林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

高校中級英語の課題と落とし穴

2009年12月14日 | 英語学習
さあ、いよいよというか、遅ればせながら、中級英語について書く。

さて、中級英語課程というのは、実に危険な落とし穴がある。というのは、かなり多くの高校生がこの落とし穴にはまり込んでしまって気がつかないからだ。今回はそのことについて説明する。

私は、以前、中級英語の課題について次のように書いた。「センター試験の英語の問題で150ー160点(ほぼ8割)くらい取れるレベルになることが大きな課題です。もちろん英検2級に合格できるレベルです。大学入試といえば、日大や神奈川大学のような中堅大学にもう少しで合格できるような水準ではないかと思います」。(「英語の初級、中級、上級」2009年11月03日)

私の中級英語の課題の定義は、ごくごく当たり前のものである。多くの受験生や教師も似たような感覚を持っていると思う。そして、センター試験でいえば、70-120点(200点満点)くらいの高校生は、中級英語をしっかりと学ぶべきであると考えていることだろう。だが、それが間違いの元なのかもしれないのだ。というのは、中級英語過程の学習資格があるかどうか、センター試験の成績では正確には測ることが出来ないからである!


センター試験100点前後の生徒には、どうやら二通りのケースが考えられるようだ。一つは、英文法の基礎力がほとんど無いのにもかかわらず、ある種のトレーニングで100点「も」点数を稼ぎ出してしまう場合である。もう一つの場合は、英文法の基礎は一通りできるのだが、語彙力が欠如していたり長文問題演習が不足しているために、100点しか取れない場合である。後者は、まさしく中級課程の生徒である。だが前者の場合は、仮にセンター試験で6割(120点)取れたとしても、中級英語課程の学習資格は全然無い。


実に不思議なことだが、英文法の基礎力が全くなくても、英単語を一生懸命に覚え、長文演習をこなしていけば、記号記入式の試験(e.g. センター試験、英検)ではある程度まで点数を確保できてしまえるようだ。つまり、センター試験で5割までは得点できるかもしれないのである。だが、それ以上は全く期待できないだろう。

たとえば、有る受験生は、高校三年の春の段階で立教大学のD判定を得ていた。だが、“Who did you call?”と“Who called you?”の区別すら出来なかったのだ。つまり、中学レベルの基本文型がまだ分かっていない段階だ。これはヒドイ。

同様に、今、当塾で頑張っているS君の場合も、昨年センターで100点くらいとれていたのだ。しかし、中一レベルの英文法から徹底的な再復習する必要があった。(現在は英文法力を身につけ、170-180点前後までとれるようなりました、念のため)

要するに、文法の基礎力が全くなくても、単語の意味が分かり、長文演習を重ねていけば、誤魔化しである程度までは点数を取れるのである。だがそれではダメなのだ。裏返せば、確かな文法力を基礎に、語彙力と長文読解力をみにつけていくこと。これこそが、中級英語の課題ということになる。


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