明日3日(土)から公開の面白い映画が2本ある。
【ダウト】
1本目はレイ・リオッタ主演の「ダウト」。このタイプの映画のストーリーの基本は芥川龍之介の傑作「藪の中」である。登場する証言者たちの誰が本当のことを言っているのか全くわからない。これは、かなり綿密でクレバーな脚本でないと、茶番になってしまう傾向があるが、「ダウト」は類似作品の「ユージュアルサスペクツ」や「閉ざされた森」よりも、ちょっとだけ質が落ちてしまうものの、それでも十分にサスペンス色が濃くて楽しめた作品だ。
「ダウト」の面白さは、最後まで、嫌疑をかけられる地方検事補女性、ジョリーン・ブレイロックが謎のベールで包まれている点だ。主役のレイ・リオッタを本当に愛していたのかさえ、微妙に見えるくらいな悪女的な粋なエンディングにはうなってしまった。そして、印象的なのが犯行の鍵を握るレンタルビデオショップのシーン。エロチックでミステリアスでドキッとした。リピートされるたびに、ジョリーン・ブレイロックが悪女に見えたり、聖女に見えたりしてとても面白かった。
こういった謎解き映画は演じる俳優たちが「善」と「悪」のコントラストを巧妙に使い分けないと成功しない。主人公のレイ・リオッタですら、もしかたら共犯なのかも知れないと臭わせる彼の演技も圧巻だった。
私はレイ・リオッタは「フィールド・オブ・ドリームス」で好きになった。「不法侵入」も良かった。彼はイケメンとは思えないが、どこかミステリアスでマニッシュでエキセントリックな魅力が一杯つまった男優だと思う。どうしてもレイが出演する映画は見たくなる。不思議。
監督:ウェイン・ビーチ
出演:レイ・リオッタ、LL・クール・J/メキー・ファイファー、ジョリーン・ブレイロック、ガイ・トーリー、テイ・ディグス、キウェテル・イジョフォー、ブルース・マッギル他
2005年/アメリカ映画/配給:アートポート
【蒼き狼 地果て海尽きるまで】
壮大なスケール、最高の製作額という謳い文句には飽き飽きしていた私なので、モンゴル建国800周年記念イベントとして、チンギス・ハーンの映画が来ると聞いてもあまりピンとこなかった。
しかし、試写を見て本当に良かったと思った。予想外にいい映画だったのだ。
確かに壮大なスケールではあるのだが、ストーリーが実にシンプルで屁理屈がない。まるで、NHKの大河ドラマを見ているように、長時間の上映でありながらも、無駄のないストーリーの展開に全く退屈しなかった。
壮大スケールであるのだが、凝りに凝ったような派手で無駄な場面も少なく、これもまた実にシンプルなシークエンスの数々だと思った。ストーリーも映像も全てがシンプルに展開されるにも関わらず、なぜか物語の中にスーッと引き込まれてしまう魅力は、やはり澤井信一郎監督の持つ感性と才能なのではないかと思った。
反町隆史演じるチンギス・ハーンも見事。まさか反町君とチンギス・ハーンがこれほどマッチしていたなんて、と驚きだった。
チンギス・ハーンって歴史上の英雄として、その名前だけが轟いてはいるが、実際はどんな人物だったかを私は知らなかった。この作品で、私はモンゴルがいかにして統一されたかを知り、チンギス・ハーンの思いもかけない私生活まで踏み込めた。
そして、競馬エッセイストでもある私をグッと魅了させたのは、何千頭ものモンゴル馬の登場だった。かつてモンゴル馬は戦場で戦い、人間の争いの道具だった。つまりモンゴル馬の歴史こそ、モンゴルのチンギス・ハーンの歴史と言っても過言ではないだろうか。この映画に登場するたくさんのモンゴル馬たちの颯爽とした姿を見るのも、またこの作品の楽しさを倍増させてくれた。俳優人ともども、モンゴル馬たちにも頭が下がった。
監督:澤井信一郎
製作:角川春樹 / 千葉龍平
原作:森村誠一
脚本:中島丈博 / 丸山昇一
キャスト
反町隆史
菊川怜
若村麻由美
Ara
松山ケンイチ
袴田吉彦
松方弘樹
津川雅彦
他
【ダウト】
1本目はレイ・リオッタ主演の「ダウト」。このタイプの映画のストーリーの基本は芥川龍之介の傑作「藪の中」である。登場する証言者たちの誰が本当のことを言っているのか全くわからない。これは、かなり綿密でクレバーな脚本でないと、茶番になってしまう傾向があるが、「ダウト」は類似作品の「ユージュアルサスペクツ」や「閉ざされた森」よりも、ちょっとだけ質が落ちてしまうものの、それでも十分にサスペンス色が濃くて楽しめた作品だ。
「ダウト」の面白さは、最後まで、嫌疑をかけられる地方検事補女性、ジョリーン・ブレイロックが謎のベールで包まれている点だ。主役のレイ・リオッタを本当に愛していたのかさえ、微妙に見えるくらいな悪女的な粋なエンディングにはうなってしまった。そして、印象的なのが犯行の鍵を握るレンタルビデオショップのシーン。エロチックでミステリアスでドキッとした。リピートされるたびに、ジョリーン・ブレイロックが悪女に見えたり、聖女に見えたりしてとても面白かった。
こういった謎解き映画は演じる俳優たちが「善」と「悪」のコントラストを巧妙に使い分けないと成功しない。主人公のレイ・リオッタですら、もしかたら共犯なのかも知れないと臭わせる彼の演技も圧巻だった。
私はレイ・リオッタは「フィールド・オブ・ドリームス」で好きになった。「不法侵入」も良かった。彼はイケメンとは思えないが、どこかミステリアスでマニッシュでエキセントリックな魅力が一杯つまった男優だと思う。どうしてもレイが出演する映画は見たくなる。不思議。
監督:ウェイン・ビーチ
出演:レイ・リオッタ、LL・クール・J/メキー・ファイファー、ジョリーン・ブレイロック、ガイ・トーリー、テイ・ディグス、キウェテル・イジョフォー、ブルース・マッギル他
2005年/アメリカ映画/配給:アートポート
【蒼き狼 地果て海尽きるまで】
壮大なスケール、最高の製作額という謳い文句には飽き飽きしていた私なので、モンゴル建国800周年記念イベントとして、チンギス・ハーンの映画が来ると聞いてもあまりピンとこなかった。
しかし、試写を見て本当に良かったと思った。予想外にいい映画だったのだ。
確かに壮大なスケールではあるのだが、ストーリーが実にシンプルで屁理屈がない。まるで、NHKの大河ドラマを見ているように、長時間の上映でありながらも、無駄のないストーリーの展開に全く退屈しなかった。
壮大スケールであるのだが、凝りに凝ったような派手で無駄な場面も少なく、これもまた実にシンプルなシークエンスの数々だと思った。ストーリーも映像も全てがシンプルに展開されるにも関わらず、なぜか物語の中にスーッと引き込まれてしまう魅力は、やはり澤井信一郎監督の持つ感性と才能なのではないかと思った。
反町隆史演じるチンギス・ハーンも見事。まさか反町君とチンギス・ハーンがこれほどマッチしていたなんて、と驚きだった。
チンギス・ハーンって歴史上の英雄として、その名前だけが轟いてはいるが、実際はどんな人物だったかを私は知らなかった。この作品で、私はモンゴルがいかにして統一されたかを知り、チンギス・ハーンの思いもかけない私生活まで踏み込めた。
そして、競馬エッセイストでもある私をグッと魅了させたのは、何千頭ものモンゴル馬の登場だった。かつてモンゴル馬は戦場で戦い、人間の争いの道具だった。つまりモンゴル馬の歴史こそ、モンゴルのチンギス・ハーンの歴史と言っても過言ではないだろうか。この映画に登場するたくさんのモンゴル馬たちの颯爽とした姿を見るのも、またこの作品の楽しさを倍増させてくれた。俳優人ともども、モンゴル馬たちにも頭が下がった。
監督:澤井信一郎
製作:角川春樹 / 千葉龍平
原作:森村誠一
脚本:中島丈博 / 丸山昇一
キャスト
反町隆史
菊川怜
若村麻由美
Ara
松山ケンイチ
袴田吉彦
松方弘樹
津川雅彦
他
本当にお世話になっております!
その小さな身体のどこにそんなパワーが!?
といつもびっくりさせらておりますが、
これからも身体に気を付けて、
不肖の弟子をお導きくださいませ!
今安い発泡ビール飲み始めたから、余計に顔が赤いのかも。アハ!
本当に応援コメントありがとう!昨日の夜「キサラギ」の完成披露試写に行きましたよね。確かに、マリリンのお弟子さんの言うように、小栗旬はかっこよかったね。「花より男子」の時とはちょっと違う役だったけど。ユースケサンタマリア、小出恵介、塚地君、香川照彦さんのス晴らしい密室芸に堪能しましたよ。凄く面白かったです!大笑いです。
夏公開なんで、これも必見ですよね。
じゃ、じゃ、小さい体でもパワフルなんで、人はマリリンを別名「アラレちゃん」とも言っています。
いい映画との出会い、発掘に頑張っていきましょうね!