今日の女王サマ

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武士の一分

2007年01月02日 | 映画&本&音楽&TV

封切から1カ月を経て、やっと観てきました『武士の一分』。

かなり前から劇場では予告編が流れていたので、私には待ちかねた作品です。山田洋次監督の藤沢周平作品としては3作目で、一応これが区切りらしい。私としては、主役にキムタクを持ってこなくても絶対に観に行った映画です。

前の2作品と比べると、自然の風景が極端に少ない。全編セット撮影なんです。ロケなし。ここは是非、庄内のすばらしい自然を映画にも取り入れて欲しかったなあ。

物語は毒見役を務める三村新之丞(キムタク)が貝毒で失明し、そこから始まる不幸と再起が描かれます。こう書くとアッサリし過ぎなのですが、中心となるのは夫婦愛。お互いを心底思いやる台詞に胸がジンとなります。

妻役の檀れいが、慎ましく、ひたすら夫を愛するという役柄にピッタリ。貧しく地味な生活をしているのに、凛とした佇まいが美しい。

中間(ちゅうげん)の徳平を演じた笹野高史と、檀れい、それにキムタクの3人でかもし出す雰囲気が、この映画を成功させたのは確か。

振り返れば、『たそがれ清兵衛』に出ていた中間は少々オツムの弱い男であったし、この『武士の一分』では新之丞の伯母から「もう死んだと思ってた」と言われるぐらいの年寄りで、使用人を見ただけでも裕福ではない下級武士の生活がよ~っくわかります。

禄高ですが、たそがれ清兵衛さんは50石取り、三村新之丞は30石だそうです。新之丞さんより清兵衛さんの方が貧乏に見えるのは、妻のいない侘しさと妻の病気の際に作った借金のせいなのでしょうなぁ。

『武士の一分』では、キムタクももちろん良かったけど、檀れいや笹野高史の一挙手一投足が生み出す雰囲気に、あ~充実した2時間だったと思えたのです。



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