里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

“天女花”を求めて

2011年06月27日 | 花 木
〔登山ルート〕
2日目(6月25日)、出 発。

あれほど降った雨も一夜にして奇跡的に上がり、講師2名を含め総勢17名で喜び勇んで出発。 
車中で猿政山の山頂へ“天女”に逢いに行くと明かされ、大いに湧いた!
吾妻山の南を西に向かい、右折して一旦432号線に出る。
王居山トンネルを出ると直ぐに右折。
110号線(奥出雲高野線)に入って約10分走り、林道毛無俵原線との分岐で下車。
林道毛無俵原線。

林道毛無俵原線一帯は民有林で、アサヒビールの持ち山もあるそうだ。
当日も林道脇では杉の木の間伐が行われており、大きな重機が動いていた。
仕事の邪魔にならないように、緩い勾配の林道を約40分ひた歩く。
登山口到着。

登山口と言っても標識は無く、初めて行った人には絶対に分らない場所だ。
しかも、土が崩れている崖上の際を通らなくてはならないので、特に疲れて下山して来る時には注意が必要だ。
登山口から見た東方の遠景。

登山口から、今やって来た方角(東方)をふり返ると、遠くに吾妻山などが見える。
吾妻山の山頂から見た林道毛無俵原線。

吾妻山の山頂から見ると、猿政山の山腹で所々に土が露出しているのが林道毛無俵原線だ。
今回の登山は、画像の左(南)の広島県側から尾根伝いに登る比較的楽なルートだが、画像右の島根県側から登るルートは幾つもロープ場がある難コースだそうだ。
登山開始。
登山道には踏み後はあるものの、全ルートが腰までのチシマザサに覆われている尾根だ。
民間が所有する山だけに下刈りなどが行き届いていない為に、疲れてくると足に絡んで困ってしまう。
さほど急な登山道ではないが、尾根の幅は相当狭くて両側の谷が深いので、両側の樹木が無ければ結構恐ろしそうな感じだ。
このルート一番の難所。

ロープが張ってあるこのルート一番の難所だが、精々50mほどで大した事はない。
しかし、万一の転落や落石に備えて、一人ずつ登った。
島根県側からの登山ルートとの合流点。

女性が指差している右側が島根県側からの登山道で、左側には嘗て広島県側からの別の登山道があったらしいが、現在は登山禁止とされている為にササなどが繁って跡形もない。。
島根県側からの登山道。
覗いてみると、ササなどに覆われてよく見えないが相当な急峻のようだ。
同行した人の話では「3歩登って2歩ズリ落ちる」ほどで2度と上りたくないルートだそうだ。
又、ネットで検索すると、ここから島根県側に下りる積りが誤って広島県側に下りてしまったせいで、2時間もロスしたグループも居るらしい。
油断するとルートを見失うほどのブッシュだ。
山 頂。

分岐からは緩やかな登りで、約15分で標高
1267.7mの山頂に到着した。
山頂には一等三角点があり、

次のような歌詞の、地元の湯川小学校の校歌も掲げられていた。
  
  「さるまさ山やかんのせの
   清い自然に抱かれて
   友と手をとり学ぶ時
   広い心が湧いてくる
   ああ、われらは湯川小学生」
昼 食。

見通しが悪く狭い山頂で、島根県側からの先客5名に、我々17名が加わると座る場所も無い。
オマケに先客達は山頂で料理をして飲むのが恒例だそうで、その賑やかさに圧倒され、つい
「広島県側へ下りるな」と忠告するのを忘れてしまった!

食事が済むと、いよいよお目当ての“天女花”にご挨拶だ。
山頂から僅かに降りた所で、人の背丈も無い低い木に、良い香りのする白い花が僅かに
うつむき加減に咲いていた。 モクレン科にしては小さな花で、ハスの形をしている。

その気品のある姿ゆえに天女花とか森の貴婦人とも呼ばれているだけに、この花を見
る為に島根県側からロープを伝いながら何時間もかけて登って来る人も多いそうだ。
それだけ珍しくて魅力のある花だった!




オオヤマレンゲ、大山蓮華(モクレン科、モクレン属)、別名:深山蓮華、天女花
本州中部以西で、山野の落葉樹林内などに自生する落葉低木。 樹高は3~5m。
葉は互生し葉柄がある。 広倒卵形で先端は急に尖っていて、鋸歯はない。
花期は5~7月で、径が約10cmの白い花を、横向き又はうつむき加減に咲かせる。
〔名前の由来〕
奈良県の大峰山に自生し、花の形が蓮に似ている事から大山蓮華と名づけられた。


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