レコ路地/2009.0211〜

吉祥寺、下北、新宿辺りの中古レコを玩味。

散歩と物探しと暇つぶしを兼ねた三位一体の娯楽です。

ザ・ビートルズUKシングル盤/Day Tripper

2010年02月28日 | ザ・ビートルズ
「We Can Work It Out」と両A面扱い。なんて贅沢なリリースの仕方。ラバー・ソウルのセッションで生まれた2曲だから、1965年当時のビートルズの創造力のすごさは推して測るべし。単音で潔いギターリフに、ベースがユニゾンでかぶり、リンゴのハイハットが16ビートで重なってくるイントロは、グルーヴの作り方のお手本です。エンディングの「Day Tripper…」を繰り返す部分でのリンゴのドラムのフィルインもノリノリです。演奏することが楽しくて仕方がない、というバンド力が伝わってきます。
もう片面の「We Can Work It Out」(邦題:「恋を抱きしめよう」)はポールの作品だけど、「Life Is Very Short…」の部分はジョンの作、三拍子になるところのアイディアはジョージ、とこれまたビートルズが一杯詰まっています。

1965年12月3日発売。UKオリジナル盤。2880円。(139)

ザ・ビートルズUKシングル盤/I FEEL FINE

2010年02月27日 | ザ・ビートルズ
先日購入したシングル盤をご紹介します。まずは「I FEEL FINE」。
「フィードバック」とか「リフ」とか、ロックの専門用語を覚えたのはこの曲です。フィードバックからそのままなだれ込むイントロがまずクールです。印象的なリンゴのラテンドラム、ジョージのソロからジョンのギターのリフが残り、再びリンゴのドラムがフィルインする絶妙な構成。B面の「She’s A Woman」もまたファンキーな秀作。
この頃から、ビートルズはロックという音楽に「グルーヴ」という概念を取り込みはじめています。明らかに初期のロックロールナンバーとは異なる演奏です。64年10月リリース。2週目に1位になり5週にわたりトップ。

1964年11月27日発売。UKオリジナル盤。3880円。(138)

アイク&ティナ・ターナ/RIVER DEEP - MOUNTAIN HIGH

2010年02月21日 | ザ・ビートルズ
フィル・スペクターの偉業は簡単には語れる分野ではないので極端に端折ってご紹介すれは、ロネッツの「Be My Baby」などに代表されるような奥行きと圧倒的な音圧のある「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる音作りを確立し、60年代の中期までのモノラル時代の一時代をつくりました。日本では大瀧詠一さんや山下達朗さんの作品から、逆流してスペクター・マニアになった人も多いかと思います。
そんなスペクターのレーベル、フィレス・レコードから発売された最後のアルバムがこれです。66年に英国で発売されたのに、米国では69年まで発売されなかった理由な定かではありません。本日遭遇したのは米国盤。恥ずかしながら、全曲通してアナログ盤で聴くのははじめてでしたが、いやいや、うわさ通り素晴らしい作品。かつてジョージ・ハリスンが「冒頭から終わりまで完璧な作品」と称賛していましたが同感。

1969年の作品。USオリジナル盤。1600円。(137)

ザ・ビートルズUK盤/A HARD DAY’S NIGHT

2010年02月20日 | ザ・ビートルズ
「ジャーン~!」ワン・コード一発の分厚い音のかたまりのイントロ、そこから一気にたたみ掛けるような疾走感でジョンのパート、ポールのパート、ジョージのギターソロと続き、意表突くエンディングまでのあっと言う間の2分29秒。映画のシーンと重なって躍動感も一層高まります。日本人だけが楽しめる邦題、「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」も実に素敵。


アルバム全13曲すべてオリジナル。ツアーの移動中やホテルの中でジョンとポールが互いを尊重しつつ共作していた時期の作品群。どれも愛おしい。とりわけジョンの才能があふれ出ている時期で、ジョンの声やメロディからにじみ出てくる「切なさ」は唯一無二です。4人の息がぴたりあった演奏力は、ライブ・バンド、ビートルズのすごさも改めて認識させられます。

1964年の作品。UKオリジナル盤(MAT-3N/-3N)。7,700円。(136)

カーペンターズ/Ticket to Ride

2010年02月14日 | ザ・ビートルズ
カーペンターズの作品はUS盤で集めようと(70年から73年までの5タイトル)と思い立ち早2年ほど経ちました。
ところが意外と質盤がよい品が見つからず難航。で、昨日、やっとデビューアルバムに出会いました。本来は『オファリング』と題されて1969年にリリースされたアルバムです。ファーストプレスはジャケも異なります。1970年に現行のタイトルとなり再リリース。ビートルズの「涙の乗車券」をバラード風にアレンジし、これがなかなかの出来栄え。ジョンが作曲した際に個人的に意図していたスタイルに近いのではないかと思います。
このあとにリリースされる「Close to You (遙かなる影)」からは、バート・バカラックやポール・ウィリアムスなど楽曲の取り上げ方も工夫され世界へ一気に駆け上ります。

1970年の作品。USオリジナル盤。2100円。(135)

ザ・ビートルズUK盤/ラバー・ソウル

2010年02月13日 | ザ・ビートルズ
ビートルズのUKオリジナルLPは全12作品(「マジカル・ミステリー・ツアー」を除く)。この作品ちょうど真ん中、6枚目のアルバムとなります。ターニング・ポイントにあってジョンとポールの才能が絶妙なバランスでブレンドされている超傑作。
ジョンは「ノルウェーの森」「イン・マイ・ライフ」など内省的な名作を書き、ポールは「ドライブ・マイカー」でロックに向かい、ジョージはインド風なメロディを書き初め(さらに2曲枠をもらい)、リンゴは大好きなカントリーをのびのびと歌っています。王者ビートルズらしい風格の漂う1枚。


ビーチボーイズの最高傑作「ペット・サウンズ」もこのアルバムにインスパイアされて生まれたし、とにかく僕はこのアルバムを「無人島にもっていく1枚」に選んでたぶん後悔しないと思います。
購入したUK盤はいわゆるラウド・カットとよばれている初回プレス盤。音がでっかいだけでなく、ベースの音圧が圧倒的で、ドラムも生音に近い臨場感があります。

1966年の作品。UKオリジナル盤(MAT-1/-1)。29,400円の10%引き。(134)

ジョー・コッカーUS盤/スティングレイ

2010年02月11日 | ザ・ビートルズ
あ、安い・・。580円。USオリジナル盤、発見。
ジョー・コッカーが「スタッフ」のメンバーを配して、ジャマイカで作成した1枚。フュージョン・ブームの一翼を担った「スタッフ」のメンバーが単なる軟弱なスタジオミュージシャンの集合体でないことを強く認識させてくれた1枚です。ここにクリストファー・パーカー(dr)がいれば、もっと完璧なグルーヴが出ていたはず。それだけは本当に残念。
エリック・クラプトンも参加していたりで、スワンプ&ブルース・ファンと若いフュージョン・ファン、そして60年代初期からソウル・フリークが一緒になってわいわい楽しめる名盤です。今回手に入れたUS盤は、国内盤(写真後方)より音が圧倒的にいいです。
このアルバムは廃盤となっていて現在CDにおいては1万円前後でオークションされているようなので、どうぞゆっくりとアナログ盤をお探しください。

1976年の作品。USオリジナル盤。850円。(133)


ジョン・レノンUK盤/ロックン・ロール

2010年02月07日 | ザ・ビートルズ
聴き比べも兼ねて2枚同時購入しました。2枚ともUK盤ですが、右はオリジナル盤(MAT-1U/-3U)。左はmfp盤です。このアルバムの魅力をあえて挙げれば、まずは、取り上げた曲の素晴らしさ。ジーン・ヴィンセント、ベン・E・キング、リトル・リチャード、チャック・ベリー 、ファッツ・ドミノ 、 バディ・ホリー 、サム・クック 、ラリー・ウィリアムズらこのヒット曲をジョンが歌っているということ。実にもったいない話。
UKオリジナル盤の方がこんなにも安かった理由はジャケ右上が破れているためです。
このアルバムのもう一つの魅力はジャケットの素晴らしさです。この写真はビートルズがデビュー前、1961年のハンブルク・ツアーの際に撮影したもので、ジョンの前を横切る影はポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、スチュアート・サトクリフ。タイムマシンがあればぜひ行きたい場所です。

1975年の作品。右が800円。左が2100円。右はUKオリジナル盤(MAT-1U/-3U)。800円。(132)

モンギート・サンタマリア/Hey Sister!

2010年02月06日 | ザ・ビートルズ
ラテン・ジャズ×ブーガルーのグルーヴがたっぷり。野太いベースラインが心地よく鳴っています。
モンギート・サンタマリアの父は、当代随一のコンガの名手として知られるパーカッショニスト、モンゴ・サンタマリア。有能な父を持つとその作品は必ず比較されますが、そこは育った時代も異なる親子。モンギートはジャズ、ソウルなどと融合した新しいテイストを作り出しています。アルバム全曲捨て曲なしの名盤となっています。

1969年の作品。1200円。ベネゼエラ盤。MONO。(131)