goo blog サービス終了のお知らせ 

新宿機動部隊(将棋)

社団戦出場チーム「新宿機動部隊」のブログ。

「西川流振り飛車 居飛車穴熊破り」西川和弘・著

2011-05-08 11:45:18 | 将棋本


角道を止めない振り飛車全盛の中、先手でも後手でも昔ながらの序盤から、天敵・居飛車穴熊を攻略する戦術書です。

「先手三間飛車」「後手矢倉流中飛車」「相穴熊」の3章立て。いずれも細かい変化まで詳述され(詰みまでの局面も)、ためになる内容です。振り飛車の定跡書はともすると簡単に「これにて振り飛車良し」という結論が示されていることも多い気がしますが、本書は「振り飛車が指せるが居飛車穴熊は堅く実戦的には大変」など、プロの感覚をきちんと落とし込まれているところも非常に参考になります。


「広瀬流四間飛車穴熊勝局集」広瀬王位・著

2011-04-14 22:36:55 | 将棋本


振り穴王子の勝局50局を収録。王位タイトルの獲得に至った羽生名人との挑戦者決定戦、深浦王位との七番勝負など、実に大きな勝負を詳細に解説している、中身の濃い一冊です。

王位戦を戦っている最中に広瀬王位と話す機会がありましたが、深浦王位が広瀬挑戦者(当時)の振り穴を正面から叩こうとしている空気を感じていたそうです。そうした状況の下で指された棋譜を改めて眺めると、より深い意味を読みとれる気がします。

「久保の石田流」久保利明・著

2011-03-23 20:02:44 | 将棋本

現時点での石田流を集大成している意味合いはありますが、最先端を網羅しているわけではないので、不満は多いです。この時期に出すのであれば、棋王戦第1局の久保・渡辺戦を元にした研究も入っていてしかるべき。「最新の石田流」の章にもっとページを割いて欲しかったです。

 

 


「中原誠名局集」中原誠・著

2011-02-28 22:06:41 | 将棋本

妙手▲5七銀の出た第37期名人戦第4局などの歴史に残る名局もさりながら、そのまま定跡というような将棋(第16期竜王戦2組・対三浦戦など)もあり、並べると勉強になること請け合い。

とはいえ、独特の大局観に支えられた構想は、なかなか素人に真似のできることではないと思いました。芸、です。


「乱戦! 相横歩取り」北島忠雄・著

2011-02-24 22:08:06 | 将棋本

アマチュアの間で今、本当に人気があるのかどうかは知りませんが、確かに大会で見かけることもあります。昔、「羽生の頭脳」の結論を村山聖が覆したりしていた時代に時分でも指したことはありますが、今では怖くて指せないですね。しかし細かな変化が記され、それを追っているだけでも楽しめます。

▲4六角△2七角▲4八金には△3八歩、だそうです。


「豊島将之の定跡研究」豊島将之・著

2011-01-27 21:41:46 | 将棋本

王将戦挑戦中の豊島六段による定跡最新型の解説書。

後手が戦型の選択権を持つ現在で、先手番がどのように戦うか、というテーマに絞ったとのことで、これは今では当然とはいえ定跡書としてはユニークな視点だと思います。
後手側の戦型は「ゴキゲン中飛車」「一手損角換わり」「横歩取り8五飛」「横歩取り8五飛5二玉」「角換わり腰掛け銀」と、現時点で課題が多く、「将棋世界」誌の「イメ読み」で取り上げられるようなテーマばかり。

良い本ですが、図面の数に対してテキストが少なめに思えるので、それぞれのテーマを研究している人であればともかく、そうでない読者には少しわかりづらいように思います。