レコ路地/2009.0211〜

吉祥寺、下北、新宿辺りの中古レコを玩味。

散歩と物探しと暇つぶしを兼ねた三位一体の娯楽です。

ジョージ・ハリスンUK盤/All Things Must Pass(その2)

2010年12月31日 | ザ・ビートルズ
シールド開封です。今年最後のターンテーブル上に乗ったのはジョージのアルバム。



A面の1曲目「I'd Have You Anytime」の静かな幕開けから、2曲目の「My Sweet Lord」、3曲目「Wah-Wah」ときて、4曲目の「Isn't It A Pity (Version One)」と、まさにロックの金字塔と言わしめる曲が次々と流れてきます。アナログのニューセンチュリー・エディション盤ではこのあとにオリジナル盤にはない5曲目「I Live For You」がありますが、まったく違和感がなくむしろA面としては完成度を高めた感じとなっています。音質もすばらしい。またCDとは曲の並びが異なるところもアナログ盤の聴きどころです。


A面からF面までジョージらしさが満載の作品。このアルバムが年越しにこんなぴったりだったとは、新たな発見です。

すべては移り変わってゆく
すべては過ぎ去っていく
All Things Must Pass・・・大晦日です。皆様、よいお年をお迎え下さい。

ジョージ・ハリスンUK盤/All Things Must Pass<No.220>

2010年12月30日 | ザ・ビートルズ


今年の誕生日プレゼントに頂いた未開封盤です。
このニューセンチュリー・エディションが発売されたのは2001年1月。ですから、なんと、もう発売から10年経ってしまったわけです。ちなみにオリジナルアルバムが1970年に発売されてから40年が経ちました。明日の大晦日はこれを聴きながら2010年の年越し。

2011年の年明けをしたいと思います。(220)

ビートルズUK盤の総括(その4)

2010年12月26日 | ザ・ビートルズ
今年は僕がビートルズと出会って40年目となります。僕の中のビートルズを総括する意味でUKオリジナル盤を体系的に購入しました。今回は後期~ラスト・アルバムまでの3枚です。

◆Let It Be 1970年(stereo) MAT:-2U/-2U



映画「LET IT BE」のフィルムは、1月2日のトゥイッケナム・スタジオの凍えそうな映像から始まり、1月30日のサビルロウのアップルビルのルーフトップ・コンサートで幕を閉じます。最後のシーンは何度見ても過酷。極寒の野外演奏です。にもかかわらず、彼らはこの録音・撮影を余裕の笑顔で完璧に決めています。すごい。結局、この録音の最終オーバーダビングは翌年70年1月まで続き、その間に「アビーロード」が69年8月にリリースされ、70年5月に発売となったわけです。迷い悩み、どのアルバムより時間をかけて熟成された作品、と僕は位置づけています。何かと批判の多いスペクター・サウンドですが、オーバーダビングされたオーケストラも臆することなく美しく鳴っていています。UK盤のルーフ・トップ収録の3曲はどれも骨太の音。そういうわけで、今年は「発売40周年」。これを聴きながら年末を過ごします。

◆Abbey Road 1969年(stereo) MAT:-2/-1


4人がビートルズであることの信念の演奏が聴けます。「終わりの時」を悟った最後ならではの結束力が静かに伝わってきます。
録音は69年7月1日から8月20日。その1カ月後にはほぼ世界同時発売となりました。信じられない勢いで最後の1枚を作り上げ、ビートルズ最後の夏は終わりました。そして、ジャケットが象徴するように4人はアビーロードから離れ、2度と集まることはなかったわけです。

◆The Beatles 1968年(mono)MAT:-1/-1/-1/-1 (stereo) MAT:-1/-1/-2/-1



通称、「ホワイト・アルバム」の特徴は「モノラル盤」と「ステレオ盤」で多くのミックス違いの曲が存在すること。このことから本盤は「2枚組全30曲」という枠組みで聴くのではなく、「4枚組全60曲」として楽しむことができるわけです。
ジャケットはお馴染みのインパクトのある「真っ白け」。そこにシリアル・ナンバーを入れることで世界に1枚だけのアルバムとなっています。このアイデアは今でも十分に通用しています。中身は歌詞付きの大型ポスター、4人のポートレート(白い保護紙付き)。モノとステレオの違いは、ジャケ裏の右肩に小さくスタンプされ「Stereo」の文字だけ。
音質はモノ、ステレオ、どちらもすばらしい。特にこのアルバムのリンゴのドラムの荒れ具合はパンク的でかっこいい。ポールのベースもゴリゴリで跳ねています。「録音は4人それぞれの時間が多かった」というクリス・トーマスの証言。ビートルズがビートルズを壊して前に進もうとしている変容の過程をとらえたこれぞザ・ビートルズ・ネイキッドです。


ビートルズUK盤の総括(その3)

2010年12月25日 | ザ・ビートルズ
メリー・クリスマス。今年はビートルズと出会って40年目となります。僕の中のビートルズを総括する意味でUKオリジナル盤を体系的に集めてみました。現在、総括をアップ中。今回は中期の最高傑作期に当たる4枚です。


◆Sgt.Peppers Lonely Hearts Club Band(mono)/1967年.MAT:-1/-1


60年代のロックの金字塔。「ロックを文化的・芸術にまで高めたアルバム」という当時の評価通りその楽曲への創造的なアプローチは40余年過ぎてもなおすばらしいです。また、この時期の4人のバンド力は既に熟成期に達しており、演奏力も隙のない完成度です。さらにジョージ・マーティンのアレンジ等のサポートも冴えまくっています。精神的に羽化したビートルズが混沌に向かう60年代後期という時代に作り上げた傑作。オリジナルの内袋やカットアウトの付属品も魅力。

◆ A Collection Of Beatles Oldies(mono)/1966年:MAT-1G/-1G


全16曲中、オリジナルアルバム未収録の11枚のシングル盤が聴ける、まさにベスト・オブ・ベスト盤。当時、お金のない中学生には「これしかない」という1枚でした。発売時期が「リボルバー」と「サージェント」の狭間であり、自ら初期の作品を「古きよきもの」と価値づけているところが単なるベスト盤ではないことを感じさせます。未CD化ですが正真正銘のオリジナル盤です。ここでしか聴けない名演「BAD BOY」も貴重なのでMONOとSTEREOを購入しました。

◆ Revolve(mono)/1966年.MAT:-2/-2


本作品こそビートルズの最高傑作だと確信している人は多いのではないかと思います。ド頭の「Taxman」のベース音に(お~!)と声を上げ、B面最後のTomorrow Never Knows」まで隙なし。また、「Revolver」が制作された1966年という年はビートルズにとって極めて重要な年でした。ジョンの「ビートルズはキリストより有名である」 と発言は社会問題となり、そんな中、本作のレコーディングが行なわれ、その後の日本公演~サンフランシスコ公演はビートルズ最後のワールド・ツアーとなり、さらにジョンはヨーコと運命的な出会いがありました。ロック史上革命的な1枚です。


ビートルズUK盤の総括(その2)

2010年12月23日 | ザ・ビートルズ
今年はビートルズと出会って40年目となります。僕の中のビートルズを総括する意味でUKオリジナル盤を体系的に集めてみました。現在、総括をアップ中。今回は初期の後半に当たる2枚です。

◆ Rubber Soul(mono)/1966年.MAT:-1/-1


UKファーストプレス(mono)はいわゆるラウド・カット。音圧が圧倒的で臨場感があります。ビートルズのUKオリジナルLPは全12作品(「マジカル・ミステリー・ツアー」を除く)。の中で6作目のアルバムとなります。ターニング・ポイントにあってジョンとポールの才能が絶妙なバランスでブレンドされている超傑作。ジョンは「ノルウェーの森」「イン・マイ・ライフ」など内省的な名作を書き、ポールは「ドライブ・マイカー」でロックの新世界に向かい、ジョージはインド風なメロディを書き初め、リンゴは大好きなカントリーをのびのびと歌っています。僕はこのアルバムを「無人島にもっていく1枚」に選んで後悔なし。

◆Help(mono)/1965年.MAT:-2/-2


このアルバムを初聴したのは中学校1年の時。「4人はアイドル」という邦題が付けられていたこと、映画から流用した簡易なジャケットのせいもあってかまだまだ「アイドルグループ」として聴いていました。しかしながらそれは大きな間違いで、この時期こそ彼らの曲作りは大きく変化しており、サウンドは内省的でヘビーな作品となっています。実はこのアルバムで彼らは「脱アイドル宣言」をしていたとも解釈できます。
このアルバムの4ヶ月後にリリースされる「RUBBER SOUL」のプロローグとしての位置づけにあることにも気付きます。

◆Beatles For Sale(mono)1964年.MAT:-4N/-3N


1964年、アメリカ・ツアーとイギリス・ツアーの合間に断続的に録音されており、14曲中6曲がカバー曲となっています。ジョンの成長が見られる作品、様々なカバー曲、さらにはハンブルク時代からレパートリーが混ざり合って独特な印象のアルバムとなっています。「クリスマス・シーズン」に出たアルバムとしては「当たり前ではない」アプローチとなっていて、ビートルズらしいな、と感心します。また、同時期のシングル、「I Feel Fine/She’s A Woman」の出来栄えも加味すれば、この時期にビートルズが4人だけで出せるグルーヴを色々と試していた時期であることが分かります。


ビートルズUK盤の総括 (その1)

2010年12月18日 | ザ・ビートルズ
今年は僕がビートルズと出会って40年になりました。総括する意味で今年購入したUKオリジナル盤をご紹介しま1 す。まずは初期の3枚のLPから振り返ってみます。

◆A Hard Day’s Night(mono) 1964年.MAT:-3N/-3N。

「ジャーン~!」。ワン・コード一発の分厚い音のかたまりのイントロ、そこから一気にたたみ掛けるような疾走感でジョンのパート、ポールのパート、ジョージのギターソロと続き、意表突くエンディングまでのあっと言う間の2分29秒。映画のシーンと重なって躍動感も一層高まります。日本人だけが楽しめる「ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ!」という邦題も実に素敵。アルバム全13曲すべてオリジナル。ツアーの移動中やホテルの中でジョンとポールが互いを尊重しつつ共作していた時期の作品群。とりわけジョンの才能があふれ出ている時期で、ジョンの声やメロディからにじみ出てくる「切なさ」は唯一無二です。4人の息がぴたり合っていた時期の傑作。

◆With The Beatles(mono) 1963年.MAT:-1N/-1N。


「クールな4人」を印象づけるジャケはオリジナルアルバムの中でも最高峰。さらに針を落とした瞬間の「It Won’t Be Long」の瞬発力は凄まじい。このアルバムが録音された63年8月までは「キャバーン・クラブ」でのライブが行われていたわけですから、ビートルズの等身大の音がギュッと詰まった1枚と言えます。また、ここで取り上げた6曲のロックンロール、R&B、モータウン、ガール・グループなどのカバー曲が、どれも実にビートルズらしい。これは本当に元気で楽しい時代のビートルズを味わえるご機嫌な1枚です。

◆Please Please Me(mono) 1963年.MAT:-1N/-1N。


1963年2月11日、12時間足らずで録音されたデビュー・アルバム。初期のビートルズの「たくましさ」をみごとにとらえられた1枚です。当時のアビーロードの録音スタッフは、こんな若造相手によくぞここまでいい仕事をやってくれました。以下、マーク・ルーイスンのデータから要約。
『スタジオに入りして12時間経った夜10時過ぎに最後の曲「Twist And Shout」が録音された。喉をつぶす寸前だったジョンは喉飴を口に放り込みミルクでうがいをすると、上半身裸になりワンテイクを全霊で歌い上げた。コントロール・ルームにいたスタッフ達もこのひたむきな演奏に魅了された。』まさにジョンの奇跡的なカリスマ性を知る貴重なエピソードです。ビートルズファンならば持っていたいゴールド・レーベルを入手しました。

ビートルズUKシングル/Can't Buy Me Love

2010年12月04日 | ザ・ビートルズ
ポールの手による初期の傑作。64年には英米両国でシングルカットされチャート1位に輝いています。
64年頃はまだまだジョンの才能が圧倒的にビートルズを牽引していた時代ですから、ポールとしては大いに自信をつけたことでしょう。


しかしながら、B面ではジョンが「You Can Do That」でガツンと聴かせてくれます。ジョンに比べるとポールはまだまだ青い印象。いずれにせよ文句なしのA面/B面。ド迫力のシングル。

1964年の作品。UKオリジナル盤。2100円。(219)