妻の下あごを無理矢理押し上げて口を閉じさせて
ゴックンが上手くいった時は、
「いい方法を見つけた!」
と思ったが、翌日からはまた元に戻ってしまった。
一食の中でも良い時と悪い時があって、
しっかりゴックンするときもあれば、舌をベチャベチャさせて
飲み込むまでに時間がかかるときもあったり、口を閉じないので
食べ物がそのまま残っているのが見えたりするときもある。
専門家によれば、車椅子の傾きも、食べ物のとろみ具合も、一口の量も
本人の体調により、毎日、「最適」が変わるという。
しかし、「最適」を毎日把握するなんて、
とても・・・デキナイ。
☆ 目が覚めると妻の足元で眠っていた。
零時になろうとしていた。
眠い。
このまま眠れたら気持ちが良いのに・・なんて10分程
ぐずぐずして、ようやく起き上がる。
それから口腔ケアを済ませ、ベッドに移動して
胃瘻のチューブをはずし、パット交換が終わって
ようやく毛布を掛ける。
台所に行って、口腔ケアで使った歯ブラシ類を洗い、
胃瘻のチューブやボトルを消毒液に浸す。
食器が山のようになっているけど明日にしよう。
妻のベッド脇に薄っぺらなマットを敷いて
ようやく横になる。
そして、容量が小さくなった膀胱のせいで
3時間足らずで目が覚める・・・。
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