笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

「守り人」シリーズ 読了  ~ファンタジーを母国語で読めることのありがたさをしみじみと。。

2017年05月05日 13時29分38秒 | 読書

NHKの「精霊の守り人」を観ていて「原作読みたいなぁ~」と、妹に話したところ、
「実は全作品持っているのだ!」
「大ファンなのだ!」
「ぜひ読んでみてくれろ!」
と、なんと連休前にどかんと送られてきましたですよ(^_^;)
全10冊、高々と積まれたその姿を数日眺めていたのですが「よし 行くぞ!」と読み始めたのが4月の下旬。
なにしろ各350ページはある本が10冊、さすがに連休中に読み切れません。で、2週間ほどかけて本日読了いたしました。

書籍上の分類は「児童文学」「ファンタジー」なのでしょうが、侮るなかれ。骨太の、大木(たいぼく)のような物語でございます。でも読んでいて私が一番「うれしい」と感じられたのは、一言

「母国語で読めるファンタジー」だったこと。

お恥ずかしながら、ファンタジー=洋物(翻訳もの)、というイメージしかなかった私には、正直「原作だし、とりあえず読んどこうか」程度の認識しかありませんでした(ファンの皆さま、ごめんなさい)。ががが、読んでいるうちに、翻訳もの独特の息苦しさを感じないことに気が付いたのです。

自分の肌感覚で読み進めることが出来る。
言葉使いや表現に、同じ匂い、同じ空気を共有できている感じがする。

「指輪物語」や「ハリー・ポッター」を読んだのとは別な感覚。
ファンタジーは読み手の(作者の)日常生活と切り離して成立しないものなのだ、と私なりに思えた瞬間でした。
母国語でファンタジーを読める、これこそ一気呵成に物語を読み進められた理由に違いありません。

ちなみに、テレビではテレビ作品として原作の世界観を大切にしつつバルサを中心に物語が構成されていて、原作での人物の配置を大きく変えている部分がかなりあります。最後のシーズン作品で、どんな構成・回収でくるのか楽しみでもあります。

原作最後の3部作である「天と地の守り人」ではチャグム王子の成長ぶりがどっしりと描かれています。
私が一番気に入ったのは、2部の第4章「ホイ(捨て荷)」のくだり。これは第1章の「護衛の知恵」「ティカ・ウル(逆さ狩り)」を見事に受けた部分で、しかも物語後半の超重要な部分です。「なんなの、これわ!」。この流れ、鳥肌モノでございましょう。。
あと「闇の守り人」。これはハンカチ携帯でお読みくださいませ。主人公バルサの故郷を描いた物語です。シリーズ全編を通してですが、バルサの故郷カンバルに対する作者の並々ならぬ愛情はこの作品以外にも随所に感じられます。
そして読了後に必ず読んで欲しいな、と感じたのが「天と地の守り人」最後の作者のあとがき「天と地の狭間で」。作者の想いが凝縮されています。

それにしても、「うわぁ~ 読んだ、読んだぁぁぁ」感120%の守り人シリーズ。
今年の連休も、体力勝負の1週間でしたわ。
妹からはさっそく「獣の奏者 エリン」を読まぬか? と問い合わせがありましたが

妹よ、すまぬ。来年じゃ。。。

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