戸幕府が、商人を最も低い身分に置いていたことを思い出して下さい。あれには、ちゃんと理由があるのです。

  このような業者が嗜好する行動様式は、以下の二つです。

  一つ目は、ものが頻繁に動くこと(大量・反復性)です。取次行為というのは、取り次いだ量や回数に比例して手数料が発生するのが自然です。だから、活発にものが行き来してくれた方がいいわけです。
  二つ目は、遠くからものを仕入れること(遠隔性)です。もちろん、輸送の費用がかかるというマイナスはあります。しかし、遠い土地というのはよく知らない土地であることが普通ですから、その遠い土地について知識がある、たとえば現地の言葉を知っていたり、現地の商人とコネクションがあったりすれば、買い手に対して圧倒的に優位に立てることになります。

  そうなると、どうしても中国のような国に目を付けざるをえないわけです。日本からそれほど遠くはないが、商習慣も言葉も違うので、どうしても仲を取り持つ商社の存在が必要になるわけだし、何しろ日本よりものを安く仕入れることができますから、頻繁な取引が可能だからです。ロシア産のキャビアやフランス産のワインでは、そういうわけには行きませんからね。

  しかし、冒頭の定義に戻れば、やはり国内への影響は出ているのです。5年前にこんなニュースがありました。

死んでもやせたい? 中国製ダイエット食品で死亡!
http://allabout.co.jp/fashion/diet/closeup/CU20020717A/

--------以下引用--------
先日(平成14年7月12日)厚生労働省の医薬局が中国製のダイエット用健康食品2品目について、未承認の医薬品成分が検出されたなどとして商品名の公表を行いました。商品名は「御芝堂減肥こう嚢(おんしどうげんぴこうのう) 」と「せん之素こう嚢(せんのもとこうのう)」です。因果関係は明確ではないとしながらも、御芝堂減肥こう嚢を摂取していた女性のうち一人は急性重症肝不全により死亡。また、その他商品も含めて使用者のうち計12名が肝障害を患ったことも同時に報告しています。
--------引用以上--------

  こういうことが起こるのはある意味当然でしょう。外来の食品というのは、本来私たちの生活環境の中に存在しなかった未知の物質なのです。現地の人間が使っていたとしても、我々自身に免疫がない可能性がある、いや、むしろ免疫がなくて当たり前なのです。
  それに、中間にさまざまな流通過程があるため、生産者に対する抗議ができないのも問題です。中国産だからといって、まさか中国共産党に抗議するわけには行きません(笑)。顔の見えない怖さ、注文をつけられない怖さということもできます。
  しかし、グローバリストにとっては、このような国内への影響は二の次なのです。彼らの目的は、我々の生活の向上ではなく、利益の追求なのです。
  彼らが用いる「広告」や「CM」というものは、そういう目的を無害に見せかけるためのもの、要するに「詐欺」といってもいいかもしれません。具体例を挙げます。

「鰻丼」と「鰻定」を8月上旬まで期間限定販売
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070705_yoshinoya_unadon/

--------以下引用--------
昨年にも試験的に100店舗ほどで「鰻めし(うなめし)」というのを販売していたようですが、今年は「鰻丼(うなどん)」と「鰻定(うなてい)」という形になって全国展開です。開始日時は7月6日(金)15時から。

  (中略)

価格は「鰻丼」が490円、「鰻定」が550円。「鰻定」はみそ汁・お漬物付。お持ち帰りは「鰻丼」のみ可能。
--------引用以上--------

>価格は「鰻丼」が490円、「鰻定」が550円。

  ウナギがこんなに安く食べられるものなら、「土用の丑の日に(=その日くらいは)ウナギを食べる」などという風習ができるはずがありません。
  おおかた、消費者が手を出さなくなった中国産ウナギが、商社の手元に余っているから、それをさばこうということなのでしょう。そして、試験販売の段階で、「この牛丼屋に来る客はウナギの産地に疑問を持たない」という消費行動の分析が出たからこその「全国展開」なのでしょう。

  もちろん、省略したところに「ウナギは中国産100%」などと書いていません。伝えるべき事を伝えないことも詐欺の一種だと考えれば、これも立派な詐欺でしょう。暗に了解した上で食べるなら、止めはしませんが・・・。

  また、ウナギの輸入業者の記事にある、

>「日本に輸入されている中国産ウナギは中国政府による検査や、
>日本での水際検査をパスしており安全だ」とアピール

  というのも、まさにそういった詐欺の一種でしょう。まあ、あまり騙される人はいないでしょうが・・・。

  こんなことを言うと、「紀元前からシルクロードで遠隔地貿易が行われていた。それが文化の発展に役立ったという歴史的な意味を忘れていないか」という人がいるかもしれません。
  しかし、それこそ何も分かっていないか、うまいこと騙されているのです。今まで素性の知れない食べ物に悩まされずに済んできたのは、単純にものが動く距離や、その量が今より小さかったからにすぎません。シルクロードの時代にコンテナ船や飛行機があれば、間違いなくダイエット食品で死亡するような例が出ていたはずです。ラクダと帆掛け船しか移動手段がなかった時代と、害悪の度合いを比較するのは、本質的ではありません。
  本来、その土地にないものを持ち込むというのは、それくらい重大なことなのです。ブラックバスを放流したら、河口湖に魚がいなくなってしまったように、我々の生活環境が(悪い方に)ねじまげられてしまうことになるからです。

  一番厄介なことは、このような商社(グローバリスト)が日常的に行っているような行動を批判すると、「偏狭な国家主義」というレッテルを簡単に貼られてしまうということです。これは、本当に難儀なことです。
  今の日本では、「国際的なのはいいことだ」とか、「いろいろな国と仲良くすることが大切だ」とかいった考え(国際協調主義)が主流になっています。しかし、それはともすれば、外国からもたらされた災難(危険食品や犯罪者)を一方的に許容しろという論理で使われることが多いのです。
  そして、それこそがグローバリストの工作なのです。リンクさせてもらっている「晴耕雨読」というサイトで、優れた考察がなされています。

寄生性と知的謀略
http://sun.ap.teacup.com/souun/143.html

--------以下引用--------
宿主に寄生する最高の方法は、自分たちが効率的に養分を吸い上げられる価値観や制度を宿主共同体が持つようになってくれることです。

端的には、収奪者(寄生者)ができるだけ自由に収奪活動に励むことができ、被収奪者(宿主)が収奪されるための仕掛けだとは思わず、それを素晴らしい考え方だと信じる理念・価値観・制度を普及させることです。

このために、宗教・学問・政治制度などを利用します。(中略)

民主主義・個人主義・自由主義・経済学・科学的世界観なども、寄生者が宿主から“養分”をスムーズに吸い上げるためにつくり普及させた論理的説明体系です。
--------引用以上--------

>自分たちが効率的に養分を吸い上げられる価値観や制度

  この中に、まさに「国際協調主義」という考えも含まれるでしょう。外から来る物品に対して拒否感を抱くことを許さない空気をかもし出すわけです。「みんな仲良く」という考えは単純なので、それを国家間の問題までずらしてしまい、人々の本能的な警戒心を解くというのがその狙いです。

  もっとも、日本人というのはそういう点でかなり過敏な反応をする人々です。面白いことに、勉強して万国共通の知識や概念をたくさん獲得しているインテリと言われる人種(自称も含む)より、そこらへんにいる庶民にそういう警戒心が強いのです。これは、60年あまり国際協調主義に則った教育が行われてきたことを考えると、ある種の驚きです。
  実は、日本においてグローバリストの破壊的な行動を抑制してきたのは、そういう庶民の感性だったのだと思います。アメリカ産牛肉をどう思いますか、ときけば、ほとんどの主婦が「できれば食べたくない」と答えるでしょう。そういう感性は、変に身につけた知識よりもずっと大切です。

  私としては、そういう感性が舶来の理念(グローバリストが利用しやすい嘘)に負けてしまわないよう、普通の人たちを応援してきたいと思います。安いウナギを怪しいと思うあなたは「正解」です。

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【参院選】自民ダメ、民主ダメ・・・ならばどうする?

2007年07月02日 03時53分59秒 | 社会と教育
  ●「自民党は野党よりましだ」と思っている人々へという記事の続きです。

  さて、前編では、自民党も民主党もグローバリストと親和性があり、どちらに勝たせても危険であるということを申し上げました。そのうえで、参議院選挙でどのように投票すればよいのか、私の考えを述べさせていただきます。

  なお、予め断っておきますが、私の考えを初めから理解しようとしなかったり、建設的な姿勢の窺えないコメント(例:○○党みたいな売国政党を支持するなんて信じられない)には一切お答えしません。私は、そういう方に考えを変えていただこうなどと僭越な考えは持っていません。悪しからずご了承下さい。

  まず、重要なことは、今回の選挙に限らず「選挙というのは最善を目指すより、最悪を避けることを考えなければならない」ということです。

  これは私のオリジナルの言葉ではなく、コメントを頂いた早雲さんのおっしゃったことです。しかし、非常に重要な意味を持っていると思うので、あえて取り上げさせていただきました。

  最善を目指してしまうと、困った事態を招く可能性があります。それは、理想として掲げているもの(最善)だけに目を奪われて、それ以外の側面を見ようとしなくなることです。
  安倍首相はいろいろ美しい理念を掲げて、手垢の付いた戦後体制を脱却しようとブチ上げました。もちろん、それを支持する人は結構いたわけで、私もまあ消極的に支持した過去があるくらいです。
  しかし、その理念を実現したいと思う余り、その政治家の負の側面に全く目を向けなくなってしまうのはどうかと思うのです。日本が毅然とした国になるために、憲法をなんとしても改正してほしい。だから、経済問題は目をつむろう、どうせ数字や専門用語が多くて自分にはよくわからないし・・・というのは、有権者として好ましい姿勢とはどうしても思えません。
  わからないだけならまだいいのですが、地方と都会の格差だの、非正規雇用の増大だのを話題にした人間に対して牽強付会で反論したあげく、「おまえは社会主義者だ」「安倍さんを批判して、北朝鮮の工作員か」などと罵倒し始めたらもうおしまいです。

  そうして、安倍首相は非正規雇用ばかりの若者に希望を与える策も打ち出せず、年金問題では行政責任者として泥縄の対応に終始しました。結局、支持を失って、憲法改正からも遠ざかってしまっているのです。そうなる前に、支持者の方たちは、首相に対して、愛の鞭を加えておくべきだったのではありませんか。

  最善の政治を思い描くことと、現実にいる政治家を「理想の政治家だ」と信じて疑わないことは全く別の問題です。批判を受けない政治家にとっても、彼に無批判な国民にとっても、いい結果は生みません。

  今は安倍首相の話をしましたが、もちろん、同じことは民主党にも言えるわけです。「共生」社会の理念に共感して民主党を支持し続けたら、いつの間にか中国が作らせた「強制」収容所にブチ込まれていたというのでは話になりません。

  そして、このブログが避けなければならないとする「最悪」というのは、

  「安倍政権が国民の信任を受け、グローバリストの暴走に歯止めがかからなくなること」

  です。理由は、前回の記事に書いたので割愛します。

  しかし、だからといって、

「民主党が本格的に政権を運営する立場に就く」

  というのも、避けなくてはいけませんです。そうなれば間違いなく、中国との一体化が進められてしまうからです。グローバリストも、彼らの利益を極大化する政策(たとえば中国とのEPAや、外国人労働者の解禁)については、積極的に民主党政権を支援するはずです。
  そうだとすれば、参院選に限らず、最も遅くて2009年にある衆議院選挙でも、考えなくてはいけないのは、「その時の政権与党(=グローバリストの道具)に独走させないこと」に尽きると言えるでしょう。矢継ぎ早にデフレ推進や対外進出促進の法案を通されないためです。国民経済を守るには、これしかありません。

  そして、今回の参院選の投票の仕方としては、こんな感じでいいと思われます。

(1)鳥取のような一人区では、民主党に投票する

(2)東京のような複数改選の選挙区では、
  「国民新党」か「共産党」に投票する。
  (改選人数が二人なら、民主でもよい。)

(3)比例区は、第一に「維新政党新風」、
  第二に「国民新党」「共産党」のどちらかに投票する

(4)「自民党」「公明党」「社民党」には絶対に投票しない  

  (1)は、自民党の独走を押さえるという意味合いです。特に、東アジア共同体の成立を前提としている安倍内閣の「アジア・ゲートウェイ構想」は、絶対にお流れにしなくてはいけません。
  「中国朝鮮でないアジアと結びつくならいいじゃないか」などという問題ではありません。それで済むなら、なぜ日本企業はベトナムではなく中国にばかり進出するのでしょうか。たとえばフィリピンで足りなくなったら、絶対に中国も入れようという話になります。利益を極大化するグローバリストの習性を忘れてはいけません。

  (2)で、本当は新風を挙げたいところですが、涙を呑んでこの二つの政党を挙げます。

  「国民新党」は、旧来の自民党の土木利権と結びついている政治家が多く在籍しています。しかし、「累進課税の強化」という、グローバリストにとって一番痛い政策を掲げている(ということは、グローバリスト寄りの政策にはことごとく反対する)ところは評価に値します。外国のファンドによる企業買収にも否定的(●こちらのリンクを参照)です。
  なにより、彼らは「利権政治家」であり、利権の種になる地方経済を決定的に破壊してしまうような暴挙までは犯せません。そんなことをしたら、自分も終わってしまうからです。

  グローバリストが平気で地方社会の破壊に走るのは、シャープ亀山工場の事例や、日立の茂原工場の事例などで明らかです(●こちらのリンクを参照)。
  この二つの企業は、誘致活動で税金の投入を受けながら、地元での正規雇用をほとんどしない、それどころか減らすような真似に出ました。シャープの株主の30%、日立に至っては40%が外国人投資家です。こういう連中が「株主利益の最大化」「国際競争力の強化」と称して、極端な合理化を進めさせているというわけです。

  もちろん、国民新党がそういう動きを阻止、是正しようとしないのなら、次の衆議院選挙では投票してはなりません。

 「共産党」ですが、私ははっきり言ってこの政党が嫌いです。彼らの支持母体である全教(全日本教職員組合)が、教育現場でろくなことをしていないのは、国立市の教育の惨状を見れば明らかだからです。
  しかし、「蔑視」はしていません。雇用や労働問題、行きすぎた規制緩和に対しては、それなりに筋の通ったことを主張しているからです。

  たとえば、以下のリンクに興味深い記事が出ています。

【奥谷禮子】郵政民営化を食い物にする蛆虫【バカ社長】
http://drmccoy.blog39.fc2.com/blog-entry-64.html#more

--------以下引用--------
 人材派遣会社「ザ・アール」の奥谷禮子社長が郵政民営化後の持ち株会社、「日本郵政株式会社」の社外取締役という公職につきながら、「ザ・アール」が日本郵政公社の仕事をこの四年間で七億円近くも受注しているという関係がわかりました。

 これは、日本共産党の吉井英勝衆院議員の資料要求に対して、日本郵政公社が「ザ・アール」との契約実績を明らかにしたもの。

 それによると、「ザ・アール」は、二〇〇三年四月一日からことしの二月二十三日までの間、日本郵政公社との間で三十五件、約六億八千三百六十万円にのぼる契約をしています。
--------引用以上--------

  これって、立派な自己取引ですね。会社から損害賠償請求されて当然の事例です。しかも、郵政公社というのはまだ公営企業なのですから(こういうときだけ「郵政事業は単体で黒字だから」などと言う人は、じゃあなんで郵政民営化に賛成したんだ!!)、収賄に限りなく近い事案だといえます。

  国政調査権や委員会質問というのは、こういうことのために使うのです。

  なぜ、こんな薄汚い真似を、格好の「小泉カイカク」に対する攻撃材料を、他の野党は使わないのでしょうか。特に、民主党は一体何をやっているんでしょうか!?歳費を返せ、と言いたくなります。

  こういう「ほじくり返し」が増えれば、そのうちマスコミも取り上げざるを得なくなります。取り上げなければ、今度はネットの世界で「マスコミは党首討論に変なカットを入れてるんじゃないのか」と指弾されます(それすらなかったら、もうネットの力で・・・云々など何も期待できない)。
  このよううに、グローバリストによる日本暴走を防ぐには、共産党のような偏向政党でも役に立つのです。
  
  じゃあ、「社会民主党」はダメなの?という人がいるかもしれません。絶対ダメです。
  この政党について、不思議に思うことがありませんか?それは、「議員の数が少ないのに、醜聞が異常に多い」(たとえば●幹事長の下半身問題など)ことや、「共産党よりも、発言が格段にメディアに取り上げられたり、某掲示板で叩かれる回数が圧倒的多い」ということです。
  この政党はグローバリストの手下たちをまともに見せたり、雇用問題を取り上げる政治家を反日勢力に見せるためのサクラ役なのです。鋭い委員会質問もなく、安倍首相にブチのめされて終わるだけの党首討論ばかりしているところから、もうやる気もなく、ピエロとしての仕事を甘んじて引き受けようとしているのでしょう。もしかしたら、社会党の頃みたいに、自民党と賭け麻雀をやってわざと負けてもらい、国会対策費用を頂戴しているかもしれません(●こちらのリンクの西山氏の文章を参照)
  こんな政党が議席を増やしたら、グローバリストはかえって喜ぶんじゃないでしょうか。そういえば、民主党もこの党とはやたら選挙協力していますよね・・・。

  (3)について、「維新政党新風」は言うまでもなく一押しの政党です。あえて国民新党と共産党を入れているのは、一応、新風の思想を理解できない方々のためです。

  新風の議員を1議席でも2議席でも国会に送り込めれば、愛国や保守を志す人々は自民党を見限っているという強烈なメッセージになります。まだご覧になっていない方は、是非とも●こちらのビデオ(3本のうちの2本目)を見ていただきたいです。「公明党と創価学会」「解放同盟」「在日朝鮮人」「パチンコマネーと北朝鮮のつながり」といった、我が国の政治を決定的に歪めている要因の指摘を、これほどはっきり行った政党が今まであったでしょうか?

  「理想を目指すのはダメなんじゃないの?」と突っ込みたくなる方もいるかもしれませんが、国民の間に瀬戸さんの演説を支持する声があるのだ、という事実を、グローバリストやその犬たちに突きつけなければなりません。既存の政党に対する、最上級の牽制になること間違い無しです。

  では、上のような私が考える絵図に従って選挙が終わったとして、もう一つ大事なことがあります。上の三つの政党、特に新風に期待することと言ってもいいかもしれません。

  それは、「公明党(の閣僚)に対する徹底攻撃」です。

  公明党が二期連続で支配している省庁が、どんな「実績」を挙げているか。簡単に見ただけで空恐ろしくなります。

外国人犯罪を誘引する「公明党」に引導を!
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-621.html

  こちらで言及されている、「韓国人に対する観光ビザ免除の恒久化」を決めたのは、「北側一雄」前・国土交通大臣です。

日中韓でICカード、交通や宿泊で共通利用・導入検討で一致
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20070626AS2M2600K26062007.html

--------以下引用--------
 日中韓の3カ国は26日午前、青島市内のホテルで観光担当相会合を開き、3カ国の観光協力の具体策を盛り込んだ「青島宣言」を採択した。「観光客の利便性を高めるシステム構築について協議を推進する」として、3カ国の公共交通機関などで利用できる共通ICカードシステムの検討を進める方針を示した。
--------引用以上--------

  リンク先で満面の笑みを浮かべているのは、「冬柴鐵三」現・国土交通大臣です。朝鮮や中国と仲良くできるのが本当に嬉しそうですね。

  残念ながら、創価学会の票を当てにしている自民党や、どう考えても中国寄りの民主党には、こういう政策は批判できません。だからこそ、特定の支持団体のない新風が、これらの売国行為を徹底的に批判して行くべきなのです。

  具体的には、小政党の必殺技である「質問主意書」を、集中的に公明党の閣僚に送りつけます。これは、口頭の質問と違って時間的制約がない上に、閣僚には答えなければならない義務があるからです。そして、その答弁書を全てネットにアップします。今更この党が「親日的」になるわけがありませんから、外国人寄りの答弁ばかりしているのが、白日に晒されるというわけです。

  党首討論になったら、国民新党と手を組んで、公明党の閣僚を集中攻撃すべきです。特に、「公明党は自民党といっしょになって格差社会を容認しているのか」「外国人犯罪を助長していないか」というのは、福祉を謳っている政党だけに、かなりダメージになるでしょう。
  そうすることで、自民党内に連立に慎重になろうという意見がでてきやすくはなります。何より、他の党を支持している有権者が、新風を支持するようになるはずです。それを衆議院選や、統一地方選につなげるのです。

  そうやって、自民党にまだ何人か残っている、グローバリストの犬に成りきっていない政治家が動きやすい環境を作っていくことです。その流れに、民主党のまともな政治家たちが合流すれば、本当の意味での政界再編につながります。
  そのためにも、是非、「維新政党新風」が議席を勝ち取らなくてはいけないのです。参議院選挙で、みなさんが賢明な判断を下すことを期待いたします。

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外資におもねる「保守」系新聞社~戦前の悪夢再び?

2007年07月01日 02時45分33秒 | 社会と教育
  ●以前の記事で取り上げた、「はげたか」外資を、ブルドックソースが撃退に成功したというニュースです。  

価格向上の買収、排除の恐れ ブルドック防衛策 司法判断で波紋
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200706300022a.nwc

--------以下引用--------
 米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドが申し立てていたブルドックソースの買収防衛策の差し止め請求が東京地裁で28日、却下された。却下そのものに対しては、「妥当」との声が大勢だ。ただ、今回の司法判断が確定すれば、「敵対的買収」が完全に排除され、結果として、日本のM&A(企業の合併・買収)が後退しかねないと懸念する声も上がっている。

 今回の決定は、株主総会に特定の株主を退ける権限を認めたという点で大きな意味を持つ。特に、防衛策発動への賛成が83・4%に上り、3分の2以上の賛成が必要な「特別決議」をクリアしたことを評価した。経営サイドから見れば、特別決議をクリアすれば、経営陣に不都合な株主を排除することができるということになる。

 ≪少数株主の権利奪う≫

 そもそも、「賛成が80%を超えるなら、防衛策は必要なかったはず」(法曹関係者)との声は根強い。賛成票を投じた株主がスティールのTOBに応じる可能性は限りなく小さく、スティールは経営に影響力を行使できる3分の1超を確保できなかったはずだ。

 敵対的TOBの排除は、スティールのTOB価格を評価し、売却したいと考える少数株主の権利を奪うことにもなる。

 新株予約権の発行でスティールの持ち株比率を引き下げる防衛策を発動するのではなく、「株主にスティールの問題点を示すと同時に企業価値向上のための対抗策を提示し、TOBを受けて立つべきだった」(同)ともいえる。

 株式市場関係者の間では、敵対的TOBについて、「経営者の恣意的な判断を排除し、純粋に株主の判断に委ねるという点で意味がある」(証券アナリスト)との声は多い。

 総会も株主に判断を委ねるという点では同じ。ただ、安易な防衛策の導入は、経営者が市場や株主の監視の目を意識しなくなるなど、経営規律の緩みを招き、結果として、企業価値が低下し、株主利益が損なわれる懸念もある。

 大和総研制度調査部の横山淳統括次長は却下の影響について「戦略の修正を迫られる投資ファンドが出てくる」と指摘する。今後は、経営陣や従業員の同意を得た友好的な投資ファンドしか、日本市場では受け入れられなくなる可能性があるためだ。

 ≪改革スピードダウン≫

 だが、経営陣にとっては不都合だが、企業価値向上につながる大胆な提案までも排除されるような辞退となれば、日本の企業の経営改革のスピードを大きく損なわれることになる。

 スティールに敵対的TOBを仕掛けられた明星食品が、「ホワイトナイト(白馬の騎士)」となった日清食品の傘下に入ったように投資ファンドが再編の背中を押す役割を担っているのは間違いない。M&A後退は、少子高齢化を見据えた日本経済の構造改革にもマイナスとなる。

 株式市場では「M&A機運の高まりは基本的には買い」(大手証券)との声は多く、欧米市場ではM&Aの活発化が株価を押し上げている。29日の東京市場では、スティールが手を引くとの観測から、投資先企業の株価が軒並み値を下げた。「日本市場には障壁がある」との見方が広がれば、日本からの資金流出が一気に加速する懸念もある。
--------引用以上--------

  これ自体は、悪くないニュースでしょう。むしろ、日本企業にとって、吉報といっていいかもしれません。

  しかし、その後の論評にはかなり問題があります。フジサンケイビジネスアイという雑誌が、グローバリスト(※注)におもねっているからです。

※グローバリスト
 自国内に与える影響を考慮せず、自己の利益を
 極大化するため、積極的に海外に進出し、
 国家間の垣根を取り払おうとする個人または集団
 (●こちらの記事を参照)

>日本のM&A(企業の合併・買収)が後退しかねないと
>懸念する声も上がっている。

  ウンウン肯いていた方もいらっしゃっるんじゃないですか?しかし、実はここ、要注意箇所です。

  この部分は「主観の垂れ流し」にすぎません。「M&Aが後退」することが、「懸念す」べき問題なのかどうか、論拠を示していないからです。このような主張をする以上、なぜM&Aが必要か、十分に論証しなくてはならないということです。
  これとよく似たミスリードは、朝日新聞がよく使います。非常に卑怯な論法です。親(産経新聞)が朝日と、社説で仲良く低レベルな罵り合いをしているだけはあります(●こちらのブログを参照)。

>日本の企業の経営改革のスピードを大きく損なわれることになる。

  これも、上と同様のミスリードです。この部分が正しい言説であるためには、「日本の企業」一般が、自力で「経営改革」を行うことができない、もしくは企業存続を危うくするほど改革のスピードが遅くなくてはなりません。そうであって初めて、買収防衛策を排除することは不当だという結論が出るのです。
  もちろん、その点について論拠は全く提示されていません。日本企業はみんな愚図でのろまなやつばっかりだ、という低劣な罵倒に過ぎません。経団連や経済同友会は、「日本企業のイメージダウンを狙った悪質な言論」として、フジサンケイビジネスアイを名誉毀損もしくはで告訴すべきです(笑)。

>M&A後退は、少子高齢化を見据えた日本経済の
>構造改革にもマイナスとなる。

  少子高齢化というのは、グローバリストが国民をくらーい気持ちにさせるために、よく使われるキーワードです。しかも、だから「構造改革」をしろと・・・もう、骨の髄までグローバリストの軍門に下っていますね。

  国民も、こんな論法にいつまでも騙されていてはいけません。

>企業価値向上につながる大胆な提案までも
>排除されるような辞退となれば

  周囲から見て容易にわかるほど画期的な提案なら、役員会が真っ先に検討すると思うのですが・・・・。

  まさか、この記事を書いた人間は、「日本企業は全て退廃していて、企業努力は期待できない」とでも考えているのでしょうか。日本でそこまで腐りきっているのは「新聞」などの「マスメディア」くらい(笑)でしょう。自分たちが真っ黒だから、他の企業も真っ黒だと決めつけない方がいいと思います。

  ところで、「大胆な提案」をしてくれそうな出資者様の実態はこんな感じです。  

謎の投資ファンド「スティール・パートナーズ」とは
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/03/post_2074.html

>「スティール・パートナーズ」は2人のユダヤ系アメリカ人
>ウォレン・リヒテンシュタインとトム・ニーダーマイヤー
>によって旗揚げされた。

>1990年代にケイマン諸島(税金を安く済ませるために多くの
>企業が法人設立をしている、タックスヘイブンとも呼ばれる)
>に複数の投資ファンドを設立

  本物のグローバリストですね。中でも一番たちの悪い「国際金融資本」という連中です。

  彼らの武器は基本的に「金」しかありません。しかし、近代化の過程で、土地や労働力は全て金銭に換算して取り引きされるシステム(いわゆる「近代経済」)が完成している以上、これ以上の武器はありません。
  基本的に、国際金融資本は投資した相手が利益をもたらすかどうかという一点だけに関心があります。養鶏家が、鶏の生む卵に関心があるのと似ていますが、国際金融資本は、基本的に鶏(=企業)に餌もやらず、世話もしません。
  当然鶏は身体が弱ってきますが、そうしたら別の鶏を買えばいいと思っているだけです。そういう点では、洗車もオイル交換もせず、走らなくなったら道ばたに車を捨てるカーオーナーと似ています。たしかに、日本人から見れば「大胆」ではあります(笑)。

>興味深いのはこのファンドが設立された直後、両者は
>来日し、村上ファンドの村上世彰氏をたずねたという。
>村上氏は、「スティール・パートナーズは『時価総額が
>純資産を下回る割安な株に注目している』。
>つまりは村上ファンドがしているようなことを
>日本でスティール・パートナーズも行いたい」
>という相談を持ちかけたとのことだ。

  まあ、こういう人々だということです。村上ファンドが出資した企業が、魅力的な商品を生み出したり、何か生活を便利にしたというニュースを聞いたことがあるでしょうか。
  村上ファンドは、日本版国際金融資本になろうとしたのでしょう。しかし、派手にやりすぎました。その結果、企業防衛の必要性が認知されてしまったわけです。もしかしたら、それがグローバリスト(国際金融資本)の逆鱗に触れて、お縄を頂戴したのかも知れませんね。

>「日本市場には障壁がある」との見方が広がれば、
>日本からの資金流出が一気に加速する懸念もある。

  そんなことは絶対にありません。日本企業の多くが、国民経済に寄与する財やサービスを提供することができています。技術力のレベルも、後を追う朝鮮や台湾に完全に水をあけています。投資対象としての魅力は衰えていません。
  だいいち、スティールパートナーズはそういう企業(株価が割安な優良企業)が多いからこそ、日本に進出してきたのではありませんかね。それを、日本のマスコミ自身が「日本の企業はダメだ」と、勝手に騒いでいるわけです。そうして結果として株価が下がれば、優良企業をもっと買収しやすくなりますからね。

  こうなると、日本のマスメディアは、グローバリストから金をもらって記事を書いているといるんじゃないかとすら思えてきます。

  こちらのリンクも、参考になります。

外国人労働者問題-在京六紙がすべて賛成の恐ろしさ-
http://homepage3.nifty.com/nskk/ronpyo013.htm

  ネット右翼や自称保守の方々が大好きな産経新聞も、こんな記事を書いているしまつです。

--------以下引用--------
【2004年7月11日付産経新聞「主張」より】政府は、看護師、介護士などは、日本語ができ、日本での研修を条件に、枠を決め、部分的、段階的に受け入れる方向を検討中のようだが、当面の策としては妥当な方向だろう。ただ、外国人労働者受け入れは、少子・高齢化対応などでメリットも期待できる半面、不法滞在者、外国人犯罪の増加、単純労働者への差別、社会不安要因など問題も多い。教育、社会保障の整備など総合的、長期的に取り組む必要もある。安易な受け入れは危険で、国益に反しかねない。日本経団連は今年四月、「外国人受け入れ問題に関する提言」で、(1)秩序ある受け入れ(2)外国人労働者の人権と尊厳(3)受け入れ国、送り出し国の双方のメリット-の三原則を示し、政府に「外国人庁」の創設を求めたが、傾聴に値する内容だった。国民的議論の高まりを期待したい。
--------引用以上--------

  グローバリストの相互扶助団体である経団連の外国人受け入れ提案を「傾聴に値する」などと書いています。
  冒頭の記事もそうですが、産経グループが保守だというのはひどいジョークです。どこの世界に、移民受け入れを「傾聴に値する」などとうそぶく保守派がいるのでしょうか。
  狂牛病問題を注意深く避けたり、安倍内閣を支持し続けているところから見て、産経こそグローバリストの御用新聞だという可能性すらあると思われます。

  まるで、戦前のようですね。あの頃は、「財閥」や「革新官僚」というグローバリストを応援するために、新聞各紙は日本のアジア進出をさんざん煽りまくりました。いわゆる「大アジア主義」です。

言論死して国ついに亡ぶー新聞メディアの反省と教訓(PDF)
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/~maesaka/gennronnshishitekunihorobu_050406.pdf

--------以下引用--------
戦後、新聞は自らの戦争責任についてはほとんどふれず、戦前の報道についてはとかく、言論統制や検閲の厳しさばかりを強調しがちである。しかし、満州事変から二・二六事件あたりまでは、書く気さえあれば、その後ほどがんじがらめの統制ではなかった。言論の勇気の欠如こそが問題なのである。

事変(引用者注:1931年の満州事変のこと)前までは厳しい軍部批判を展開していた『大阪朝日』も事変勃発とともに「木に竹をついだ」転換が行われた。当初、大阪朝日編集局は整理部を中心に事変反対の空気がみなぎっていた

が、事変約一ヵ月後に開かれた重役会は「日本国民として軍部を支持し国論を統一することは当然」として軍部や軍事行動に対しては絶対に非難、批判を下さないよう決定したのである。 これに対して、整理部の反対が依然として続き、会社側は大異動して事変反対の空気を一掃した。

 (中略)

国際連盟で一致して採択されたリットン報告書が1932(昭和七)年十月に公表された時、各社は猛烈に反発し最大級の悪罵が並んだ。ヒステリックでセンセーショナルという当時の新聞の〝病気″が社説にも示されていた。

『東京朝日』 - 「錯覚、曲弁、認識不足」
『東京日日』『大阪毎日』-「夢を説く報告書-誇大妄想も甚し」
『読売』 - 「よしのズイから天覗き」
『報知』 - 「非礼誕匿たる調査報告」

国際連盟脱退のキャンペーンをいち早くはったのは『東京日日』だが、『朝日』、『読売』らもこれに追随した。同年十二月十九日、全国百三十二の新聞は連盟脱退への共同宣言を第一面に掲載した。
--------引用以上--------

  私は筆者である前坂教授に全面的に同意はしませんが、このような戦前の新聞の実態を取り上げている点は評価したいです。

  当時、朝日新聞にコミンテルンの工作員である尾崎秀美(おざきほつみ)が在籍していたことは有名ですが、どうも本質的に、大新聞にはスポンサーであるグローバリストの宣伝装置の役割を果たすという性質があるように思えるのです。

  新聞記事が自分にとって「耳触りがよい」、もしくは「価値中立的である」ように思える場合こそ、私たちは警戒しなくてはなりません。それが、グローバリストの撒き餌という可能性もあるのです。気づいたら、中国権益を巡って戦争が始まっていたというのでは話になりません。
  このようなブログで情報を発信できることの意味は、そのへんにあるように思うのですが。

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「自民党は野党よりましだ」と思っている人々へ

2007年06月30日 00時55分00秒 | 社会と教育
  ●「そして中国と朝鮮は開戦する(1)」という記事の続編を上げたかったのですが、参議院選挙が近い、ということで、選挙に関する話題を取り上げます。来る選挙におけるこのブログの基本方針を示しておこうと思います。

  まず、今回の選挙の焦点についてです。

  どうやら、与党である自民党と、第一野党の民主党は、ともに「年金」を焦点にしようと考えているようです。

年金 ご安心ください。(自民党)
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2007_seisaku/nenkin/index.html

あなたの年金、大丈夫ですか?
http://www.dpj.or.jp/special/lost/index.html

  しかし、年金の問題は「各論」に過ぎません。言ってみれば、枝葉です。本当に焦点になるのは、

  「グローバリスト政権である安倍内閣存続の是非」

  です。

  「グローバリスト」というのは、自分たちの利益追求のために、国内への影響を考慮することなく、積極的に海外に進出し、国家間の垣根を取り払おうとする個人又は集団です。多国籍企業や商社、世界規模の金融業者(特にアメリカ資本の銀行・証券・保険など)などが典型ですが、このような連中の声を受けて様々な政策を実現している政治家もグローバリストであると言えます。

  この点、少し詳しく説明しておきます。

  グローバリストが絶対視しているのは、「国際競争力」です。多国籍企業の多くは輸出依存型の企業だからです。また、彼らの商品を外国に取り次ぐ商社もこの点には無関心ではありません。そして、投資銀行はこの二者に投資して金利や配当を吸い上げている存在です。
  国際競争力を重視するということは、生産にかかる費用を徹底的に合理化することにつながります。そうなると、賃金カット、人減らしは当然になり、国内の労働者の購買力は低下します。
  そうすると、必然的に国内経済はデフレに陥るのですが、グローバリストの戦場は国外なので、生産拠点の移転などによって対応すれば問題がありません。国内での売れ行きが落ちたら、さらなる合理化で利益を出せばいいのです。
  このような局面で、グローバリストに賛同する政治家は、企業が合理化(要するに賃下げ、首切り)を容易にするための政策を実行します。これが「構造改革」です。
  たとえば、「派遣業法」改正がその典型です。1985年の導入当時は派遣の認められる業種がかなり限定されていたのですが、いまや製造業にまで解禁されています。「いつでも切れる」「福利厚生の要らない」労働力が欲しいという要求をした人々がいるからです。非正規雇用がどんどん増えているのは●こちらのグラフからでもよくわかります。
  これは、仕方なくそうなったのではなく、そういう風に「した人たちがいる」のです。言うまでもなくグローバリストとその手先です。派遣業法を制定した中曽根政権、財界の声に応えて改正を繰り返した小泉政権は、彼らの使用人だったと見て間違いありません。

  当然、こんなことをしていたらどんどん国民の購買力が低下します。そうなると、税金というのは所得や個人消費にかけられているのですから、税収が不足してくるのも当たり前です。
  そういう場面でも、グローバリストは国民経済に目を向けません。「内でダメなら、外でやる」という発想をするのです。つまり、日本を捨てて海外に「侵攻」するわけです。
  そうして出来上がったのが、このブログでしきりに取り上げている「アジア・ゲートウェイ構想」なのです。

  しつこいようですが、何度でも取り上げます。もっとも、今回は序文のみで十分です(詳しい内容については●最近の記事で)。

安倍内閣メルマガ~「アジア・ゲートウェイ構想」について
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2007/0517.html

--------以下引用--------
21世紀はアジアの時代である。通貨危機後のアセアン諸国の復興や、中国
の台頭は、アジアの成長力の高さを実証した。今や「世界の成長センター」
であるアジアは、東アジア共同体構築の名の下に、非常なスピードで変化を
続けている。

 日本の経済社会は、このアジアの激変という現実から切り離して考えるこ
とはできない。少子高齢化の中で人口減少の局面を迎えた日本でも、社会の
開放のスピードを加速化し、近隣諸国との絆を強化することで、アジア諸国
と繁栄を共有することができる。

 こうした背景から「アジア・ゲートウェイ構想」は、アジアなど海外の活
力を取り込むため、人・モノ・資金・文化・情報の流れにおいて日本がアジ
アと世界の架け橋となることを目指す戦略として、安倍政権の政策の柱の一
つに位置づけられている。
--------引用以上--------


>社会の開放のスピードを加速化


>近隣諸国との絆を強化


>アジアなど海外の活力を取り込む


>日本がアジアと世界の架け橋となる


  この四カ所だけジーッと見て下さい。まるで社会民主党の外交政策みたいじゃありませんか?

  安倍内閣は保守政権でも何でもないのです。文化や伝統を重んじる人間が、「社会の開放」などという文言を軽々しく発信したり、自国を世界との架け橋になんかにしたりはしません。

  当たり前ですが、こういう政策を安倍氏自身が考えたわけではありません。グローバリストの要求に従っているだけです。

  残業代をゼロにするという「ホワイトカラー・エグゼンプション」は、利益の極大化や企業競争力の確保のための賃金圧縮というグローバリスト(輸出依存企業)の要求に忠実に従ったものです。
  「社会保険庁の解体」は、公共部門にある年金原資をグローバリスト(外資系保険会社)がかすめ取るためのものであり、「公務員改革」や「農業のグローバル化」は、安定雇用を崩壊させて安価な労働力を創出しようというグローバリストの意向を受けたものです。
  そして、「憲法9条改正」は、外国でのグローバリスト(や、彼らの本拠地であるアメリカ)の利権を守るための軍事力保持という意味合いがあるのでしょう。私は9条2項は改正すべきだと思いますが、こんな連中に改正されるのには反対です。
    
  そして、この気が狂った政策に異論を唱える人間がいない、というのが、今の自民党なのです。それも当然でしょう。彼らは、グローバリストから餌をもらっている犬だからです。

外資による政治献金認める~政治資金規制法改正
http://www.asahi.com/politics/update/1201/013.html

--------以下引用--------
企業・団体献金の外資規制を緩和する政治資金規正法改正案が1日、衆院の「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」で共産、社民を除く与野党の賛成多数で可決された。現行法で禁じられている外資50%超の企業による政治献金を、条件付きで認める法案で、来週の衆院本会議で可決され、今国会で成立する見通しだ。

 改正案は、日本の法人で国内の証券取引所に上場していれば、外資が50%超でも献金を認める内容。今年の通常国会で自民が議員提案した。民主は改正自体に賛成しながら「10年以上継続して上場」などを条件とするよう修正を要求。与党が応じず継続審議になった。

 今回の修正協議では、上場期間を「5年以上」としたほか、上場時期や保有比率を判断する基準日を「直近の定時の株主総会」とすることなどを盛り込んだ。

 外資規制の緩和は、政界への影響力を強めようと献金を奨励する経団連で、中枢のキヤノン、ソニーなどの外資比率が50%を超え、改正に向けて政財界の足並みがそろった。

 キヤノンの外資比率は今年6月末に50%を割ったが、共産党の佐々木憲昭氏は反対討論で「外国人からの献金禁止規定は(政治資金規正法の)量的規制の根幹。キヤノンの御手洗氏の献金を期待し、根本原則を変えてはならない」と名前を挙げて批判した。
--------引用以上--------

>経団連

>キヤノン

>ソニー

  これが日系グローバリストの代表例です。具体的に言うと、輸出依存企業(の集まり)です。そして、その株主になっているのは、外資系金融機関という、グローバリストの親玉です。今の自民党というのは、こういう連中から多額の献金を受けて活動しているのです。

  こんな政党が、文化伝統を守ってくれると思っている人は、頭がおかしいとしか言いようがありません。

  では、民主党なら安全なのかというと、そうでもないようです。彼らの憲法改正案は、電波そのものです。

民主党・憲法中間提言
http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/BOX_SG0058.html

  「地球市民」を連発しています。これだけでかなりやばそうな臭いがしてきます。

  さらに、先頭の方に「グローバル社会の到来に対応する『国家』のあり方」などという項目を持ってきているのにも注目です。個別の政策では外国人参政権や国際協調主義を謳っており、とどめに「国家主権の移譲」「主権の共有」などという文言まで出てくる始末です。
  民主党の頭の中では、少子高齢化した日本社会に、たくさんの中国人が移り住んできて、社会を乗っ取るという確かなビジョンがあるのかもしれません。移民というのは安価な労働力ですから、利益を最大化しようとするグローバリストにとっては非常に都合のいい政策です。

  この政党と、中国朝鮮寄りという「定評」のある公明党が連立政権を作ったら、日本は間違いなく中国の属国になるでしょう。もちろん、ある日突然ではなく、まずは尖閣諸島、次に沖縄、そしてそのうち日本全国にチャイナタウンができる・・・という形で、漸進的に侵略されていくことになるでしょう。
  唯一の救いは、民主党は一度も政権についたことがないため、グローバリストの意向を受けて国内を改造するのに時間がかかるということだけです。この点では、小泉内閣を引き継いだ安倍内閣より、幾分かましではあります。

  要するに、与党が自民党だろうと、民主党だろうと、グローバリストにとっては損をしないようになっているのです。このことは絶対に忘れてはいけません。

  そうなると、みなさんは当然あることを思い当たるでしょうね。

  「それなら、一体どの政党に投票すればいいんだ?」

  これについては、次回触れてみたいと思います。(公選法違反の恐れがあるので、次回記事は公開停止中です)


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【注意】「はげたか」にえさをあげないでください!!

2007年06月16日 05時06分04秒 | 社会と教育
  先日、ドイツのハイリゲンダムで主要国首脳会議(サミット)が開かれましたが、そこで我が国の将来に大きな影響を与える宣言が採択されました。重大なので、取り上げてみます。

投資の自由、投資環境及び社会的責任
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/heiligendamm07/pdfs/g8_s_ss.pdf

--------以下引用--------

投資の自由

10.我々は開放的で透明性の高い投資枠組みを強化し、投資を制限する傾向と闘うために協力する。障壁を設け、保護主義に与すれば、繁栄を失うことになろう。我々は、従って、持続可能性に関する懸念を尊重しつつ、世界経済にとって自由で開放的な市場が中心的な役割を果たすことを認め、世界的な資本移動を促進するため、開放的な市場を維持する必要性を認める。我々は、投資の自由が経済成長、繁栄、及び雇用にとり極めて重要な柱であることを再確認する。我々は、すべての先進国、主要新興経済国、及びその他の国々に対し、各国の投資政策、不必要に制限的または恣意的な政策から生じる潜在的費用、及び開放的な投資制度の経済的利益につき、真剣に評価するよう呼びかける。

11.このような背景の下、我々は外国投資に対する国家的規制を最小化することに引き続きコミットする。こうした規制は、主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである。そのような事例において従うべき一般原則は、無差別、透明性、及び予測可能性である。いかなる場合においても、規制措置は必要な範囲、程度及び期間を超えるべきではない。投資に関して適用可能な条約は、引き続き影響を受けない。我々は、OECDに対して、特にベスト・プラクティスを特定し、一般原則をさらに発展させることで、これらの問題につき作業を継続することを奨励する。我々は、民間及び国有企業による市場主導型の国境を越える投資に関する透明性の原則につき、一層の共通理解を促進するよう、OECD及びその他のフォーラムと協力する。

  ※テキスト化されたのは、以下のブログの管理人様です。

或る浪人の手記「これぞ売国外交の神髄」
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-777.html

--------引用以上--------

  非常に重大なメッセージは、次の部分です。

>このような背景の下、我々は外国投資に対する国家的規制を
>最小化することに引き続きコミットする。こうした規制は、
>主に国家安全保障に関連する極めて限定的な事例にのみ適用されるべきである。

  要するに、ある国に対する外国からの投資については、極力制限をなくせということです。

  え?それが何か問題なの?という方もいらっしゃるでしょう。問題も問題、大問題です。

  最近、このような制度が導入されたのはご存じでしょうか。

三角合併について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%90%88%E4%BD%B5

--------以下引用--------

企業合併の方法の一つで、会社の吸収合併を行う際に、存続会社の親会社の株式を交付することによって行う合併をいう。その手法上「合併」という言葉を使っているが、実態としては株式交換に類似する。(中略)

三角合併の方法によると、消滅会社の株主には「存続会社の親会社」の株式を交付されることとなる。このため、存続会社が100パーセント子会社である場合には、合併の終了後も存続会社が100パーセント子会社である状況には変化がなく、存続会社の親会社の株主が増加するように合併を設計することができる。

この仕組みによれば、外国会社が日本に受け皿としての100パーセント子会社を設置し、その会社と日本の既存の会社とを合併させて買収し、買収後も日本の既存会社を100パーセント子会社として保持する仕組みを可能とする(中略)

--------引用以上--------

  早い話が、ある会社を買収したいと思った場合、お金を出さずに、親会社の株式を発行紙さえすれば済むということです。いわゆる「合併における対価柔軟化」の一環です。

  これの何が問題なのかというと、株式の時価総額が異常に高い外国企業が、株価の割安な日本企業を簡単に買収できることに尽きます。
  たとえば、世界的企業である「松下電器産業」は、アメリカの電器最大手である「ゼネラル・エレクトリック(GE)グループ」の10分の1程度です。自社株の10分の1を松下の株主にくれてやれば、昨年営業利益率5%を達成した超優良企業を完全子会社にできるのです。なんとお買い得なんでしょう。私がジャック・ウェルチだったら「コイズミさんよくやってくれた!」と喝采するでしょうね(三角合併は小泉政権下の平成17年会社法導入に伴い成文化)。

  外資に買収されれば、かえって企業改革が進むじゃないか!!と思っている方も、まあ実際に「ハゲタカ」がどんな風に死肉をついばむか、ちょっと見てみましょう。

Dogma and prejudice「国際労組が都内でファンドセミナー 」
http://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/277da23bb1fea01e0897ce8b4737801d

--------以下引用--------

 米ブラックストーン・グループが買収した英社に4500万ドル(約54億4500万円)の顧問料を支払わせたほか、米ハンバガーチェーン大手のバーガーキングが買収ファンドに特別配当を行うため4億ドル(約484億円)の借り入れを行ったなどの事例を挙げた。

 さらに同氏は「ファンドは買収企業を巨大なATM(現金自動預払機)と見立て空っぽになるまで引き出そうとする。人材育成や生産性向上を重視した投資が不可能になる」と批判。

--------引用以上--------

  ライブドアという企業がニッポン放送相手にやろうとしていたのは、こういうことだったのです。こういうファンドに買収された企業に、社会に役に立つものを提供して利益を上げるという、日本人が従来考えているタイプの「会社」としての活動を求めるのは無理です。
  私も曲がりなりにも商法だとか会社法だとかを勉強したことがある人間なので、それが「違法」でないことくらいは分かっています。しかし、そういう法律的に問題がないとされるやり方が、長い目で見て社会にどういう影響を与えるのかという点に思いを馳せれば、こういう「ハゲタカ」や「ハイエナ」の行動を座視するわけにはいかないと思うのです。
  そういう点では、愛国だの憂国だの謳っているのに、外国資本の「侵略」に全く触れないブログが多いというのは、本当に日本のことを考えているのかと首を傾げたくなります。

  しかし、合併というのは合併契約を結ばなければ成立しない行為であり、その企業の株主の賛成がなければいけません。
  要するに、三角合併というのは、資金面のハードルが下がっただけであり、株主総会で特別決議(株主の3分の2の賛成が必要)という、合併承認決議の要件が変わったわけではありません。だから、企業防衛のためには、「敵」に発行株式総数の3分の2を奪われなければいいわけです。
  そこで、日本企業の多くが試みている措置が「ポイズンピル」の導入です。
  ●こちらのリンクに書いてあるように、ポイズンピルというのは買収者が一定の割合を超える株式を取得した時に、既存株主に新株を発行するなどして買収者の持ち株比率を下げる仕組みのことです。定款(会社の憲法みたいなもの)に記載すれば比較的自由に定めることができます。
  これが意外と効いているようです。最近、我慢しきれなくなったハゲタカが、マスコミで悲鳴を上げました。

買収防衛策は最悪 導入企業 スティール代表が批判
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2007061302023717.html

--------以下引用--------

 日本企業に対して積極的な投資や買収活動を行っている米系投資ファンド、スティール・パートナーズのウォレン・リヒテンシュタイン代表が十二日、東京都内で記者会見した。敵対的だと批判の声が出ている投資姿勢について「誤解だ。私たちは日本の経営者を助けに来ている。協働し調和してやっていきたい」と訴えた。 

 また、投資先の企業が相次いで導入している事前警告型の買収防衛策について「世界最悪の防衛策。他の国なら違法行為になる」と厳しく批判。「防衛策を講じる代わりに、私たちの提案を前向きに考えてほしい」と強調した。

 スティールは日本企業三十社以上の株を大量保有し、増配や買収などの提案を次々に突き付けている。表舞台に姿を現すことがほとんどなかった同代表が会見などの公の場に姿を見せたのは初めて。会場には二百人近い報道陣が詰め掛けた。

 現在進めているブルドックソースと天龍製鋸に対する株式公開買い付け(TOB)について、同代表は「(両社は)十分に成長して利益を確保しており、人材を送るつもりはまったくない」と述べ、いずれも経営権取得の意図を否定した。

 一方、スティールの持ち株比率を低下させることを狙って、ブルドックが導入を発表した買収防衛策についてはスティールだけが新株予約権の行使ができない仕組みで、「株主の平等な権利を奪う」と反対していく姿勢を明確にした。

--------引用以上--------

  こういうファンドが投資して、何か画期的な技術を開発したり、企業の福利厚生が充実したりという話を聞いたことがある方がいたら、私に是非教えてください。「経営者を助ける」などと空々しいもいいところでしょう。

  もっとも、相手をなじるということは、それだけ相手を脅威に感じているということです。逆に、欧米の連中に頭をナデナデされている人間は、彼らにとって従順な配下ということに他なりません。
  他の国なら違法行為になる・・・ということは、いずれこういう連中が、日本企業の「ポイズンピル」の設定を非合法化するような「カイカク」を、日本政府に要求してくるということなのでしょう(もちろん、アメリカ政府の親切なアドバイスという形で)。
  そこに来て、冒頭のサミット共同宣言は、企業防衛を排除する「錦の御旗」となるのです。主要国=国際世論の合意に反する愚かな行為だ・・・と。日本人はこういう攻撃に死ぬほど弱いということは、みなさんもよくご存じでしょう。
  安倍政権というのは、どうしてこう外で調印したり(ピョンヤン宣言を成文化)発言したり(ニューズウィークで「謝罪」発言)する度にろくでもないことをするんでしょうか。彼らが保守政権に見えている人は、目が腐っているとしか思えません。

  そんな中、日本を守ろうという動きをしている省庁もあります。経済産業省がそれです。

外資の投資規制拡大 企業買収増加背景に
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070427mh06.htm

--------以下引用--------

三角合併にらみ、財界も要望

 経済産業省は26日、外国企業が日本企業に投資する際、政府への事前届け出を義務づける業種や製品の範囲を拡大する方針を正式発表した。炭素繊維や工作機械など軍事転用の可能性がある製品を生産する日本企業への投資を、事前届け出の対象に追加し、海外への技術流出などを防ぐ。技術の進歩で一般向けの汎用(はんよう)品にも軍事転用できる製品が増えたため対象を拡大する。海外投資ファンドによる日本企業買収が相次ぐなど環境が変化したことも、投資規制を強める背景にある。

■制度

 規制の見直し方針は、経産省の研究会が26日、中間報告書案としてまとめた。外国企業を対象とした投資規制の見直しは、1991年以来、16年ぶりとなる。

 届け出制度は、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づいている。

 対象は外国企業による投資が行われると、〈1〉国の安全を損なう〈2〉公の秩序の維持を妨げる〈3〉公衆の安全の保護に支障をきたす――などの恐れがある業種だ。現在は、武器、航空機、原子力、宇宙開発、電力・ガスなど20業種が対象だ。

 今回は、これまでのような業種別ではなく、具体的な品目別に対象を決める方針で、炭素繊維や電池、工作機械などが候補となっている。具体的な品目を詰めて7月にも政令を改正し、8月から実施する方針だ。

 対象が上場企業なら株式の10%以上、非上場企業なら1株でも、取得する30日前までに投資の規模や目的などを、財務省や各業種の所管官庁に届け出るよう義務付けている。問題がある場合は、国が投資の変更や中止を勧告、命令できる。

 特に厳格な審査が必要となる航空機、原子力などの業種への外資の投資は、年10件にも満たず、これまで変更や中止の勧告が行われた例はない。対象に汎用品が追加されれば、審査件数は格段に増えそうだ。

■特徴

 今回の見直しは、1991年の前回見直しから、安全保障や投資を取り巻く環境が大きく変化したことに対応したものだ。

 炭素繊維は弾道ミサイルの材料になる。民生用の電池が軍事用の通信機器や潜水艇、戦車に搭載され、光学レンズが偵察衛星に使われる恐れも出てきた。

 また、現在は届け出の対象を規制業種の事業会社に限っているが、親会社や持ち株会社への投資も規制対象に加える。投資ファンドなど複数の外国投資家が、議決権を協調して行使することに合意している場合は、合計して10%以上の株式を取得すれば届け出の義務を負わせる。

 規制強化は、5月の「三角合併」解禁をにらみ、日本経団連が要求していた。外国企業の親会社の株式を、合併の対価として使えるようになり、外資による日本企業の買収がこれまでよりやりやすくなるためだ。

 ただ、経産省は「規制の網を広げただけで、海外からの投資自体を抑制する目的はない」(通商金融・経済協力課)と、外資による買収に対する「防衛策」の意図はないと説明している。

■課題

 新たに規制対象に追加する製品の線引きがあいまいだと、必要以上に外資の投資を抑制する可能性もある。このため経産省は、届け出義務があるのかどうか、業界や企業が事前に調べられる仕組み作りを検討する考えだ。

 また、現在の制度では、変更命令に従わずに罰金や懲役刑を科された投資家なども、株式は保有し続けることができる。罰則を承知で日本の防衛関連産業などに投資してくるケースに対応するため、株式保有をやめさせられる強制措置の導入も今後の検討課題となっている。

--------引用以上--------

  日本企業相手に合併買収を狙ってくる企業は、何もアメリカの企業だけではありません。日本と地政学的に敵対する関係にある中国の企業もあります。もっと言えば、中国や朝鮮の息のかかった欧米系ヘッジファンドが、買収を狙ってくる可能性もあります。
  そのような買収策によって、安全保障に関わる技術を流出させないようにしたのが今回の措置です。経済産業省は投資抑制策ではないと言っていますが、対象に汎用品を含めたことで日本の機械工業に携わる企業の多くが届出の対象になり、確実に買収の手間はかかるようになります。

  しかし、これによって外資による買収を止めるとは言っても、あくまで「外為法」の範囲内に過ぎません。だから、例えば金融機関や、農林水産業関連の事業については、外資の「侵略」を止められません。
  そうなると、やはり内閣が主導して、きちんとした買収対策を練る必要があるわけです。ところが、安倍内閣がやっていることは、全く逆です。

自民「経営者も競争を」 三角合併決議要件、厳格化を見送り
http://www.sankei.co.jp/keizai/kseisaku/070306/ksk070306008.htm

--------以下引用--------

 自民党の商法に関する小委員会は6日、三角合併の5月解禁に絡み、日本経団連が求めていた株主総会での合併決議要件の厳格化を見送ることを正式に決めた。厳格化すれば三角合併が事実上ほとんど不可能になるためで、棚橋泰文委員長は「経営者にも(企業同士の)競争が求められている」と、経団連の姿勢を批判した。

--------引用以上--------

  こういうことをあっさり決めてしまう人たちが、最近の教育はおかしいだの、愛国心は大切だのと吹聴しているのですから、もう笑うしかありません。

  最近気づいたのですが、安倍内閣というのは、保守というより「グローバリスト内閣」と言った方が正確なようです。

安倍内閣メルマガ~「アジア・ゲートウェイ構想」について
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2007/0517.html

--------以下引用--------

政府が重点的に取り組む教育改革についてもグローバル化という視点を欠
かすことができない。大学の国際化や留学生政策の再構築を提言した。

 また、金融資本市場の強化については、「アジアの利用者にとって最も魅
力的な金融市場の構築」
という切り口からインパクトのある政策を提示して
いる。

 さらに、農業など国内需要対応を主としてきた産業の成長の可能性も示し
ている。農業分野についても、グローバル化に適応した強い農業に変革する
ために必要な、経営力の強化を重視している。異業種のノウハウを取り込ん
だ、農業の発展を実現するための政策を示した。

--------引用以上--------

  どうでしょうか。「グローバル」の連発で、国内産業の保護育成など全く考慮していません。とても愛国心を提唱している人々とは思えない主張ですね。日頃朝鮮や中国を罵倒しているネット右翼や自称保守の方々は、このメルマガを読んでも何とも思わないのでしょうか。

  愛国心を吹聴しながら、アジア市場を目指す。どうも安倍内閣は「大東亜共栄圏」の近衛内閣とそっくりですね。そう考えると、どうりで中国や朝鮮と仲よくするわけです。

  どうやら、安倍内閣が続く間は、日本企業や経済産業省の「親日派」を我々自身で応援して行くしかないようですね。

「原爆」に名を借りた間接侵略

2007年05月31日 10時27分46秒 | 社会と教育
  タイトルを見るだけでウンザリしそうなニュースをひとつ取り上げます。

原爆資料館展示見直しに中韓の声
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200705310023.html

--------以下引用--------

  原爆資料館(広島市中区)を運営する広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長は30日、館の展示内容を見直す検討委員会に、中国、韓国人らアジア出身の委員を起用する方針を明らかにした。リーパー理事長は中国新聞のインタビューに、「原爆投下を『日本の植民地支配から解放した』と肯定する考えが根強いアジアの声に触れながら議論を深め、多民族が共感、納得できる施設にしたい」と述べた。に触れながら議論を深め、多民族が共感、納得できる施設にしたい」と述べた。

--------引用以上--------

>中国、韓国人らアジア出身の委員を起用する方針

  もう、この二つの国名を見ただけでウンザリしてきます。おなじみの粘着コンビです。
  彼らはこの委員起用の理由を「日本の歴史認識を正すため」と吹聴するのでしょう。そういう嘘に対する反論は、私以外にもいろんな方がなさっている(たとえば●こちらの精力的なブログなど)ので、ここではあえてしません。

  それよりも、このブログで強調しておきたいのは、これこそが間接侵略の最も典型的なものであるという点です。

  間接、というからには直接侵略というものがあるわけですが、これはミサイルを撃ち込んだり軍隊が上陸して土地を占領したりということです。強力な手段ではありますが、非常にコストが高く、現地住民の反発や国際的非難の惹起というリスクが常に伴います。
  しかし、「侵略」というものを、相手の意志のコントロールだと考えれば、何もそんなやり方に訴えなくてもいいわけです。
  最も効率がいいのは、相手国に敵国に対するシンパを植え付け、一つにまとまらせないことです。「平和」「多民族共生」などと銘打った組織や活動は、ほとんど全てがこのような狙いを持って設立されたものといっていいでしょう。

  そして、こういった作業は、常識的に考えればその国に被害を与えることは明らかなので、論理的な説明が不要な相手を対象にするのが一番効率的です。たとえば「児童や生徒」など最高のターゲットです。たびたび取り上げていますが、とある名門女子高校はこんなプログラムを実施しています。

「ひろしまの旅」
http://www.joshigakuin.ed.jp/jg_news_bk2002_7-2.htm

--------以下引用--------

  さらに「原爆をなぜ落とされたのか」というお話にも深く考えさせられた。落とした側だけでなく、日本、特に日本政府にも大きな責任があるということだ。日本は原爆を落とされても仕方がないような行為をアジアの国々にしていたし、実際に原爆のおかげでその国々の人々は、日本の侵略から逃れられたのだ。

--------引用以上--------

  おそらく、普段学校の歴史の授業で、似たような思想を教えられているのでしょうね。
  似たような例は、原爆資料館のお膝元にもあります。

平和を祈る週 平和学習
http://www.hju.ac.jp/~gakuhou/146/cyukou.html

--------以下引用--------

  被爆60周年の今年、平和を祈る週の講師としては中学に姜文煕(カンムンヒ)さんを、高校には坪井直さんを迎え、お話を聞きました。新聞やテレビで毎日のように広島の被爆体験が風化していき、核の恐ろしさを知らない若い世代が増えていく世論調査の結果が報道されていますが、本校の生徒にはしっかりと被爆者の方々の思いを継承していってほしいと思います。

--------引用以上--------

>姜文煕(カンムンヒ)さん

  この人は在日朝鮮人被爆者だそうです。どうしてわざわざこんな人選をするのでしょうか。彼女の同胞達が日本でどういう行動をしているか、少し調べればわかる気がするのですが。おそらく、学校側が意図的にそういう人を選んでいるのでしょう。

  面白いことに、上の二つの学校はどちらも「キリスト教」の「女子校」です。さらに言えば、原爆に関する活動に「YWCA(キリスト教女子青年会)」という団体が絡んでいるのも特徴的です。こういう団体が何をしているのかというと、こんな感じです。

韓国訪問にあたっての日本キリスト教界代表の共同声明
http://ncc-j.org/diarypro/diary.cgi?no=114&continue=on#continue

--------以下引用--------

 かつて軍国主義時代の日本は韓国を植民地支配し、この国の人々を極度に苦しめました。当時の日本のキリスト教界が、それをとどめることができず、中でも韓国キリスト者に神社参拝を強制したことは、神のみを神として崇め、隣人を愛しなさいという聖書の戒めに背いた重大な罪でありました。今回訪韓した日本のキリスト教界代表は、神と隣人の前に、この罪を深く悔い、赦しを求めるとともに、これらの犠牲や殉教を無駄にしないことを決意しています。

 しかしながら、今年2001年になって、日の丸・君が代の強制、教科書問題、小泉首相の靖国神社参拝、そして自衛隊の海外派兵という事態が引き起こされてしまいました。過去の過ちを認めようとせず、侵略戦争を美化し、戦争準備へと進むこのような状況の中、日本のキリスト者はできる限りの反対運動を展開してきました。「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の採択阻止については一定の成果をみたものの、全体としてはこうした新たな右傾化の流れを食い止められなかったことに対して、私たち日本のキリスト者は大きな責任を感じるものです。このような危険な右傾化の流れは益々強まることでしょう。それゆえ私たちは、過去の歴史を直視しつつ平和と和解のために取り組みつづけてまいります。

  (中略)

日本カトリック正義と平和協議会 会長 松浦悟郎
日本福音同盟 常任理事 藤田洋 総主事 稲垣 博史
日本キリスト教協議会 議長 鈴木 伶子 副議長 吉高 叶 総幹事 大津 健一
日本基督教団 総幹事 竹前 昇
日本聖公会 沖縄教区主教 谷 昌二
日本バプテスト連盟 理事 小河 義伸
日本バプテスト同盟 理事長 天野 邦彦
在日大韓基督教会 議長 李 炳球 総幹事 朴 寿吉 前総幹事 姜 栄一
日本キリスト教会 議長 久保 義宣 書記 久野 真一郎
日本キリスト教婦人矯風会 会長 高橋 喜久江
日本YWCA 副会長 ランデス・ハル 総幹事 松下起子

--------引用以上--------

  外国(ここでは朝鮮)とうまく連携して、いろいろやっているということがおわかりでしょう。

  ヨーロッパ伝来の宗教というと、何か仏教や神道よりカッコイイという印象を持つ人が少なくないのではないでしょうか。日本人は舶来の文物に対して過大な評価をしがちです。特に、「クリスマス」だの「バレンタインデー」だのに弱い女性はそういう傾向が強い気がします。
  その中から、学習能力が高く、先生のいうことを素直に聞いてくれる子供を選ぶには、名門学校を作るのが一番手っ取り早いというわけです。親御さんもわざわざミッション系の名門女子校を選ぶような人ですから、反日思想に対して拒否反応を示すタイプではないでしょう。もうこうなったら、学校側はやりたい放題ですね。
  そういう学校にとっては、原爆というのは理屈抜きで感情にダイレクトに訴えることができる最良の「教材」ということなのです。  

  さて、本記事の方に戻りましょう。みなさんは、この部分を読んでどうお感じになりますか。

>原爆投下を『日本の植民地支配から解放した』
>と肯定する考えが根強い

  もちろん、この資料館の理事長であるリーバーというアメリカ人がそう考えているということです。
  しかし、日本が植民地にしていたのは台湾だけだということをこの人は知らないようです。まあ、「合邦」した朝鮮も意図的に含めているのでしょうが、それでも中国人を入れる必然性が感じられません。

  このアメリカ人のバックに誰がいるのかは知りませんが、いわゆる「アメリカ」という国にとっても、上の記事の人選は都合がよいのでしょう。
  理由は二つあります。まず、単純に原爆投下が民間人の核兵器による虐殺であるという事実を隠蔽することができるということです。原爆ドームの世界遺産認定に最後まで反対し続けた国ですから、そのくらいは考えているでしょう。自国の負の歴史を認めたくないということです。
  しかし、もっと大きな理由があります。それは、日本人に対して原罪意識を負わせることによって、国家意思を決定する自由を奪うことです。
  アメリカは、戦後一貫してこのような立場を取っています。端緒になっているのは、戦後間もなく行われたWGIP(ウォーギルト・インフォメーション・プログラム)というGHQの政策です。詳しくは、●こちらのサイトをご覧になっていただくとよくわかりますが、簡単に言うと「大東亜戦争を起こした日本人は悪い人々だったと子々孫々に伝えるための宣伝や情報操作」です。
  このような宣伝にのっかる形で、戦後の左翼政党(社会党や共産党)は政治的主張を行い、日教組が生徒児童を洗脳してきたのです。WGIPの成果の最たるものが、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう」などと国家主権の放棄を謳っている「日本国憲法前文」です。
  このことから考えれば、社民党や日教組が日本国憲法を宗教のごとく崇め奉っているのは当然の話ということになります。
  このやり方は、ライバルとなる相手の牙を抜く最も簡単で効率のいい方法です。現状を打開する方法(外交や軍事力)を保持する以前に、そうしようと考える意志を摘んでしまおうわけです。じじつ、日本は60年間に渡って、在日米軍の補完以上の能力を持つ軍隊を保持できていませんし、周辺に核ミサイルを持った国が三つもあるのに、それに対抗するための独自の手段を何も持っていません。
  こういう状況は、在日米軍の価値を高め、アメリカの意志決定に対する日本側の依存を深めることにつながります。このやり方がまずいところは、依存している相手の政策に振り回されてしまうことに尽きます。もし明日、「米軍の再編に伴い、沖縄及び本州の米軍を撤収する」と言われれば、その瞬間から我々は(特に核兵器に対して)丸裸同然の状態になります。
  アメリカとしては、日本はアメリカ抜きではやっていけないと思わせれば十分なのです。これも立派な「間接侵略」ではありませんか?

  要するに、「左を向けば特定アジア、右を向けばアメリカ」という感じで、どちらを向いても我々の自立を挫こうとする勢力が待っているということです。
  
  頭を抱えている方が多そうですね。

  しかし、複雑なようでいて、本当に分かっておかなければいけないことは一つしかありません。それは、

「外国は基本的に敵である」

  ということです。

  日本人を守ってくれる存在は、日本国以外にはありません。アメリカでも、ましてや中国や朝鮮でもありません。「そんな考え、極端ですよ」と思うかも知れませんが、そう思う人は原爆クラスの馬鹿です。世界中のどの国も、自分たち国民を守るのは自国だと普通に考えています。

  そう考えれば、ある物事が最終的に誰に利益をもたらすか、よく想像すればいいのです。その「誰か」が、外国であるならば、危険であると判断すればいいのです。

  これからは、外国の人間や組織から「日本人は・・・」などという言葉が出てきたら、悪い冗談として笑って済ませましょう。嘘を言っていたら、さりげなく指摘するのもお忘れなく。

【悪趣味の国】「同じ人間だから」と思っている人間の馬鹿さ加減

2007年05月26日 12時41分52秒 | 社会と教育
  支離滅裂というのは、こういうことを言うのでしょう。

『デスノート』は違法・・・中国当局、規制を本格化
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0526&f=national_0526_001.shtml

--------以下引用--------

  日本の人気コミック「デスノート」に対して、中国当局が本格的に規制に乗り出した。全国「反ポルノ反非行」工作グループ事務局は25日、三度目となる通達を行い、「『デスノート』など非合法出版物の取り締まりを強化し、児童の出版物に関する環境を整備、青少年の健全な成長を促進すべし」とした。

  同事務局は、「『デスノート』は神秘主義、死、復讐などの感情に訴える多くの要素をはらんでおり、児童の成長にマイナスの影響を与え、人格形成上良くない」とし、「全国各地でしっかりとした措置を講じて、取り締まりを強化、青少年の健全な成長に資する文化的環境は創出しなければならない」としている。

  中国当局としては、6月1日の国際子どもの日を前に、ある程度の成果を出さなければならないとの危機感があり、同事務局が派遣した要員によって、全国の小中学校の近辺の販売店を中心に「『デスノート』狩り」が進行している。

--------引用以上--------

>『デスノート』は神秘主義、死、復讐などの
>感情に訴える多くの要素をはらんでおり、
>児童の成長にマイナスの影響を与え、人格形成上良くない


  そうやって偉そうにぬかしている大人が、喝采を叫んでいるレジャーがこれです。

中国南部のサファリパークで生きたままの牛や鶏をトラの餌に
http://fnn.fujitv.co.jp/headlines/CONN00111209.html

--------以下引用--------

  中国南部のサファリパークで、生きたままの牛や鳥をトラの餌に与えるなどの行為が見物客に公開されており、これに対して、動物愛護団体が抗議の声を上げている。

  中国南部のハルビン野生動物公園で、バスで園内をめぐるツアーが行われているが、その際、トラたちにトラックで運んできた生きたままの牛を餌として与え、食べられる様子を見物客に公開している。

  また、バスの中から生きた鶏などをトラにばらまく様子なども公開され、これらの行為に対して、世界的に活動を行っている動物愛護団体などから抗議の声が上がっている。

  動物愛護団体のウェダーバーン氏は「これはあまりに残酷で悲惨。ご覧なさい、かわいそうな動物を」と話した。

  動物愛護団体側は、公園内で行われているさまざまな動物ショーについても問題視している。


--------引用以上--------

  いちおう●こちらがそのニュースの映像ですが、大の大人が牛が殺されるのに喚起の声を上げたり、バスの中から虎に生きている鶏を食べさせたりしています。
  もちろん、自然の営みというのは弱肉強食なのでしょう。しかし、それを生き物が殺されるショーとして捉えて面白がっているセンスは気味が悪いです。そんな人間が、人が死ぬシーンがある漫画を規制するというのは、ギャグか何かとしか思えません。
 
  動物だからいいじゃないか、あなたはそうやって中国を悪者にしないと日本の価値を認められないのか、などと偽善的なガキのようなたわごとという人のために「この国は人間でも同じことをやりかねない」という例をお見せしておきましょう。

中国四川省:ホテル女性従業員惨殺事件、群衆1万人が警察と衝突
http://jp.epochtimes.com/jp/2007/01/html/d15952.html

--------以下引用--------

  中国四川省大竹県の莱仕徳(ライシーダ)ビジネスホテル(NEST BUSINESS HOTEL)に勤務していた十代の女性接待係が暴行を受け惨殺された事件で、ホテルと地元行政・警察との癒着関係に憤りを募らせた民衆がホテル側に対して犯人の追求を迫った。それに対して、当局は武装警察を大量に出動させ、民衆と衝突した。怒りに燃えた民衆はホテルを放火するものも出て、負傷者が多く出ているとみられる。情報筋によると、同ホテルが開業して半年も経たない内に、これまでに少女2人が同様の暴行事件で殺され、今回が3人目の犠牲者であるという。

  四川省の地元ネットサイトの掲示板情報によると、莱仕徳ホテルは半年前に開業した四ツ星のビジネスホテルで、被害者・楊莉さん(当時15歳)は昨年10月から同ホテルで接待係として勤め始めた167センチの奇麗な少女だという。

 情報筋によると、被害者は昨年12月31日に、政府高官3人を接待したのち、下半身が大量出血し、死亡時には、ひどく殴打されたことで歯は数本も折れ、舌は噛み千切られ、乳首は切断され、下半身は爛れていたという。ネットサイトの情報によると、被害者は県病院へ運ばれたが、その病院は封鎖されたという。一方、ホテル側は少女はアルコール中毒で死亡したとし、外部に対して明確な発表はない。

  これに対して、被害者側家族とそれに同情した民衆が、ホテル側に対して犯人を追求し続け半月が経っても何の回答も得られなかったという。ホテル前には数千人に上る民衆が12日から連日集結していた。ホテル側はことを大きくしないように、50万元(約770万円)で和解しようと試みたが、被害者側の家族に拒否された。

  16日、ホテルのまわりについに1万人以上の民衆が集まった。当局は大量の武装警察と部隊を出動させ、高圧放水によって群集を追い散らした。17日、現場を見学に来た数百人の学生は警察に暴力をふるわれ、多くの学生が負傷した。怒りが爆発した学生たちがホテルに入り、ものを壊し始め放火したという。当時、現場に集まった民衆は5~6万人もいたという。情報筋によると、現在、公安局や警察は大竹県へ集合した学生らを制圧しており、多くの学生が連行されたという。

  同ホテルの従業員(自称)の話によると、これまでにすでに2人の少女が死亡し、関係者は口を封じられ、ホテル側は2人の少女の指に注射の痕を作り、2人ともに自分で薬物注射して死亡したと対外的に言いふらしたことを明らかにした。さらに、秘密を知ってしまったホテル側の警備は、殺害され口止めされたという。

--------引用以上--------

  だめ押しで、もう一つ出しておきましょうか。

文化大革命ってなんだったの?(YAHOO知恵袋)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411527409

--------以下引用--------

ベストアンサーに選ばれた回答

回答日時: 2007/5/7 20:11:27 回答番号: 37,035,851

  かんたんに回答する。

  毛沢東の奪権力闘争と、中国人民への虐殺。これだけ。
  中国の大躍進と文化台革命での虐殺、餓死者などのデータは産経新聞の出版で「毛沢東秘録」にある。
  文化大革命は、1966年から76年までの10年間に実権派の200万人以上が失脚したり、殺されたいしたのですが、実際の数は不明です。

  補足、中国の人肉食という伝統が、この文化大革命で隆盛を誇った。

 (中略)

「食人宴席」(鄭義 光文社)P62より引用

  武宣県では、食人事件が流行にさえなった。街頭引き回しデモ闘争があるたびに、老婆たちはかごを下げて、糾弾集会が終わるのをじっと待っていた。人間が殺害されると死体に競って群がり、なるべくいい人肉を切り取って持っていく。遅れてきた者は人肉を切りとれないので、骨まで持っていく。人肉を食べた者は、幹部のなかでも少なくはなかった。
  例えば、造反から出世した武宣県革命委員会・王文留副主任。彼女は最初、共産党の下級組織から、彼女がもっぱら男性性器を食べるというので、その報告書が党中央工作組に提出された。
  党中央は衝撃をうけ、八五年五月から六月にかけて数回にわたって、その実情について電話で聞き、なぜ彼女を党から追い出さないかと、詰問した。結果的に明らかにされた事実は、彼女はただ人肉、人間の肝を食べただけで、現在すでに党から除名処分を受け、一般労働者に格下げされたということだった。

--------引用以上--------

  こういう国です。「アジアは一つ」「中国人も日本人も同じ人間」などと世迷い言を吐いている方は、猛反省すべきです。
  彼らとは、「人間」や「生命」といったものに対する価値観が違います。悪口を言いたいのではありません。ただただ、違うのです。そして、その違いは何千年にも渡って作られたものであり、同じ人間だからという理由で瞬く間に氷解したりなどしません。

  日本がすべきことは、なるべく彼らと交流する門戸を狭くすることです。そうすれば、お互いに嫌な思いをしなくて済みます。
  中国人の方々も、『デスノート』のような「児童の成長にマイナスの影響を与え、人格形成上良くない」文化が自国内に流入してくるのは好まないはずですよね?

経産省は「大アジア主義」政策を撤回しろ!!

2007年05月15日 14時36分18秒 | 社会と教育
  我が国の政府というのは、「自国民」をあまり愛していないということがはっきりわかる政策が登場しました。以前、このブログでもさんざん議論になったものの続編です。

平成19年度「アジア人財資金構想」について
http://www.kyushu.meti.go.jp/press/19_4/19_4_16.htm
  
  どんな企画かは、大体想像がつくでしょうが、以下に内容を抜粋します。

>我が国企業に就職意志のある、能力・意欲の高いアジア等の留学生
>に対し、奨学金や人材育成から就職支援までの一連の事業を通じ、
>産業界で活躍する専門イノベーション人材の育成を促進する

  というのがお題目です。具体的な内容も見てみましょう。

--------以下引用--------

  本構想では、次の2つの事業を実施します。

高度専門留学生育成事業

  企業ニーズに即した産学連携による専門教育や、ビジネス日本語教育・日本ビジネス教育、インターンシップ、就職支援等、必要な知識や技能に関する教育を行う特別なプログラムを実施する、大学を主体とした産業界等と連携し構成されるコンソーシアムを支援します。

高度実践留学生育成事業

  各地域にて複数の大学と産業界等が連携して留学生へのビジネス日本語教育・日本ビジネス教育、インターンシップ、就職支援等の特別なプログラムを実施する広域的な事業を実施します。

--------引用以上--------

  もちろん、留学生の方に奨学金もつけます。

http://www.meti.go.jp/information/downloadfiles/c70412d05j.pdf
  
  以前こちらでこの話題を取り上げたときは、「1ヶ月30万円」などというふざけた金額でしたから、それに比べれば「月額12~17万」というのは多少控えめにはなっているようです。
  しかし、●「日本学生機構」の奨学金(大学生)が、月額4.5~6.4万円(もちろん返済義務あり)なのと比べると、破格の待遇です。
  しかも、これにはまだ続きがあって、どうやらこのプログラムに参加した大学が授業料等を負担してくれるそうです。ずいぶん恵まれているもんですね。日本人の学生から入学金だの施設費だの搾り取って、外国人は授業料タダですか。馬鹿にするのもいい加減にしろと言いたいです。

  こういう政策を役所が実施していることを、政治家のみなさんは知っているんでしょうか?

  どうせ、以前の記事と同じような全くかみ合わない議論が出てくると思うので、ここでもうはっきり言っておきます。「外国人を使う方が日本の(企業の)利益になる」という前提でコメントしている、またはそう推知できる方には、私は一切返答しません。私はそういう方に考えを変えていただこうなどと僭越な考えを持ってはおりませんので、悪しからずご了承下さい。

  本来、税金を使った産業振興・人材育成というのは、自国のためにやるべきものです。経済産業省がやろうとしていることは、アジアの人材のつまみ食いであり、これは国内の人材育成から撤退し始めたということでもあります。
  そういうことを言うと、「グローバル化した世界では国籍の枠を取り払って人材を求めないと競争力が保持できない」などと、まるで日経新聞の記事や外資系企業のコマーシャルみたいな反論をしてくる人がいます。なるほど、金を使って自国に人材を呼んでくればいいじゃないか、ということですね。
  現在、それでがたがたになっている国があるのをご存じありませんか?アメリカです。世界中から人材を集め、金利を相対的に高くして投資を集めて、やっと生きている国がアメリカです。
  今の日本の若い奴は使えない、だから外国から取ってこなくちゃダメなんだなどと言っている人間は、会社の利益しか考えていない我利我利亡者の「反日」人間です。そういう方は安倍首相が行っている教育改革とやらに「経済効率が悪い」という批判をするんですかね?
  中・短期的な人材の確保なら・・・などと言うなら、なおさらインターンだの大学4年間6年間だのいちいち手間をかけずに、外国人の即戦力を取ってくればいいだけの話でしょう。本来育てるべき「自国人」に金が行き渡らないという点が問題なのです。

  また、他国に日本シンパを作るという目的があるなら、内閣府が直轄すべきです。だいいち、経済産業省は自分から、

>我が国大学・企業のグローバル化、我が国の産業競争力強化

  という目的を掲げています。親日派の育成などという視点はないと思った方がいいでしょう。希望的観測で物事を判断しない方がいいです。

  それに、なぜ対象地域を「アジア」に限定するのでしょうか。役に立つ人材であれば、欧米だろうと、アフリカだろうと、世界中から呼べばいいではありませんか。
  それこそが真の「グローバル」なのではありませんか。
  経済産業省と文部科学省が勧めているのは、単なる大アジア主義です。そういえば、満州事変の前にも、中国やベトナムからたくさん留学生が来ていましたね。朝鮮に至っては、日本国の一部でした。経済交流が活発になり、「アジアは一つだ」という妄想を持つ人間が、内にも外にも増えてきているのでしょう。
  日本の戦前の大陸進出は、財閥の意向を受けたものでした。今、大企業が人材のグローバル化などと言っているのと同じです。日本で儲けるのは面倒だから、もっと効率よく儲けられるアジア大陸に進出しようということです。
  そして、朝鮮半島が年5%成長し、満州国が5カ年計画で大工業地帯に発展した影で、東北地方では身売りが相次ぎ、そうでなくても大多数の国民は仕事がなかったり、薄給だったりで、苦しんでいました。そういう満州や朝鮮の発展を日本の功績だと誉めそやかす人に言ってやりたいのですが、「アジア」のために「日本国民」が犠牲になってもよいという発想は、今回の奨学金の話と全く同じです。
  こうして、日本は戦争の時代に突入しました。今回も、非常に状況が似ています。

  「アジア」という言葉に踊らされてはいけません。我々はアジアではなくて「日本列島」に住んでいるのです。

  まず、この国に住んでいる人々を愛さなくてどうしようというのでしょうか?愛国心を国民に求めるなら、同時に政府も私たちを、これから育つ日本の若者を愛するべきです。


<問い合わせ先>

経済産業省(メールフォーム)
https://wwws.meti.go.jp/honsho/comment_form/comments_send.htm

経済産業省 産業人材参事官室
TEL:03-3501-2259

【竹島は?】安倍首相は「保守」なのか!?【パチンコは?】

2007年02月11日 16時37分38秒 | 社会と教育
  安倍晋三首相に対する支持が、当初より弱まりつつあるようです。

安倍不支持40%超、支持を逆転
http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070129/shs070129003.htm

>FNN(フジニュースネットワーク)が27、28の両日に
>実施した「政治に関する世論調査」で、安倍内閣の支持率は
>39・1%で、不支持が40・9%と逆転したことが
>29日、分かった。
>不支持が支持を上回ったのは小泉内閣当時の
>平成16年7月以来。事務所費問題など相次ぐ閣僚らの
>不祥事が影響したとみられる。

  このブログをご覧になっている方でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、私は安倍首相を全く支持していません。

  「税調会長の愛人問題」「防衛大臣の事務所が麻雀屋」「産む機械発言」など、マスコミが喧伝している不祥事が原因ではありません。以下に理由を列挙します。

●具体的な進展が全くない「教育改革」

  教育基本法は改正すべきでした。安倍内閣が改正に手を付けたことも支持しています。これは今でも変わりません。
  しかし、その後教育改革を最優先に掲げているはずの内閣が、具体的施策を何も打ち出せていません。教育バウチャー、教員免許更新制度、何も実現に向けて動いていません。
  いじめ「問題」というものに対しても、対応が泥縄式です。

いじめ問題緊急提言(pdf)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai3/siryou3-1.pdf

大リーグの松井選手が内閣メルマガでメッセージ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/mlb/33388/

  口で言うだけなら誰でも出来る・・・普段私は共産党や左翼によく言っていますが、そっくりそのまま安倍内閣にも送りたい言葉です。
  いじめが多発しているのは、「教師の指導力・管理能力不足」「社会秩序に反する行動(同族殺し)をする子供と、明らかに周囲と協調できない子供がいること」が原因です。そういう認識は、再生会議や安倍首相にはないようです。
  そもそも、福岡であったような事件は以前にも起こっているわけです。それにも関わらず、教育改革についての持論を徹底せず、マスコミの煽りに見事に乗っているあたり、安倍首相にはビジョンを実行に移す力が欠けていると言わざるを得ません。

●日本周辺の「ならずもの国家」に対する姿勢の弱さ

首相は所信表明演説で「主張する外交」という言葉を出していましたが、ここに来て馬脚が出てきています。
  たとえば、●ロシアによる漁船乗組員射殺事件ですが、安倍首相の名前では一度も「主張」していません。
  これはまだ目をつむれるとして、売り物の「北朝鮮による拉致問題」が全く進展していないのはかなりの痛手です。
  経済制裁したじゃないかって?「贅沢品の輸出禁止」「北朝鮮国籍の船舶の寄港制限」「外為法に基づく15の企業の資金移転禁止」・・・この程度で北朝鮮が音を上げると思っている方は、相当おめでたい思考の持ち主でしょう。

  安倍内閣の制裁とやらが「ザル」なのは、この例一つでも明らかです。

山口・下関港 北朝鮮輸出目的の船が入港へ
http://www.news24.jp/76158.html

(以下引用)

  山口・下関港に27日に入港する予定のカンボジア船籍の貨物船が、北朝鮮へ向け中古自動車などを運ぶことがわかった。去年10月の経済制裁以降、下関港から北朝鮮へ輸出品を載せた船が向かうのは初めて。

  下関港に入港を予定しているのは、カンボジア船籍の貨物船「KENYO」(900トン)。下関市港湾事務所によると、韓国・釜山港から27日に下関港に入港し、中古自動車などを積み込んで、今月30日に北朝鮮・興南港に向かうという。下関港には、北朝鮮に運ばれるとみられる中古のバスやトラックなど約30台がすでに置かれている。

(引用以上)

  船の国籍が違うだけで手を出さないわけです。しかも誰かさんの地元の下関の出来事です。抜け穴だらけというわけです。安倍政権って、やさしいんですね(笑)。
  
  何より、私が不満なのは、安倍首相が朝鮮によって不法占拠されている「竹島」について何の主張もしていないという点です。
  これを簡単に裏付ける方法があります。グーグル検索で「安倍 竹島」を入れてみて下さい。同じページに二つのキーワードがあるサイトが引っかかるだけで、安倍首相が竹島について何らかの発言をしている形跡は全くありません。
  なお、竹島周辺での海洋調査を安倍氏が指揮しているような記事もありますが、朝鮮日報の「飛ばし記事」でした。首相になってからは、それすらありません。
  どうやら、安倍という人物は、南の朝鮮に対しては強い姿勢を見せられない事情があるのではないでしょうか。北に対する強硬姿勢は、それを隠蔽するためのポーズかも知れません。
  ここから先は憶測が先行するので書きませんが、もしよろしかったら●安倍首相の祖父である元首相について調べてみると、朝鮮と彼の家の関係がわかってくるかもしれません。

  ここまで書いたので、中国に対してどういう姿勢で臨んでいるかは言わずもがなでしょう。東シナ海ガス田の「盗掘」が始まっても抗議もせず、「共同開発しましょう」などと言い出す始末(●こちらを参照)です。まあ、卑屈な提案でも「主張する」ことには変わらないんでしょうが(笑)、彼を消極的であれ支持した私のような人間は、失望を禁じ得ません。

●パチンコ業界とのつながり

  安倍内閣の副大臣(岩屋毅氏)、官房副長官(下村博文氏)の二人は、パチンコストアー協会の政治分野アドバイザーを勤めていらっしゃいます(証拠は●こちらのリンク)。下村氏は、あしなが育英会の出身で、教育には一家言ある方なのですが・・・・。
  このブログのパチンコに対するスタンスは、左のリンクを見ていただければ一目瞭然かと思いますが、反社会的な産業なので、すぐにでも潰して欲しいというものです。
  パチンコ業界は「29兆円産業」ということですが、法人税の脱税が多く、公営ギャンブルと異なり還元率の規定や国庫納入金のないため、オーナーだけに利益が集まり、国民一般にとっては何の利益にもならない産業です。同じ規模の「自動車産業」と比べれば、社会への貢献度の低さは明白です。
  しかも、パチンコ業界のオーナーの8割が在日朝鮮人です。自動車のトップ企業であるトヨタ、日産、ホンダの役員が全員外国人だったら、何かおかしいと思うのが普通です。しかし、パチンコ業界についてはそういうことが問題にならないのです。マスコミや政治家がカネで籠絡されているというわけです。
  そして、そのパチンコ業界が、ありあまるカネを敵性国家に対して送っているのです。

6カ国協議の鍵は日本のパチンコ送金だ
http://blog.zaq.ne.jp/tachikoma/article/617/

>ウルフ氏は、日本国内で人気があるパチンコが成人の大衆娯楽
>として定着しているが、韓国人がこの業界のおよそ4分の1を
>掌握しており、ここから出てくる収益金のうち毎年2億ドル余
>が北朝鮮に送金されていると推定される、と明らかにした

参考画像

※拡大したものは●こちらです。

  本来、金融制裁というなら、このパチンコ業界を締め上げるのが正道なのです。ところが、それをやらない。やりたくてもやれないのです。なにしろ、安倍氏自身がパチンコ業界と昵懇なのです。

安倍夫婦…パチンコ利権で「冬のソナタ」
http://tokelog.jugem.jp/?eid=5

  安倍氏の下関事務所は、パチンコ企業の所有物件です。曲がりなりにも、北朝鮮と対決姿勢を示すなら、こういうところをきちんと整理した方がよかったんじゃないかと(笑)。
 
  安倍首相を支持する「保守」のみなさん、この点はどのようにお考えなんでしょうかね?彼に首相をやらせていたら、永遠に竹島は戻ってきませんよ?

●政治センスの無さ

  まあ、政治の世界はドロドロしているということで、パチンコの件は何とか我慢してやるとしても、安倍内閣の打ち出す政策のセンスの無さには、もはや怒りを通り越して笑いすらこみ上げてきます。

  その代表例が「再チャレンジ」と「ホワイトカラー・エグゼンプション」です。

  再チャレンジ云々については、もうすっかり騒がれなくなりましたが、所信表明演説でも安倍首相は、

>誰もがチャレンジできる社会を目指し、
>全力投球することを約束いたします。

  とおっしゃっています。

  しかし、実際打ち出された施策は?と問われれば、答えに窮するのではないでしょうか。たとえば、

再チャレンジ支援寄付金制度
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07020208.cfm

(以下引用)

  政府が2007年度から導入する「再チャレンジ支援寄付金税制」の概要が1日、明らかになった。再チャレンジ支援に取り組む企業などへの寄付金を非課税の損金算入の対象とし課税所得から控除することが柱。通常国会に関連法案を提出する。(中略)

 「間接型」は、フリーターや出産後の女性などの雇用や自立支援に取り組む企業、NPO法人に助成事業を行う公益法人を自治体が「特定地域雇用等促進法人」に指定。この法人に個人や企業が寄付する場合、寄付額を所得から控除する。

(引用以上)

  再チャレンジ支援に取り組む企業への民間の寄付金に税を免除・・・ずいぶんまわりくどい方法を採るものですね。

  しかも、

>助成事業を行う公益法人

  って何なんでしょうね。新手の天下り先を作ろうということでしょうか。

  こんなことより、派遣業法の規制緩和をやめたり、正社員の割合に応じて法人税を割り引くような仕組みを作る方がよほどいいように思えます。結局安倍内閣になってから唯一前進したのは、パートへの社会保険適用を拡大したことだけと言えそうです。

  そして、ホワイトカラー・エグゼンプションです。

  私がぐだぐだ言うより、こちらのサイトをみていただく方がいいでしょう。

知っていますか?ホワイトカラーエグゼンプション
http://www.geocities.jp/whitecollarexemption/
  
  要するに、「ただ働きを合法化させる」「過労死を自己責任にする」ということです。
  
  こういうことを書くと、「自営には残業がない」「うちはもともとサービス残業」「ただ時間を過ごすだけでカネがもらえると思う方が甘い」といったような反論が必ず出てくるでしょう。それにいちいち再反論するつもりはありません。
  仮に、この制度が導入されたとしても、私自身は職を変えたり、別のアルバイトをして収入を確保するつもりです。
  しかし、これによって国民全体の購買力が低下することは間違いないのです。安倍氏を支持する「保守」の方々は、国益という言葉が大好きなようですが、購買力の低下によって経済が沈滞するというのは、国益に反しないんでしょうか?
  このような施策が実施されるなら、所得税減税なり給与のベースアップなりが購買力を低下させない施策が付帯してしかるべきです。しかし、それすらありません。法人税に至っては、またぞろ引き下げるそうです。景気が上向いてきたと言われているのに、まだ競争力の確保を名目にこんなことをされては、民草は堪ったものではありません。

  何より、憲法改正に向けて参議院で議席の3分の2を確保しなければいけないはずなのに、わざわざ国民の人気を下げるような政策を打ち出しているセンスの無さは何とかしてもらいたいところです。
  まさか、マスコミや広告代理店が作り出した「爽やかイメージ」だけで何とかなると思ったのでしょうか。そうだとしたら、甘すぎるもいいところでしょう。

  国民というのは、為政者や有識者から見て「馬鹿」が多数であることは事実でしょう。しかし、そんな「馬鹿」にも生活があり、政治家はそれを食べさせていかなければなりません。
  首相が伝統や文化を守りたいというのなら、それを支える基盤になっている国民生活にもっと配慮すべきです。

  なにも、保守政党は安倍自民党だけではありません。(たとえば、●こちらの政党


   さあ、ネットの世界に
  多数いらっしゃる
   「保守」のみなさん。

   これでもまだ、
   安倍内閣を
   支持しますか?


今、なぜ教育基本法改正なのか?(その2)

2006年12月11日 19時24分54秒 | 社会と教育
  前回は、「戦前の教育勅語は『社会』や『国家』の側から教育を意味づけていたが、戦後制定された教育基本法は『個人』の側から教育を定義づけている」という話をしました。

  1947年制定の教育基本法に見られる個人主義の発想の原点は、おそらく「フランス革命」までさかのぼることができます。
  この革命のあとで出された、かの有名なフランス人権宣言では、

 「人は、自由、かつ、権利において
  平等なものとして生まれ、生存する。」
 (第1条)

  という言葉が出てきますが、これは成文法としては初めて、個人の人格がそれ自体価値を持ち、それが生まれや身分によって差別されるものではないということを認めたものです。
  その後、19世紀初頭にフランスの皇帝ナポレオンが西ヨーロッパを征服した際、この個人主義に乗っ取った法制度を支配地域に樹立させました。これによって、西ヨーロッパのほとんどの地域に、個人主義の法制度が行き渡ることになります。いわゆる「大陸法」の誕生です。
  大陸法の特徴として、「議会が制定した法(成文法)を重視する」というものがあります。つまり、慣習や社会常識より、代表者の話し合いで作った法律の方がエライということです。
  忘れてはいけないのは、この大陸法の考え方は、「人間という理性的存在」に大きな信頼を寄せているということです。個人の人格が尊重される以上、その個人が送り出した代表の意思表示=法律の方が、なんとなく共有されているルール(慣習や常識)よりも強いのは当たり前だ、ということなのです。
  そうだとすれば、大陸法的な考えによると、人間は理性を正しく用いれば間違いを犯すことはない(=性善説)のであり、理性を用いてたどり着いた結論以外の決まりやルールは存在しない(=不文律の否定)ことになります。そこでは、成文法になっていない場面での判断基準は「個人」になるのは当然の帰結です。
  
  しかし、ヨーロッパの国でこういう制度を採っていない国がたった一つだけあります。それがイギリスです。
  イギリスの法制度は「コモンロー」といわれ、成文法よりも裁判所による判断(=判例)の蓄積が重視されます。
  これは、言い方を変えれば、今までその社会に積み重ねられてきた慣習や常識が判断基準になるということです
  また、議会の成文法を信頼しないということは、個人の理性の働きは絶対でないということを前提としてます。そういう意味でイギリス法は性悪説であり、慣習や社会常識といった不文律が重視される社会といえそうです。
  だから、イギリス法の世界には純粋な意味での個人主義というものは存在していません。individualというのは、「それ以上分けること(divide)が不可能(in)」だという意味に過ぎないのです。

  ここで、フランスとイギリスの歴史を振り返ってみると、面白いことがわかります。

  イギリスは、確かに「バラ戦争」(1455~1485年)という内戦がありましたが、近代になってから本土であるグレートブリテン島で大規模な紛争を経験していません。それどころか、世界で初めて産業革命を成功させ、19世紀末には「日の沈まない帝国」と言われるほどの勢力を誇りました。
  イギリスでは帝国主義の時代に労働者が塗炭の苦しみを味わったという人もいるでしょうが、そんなのはどこの国も大差はありませんでした。最大の不幸である「武力紛争」に自国民が巻き込まれていないという点が重要なのです。
 
  それに対して、世界初の成文法による個人主義を定めたフランスは、悲惨そのものです。
  まず、フランス革命の時点で国内の反対派を大量に虐殺●ヴァンデの虐殺がその代表例)、ナポレオンが帝政を敷いたら絶え間のない外征(ロシア遠征は60万人が参加して37万人死亡)やそれに続く一連の混乱、さらにはパリ・コミューン、ナポレオン3世の派手な外征、普仏戦争・・・自由や平等どころではなくなってしまっています。
  これは、フランスが成文法=個人主義の国である(というか、そうせざるを得ない)ことと無縁ではありません。
  個人主義のもとでは、議会で数を取った人間が国家権力を担うことになるのですが、かえってそのことにより少数派の不満が高まってしまうことになるのです。だってそうでしょう?「正しい」と言っている人間と、自分との間には、本来人間としての価値には差がないはずなんですから。
  つまり、成文法=個人主義の世界では、個人の価値が等しい以上、誰が何をやっても正当化できないのです。だから、反乱を起こす馬鹿や、外国に媚びを売る反対派が出てきてしまうわけです。

  戦争にしろ個人の喧嘩にしろ負けた側がいかにして納得するかが非常に重要なのです。ところが、個人を基準にしてしまうと、「何が正しいか」という問いに永遠に結論が出せない。何をやろうが俺の勝手だ、ということになってしまい、それを否定することができないのです。これでは、犯罪や武力紛争などで、社会が不安定になるのは当然です。
  だから、個人主義=成文法の国では、かえって成文法が乱立して、自由や権利が制約されやすくなるという現象が起こってしまうのです。
  大陸法の国々で構成されるEUの憲法はなんと400ページあるそうです。基本法の憲法でさえこの有様です。関連法規となると、いったいどれほどの分量になるのでしょうか?

  何も争い事ばかりではありません。これが、「人生」だったらどうですか?  

  たとえば、子供に対して、「おまえは自由だ。やりたいことは何だってできるし、努力すればなりたいものには何だってなれる」という考えを繰り返し吹聴します。子供は世の中のことなんて知りませんから、大人(主に教師やメディア)がみんな声を揃えれば、思想を内面化してしまうはずです。
  ところが、実際の社会は不自由だらけで、なかなかうまく行きません。当然です。物事を実現するには能力や資金や巡り合わせというものが必要だからです。自分が努力「だけ」すればいいわけではないのです。

  そうして、挫折したとき、「何でもやれる」と言われ続けて成長した人間が、果たして現実を受け容れることができるでしょうか?

  こういう場面では、個人主義はかえって壁にぶち当たるのです。個人主義の世界では、成文法になっていない場面での価値判断の基準は、全て自分だというのが原則です。「昔から世の中というのは、うまく行かないのが普通なんだよ」と言われて、挫折した人間(=負けた側)納得ができるわけがありません。「そんな世の中なら革命だ」(=世の中が間違っている)ということになってしまうわけです。これで、社会不安につながらない方がおかしいです。

  だいぶ説明が長くなりましたが、要するに、個人を基準にした価値判断の体系が一度作られると、社会全体のコストが上がり、社会不安を除去するために細かい法規が作られることで、かえって不自由な社会になってしまうのです。

  日本では、以前なら常識や世間の目(=不文律)で抑止が出来ていたはずの「奇怪な行動」や「おかしな犯罪」がどんどん増えています。教育基本法が個人主義という理念を掲げており、戦前に初等教育を受けた人以外はその影響をもろに受けている以上、「空気を読む」ことができない人間が増えてくるのは当然なのです。
  この現象がこれ以上進めば、「そんなことまで」と思うほど細かいことがらにまで法律が作られなければならない社会になるでしょう。そういう不自由な社会にならないためには、不文律重視の姿勢を育てるしかないのです。
 
  なに?単なる「わがまま」と「個人主義」とは違うって??

  それなら、何を判断基準にして、矛盾に満ちた現実社会を受け容れろというんですか?常識や社会通念じゃないんですか?そうだとしたら、その常識や社会通念が正しいことを、どうやって「わがまま」な子供に教えるんですか?そんな子供に「センセーたちはいつも自分のやりたいことをやらなければダメだって言ってたじゃないか!」と反論されたら、どうするんですか?
  そうするくらいなら、初めから「個人」よりも「社会」「国家」を基準に物事を判断するように教育すべきなんじゃないんですか?

  イギリスが比較的安定した社会を実現できたというのは、島国であるという地理的条件と、それに合った価値判断の体系(=コモンロー)を構築できたからに他なりません。
  そして、我が国はイギリス以上に社会の空気に敏感な国であり、かなり昔から自己の言動がどのような社会的意味を持つかを重視してきました。
  明治時代に入り、「近代化」のために、手っ取り早く体裁を整えられる成文法を取り入れましたが、今までの価値判断体系を壊さないためには、何かあったときは社会の不文律(常識や慣習)に従うべきであるという考えを内面化する必要があったのです。そこで「教育勅語」が作られたというわけです。
  そのおかげで、日本は成文法の文化を取り入れながら、極めて安定した社会を築くことが出来ました。
  それが、かえって自由や権利が促進することになったのです。たとえば、大正デモクラシーがそうです。日本では、「原則不自由」の教育勅語から出発して、社会に害悪が生じない程度のスピードで徐々に権利や自由が認められてきたという歴史があるわけです。これは、もっと肯定的に捉えていいのではないでしょうか。
  
  どうせ「教育勅語によって日本は戦争に突き進んだ」などと言うパブロフの犬が出てくると思うので先に言っておきますが、日本が歴史上全体主義に陥ったのは満州事変以降敗戦までという例外的な時期であり、教育勅語は全く関係ありません。
  その原因は日本がガラでもない「ランドパワー(大陸国家)」になろうとしたからです。●大東亜戦争について述べたこちらの記事を参照してください。

  それならば、現代に教育勅語を復活させてもよいではないか、と思うかも知れませんが、そうなると天皇が象徴とされている現在の憲法にそぐわなくなります(教育勅語は、明治天皇のおことば)。なにより、言葉が古すぎます。
  そこで、「公共の精神」や「伝統の尊重」という言葉が、今度の教育基本法に加わったのだと私は考えています。

  教育はよく「百年の計」などと言われます。

  戦後60年かけて国民に浸透してきた個人主義=成文法的価値体系が、すぐになくなるとは思いません。これから何十年という間、不文律を知らない弊害は起こり続けるでしょう。
  しかし、それをくぐり抜ければ、意外と明るい未来が待っているのではないかという気もするのです。政府が方針を曲げたり、運用を歪めたりしなければ、少なくとも異常な行動を繰り返す生徒や教員にとって居心地が悪くなるような環境は出来上がるはずです。
  新基本法の成果が出てくるのは、その理念による教育を受けた子供が大人になってからです。その日を楽しみに待つことにしましょう。

今、なぜ教育基本法改正なのか?(その1)

2006年12月06日 23時28分24秒 | 社会と教育
  今年9月に就任した安倍晋三首相の「公約」は、教育改革、中でも教育基本法の改正が目玉だったというのは、昨今の報道でみなさんもご存じのことでしょう。このブログはもとはと言えば「教育」をテーマに掲げているので、今回は、この改正の狙いや、旧教育基本法(以下では「旧基本法」と略す)の問題点について、私の考えを述べてみたいと思います。
  
  ●こちらの読売新聞の特集を参照しながら、改正の概要について確認しておきましょう。

  ●前文に「公共の精神を尊び」「伝統を継承」という文言が入った
  ●第2条にある教育の目標に、「道徳心」や
  「我が国や郷土を愛する態度」を養うという項目が加わった
  ●生涯学習や、大学についての規定が入った
  ●義務教育が「9年」でなくなった
  ●旧基本法の第10条「不当な支配」に関する条項が消えた
   (旧法10条については、●こちらを参照)

  ちなみに、基本法というのは、行政分野における基本政策や基本方針を宣言するために制定される法律のことを言います。これを作ったり、改正したりすると、その方針を実現するための関係法令がどんどん作られていきます。
  基本法の一番わかりやすい例は、「日本国憲法」です。憲法に「何人も、法律の定める手続によらなければ、・・・刑罰を科せられない。(31条)」とあるだけでは、何をどうするのかよくわかりません。そこで、「刑事訴訟法」や「刑事訴訟規則」が定められることになるわけです。

  では、上記のような教育基本法の改正の、何がそんなに問題なのでしょうか?良識のある人間だと自覚される方であれば「日教組が反対しているから、賛成する」という態度(笑)ではいけません。ちゃんとした論拠があることを知っておくべきです。

  まず、旧基本法の成立過程について簡単に見ておきましょう。

  旧教育基本法が成立したのは、昭和22年(1947年)
  ●こちらのブログは、かなり保守色の強い姿勢ではありますが、成立当時の事実関係についてよく触れられています。
  ポイントは旧基本法の法案をまとめた「教育刷新委員会」という機関が民間情報教育局(CIE)の強い影響下にあったということです。
  CIEは「連絡協議会」という機関を作り、GHQ、刷新委員会、文部省の三者の間を取り持つ役目を持たせました。この「連絡協議会」は、米国側では「舵取り委員会steering comittee」と呼ばれており、その名の通り、一見して押しつけでない形で教育刷新委員会の方針の「舵取り」を行っていたということです。
  つまり、steeringを意図的に誤訳している人間がいたということです。私の推測ですが、戦前の生き残りで共産主義にシンパシーを持っている「革新官僚」の何人かがその犯人でしょう。●こちらの記事でも触れましたが、官僚には新しい支配者に媚びることで、生き残りを図るという特質があるからです。
  「教育基本法を守れ」「改悪を阻止しろ」と叫んでいる勢力は、この成立過程について全く触れようとしません。おそらく、つつかれると困る点だからでしょう。

  では、GHQはなぜこのような旧基本法を成立させようとしたのでしょうか。

  おそらく、1947年当時のアメリカの対日政策が、「日本弱体化」にあったからでしょう。
  思想的に良いか悪いかはともかく、日本軍は「天皇陛下万歳」と叫びながら、硫黄島やフィリピンで米軍に大打撃を与えました。このような事態を防ぐには、日本軍の精神的支柱である「現人神たる天皇」をなくしてしまえばいい。だからこそ、アメリカは天皇に「人間宣言」をさせたのです。
  同じように、石油を禁輸しようと、ハルノートを突きつけようと、「ほしがりません、勝つまでは」と唱えて一致団結する日本人の集団主義が、アメリカにとっては癌細胞のように思えたわけです。そこで、「個人の尊厳を重んじ」とか「個性ゆたかな文化の創造」とかいった文言(第1条)を旧基本法に入れて、日本人の集団主義を崩壊させようとしたのです。(これが、「結果的に」良かったかどうかは問題ではない。)
  アメリカは、当時の国益に従ってそのような行動をしたまでであり、これに対して怨念をぶつけるのは筋違いでしょう。当時はまだ「冷戦」が始まっておらず(ベルリン封鎖は1949年、朝鮮戦争はその翌年)、日本を「反共の防波堤」と位置づける必要はなかったのです。自分たちに逆らった日本を徹底的に痛めつけてやろうと思っても、不思議ではありません。
  国民の側も、長引く戦争で疲弊しており、旧基本法が戦前と180度異なる教育方針を取ったということに関心を向けるゆとりはなかったはずです。いろいろな要素が重なって、今の今まで旧基本法はそのままにされてきた、というのが本当のところだと思います。

  さて、上で戦前うんぬんと書きましたが、戦前の教育基本法にあたるものは何だったのでしょうか。

  それは、「教育勅語」です。

  ●「学制」ではないのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、学制は教科書の採用基準や教員の育成について触れているので、むしろ「学校教育法」に近い性質の法令です。

  教育勅語ついては、●このブログでも扱っているのですが、簡単に言ってしまえば、教育勅語の基本理念は利他精神を基調とした社会作りということです。「博愛衆ニ及ホシ」「公益ヲ廣メ世務ヲ開キ」と言った文言からもそれが窺えます。言い換えれば、社会にとって、国家にとって意味のある人間を作るために教育をやっていこう、ということです。
  少々乱暴なまとめですが、旧教育基本法が「個人」から教育を論じているのに対して、教育勅語は「社会」「国家」の側から教育を定義づけているといえるでしょう。
  
  ここで、問題になるのが、果たして国家が人間のあり方や生き方を決めつけてもいいのだろうかという点です。
  GHQが手がけた法令(たとえば「憲法第9条」)を改正しようと言い出すと、すぐに頭が沸騰してしまう馬鹿は置いておいて、右でも左でもないよという方は、「おまえらが教育を受けるのは社会や国家のためだ!」という言い方をされたら、抵抗を感じるに違いありません。

  しかし、もし「教育勅語型」の方がかえって自由で豊かな社会が実現するとしたらどうでしょう?

  次回の記事では、その辺について突っ込んで取り上げたいと思います。

【付け焼き刃】民主党は教育政策もダメですた!!(笑)【一夜漬け?】

2006年11月29日 00時50分47秒 | 社会と教育
  今回は「軽いジャブ」として、我が国の誇り高き第一(誰だ!!「万年」などと言っているのは!!笑)野党の教育政策を取り上げたいと思います。

  まず、毎日新聞に出ていた記事を引用します。みなさん、私がどこに突っ込むか予想しながら目をお通しください。(笑)

(以下引用)

<民主党>高校までを義務教育化 基本政策に掲げる

  民主党が策定している基本政策の原案全文が28日、明らかになった。8分野の政策項目のうち教育を冒頭に据え、高校の義務教育化など「人づくり」重視を打ち出した。第2項目の社会保障では国民年金も含む年金の一元化を掲げるとともに、消費税率5%を維持したまま福祉目的税化し、すべてを年金財源に充てるとしている。外交・安全保障分野では集団的自衛権の行使を一部容認した。同党は原案を同日午後公表し、全所属議員の政策懇談会で議論したうえで年内に決定する方針。

 (中略)

  教育分野では国が「義務教育での財政責任と学ぶ権利の保障について最終責任を負う」としたうえで、教育委員会を廃止し、「学習内容や具体的な学校運営」は市町村の役割と規定した。高校の義務教育化に加え、5歳児の就学前教育の無償化を掲げ、保護者負担軽減を打ち出した。

 このほか、格差対策として雇用法制の基本を終身雇用とする方針を明記した。 

(引用以上) 

  さて、ちょっと注釈をつけますか。

>教育を冒頭に据え

  いくら「世界史未修」「いじめ問題」がテレビのニュースやワイドショーをにぎわしているとはいえ、ちょっと極端すぎませんかね?まるで、「話題になっているから冒頭に持ってきました!」と自白しているみたいで、苦笑を禁じ得ません。

>高校の義務教育化など「人づくり」重視を打ち出した。

  高校を義務教育にすることと、「人づくり」を重視することとの間にどういう因果関係があるのかさっぱりわかりません。
  ここでちょっと、●民主党のホームページにある「基本政策」を見てみましょう。以下の引用は、11月29日午後0時時点のものです。

(以下引用)

  教育の地方分権を進めるとともに、価値観や能力の多様性を認め、自立した青少年を育てる教育改革を推進する。そのため、30人学級の実現、高校・大学入試制度や奨学資金制度の抜本的見直しなどの教育諸条件を改善する。また、リカレント教育の制度化を進めるとともに、コンピュータ教育、国際化時代に通用する語学教育などを充実する。地域の生涯学習や生涯スポーツの基盤整備をするとともに、子育てのネットワークを育成する。

(引用以上)

  ・・・高校義務化の「こ」の字もありませんね。

  おそらく、最近何かと教育が話題になっている(この時点で、自民党が仕掛けた論戦に対して受け身になっているのがわかる)ので、とりあえず目新しいことでも入れておこう、という程度の発想なのでしょう。全く、情けない政党です。

  気になったのが、

>30人学級の実現

  です。これって、どこかで聞いたことがあると思っていたら・・・。

「30人以下学級推進法案」参議院で審議に入り
日政連議員が奮闘、日教組も総力を結集しました
http://www.jtu-net.or.jp/kiji/00/04/26n2.htm

  ぶわははは、日教組の要求そのまんまじゃん!!

  ・・・失礼、少し取り乱しました。

  そうなんですね、日教組は民主党の支持団体なんでした。忘れてはいけませんね。

  どちらにしろ、高校を義務化したところで、勉強に意味を見いだせない(それよりは働いた方がいい)と感じる子どもの状況は何も変わらないでしょうね。それどころか、日教組が支持団体にいるので、日教組組合員の失業対策ではないか?といぶかしく思ってしまいます。

>消費税率5%を維持したまま福祉目的税化し、すべてを
>年金財源に充てるとしている。

  障害者福祉はどうでもいいんですか??待機児童のいる保育園の問題は??

  「細かいことは置いておけ」「揚げ足を取るな」などと私を批判するなら、週刊現代の記事のコピーを振りかざして、首相に「これは本当か?」などと質問する馬鹿議員(証拠は●こちら)の方がよっぽど揚げ足取りだと思うのは私だけでしょうか。

  年金財源に突っ込むと明言している辺り、人口の多い団塊(とその周辺)の世代目当てのおみやげ立法というのが見え見えで、腹が立ってきます。もっと若い人たちに金を出すということに発想がいかないんでしょうかね。

>外交・安全保障分野では集団的自衛権の行使を一部容認した。

  旧社会党の議員がいるのに、よくがんばりましたね(笑)。

  まあ、昨今の情勢を見て、北朝鮮が核ミサイルを撃ち込んでくるまで「9条」「平和」を唱えて待ってろなどと言ったら、●どっかの政党みたいに参議院選挙で大敗するでしょうからねえ・・・政権を取ったら、真っ先に反故にしそうな基本政策ではありますが。

  しかし、極めつけが待っていました。

>教育分野では国が「義務教育での財政責任と学ぶ
>権利の保障について最終責任を負う」としたうえで、
>教育委員会を廃止し、
>「学習内容や具体的な学校運営」は市町村の役割
>と規定した。

  なるほど、国は金だけ出して、あとは俺たち(日教組)に委せろということですね。
  本当に、この政党はわかりやすいですね。●国民の見えないところで密かに力を入れているこの政策を見ると、バックに付いているのが●こういう団体だということがすぐにわかります。自民党が経団連と外資(国際金融資本)の使用人なら、民主党はさしずめ「自称弱者」や「隠れ共産主義者」の使いっ走りというところでしょうか。

  ああ・・・上に挙げたリンクの団体と言えば、最近●こういう事件で名前が出てきましたね。民主党のセンセーがたは大丈夫なんでしょうか?

  話を戻しますが、中央の統制がなくなれば、反日教師や社会主義組合のせいで、まともな国民教育が行われないのは目に見えています。国民も、そのくらいは理解できます。何でもかんでも「中央政府=悪」だとするロシア革命の頃みたいな国家観が今でも受けると思ったら大間違いです。
 
  第一野党なのですから、もう少し与党とかみ合った議論をしてほしいものだと思います。

【出てこい!!】外国人労働者は本当に必要なのか?④【本当の良識派】

2006年09月04日 00時57分35秒 | 社会と教育
  前回までの記事からすれば、外国人労働者を受け容れることは相当危険であり、彼らの流入を阻止するには「防波堤」を作るしかないというのが、外国人労働者問題に対するこのブログの見解ということになります。
  しかし、最大の難問は、「現に外国人労働者を必要としている企業・経済界のニーズをどうするか」ということです。●シリーズ第1回の記事で紹介したように、経済界は明らかに外国人労働者を受け容れる気まんまんなのです。これをどう扱えばいいのでしょうか。

  私には来年度の予算も、政治活動のための資金も必要ないので、正直に、本当に正直に結論を申し上げます。

  上記のような企業のニーズをなんとかするための方法はありません。

  乱暴すぎると思われるでしょうが、本当に無いのです。

  確かに、企業側の外国人労働者の受け入れに対する意欲をなくさせる、もしくは抑制について、考え得る方法はあります。しかし、どれも結局は一つの難題にぶち当たることになるのです。

  一応、オプションを検討しましょう。

1.低賃金労働の待遇を改善する

  たとえば、外国人が多く参入している職場(例;食品製造、土木)の労働条件や賃金を向上させて、サービス業のフリーターをしている労働力をそちらに振り向けたりするということです。
  しかし、これが出来るくらいなら、初めから外国人労働者など導入しているはずがないという反論が出来ます。コミュニケーションに難点のある外国人を雇わざるを得ないのは、人件費を抑制して企業間の競争に勝つためなのです。「利益率を低くしろ」と企業に命令しても、抵抗されるに決まっています。

2.外国人労働者保証制度を作る

  私が考えたのは、経団連という外国人労働者受け入れ推進団体に外国人の身分について連帯責任を負わせるという制度です。たとえば、外国人労働者が日本にいる間に犯罪を犯したら経団連に加盟している団体に反則金を課したり、外国人向けの社会保障費用が増大したら、その6~70%を経団連に加盟している企業に負担させたりするという制度を作るのです。「そんな責任は負えません」というなら、外国人労働者を受け容れなければいいわけです。
  しかし、経団連がそんな不利な条件を呑むはずがないのは明白です。そんなことをしたら、人件費削減という目的を達成できなくなってしまうからです。

3.単純作業の現場にロボットを導入する

  日本のロボットの性能はすごいものがあるので、●こういうロボットに人間の代わりをやらせようということです。
  しかし、細かい作業を理解するような技術水準にはまだ達していない上に、企業が導入コストを渋るに決まっています。メンテナンスや故障が起きたときの対応も面倒です。それならば、ロボットの代わりに働かせる人間(要するに奴隷)を初めから使えばいいということになります。

  ところで、上記の3つの解決策についてのくだりは、何か似たような雰囲気がしませんか??

  そうなのです。企業の経済的利益追求というニーズがある限り、結局は外国人労働者の導入に行き着いてしまうのです。
  
  最近のベストセラーに、「国家の品格」(藤原正彦著)という本があります。その中で、非常に興味を引いた記述があったので紹介します。

>どんな論理であれ、論理的に正しいからといって
>それを徹底していくと、人間社会は
>ほぼ必然的に破綻に至ります。(35ページ)


  この記述は、外国人労働者の問題にピッタリ合致します。

  つまり、企業は「利益を出すには人件費を抑制すればいい→日本人は人件費が高い→外国人労働者を導入しよう」という三段論法を用いて、外国人労働者の導入を狙っているわけです。この論理は、少なくとも企業活動の世界においては全く間違いがありません。
  しかし、この論理の「行き着く先」は明らかです。企業のコスト削減の代わりに社会的コストが激増し、日本社会にエントロピー増大が起こることです。繰り返しになりますが、エントロピー増大というのは「文化的な乱雑さ(摩擦)が増すこと」です。そして、これは今の日本が人権を尊重し、人間は平等だという思想を信仰している以上、決してもとの状態には戻りません。砂糖を水に溶かした後、砂糖だけ取り出すことが困難なのと同じです。
  そうだとすれば、我々が選ぶべき道は決まっています。企業には我慢をしてもらうしかないということです。

  上に挙げたような三つの解決策ですが、困難だとは言いつつも、政治家がその気になり国民がそれを支持すればすぐにでも導入が可能なのが1.なのです。また、政治家に信念を曲げない覚悟があれば、経団連とタフな交渉をして、3.やそれと似た制度(=言い出しっぺに真の意味で「責任」を負ってもらう仕組み)を呑ませることはできるのです。
  それができない原因は、外国人労働者問題が選挙の焦点になっていないことにつきます。
  たとえば、●自民党の2005年衆院総選挙のマニフェストには、外国人労働者の是非について全く言及がありません。●民主党のマニフェストも同様です。
  これらの理由を考えると、自民党の場合は財界の意向を汲みたいが、国民の抵抗が予想されるのでコソコソ導入しようと思っている(●内閣府の調査でも、日本人がやりたがらない職業への導入ですら否定的な意見が6割を超えている)のであり、野党が触れていないのは、外国人はいいひとばかりだと勘違いしている能天気が多いか、左翼政党なので、日本の社会をぶっ壊すような制度は大歓迎というところなのでしょう。
  そうとなれば、せめてネットの世界からでも、外国人労働者導入に反対する世論を形成していくことが必要です。
  この世論形成は、マスコミに期待しても無駄です。大新聞は全て外国人労働者導入に賛成しています。(証拠は●こちらのホームページ)。スポンサーである大企業に利益誘導するためでしょう。もう、我が国の大マスコミに、日本社会の利益を考えて言論活動を行うことなど期待しない方がいいということです。
  (一応誉めておきますが)小泉首相が靖国神社を8月15日に参拝できたのは、マスコミの旧来型の報道の枠にとらわれず、自由に情報を流通させるネットユーザーの増加が一因であると思われます。この流れを加速していくことは、それほど困難ではありません。
  しかし、そのネットの世界で論じていることが、いつまでもいつまでも中国韓国に対する非難や、神社に参拝するしないの問題だというのでは、最悪の事態の到来を抑止できないでしょう。ネットユーザーやブロガーの側も、せっかく芽生えた愛国的な感情を、もう少し生産的な話題に振り向けていく必要がある
と思うのです。

  最後に、感情論はこのブログの禁じ手であり、日本が少子化の時代を迎えていることは確かなので、以下で現実的な対処法を挙げておきます。

(1)職業に対する認識を変える教育をする

  このブログでもたびたび批判していますが、今の学校教育の現場には「仕事を通じて自己実現をしなくては人生の意味がない」という偏った風潮が蔓延しています。これを、なんとか変えて行かなくてはいけません。
  たとえば、教育指導要領に「社会的役割に関する教育」という項目を追加して、「夢を実現できる人は少ない」「それでもがんばるなら死ぬ気でやれ」「収入が少なかったり、地味な仕事をするのは決して恥ずかしいことではない」ということを徹底的に洗脳するのです。
  それでも夢を追いかけたい!という若者は、相当やる気のある人間ですから、才能の育成という点からも好ましいでしょう。だいいち、大人に持とうと言われて持つ夢など夢とは言えないのではありませんか?
  これをやっておけば、なりたい自分になれない→絶望→いらいらして犯罪という悪循環を断つことにもつながり、社会的コストの軽減にもつながります。
    「洗脳なんて・・・」という方に聞きたいのですが、「人権は大切です」とか「差別はいけません」というのは、洗脳じゃないんですか?上に書いてあることの方が、万人平等などというあり得ない理想より、よほど普遍的だと思います。

(2)労働組合が頑張る

  私が一番不思議に思うのは、なぜ待遇の悪化を招くはずの外国人労働者導入に、労働組合が反対しないのかということです。外国人のほうがいい、ということになったら、非熟練労働などみんな外国人に取られてしまうのが当たり前です。
  それなのに、●こちらのリンク先の「三」にあるように、むしろ外国人を歓迎しているような節があります。とりもなおさず、多くの労働組合が、日本人労働者のための組織ではなく、単なる「反体制政治組織」であることの証拠でしょう。
  こんな有害な論調をふりかざし、労働環境の改善とはほとんど関連性のない「平和運動」や「反戦デモ」などやっているから、国民の多く(普通の組合員も含む)にそっぽを向かれてしまうのです。世の中がボーダーレス化しているのですから、労働組合自身も、冷戦の頃の無責任なメンタリティーを改めるべきです。
  具体的には、派遣労働者の増加とリンクさせて、利益至上主義の企業の姿勢を追及していき、日本人労働者の待遇を守るための代案を出すべきです。多少の労働強化もやむを得ないでしょう。何でも反対、給料は上げろ、休みは増やせ、などというのは大人の交渉ではありません。

  このブログでも、外国人労働者の問題は機会があったら積極的に扱います。みなさんもどうかこの問題に関心をもってください。

<ぜひ抗議を!!>

  経済産業省と文部科学省が、「アジア人財資金構想」などと称して、学費無料の外国人留学生に毎月12~17万円の奨学金を給付し、はては国内での就職の斡旋までしようとしています。
  日本人でさえ就学や就職が難しい昨今、このような優遇措置を取る必要が本当にあるのでしょうか。みなさんの反対の声を政府に届けましょう。

経済産業省(メールフォーム)
https://wwws.meti.go.jp/honsho/comment_form/comments_send.htm

経済産業省 産業人材参事官室
TEL:03-3501-2259

関連記事:経産省は「大アジア主義」政策を撤回しろ!!

【受け皿あれば】外国人労働者は本当に必要なのか?③【みんなが幸せ】

2006年08月26日 00時05分23秒 | 社会と教育
  前々回、前回の流れを簡単にまとめると、「外国人労働者を容認すれば、社会コストが膨大になる。」そして、「移民の問題にはエントロピー増大の法則が働いているので、一度発生した社会的・文化的乱雑さは、二度と元に戻らない」ということです。砂糖を水の中に入れておけば、いつか必ず砂糖水になりますが、それを砂糖と水に分離できないのと同じことです。
  それならば、ただ「入れない」だけでなく、日本と移民を送り出す国(主に中国・朝鮮)との間に「防波堤」を作って、エントロピー増大が日本に及ばないようにするというオプションも検討すべきです。
  なお、ここで議論を中国と朝鮮に限るのは、外国人労働者の中で数が多いことと、黄色人種であるために、日本の社会に紛れ込みやすいこと、そして、反日政策を採っているために、工作員やスパイである可能性が高いといった特徴があるからです。

  では、どこに「防波堤」を設けるのか。一見して荒唐無稽な話に聞こえるかも知れませんが、以下に考えを述べます。

  「防波堤」に相応しいのは、次のような条件を満たす場所です。
 
  ①中国・朝鮮よりも、「生き心地がいい」場所である
  ②日本よりも、アクセスが楽である

  ②であれば、いくらでも場所がありそうですが、①はかなり難しいです。
  生き心地が良いという言葉の意味は、「人権が尊重される」とか「差別や暴力が少ない」という点です。
  中国は、貧富の差が激しく、農村出身者が都市で戸籍を得ることが事実上不可能であるという社会問題を抱えています。そして、共産党政権が続く限り、このような不満を訴える場は与えられることはまずありません。
  また、朝鮮は、居心地の悪さという点では世界でも一、二を争う社会であるのは間違いありません。北朝鮮は言わずもがな、南のお仲間もです。
  例えば、「『反日』という甘えを断て」(金文学著・祥伝社黄金文庫)という本に、こんな記述があります。

>わたしの知人が二年前アメリカに移住した。(中略)
>なぜ移住したのかと質問するわたしに、彼は毅然と言い放った。
>「わたしは、わたしの心をひどく傷つけたこの祖国はもう
> いらない。この息苦しい国を離れたい」と。

  作者は、要するに韓国は差別社会・イジメ社会であると断言しています。この男性も、成功者ゆえ嫉妬されて足を引っ張られる経験をしたのでしょう。
  それを裏付けるように、朝鮮日報が以下のような記事を載せています。

20~30代の会社員88%「移民したい」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2001/11/04/20011104000003.html

  移民したい理由として、「社会における行き過ぎた競争風土が嫌い」とか、「子女教育のため」という理由が挙がっているのは、注目に値します。
  言っておきますが、この国は長崎県の対馬からわずか40キロのところにある国なのです。「アジアからの外国人労働者を歓迎する」などと言ったら、どんな現象が起こるかは火を見るより明らかです。

  少なくとも強烈な社会的差別が無く、経済的にも安定した場所に彼らが向かうのは避けられない現象でしょう。日本にいる在日某国人が、差別だ人権侵害だとブーブー言いながら祖国に帰還しない一番の理由がこれなのです。

  そうだとすれば、日本や台湾以外に(台湾が外国人に乗っ取られたら、日本の安全保障上大変にまずい)、「ましな場所」を用意してやればいいということになります。

  そんな場所があるのか?と思うかも知れませんが、なければ作ればいいのです。
  
  絶好の場所があります。それは、「上海周辺及び広東省」「38度線付近」です。

  シナリオとしては、こんな感じです。

  「38度線付近」については、北朝鮮軍が38度線を南下した、もしくは、国内に政変が起こり、内戦状態になったと仮定します。そうなると、国連の安全保障理事会も何らかのアクションを起こさざるを得ません。特に、中国は間違いなく軍隊の駐留を申し出るはずです。理由は、「自国の権益保持」です。証拠は以下の通りです。

北朝鮮のモリブデン鉱山、中国が採掘権獲得
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060821-00000048-yonh-kr

国土を切り売りする北朝鮮
http://blog.yoshiko-sakurai.jp/mt4i.cgi?id=1&mode=individual&no=7&eid=603 

  鉱山の採掘権だけでなく、道路の利用権まで北に約束させているそうです。これでは、実質中国の植民地状態です。
  そうなると、キムジョンイル政権が崩壊しても、中国の軍政のもと苛烈な支配が続くのは明白です。これが、韓国などのより豊かな国への人口移動圧力になるのは確実です。
  そこで、上のような中国の権益は認めつつ、日本はアメリカやオーストラリア、台湾、さらには韓国も誘って、38度線付近の北朝鮮領内に監視部隊の駐留を申し出るのです。ただし、その領域は、せいぜい東京23区程度の面積にしておきます。(そうすれば有事でもイージス艦一隻で片が付く)具体的には、平野部であり三方を山に囲まれたケソン(開城)付近がいいでしょう。韓国の首都ソウルにも近く、防衛上の理由が立ちやすいからです。
  その上で、日本が中心になって資金援助を行い、監視部隊の駐留地に「開城自由経済地域」を作らせるのです。ここでは、インフラ整備や工場誘致などを行い、政治体制は可及的速やかな民主制の樹立を目指します。もちろん、言論の自由も保障します。つまり、この経済地域が移民の受け皿になるわけです。
  ポイントは、深入りしないことと、多国間の枠組みでやることです。朝鮮人移民の流入に悩まされている国(カナダ、アメリカ、オーストラリアなど)を説得して、仲間入りしてもらうわけです。
  もし、韓国が北朝鮮の軍事侵攻を受けた場合でも、似たようなケースになります。ただし、国連軍、若しくは多国籍軍が占領する地域はもっと南寄りになるはずですから、「釜山自由経済地域」もしくは「済州島自由経済地域」になるでしょう。済州島など、海軍力だけで防衛が可能ですから、受け皿としては好都合です。

 「上海及び広東省」については、中国国内で内戦が起こったケースを想定しています。
  今の中国は地域格差が激しいと言われていますが、南部の生み出す富を、北部や内陸が吸い上げているというのが実情のようです。そこで、共産党内のいわゆる「上海閥」に事前に根回しをしておき(共産党中央にパイプがある台湾と協力)、内戦が起こった際には、北京からの分裂を支援します。資金援助と技術供与を約束するのは当然です。
  同じことは、広東省にも言えます。この地域は葉剣英・葉選平親子が長年に渡って人民解放軍を指導した「半独立国」であり、北京もなかなか手出しができません。面積の面でも、移民の流入に十分耐えられるだけのものがあります。何より、単独で北京の中央と対抗できる陸軍力を持っているのが魅力です。
  そして、中国本土より「ましな」政治体制を敷いてもらえばいいのです。いきなり普通選挙は無理にしても、言論の自由や、基本的な社会保障制度があれば十分でしょう。当然、援助の条件とすべきです。そうすれば、移民の向かう先が地続きで出来上がるというわけです。中国系移民の流入に悩まされている国はみんな幸福になれます。

  現在の中国・朝鮮の情勢を見てみれば、上のプランが決して荒唐無稽なものではありません。極東地域の変事というのはあまり愉快なことではありませんが、ただ受け身にならず、それを逆手にとるという発想をすべきです。

  しかし、そうは言っても、まだ考えなければならないことが残っています。

 「現に労働力を必要としているという、企業のニーズはどうするのだ?」

  ということです。

  次回、これについて触れることで、このシリーズを締めくくりたいと思います。