今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

精神病院のない国-イタリア

2011年07月29日 | 映画&本&音楽&TV
実話の映画化です。 『人生、ここにあり!』

イタリアにはバザリア法というのがあり、国内の精神病院は1978年から次々と閉鎖されたのだそうです。じゃあ、患者さんたちをどうしたかというと、一般社会で生活させるため地域に戻したんですって。映画に出てくるのは地域にも戻れず、病院付属の協同組合に集められた元患者たち。


ここへやってきたのが、他の組合をクビになったネッロ。
元患者たちは慈善活動をしながら、薬の過剰投与で無気力に過ごすだけ。ネッロは彼らに仕事で稼ぐことの素晴らしさを知ってもらおうと事業を興すのです。それが寄木での床張り。芸術的な感性を持つ彼らの仕事は大成功し、それとともに人生の喜びとも言える家庭、愛、性にも目覚める。ECの助成金で娼婦を買いに行くBefore-Afterが笑えます。行く前はガチガチに緊張、帰りは歌も出る賑やかさ。お金の使い道をハッキリさせるため、娼婦に社会保障番号を尋ねるあたりもおかしい。

恋に落ちた1人の若者が、相手の女性との行き違いで自殺してしまうという悲劇はありますが(この場面では映画館中の人たちが息をのみました)、組合員たち自らが立ち上がり、自信喪失して去って行ったネッロを迎えに行くのです。

元患者さんたちを演じるのは日本では(イタリアでも?)無名の俳優ばかり。だがオーディションに1年かけたというだけあって実力派ばかりです。

館内にはモデルとなったノンチェッロ協同組合の写真が展示されていました。

時計は刃物を使わずレーザーカッターで作成したのだそうです。       こちらの写真↑、一番右の男性がネッロのモデルとなったジョルジェッティさん。

最近は置き場所に困るのでパンフレットは買わないのですが、久々に「買ってもいいな」と思った映画でした。


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