旅行関係の記事を上げようかと思っていたのですが、大変重要なニュースを取り上げ損ねていました。
以前からこのブログでも取り上げている中国と朝鮮の間の冷戦状態が、いよいよ差し迫ったものになってきました。以下の朝鮮日報の記事をご覧下さい。
中国、白頭山の原生林を伐採し新空港を建設
http://www.chosunonline.com/article/20060816000006
--------以下引用--------
中国が白頭山の西側山麓の原生林に空港を建設中であることがわかった。
現場は白頭山・天地の西側入り口付近から白山方向に車で20分ほどのところにある吉林省撫松松江河だ。長白山の開発のために先月11日に着工した空港の建設現場ではすでに原生林が切り開かれていた。
しかしここが工事現場だということを知らせる標識や看板などはどこにもない。その代わりに、せわしく土砂を運び出すトラックの間に「百年大計」と書かれた赤、青、黄色の垂れ幕が見える。
このスローガンのもと、作業にあたっている現場の作業員のほとんどが軍服姿だ。現場責任者はこの場所が国際法上中国の領土であり、開発は中国の権利であることを繰り返し主張した。この責任者はさらに「白山自然保護区域から9.4キロメートルも離れている」ということを強調した。この開発工事は正当なものだと言いたいのだろう。
空港建設が着工してから1カ月。工事は中国の経済成長速度を証明するかのように急ピッチで進んでいる。原生林の伐採がほぼ終わり、土地をならすために土砂を運び出す作業が進められていた。
総事業費3億6000万元(約53億円円)を投じ、滑走路2.6キロメートル、年間輸送能力52万人規模の空港を作るという同事業は、2008年8月の北京オリンピック前の完成を目標としている。
このプロジェクトは中国の東北地域の交通網を張り巡らせようという計画の一部なのだ。さらに現在中国は北朝鮮と国境線を成す豆満江と鴨緑江の川岸に沿って東辺道鉄道と3つの高速道路の建設も進めている。
白頭山は韓民族(朝鮮民族)の聖山だ。中国側の山麓が崩されているのにも関わらず、北朝鮮はなすすべもなく、韓国ははるか遠くから見ているしかないのが現実だ。
--------引用以上--------
●以前の記事でも言及したとおり、中国と朝鮮との間には、「高句麗問題」や「イオド問題」といった、国家の成り立ちや主権に関わる深刻な対立があります。
ところが、日本のメディアは全くこれについて伝えません。理由は簡単です。両国のシンパが日本のメディアに食い込んでおり、どちらの顔も立たなくなるニュースを扱えないからです。
(中国東北部の地図)
さて、どうやら今回は中国が先手を打ったようです。そして、何より注目すべきは、
>豆満江と鴨緑江の川岸に沿って東辺道鉄道と3つの高速道路の建設
という部分です。中国東北部や朝鮮北部に、高速道路が三つも必要なほどマイカーや輸送用トラックがあるわけがありません。
●中央アジアについて扱った記事で、中国が「新シルクロード」という道路を中国が建設中だということを書きました。中国の西部国境から、タジキスタン・キルギスタンを横切ってウズベキスタンに達する予定の道路です。
このような国境をまたぐ道路というのは、両国の物流や人的交流の促進というのが表の顔ですが、本当の狙いは「有事における陸軍力の投射」にあります。
いまだに「どっちも反日だから北朝鮮は中国の子分」などと寝ぼけたことを考えている人のために書きますが、この3本の高速道路や新しい鉄道は、人民解放軍が北朝鮮を制圧するための通路ということです。これだけパイプが有れば、数に勝る人民解放軍が、火力の乏しい北朝鮮陸軍を圧倒するのは間違い有りません。
ここで、朝鮮側の反撃手段として考えられるオプションは、
(1)核兵器による恫喝
(2)朝鮮族を使ったテロ
(3)中国と対立する第三国との連携
といったところが考えられます。(1)や(3)については、例の「六カ国協議」で、日本に平壌宣言を履行させるという合意でかなりの部分達成されています。あの合意の真の意味は、アメリカが朝鮮の核保有を事実上承認し、日本に金を出させることで提携関係に入ったということです。
まあ、それでも「日米同盟が裏切られるはずはない」「安倍首相は拉致問題を楯に援助を突っぱねてくれる」と思っている方は、ずっと勘違いしていて下さい。あとで後悔しても、私は責任を持ちません。
私が注目しているのは(2)です。
実は、朝鮮にとって千載一遇のチャンスがあります。北京オリンピックです。す。
たとえば、イスラム過激派のしわざに見せかけて、どっかの競技場や観客移動用のバスを吹っ飛ばしたりするのでしょうか。しかし、中国のような猜疑心のかたまり(ランドパワーはみなそういう性質がある)の国が、そう簡単に騙されるとも限りません。
それ以前にも、たとえば、こういう機会を「利用」する可能性があります。
2008年北京五輪聖火リレー、延吉を経由
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070430-3.htm
もちろん、単純に聖火ランナーに危害を加えるというのでは芸がありません。各国のマスコミが延吉に集まったタイミングで、何らかのデモを行い、そこでキムジョンイルの息のかかった朝鮮族の人間が中国人の警官に暴行を受けるというようなパターンです。
中国が統制国家といえども、(日本の根性無しメディア以外)各国マスコミはこぞってニュースにするでしょう。もっとも、これ自体では中国共産党にはあまり打撃を与えられません。
そうではなくて、そのニュースを民族意識高揚に利用するわけです。韓国のマスコミは、同胞に対する「弾圧」を連日報道するでしょう。あの民族は頭に血が昇ると見境がつかなくなりますから、「高句麗は我が故郷」などと煽り出す新聞や番組が必ず出てきます。
そして、南側の秘密裏のバックアップ(と、アメリカの了承?)を得て、北朝鮮共和国軍が中朝国境を突破するのです。朝鮮としては、攻め込まれた場合、現在の国際情勢では38度線までしか後退できず、圧倒的に不利になります。そんな状況を招くくらいなら、攻めに転じるということです。
呼応して、ハルピンやシェンヤンのような大都市で朝鮮族が蜂起するでしょう。今でもキムジョンイル配下の工作員たちが相当紛れ込んでいるはずです。無理はありません。
北朝鮮の第一の標的は、中国の核ミサイル基地のある「通化」です。私が北朝鮮の参謀なら、110万の陸軍のうち60万は通化攻略に割きますね。現地の地勢や防衛体制も、朝鮮族を通じてきっちりリサーチ済みでしょう。キムジョンイルは、狂ってはいますが馬鹿ではありません。南の馬鹿大統領と一緒にしては叱られます(笑)。
日本としては、これを座視するのではなく、朝鮮側に肩入れするような姿勢を見せるべきです。なぜなら、現在東アジア地域で最も脅威になっているのは、膨張政策を露骨に打ち出している中国であり、ひとまずこれを押さえつける必要があるからです。
何も、政府が率先して声明を出す必要はありません。こういう時こそ、日教組や左翼の学者グループを北朝鮮に渡航させて、高句麗問題について発言させればいいのです。本当は、在日朝鮮人の資本をこの地域に投下させるというのが、彼らの国内への経済的支配力を削ぐという効果もあり上策ですが、いきなりは難しいでしょう。ならば、まずはくすぶり始めた火種に風を吹き込むことから始めればいいのです。
中国の治安状況が悪化すればするほど、中国からの資本撤退という雰囲気が生まれてきます。製造業の日本回帰が起これば、雇用も回復するでしょう(その前に偽装請負などという違法行為を経団連の会長が率先してやるような仕組みを改めなくてはいけないが)。
未だに中国の無限の可能性とやらを信じている、経団連の媚中派たちも、刃傷沙汰が起きれば少しは目を覚ますはずです。
もちろん、以前の記事で述べたように、中国東北部の再開発に的を絞った経済援助というカードも忘れずにキープしつつ、中朝冷戦の行方を注意深く見つめるべきです。
なにしろ、日本の最大の利点は中・朝・ロいずれの国とも国境を接してないことです。だから、中国を潰すために朝鮮を使い、逆に、朝鮮が強力になりすぎたら中国を使って潰すという、状況に応じた選択ができます。このような立場をオフショア・バランサーといいます。
日本に欠けているのは、オフショア・バランサーとしての地位を自覚し、主体的に働きかける姿勢です。また、戦前の轍を踏まないよう、内陸に権益を持たないことも大切でしょう。
微妙な選択や慎重かつ大胆な行動が求められますが、本当に自分の足で立って歩いていくならそのくらいはできて当然です。それが嫌なら、永遠にアメリカの奴隷に甘んじるしかありません。
要するに、中国東北部、すなわち「満州」の情勢は、20世紀初頭に戻ってしまったということです。いよいよ目が離せなくなってきましたね・・・。
以前からこのブログでも取り上げている中国と朝鮮の間の冷戦状態が、いよいよ差し迫ったものになってきました。以下の朝鮮日報の記事をご覧下さい。
中国、白頭山の原生林を伐採し新空港を建設
http://www.chosunonline.com/article/20060816000006
--------以下引用--------
中国が白頭山の西側山麓の原生林に空港を建設中であることがわかった。
現場は白頭山・天地の西側入り口付近から白山方向に車で20分ほどのところにある吉林省撫松松江河だ。長白山の開発のために先月11日に着工した空港の建設現場ではすでに原生林が切り開かれていた。
しかしここが工事現場だということを知らせる標識や看板などはどこにもない。その代わりに、せわしく土砂を運び出すトラックの間に「百年大計」と書かれた赤、青、黄色の垂れ幕が見える。
このスローガンのもと、作業にあたっている現場の作業員のほとんどが軍服姿だ。現場責任者はこの場所が国際法上中国の領土であり、開発は中国の権利であることを繰り返し主張した。この責任者はさらに「白山自然保護区域から9.4キロメートルも離れている」ということを強調した。この開発工事は正当なものだと言いたいのだろう。
空港建設が着工してから1カ月。工事は中国の経済成長速度を証明するかのように急ピッチで進んでいる。原生林の伐採がほぼ終わり、土地をならすために土砂を運び出す作業が進められていた。
総事業費3億6000万元(約53億円円)を投じ、滑走路2.6キロメートル、年間輸送能力52万人規模の空港を作るという同事業は、2008年8月の北京オリンピック前の完成を目標としている。
このプロジェクトは中国の東北地域の交通網を張り巡らせようという計画の一部なのだ。さらに現在中国は北朝鮮と国境線を成す豆満江と鴨緑江の川岸に沿って東辺道鉄道と3つの高速道路の建設も進めている。
白頭山は韓民族(朝鮮民族)の聖山だ。中国側の山麓が崩されているのにも関わらず、北朝鮮はなすすべもなく、韓国ははるか遠くから見ているしかないのが現実だ。
--------引用以上--------
●以前の記事でも言及したとおり、中国と朝鮮との間には、「高句麗問題」や「イオド問題」といった、国家の成り立ちや主権に関わる深刻な対立があります。
ところが、日本のメディアは全くこれについて伝えません。理由は簡単です。両国のシンパが日本のメディアに食い込んでおり、どちらの顔も立たなくなるニュースを扱えないからです。
(中国東北部の地図)
さて、どうやら今回は中国が先手を打ったようです。そして、何より注目すべきは、
>豆満江と鴨緑江の川岸に沿って東辺道鉄道と3つの高速道路の建設
という部分です。中国東北部や朝鮮北部に、高速道路が三つも必要なほどマイカーや輸送用トラックがあるわけがありません。
●中央アジアについて扱った記事で、中国が「新シルクロード」という道路を中国が建設中だということを書きました。中国の西部国境から、タジキスタン・キルギスタンを横切ってウズベキスタンに達する予定の道路です。
このような国境をまたぐ道路というのは、両国の物流や人的交流の促進というのが表の顔ですが、本当の狙いは「有事における陸軍力の投射」にあります。
いまだに「どっちも反日だから北朝鮮は中国の子分」などと寝ぼけたことを考えている人のために書きますが、この3本の高速道路や新しい鉄道は、人民解放軍が北朝鮮を制圧するための通路ということです。これだけパイプが有れば、数に勝る人民解放軍が、火力の乏しい北朝鮮陸軍を圧倒するのは間違い有りません。
ここで、朝鮮側の反撃手段として考えられるオプションは、
(1)核兵器による恫喝
(2)朝鮮族を使ったテロ
(3)中国と対立する第三国との連携
といったところが考えられます。(1)や(3)については、例の「六カ国協議」で、日本に平壌宣言を履行させるという合意でかなりの部分達成されています。あの合意の真の意味は、アメリカが朝鮮の核保有を事実上承認し、日本に金を出させることで提携関係に入ったということです。
まあ、それでも「日米同盟が裏切られるはずはない」「安倍首相は拉致問題を楯に援助を突っぱねてくれる」と思っている方は、ずっと勘違いしていて下さい。あとで後悔しても、私は責任を持ちません。
私が注目しているのは(2)です。
実は、朝鮮にとって千載一遇のチャンスがあります。北京オリンピックです。す。
たとえば、イスラム過激派のしわざに見せかけて、どっかの競技場や観客移動用のバスを吹っ飛ばしたりするのでしょうか。しかし、中国のような猜疑心のかたまり(ランドパワーはみなそういう性質がある)の国が、そう簡単に騙されるとも限りません。
それ以前にも、たとえば、こういう機会を「利用」する可能性があります。
2008年北京五輪聖火リレー、延吉を経由
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070430-3.htm
もちろん、単純に聖火ランナーに危害を加えるというのでは芸がありません。各国のマスコミが延吉に集まったタイミングで、何らかのデモを行い、そこでキムジョンイルの息のかかった朝鮮族の人間が中国人の警官に暴行を受けるというようなパターンです。
中国が統制国家といえども、(日本の根性無しメディア以外)各国マスコミはこぞってニュースにするでしょう。もっとも、これ自体では中国共産党にはあまり打撃を与えられません。
そうではなくて、そのニュースを民族意識高揚に利用するわけです。韓国のマスコミは、同胞に対する「弾圧」を連日報道するでしょう。あの民族は頭に血が昇ると見境がつかなくなりますから、「高句麗は我が故郷」などと煽り出す新聞や番組が必ず出てきます。
そして、南側の秘密裏のバックアップ(と、アメリカの了承?)を得て、北朝鮮共和国軍が中朝国境を突破するのです。朝鮮としては、攻め込まれた場合、現在の国際情勢では38度線までしか後退できず、圧倒的に不利になります。そんな状況を招くくらいなら、攻めに転じるということです。
呼応して、ハルピンやシェンヤンのような大都市で朝鮮族が蜂起するでしょう。今でもキムジョンイル配下の工作員たちが相当紛れ込んでいるはずです。無理はありません。
北朝鮮の第一の標的は、中国の核ミサイル基地のある「通化」です。私が北朝鮮の参謀なら、110万の陸軍のうち60万は通化攻略に割きますね。現地の地勢や防衛体制も、朝鮮族を通じてきっちりリサーチ済みでしょう。キムジョンイルは、狂ってはいますが馬鹿ではありません。南の馬鹿大統領と一緒にしては叱られます(笑)。
日本としては、これを座視するのではなく、朝鮮側に肩入れするような姿勢を見せるべきです。なぜなら、現在東アジア地域で最も脅威になっているのは、膨張政策を露骨に打ち出している中国であり、ひとまずこれを押さえつける必要があるからです。
何も、政府が率先して声明を出す必要はありません。こういう時こそ、日教組や左翼の学者グループを北朝鮮に渡航させて、高句麗問題について発言させればいいのです。本当は、在日朝鮮人の資本をこの地域に投下させるというのが、彼らの国内への経済的支配力を削ぐという効果もあり上策ですが、いきなりは難しいでしょう。ならば、まずはくすぶり始めた火種に風を吹き込むことから始めればいいのです。
中国の治安状況が悪化すればするほど、中国からの資本撤退という雰囲気が生まれてきます。製造業の日本回帰が起これば、雇用も回復するでしょう(その前に偽装請負などという違法行為を経団連の会長が率先してやるような仕組みを改めなくてはいけないが)。
未だに中国の無限の可能性とやらを信じている、経団連の媚中派たちも、刃傷沙汰が起きれば少しは目を覚ますはずです。
もちろん、以前の記事で述べたように、中国東北部の再開発に的を絞った経済援助というカードも忘れずにキープしつつ、中朝冷戦の行方を注意深く見つめるべきです。
なにしろ、日本の最大の利点は中・朝・ロいずれの国とも国境を接してないことです。だから、中国を潰すために朝鮮を使い、逆に、朝鮮が強力になりすぎたら中国を使って潰すという、状況に応じた選択ができます。このような立場をオフショア・バランサーといいます。
日本に欠けているのは、オフショア・バランサーとしての地位を自覚し、主体的に働きかける姿勢です。また、戦前の轍を踏まないよう、内陸に権益を持たないことも大切でしょう。
微妙な選択や慎重かつ大胆な行動が求められますが、本当に自分の足で立って歩いていくならそのくらいはできて当然です。それが嫌なら、永遠にアメリカの奴隷に甘んじるしかありません。
要するに、中国東北部、すなわち「満州」の情勢は、20世紀初頭に戻ってしまったということです。いよいよ目が離せなくなってきましたね・・・。