りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

大人って、何だ?

2013-01-14 | Weblog
今朝、目覚めにテレビのスイッチを入れたら、「はなまるマーケット」に
作家の伊集院静氏がゲスト出演していた。

めったにテレビに出ない氏なので、“珍しいこともあるもんだなぁ”と寝ぼけ眼で
ぼんやり見ていたのだけど、案の定、新刊発売の宣伝を兼ねての出演だったようだ。

氏が話す言葉は、寡黙な作家が多い中では比較的流暢で快活なのだが、それでも
終始うつむき加減で、どことなく居心地が悪そうに見えなくもなかった。

そんなちょっとちぐはぐした空気が流れていたトークコーナーも終盤を迎え、司会の
やっくんがそんな氏に対して最後の質問を投げかけた。

「伊集院さんにとって、大人って何ですか?」

それまで“どうしてオレがこんな朝早くからテレビに出なきゃいけないんだよ”的な
空気を出し続けていた氏は、その質問を受けた途端、瞬時に顔をあげ、両眼で司会の
やっくんをまっすぐに見据えて、こう言った。

「まずひとつは、自分の言動に責任を持てること。それからもうひとつは・・・
自分以外のために生きる、ということでしょう」

こんなことを言ったら失礼極まりないのかもしれないが、別段珍しい言葉ではないと
思う。今までも言葉尻は違えど様々な人が様々な場所で定義してきたことだと思う。
しかしベストセラーの「大人の流儀」を著した伊集院氏が口にすると、必要以上に
説得力があるような気がするのは、ボクだけだろうか。

ひるがえって、自分自身はどうか?

家族を持っている手前、また紛いなりにも毎日仕事をしている手前、たしかにもう
ボクも自分のためだけに生きているのではないのだと思う。
でも、完全にそうだ!と言い切れる自信がないのは、どうしてなのだろう。

手前みそながら、このブログに関しても、今まで様々な事柄について書いてきたが、
その根底にあるテーマというかネックになっているのは、「いったい、大人って、
何んなんだ?」というような気がしている。
5年もブログをやってきて、いまだ明確な答えが書けないということは、一朝一夕で
見つかるようなものではないのかもしれない。

・・・そういえば今日は、成人の日だった。

そうか。だから朝っぱらから「大人の流儀」の伊集院氏がテレビに出ていたのか。
なるほど。

ボクが成人式に出たのは、もう23年も前だ。
わざわざ成人式に出るためだけに、訳のわからんブランドのスーツをローンで
買って、式典会場に向かった。
中身は空っぽだったけど、身に纏っている服さえ良ければすべて大丈夫だと、
本気で思っていたのだろう。

かわいいとかバカを通り越えて、哀れ過ぎる20歳だった(笑)

それから倍以上の年月が過ぎただけど、自分があの頃より大人になったような気が
あまりしていない。
もちろん、それは感覚的なものであって、冷静に考えれば、自信も周囲も、あの頃より
大きく変わって、それでもちゃんと生きているのだから、おそらくそんなことはないの
だろうけど。
きっと、これからもこんな葛藤や迷いを振り子のように抱えつつ、それらと上手く
付き合いながら、生きてゆくことになるのだろう。

敢えて言うなら、それが今のボクが考える“大人”ということなのかもしれない。
コメント (6)
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