風の中でダンス

なんでもない毎日をちょっとメモしてみる。

真相

2007年12月05日 | Weblog
このタイトルの本はミステリを代表にたくさんあるけれど、これは
ディープインパクトの背中を最も知る池江調教助手の回顧本。
厩舎に来てから引退するまでの日々を追っている。過去の担当馬・
マックィーンやステイゴールドのエピソードもある。
ディープがターフを去ってもうすぐ一年。月並みだけれどこの一年は
わたしには張り合いがなかった。レースのたびここにディープがいたら
などと思ってしまうのはわれながら往生際が悪いと思いつつ・・。

仕事とは言いながらディープとの二年はまさに苦楽の二年だったよう。
しかし味わいたくても味わえない日々を過ごしたことはホースマン冥利
に尽きるに違いない。
驚いたのはダービー後の菊に向けての特訓で走らなくなったこと、知ら
なかった!もちろん陣営は隠していた・・というよりあもてに出さなかっ
たというのだ。長距離に向けて我慢を教えたのが裏目にでたらしい・・。
しかし休み明けのトライアル神戸新聞杯を楽勝して本番では走ることが
わかって・・大泣きはそのせいもあったのだったか。

そして併走すると相手に合わせて走ってしまうので一気に抜き去らねば
ならなかったこと(これはトークショーでも聞いたけれど)

ディープインパクトとともに暮らしその走りを身近で見た人のはなしは
面白い。そしてついほろりとしてしまう部分も多い。
凱旋門失格の内容にはほとんど触れられていなかったが(実はこの真相を
一番知りたかった)無事に競走馬生活を送ることの大変さが一層わかる。
有馬で実際に引退するまでオーナーは気を変えてくれるのではないかと
願っていたらしい・・私もその一人だった。

もうひとつ知りたいのは早い時期に他陣営の調教師さんが「あの馬の欠点
はわかっている。勝つ勝算はある・・」と言っていたその欠点だ。
それは妄想だったか?

何にしても稀有な存在だったディープ
一年たった今、そのファンタステックな走りをディープはもう夢のなかでしか
思い出さないのか・・・?

コメント
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