とにかくストーリーに興味があった。舞台は日本軍占領下の上海と香港。日中戦争だけでなく、中国人同士の内戦をも描いている点にますますそそられた。それなのに、この作品には全く戦闘シーンが登場しなかったので、更に感服していた。
二人の立場がまるで違う男に愛される女スパイ(タン・ウェイ)の繊細な心の揺れが程よい加減に綺麗に描かれている。何よりもタン・ウェイとトニー・レオンのセックスシーンには驚嘆した。今まで見た映画の中で最高に長いセックスシーンではないだろうか。
アクロバットのようにフレキシブルに流れ、無数に変化する体位から放つエロスは耽美と退廃に溢れている。少女のように熟し切れないが、それでいて貪欲な性への好奇心に挑む新人女優タン・ウェイ。そこに、ベテランのトニー・レオンが果敢にもタンの若い肉体を弄び、熟練した男の性戯の喜びを教え尽くす。
トニー・レオンは綺麗ごとでは仕事しない稀有な男優なので、私はこんなトニーが大好きだ。ここまで、自分をさらけ出し、のめり込んで演じる俳優魂。というよりも、トニーの根底にある俳優哲学を叩き込まれたようで、頭が下がった。久しぶりに起承転結のあるセックスシーンの激しさと美しさと素晴らしさを満喫した。
終盤になって、なぜこの作品には戦闘シーンが登場しないのかが、やっと理解できた。性のタブーに触れた「ブロークバックマウンテン」を世に送り出したアン・リー監督だからこそ、実は日中戦争を背景に、戦争は戦争でも普遍的な「女と男の愛という戦争」を描きたかったのかもしれない。
監督アン・リー
出演トニー・レオン、王力宏(ワン・リーホン)、タン・ウェイ
シャンテ シネ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開中
二人の立場がまるで違う男に愛される女スパイ(タン・ウェイ)の繊細な心の揺れが程よい加減に綺麗に描かれている。何よりもタン・ウェイとトニー・レオンのセックスシーンには驚嘆した。今まで見た映画の中で最高に長いセックスシーンではないだろうか。
アクロバットのようにフレキシブルに流れ、無数に変化する体位から放つエロスは耽美と退廃に溢れている。少女のように熟し切れないが、それでいて貪欲な性への好奇心に挑む新人女優タン・ウェイ。そこに、ベテランのトニー・レオンが果敢にもタンの若い肉体を弄び、熟練した男の性戯の喜びを教え尽くす。
トニー・レオンは綺麗ごとでは仕事しない稀有な男優なので、私はこんなトニーが大好きだ。ここまで、自分をさらけ出し、のめり込んで演じる俳優魂。というよりも、トニーの根底にある俳優哲学を叩き込まれたようで、頭が下がった。久しぶりに起承転結のあるセックスシーンの激しさと美しさと素晴らしさを満喫した。
終盤になって、なぜこの作品には戦闘シーンが登場しないのかが、やっと理解できた。性のタブーに触れた「ブロークバックマウンテン」を世に送り出したアン・リー監督だからこそ、実は日中戦争を背景に、戦争は戦争でも普遍的な「女と男の愛という戦争」を描きたかったのかもしれない。
監督アン・リー
出演トニー・レオン、王力宏(ワン・リーホン)、タン・ウェイ
シャンテ シネ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開中
私の予想に反して女性客が多かったです。レディース・デーでもないのに・・・ですよ。
色々な意味で考えさせられる内容でしたが、マリリンさんの「女と男の愛という戦争を描きたかった」という考えを読んで、「あぁ、そっか~。」といやに納得した私です。
<私の大きな勘違い>
日本語のタイトルから、英語のタイトルを「Last Caution」だと思いこんでいたので、最後のあれがそのままタイトルになったのかと、軽く考えていたんです。
まさか「Lust, Caution」だったとは・・・。
中国語のタイトルの意味も昨日教えてもらったのですが、ダブルミーニングだったのですね。何でもカタカナのタイトルに訳すのは考え物ですね。
(勘違いした私が悪いのですが・・・。)
*アメリカでのこの映画はN17(nudity)に指定されていますが、日本はR18。日本版は6シーンカットされたそう。アメリカ版はどんななのでしょう?
グレース読んでくださってありがとうです!
雪の中、ラストコーションを見に行ってくれたんですね。
凄い衝撃的な映画でしょ?私は、スタンリー・キューブリック遺作「アイズワイドシャット」もダブりましたよ。
それにしても、トニー・レオンはすんばらしい。タン・ウエイちゃんも、相手がトニー・レオンだからここまで魅力的に演じることができたんでしょうね。
あ、それと、タイトル。さすが、さんちゃん。おっしゃるとおり、「Lust, Caution」ですね。私も最初「Last, Caution」で最後の警告だとばかり思っていましたが、宣伝部の方からこれは「色、戒」と中国名があるように、Lustは「情欲」でCautionには「警告」だけでなく、「戒め」という意味もあるそうですね。
アメリカのノーカット版は、もっと凄いセックスシーンがあったのでは。機会があれば見たいですね。
しかし、この作品は女性が見ても、ちっともいやらしくない。やはり、これって、アン・リー監督の才能なんでしょうか?
書き込みありがとうございました(*^^)v