林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

子供時代に読んだ本(ホームズの「赤毛連盟」)

2011年02月24日 | 教養英語
最近、子供の時に子供向け翻訳で読んだ読み物を、原文で読み返してみようと思っている。今日は休日だったので、コナンドルの『シャロック・ホームズの冒険』から名作として名高い「赤毛同盟」(1891年)を散歩がてらにドーナツ屋さんで読んでみた。

子供の時には、子供向けリライトのためか短編と長編の区別すらもつかなかったが、原文を見てみると確かに短編なのだなと思う。文庫本サイズの小さな本(しかしちょっとおしゃれな本である)なのに、立っの30ページくらいしかない。英語もかなり容易なのに驚く。これではハリー・ポッターよりもやさしいだろう。

有名なストーリーなのでさすがに何十年たっても忘れはしない。しかし、ストーリーにかかわらない細部が興味深く思えてくる。例えば、イタリア音楽やフランス音楽ではなくてドイツ音楽の方が趣味に合っていると行ったホームズの発言である。ホームズは、ベートーベンが好きだったのかそれともワーグナー(1813年から1883年)が好きだったのか。(この作品が発表されたのは1891年なので、ドイツ文化に対する反発がなかったということなのだろうか。第一次世界大戦前夜であれば、ホームズにドイツ音楽が好きだ等とは言わせなかったのだろうか)。

あるいは、この短編の最後でホームズが、フローベール(1821~1880年)がジョルジュ・サンド(1804~1876年)に出した手紙の言葉を引用している点が面白い。(「人間、それは何でもない。業績こそが全てだ」といった内容の1文)。もちろん、フランス語は英語に翻訳されていない。当時のイギリス人読者は、当然簡単なフランス語くらいは理解できるという前提があったのだろう。また、彼らにとって一世代前のフランス文学は、イギリス人読書人の教養としてみなされていたのであろう。

なお、この小説は Podcast でも無料で聞くことができる。

ホームズの次には、ジャック・ロンドンの犬関係の小説を読んだり聴いたりしたいものだ。

追加
今日、平成23年2月25日(金)だが、私が小学校三年生の頃に感激した『白い牙』が届いた。 ただし、日本語の文章を書いたのは、この本の人とは異なる。おそらく、たかしよいち か誰かによるものだった。

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