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マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2009年01月17日 | 映画
 

 俳優の特殊メイクが功を奏した作品で記憶に新しいのは、シャーリーズ・セロンが醜い殺人鬼役でオスカーを受賞した「モンスター」だった。

 しかし、私はどうもこの作品は好きではなかった。ストーリーも平板なものであったし、殺人を繰り返してしまう主人公のモチーフが浅く、哀感も安っぽいものだった。もし、シャーリーズ・セロンにオスカーを与えるのなら、ニュージーランドの女流監督ニキ・カーロの作品「スタンドアップ」の主役が一番適切だったような気がする。

 そして、今回の「ベンジャミン・バトン」で、ブラット・ピットが特殊メイクに挑戦した。80歳で生まれ、どんどんと若返っていく数奇な運命の男・ベンジャミン・バトンの役である。

 序盤は、特殊メイクでシワシワのおじーさんになったブラピを、面白おかしく見てはいたものの、中盤になってからはそれが全く気にならなくなっていた。特殊メイクだけで作品を成功させようとする、あざとい意図や狙いがないことを確信したのだ。

 というのも、大ベストセラー「グレート・ギャツピー」や「雨の朝、パリに死す」を生んだ作家・F・スコット・フィッツジェラルドの原作が基盤になっているからだろう。原作が優れていると、同時に脚本も優れてくる。これこそ良作の宿命なのである。

 人は生まれ、寿命で死んでいく。これが人間の逆らえない運命である。しかし、すでに寿命に達した年齢で生まれ、時代に逆行しながら若返っていくことの残酷さと悲しさを考えて欲しい。自分の愛する恋人も友達も、自分が若くなればなるほど、年をとってしまい、乖離していく。地球の中で、ぽつりと放り出されてしまった孤独な男の悲哀をブラット・ピットは見事に演じていた。

 1980年にロバート・デ・ニーロが、27キロも体重を増やして挑んだボクサー役の「レイジングブル」という傑作があったが、今回のブラピの終盤の演技に、形は違えども、私はデ・ニーロを重ねていた。

 1月28日に、この作品でブラッド・ピットと監督のデビット・フィンチャーが来日する。この作品への熱い思いが存分に聞けそうだ。

ベンジャミン・バトン公式サイト


監督: デビッド・フィンチャー
出演: ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、タラジ・ヘンソン、イライアス・コティーズ、ジェイソン・フレミング
2008年/アメリカ/167分
配給: ワーナー・ブラザース映画
2009年 2月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショ

パッセンジャーズ

2008年12月27日 | 映画
 

 「彼女を見ればわかること」「美しい人」で、ロドリゴ・ガルシア監督の虜になった私だ。

 この2作は、女性の深層心理を見事に抉り出した超エクセレントなオムニバス映画だった。2作品に共通して出演するホリー・ハンター、グレン・グローズが演じた女性たちの孤独感は、どの作品にも比類がなく、従来の女性映画に奇跡が起きたと言っても過言ではない。

 ロドリゴ監督のお父上は、コロンビアのノーベル文学賞作家・ガルシア・マルケスだ。今から30年前、アジア・アフリカ作家会議の事務局員をしていた時、ガルシア・マルケスに出会った。「百年の孤独」は難解ながらも一生懸命に読んだ。

 ロドリゴ監督にも、お父上の血が流れているのだろう。映像作家として、確かに父上のガルシア・マルケスを踏襲している。

 彼の次作が来年の3月公開予定の「パッセンジャーズ」である。私は初めてオムニバス映画ではない、ロドリゴ監督の長編作の試写を見た。

 飛行機事故で奇跡的に生き残った5人の乗客。その心をケアするセラピスト役がアン・ハサウェイ。

 もうこの先は書かない。書いてしまったら、この作品を見る楽しみも意義もなくなってしまう。

 ただ一言。見終えた後、この作品もまた、まさに映画に奇跡が起こったような崇高なる人間の「運命」の物語だと、感じるだろう。

 アン・ハサウェイの一皮むけた演技、脇に回った「ブロードウェイと銃弾」でオスカー女優に輝いたダイアン・ウィーストの不気味な演技。この新旧名女優の繊細な熱演に息をも呑む。

 今年見た試写全作品の中で、震えるほど大感動し、いつまでも余韻に浸れる稀有な1本になってくれた。

 

 パッセンジャーズ公式サイト

 2009年3月公開予定

配給 ショウゲート

監督 : ロドリゴ・ガルシア
出演 : アン・ハサウェイ 、 ダイアン・ウィースト、パトリック・ウィルソン 、 デヴィッド・モース 、 クレア・デュバル




ワールド・オブ・ライズ

2008年12月07日 | 映画
「ブラッドダイヤモンド」から早1年。またも硬派なレオナルド・ディカプリオが戻ってきた。

ディカプリオ演じるのがCIAの機密スパイ。世界破壊を企てる爆破テロ組織のリーダーをとっ捕まえるのが彼の任務である。

中東のイライラ戦争(イランイラク戦争)、イラク戦争、アラブ問題が背景なので、よく勉強していないと難解な点が多々あった。見終えた後に資料を引っ張り出して、アラブ・パレスチナ、アルカイダの歴史などを勉強させてもらった。映画の醍醐味である。

アメリカの巧妙なテロ組織への撲滅方法が開発されると、即座にテロ組織はそれを阻止するための巧妙な方法を作り出す。

新ウィルスが発見されると、新しい抗生物質が開発されるのと似ている。テロとの戦いはこうやって永久に続いていくのだろうか。

『ワールド・オブ・ライズ』が、従来のテロ問題を扱った作品と一線を画している点が2点あった。

1つは、いかなる巧妙なハイテクノロジーやインターネットテクノロジーを駆使しても、結果、それに立ち向かう方法が、いともあっけなく単純でアナログであったというパラドックス。

2つ目は、タイトルの通り、キーワードは「嘘」なのだが、この程度の丁々発止の「嘘」合戦はそれほど興奮しなかった。が、しかし、結末が予想をはるかに越え、思いがけないドンデン返しに驚嘆した。これは、黒人大統領のオバマさんが登場するのを見込んで作られたのだろうか?アメリカ寄りではない、実に新鮮で斬新なラストだった。

スクリーンに爆裂するディカプリオのアクションさながら、、電話一本だけで命令を下すCIAのベテラン局員を演じる、ちょっとおでぶになったラッセル・クロウのシニカルな演技も、実にいい。

冴えたリドリー・スコット監督のディレクトで、今度こそ、ディカプリオ君、悲願のオスカー像を手にいれてくれればなぁ!


ワールド・オブ・ライズ公式サイト

監督 : リドリー・スコット
原作 : デイビッド・イグネイシアス
脚本 : ウィリアム・モナハン
出演 : レオナルド・ディカプリオ 、 ラッセル・クロウ 、 マーク・ストロング 、 ゴルシフテ・ファラハニ

公開は12月20日

エレジー

2008年12月03日 | 映画
辛い女友達の思い出が甦った。

彼女は30歳の時、勤務先の上司と不倫していた。その蜜月は5年も続いたが、ある日、いともあっけなく、その関係は破綻した。彼女は乳がんに侵され、右乳房を失った。不倫相手の男は、彼女の病気を見舞うことなく、妻の下に戻った。

彼女は女体のシンボルと愛人を1度に失っていた。彼女を捨てた男が今でも憎くてたまらないが、夫を奪われた妻の傷ついた気持ちを考えると、これで良かったのかもしれないとも思った。

いずれにしても、男の身勝手さが産んだ男と女のエレジー(哀歌)であった。

 映画「エレジー」は全く正反対なので救われる。30歳も年下の女と恋に落ちる初老の演劇評論家の男性。彼はかつて離婚し、医者になった一人息子とギクシャクした関係が続いている。

初老といえ、引きずるものは何もない独身男だ。若く、美しく、綺麗な女と関係を持つことに、何の後ろめたさもない。正々堂々と恋をし、「世界一綺麗な乳房」の女の体を優しく慈しむ。

 後に、この美乳がいつしか医学のメスで破壊されていくとは予想だにしなかっただろう。
 
 だが、しかし、女体のシンボルを失った女は、その代償として、掛け替えのない物を手に入れる。

 心が洗われるようなピュアなラブストーリーであり、芳醇な文学の香りが漂う男と女の愛の物語だ。

 初老の孤独な男を『ガンジー』のベン・キングズレーが、恋人役の絶世の美女をペネロペ・クルスが、官能的かつ知性的に熱演する。フィリップ・ロスの原作を脚本家ニコラス・メイヤーが上品に知的に文学的に料理してくれる。

 消えて行く乳房の思い出にと、ベンはペネロペの豊満な乳房を写真に収める。そのシーンのはかなさと美しさ!うっとりしながらも、悲しくて涙が滲む。

 『エレジー』というタイトルの意味の全てが、このシーンに終結する。



エレジー公式サイト


監督:イザベル・コイシェ
原作:フィリップ・ロス

出演:ペネロペ・クルス ベン・キングズレー

1月中公開予定



「未来を写した子どもたち」

2008年11月16日 | 映画
 
 映画欄に執筆、取材協力している女性誌「GRACE」(世界文化社刊)は12月号をもって、しばらくお休みになります。来年の秋、どこにもないような個性的で洗練された女性誌に生まれ変わりますので、読者の皆様、引き続き、「GRACE」をよろしくお願いいたします。

 豊川悦司さん、竹中直人さんという、日本映画界を代表する、最高に個性的で最高の演技派の俳優さんと共にお仕事ができたことは、私の財産であります。そして、とても有意義な時間を過ごすことができました。

 編集部の清水千佳子さんと一緒に、選りすぐれた作品に出会うまで、妥協を許さず、数百本の試写を見てきました。帰国子女の千佳子さんの英語の能力はハンパじゃなく、彼女のおかげで海外の映画情報は全て網羅することができました。

 何よりも、清水千佳子さんは、気のいい人、ユーモアの分かる人、そして気配りの人でした。時々、お互いの意見がぶつかることもありましたが、そのやり取りは映画を愛するために生まれた純粋なディベートだったのです。

 ご紹介できる作品はたった3本だけでした。ご紹介できなかった作品の中にも、たくさんの傑作、秀作、名作がありました。千佳子さんと私で、心を鬼にして、3本に絞る。候補から漏れた作品にいつも二人で「ごめんなさいね。紹介できなくて。本当にごめんなさい…。」と、心の中で謝っていました。

 そして、読者の方から、「GRACE」の映画欄を参考に映画を見ているというおたよりを頂いた時、千佳子さんと私は感涙にむせびました。

 原稿の最終チェックをしてくださった、副編集長の石川清子さんの多大なお力にも敬服と感謝です。超ベテランの編集者・清子さんのアドバイスのおかげで、私の原稿は、みるみるうちに立体感を帯び、実に説得力のある原稿に生まれ変わるのでした。清子さんは、まろやかで落ち着いていて、いつも笑顔を絶やさず、ちょっと見には若い頃の女優の八千草薫さんに似ています。そして、書き手は名編集者なくして存在しないと思いました。

 映画作りが1つのプロジェクトに向かって、スタッフが一丸となって粉骨砕身努力し、全力投球するものなら、映画欄のページを作ることも全くそれと似ているのかもしれません。いずれにしても、楽しい思い出ばかりです。

 ということで、今回ご紹介する作品は、竹中直人さんも絶賛なさった『未来を写した子供たち』です。12月号の「GRACE」に竹中さんの映画評が載っておりますので、ぜひともご覧ください。

 本作はインドの売春窟に生きる子供たちがテーマです。売春をしなければ生活できない両親を持つ子供たちの境遇は、大ヒットした邦画『闇の子供たち』とダブる所がありますが、唯一違う点は『未来を写した子どもたち』には希望があるということでしょう。
 
 アメリカから訪れた女性写真家・ザナ・ブリキスが、このインドの不遇な子供たちを救うために、ボランティアで写真を教える。カメラを持ち、自由に写真を撮ることで、暗かった子供たちの表情が活き活きとしてくる。

 ファインダーを通して、今ある不遇から脱出し、希望に満ちた自分たちの未来が見えてくる。まさしく、そのタイトルの通り『未来を写した子どもたち』なのです。

 何よりも、写真家・ザナの無償の救済活動は、「同情するよりも行動しろ」と、強く私に教え導いててくれました。

 ぜひともご覧になっていただきたい、感動のドキュメンタリー映画です!!!

  未来を写した子どもたち公式サイト

11月22日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開

監督 : ロス・カウフマン 、 ザナ・ブリスキ
出演 : コーチ 、 アヴィジット 、 シャンティ 、 マニク




「チェ28歳の革命」「チェ39歳別れの手紙」

2008年11月06日 | 映画
エルネストという名前を聞いてもピンと来ない。「チェ」という響きなら、誰もがあのキューバに平和と平等をもたらした革命家ゲバラの顔が鮮明に浮き上がるだろう。

今年度、カンヌ国際映画祭でゲバラを演じたベニチオ・デル・トロが主演男優賞に輝いた待望の「チェ28歳の革命」「チェ39歳別れの手紙」が来春公開される。

私がゲバラに興味を持ったきっかけは、大先輩の作家・戸井十月さんのおかげである。

『ロシナンテの肋 ~チェ・ゲバラの遥かな旅』(集英社) 『カストロ、銅像なき権力者』(新潮社) 『チェ・ゲバラの遥かな旅』(集英社文庫) 『遙かなるゲバラの大地』(新潮社) と、キューバ革命におけるゲバラとカストロについての戸井十月さんのご著書は全て拝読してあったので、この試写を見た時に、ゲバラの世界にすんなりと入っていくことができた。

戸井さんは数年前にキューバに赴き、現在のカストロご本人とも会っている。直接そのエピソードも伺っていたので、なおさらである。

もちろん、プレス原稿「永遠の旅人・ゲバラ」は戸井さんご本人がお書きになっている。当たり前である。戸井十月さんなくして、誰がゲバラを語れようか。

哲学者ジャン・ポール・サルトルは「20世紀で最も完璧な人間」と言った。
ジョン・レノンは「あの頃、世界で一番かっこいい男だった」と言った。そして、今年アルゼンチンのサッカーチームの監督になった、紆余曲折の人生の人、天才サッカープレイヤーだったマラドーナは、自分の体に崇拝するゲバラのタトゥをしているという。

アルゼンチンの裕福な医者の子供として生まれたゲバラが、南米をバイクで旅し、アメリカの裏側である南米の悲惨な状況に遭遇し、後のキューバ革命の原動力となった傑作『モーターサイクルダイアリーズ』が、ゲバラの人生の序章ならば、今回の「チェ28歳の革命」「チェ39歳別れの手紙」は、ゲバラの人生の全てを綿密に描ききっている。

それぞれの上映時間は2時間15分。2作連続すると4時間30分の超大作であるが、スクリーンに展開するゲバラの生き様を追っているうちに、一気に時間がたってしまう。

ゲバラが28歳で革命を起こした時、私は人妻になった。ゲバラが39歳でボリビアで崇高な死を迎えた時、私は二人の小さな子供の母親だった。

ゲバラの人生に比べたら、私の人生など米粒一つみたいな小さなものに過ぎない。が、しかし、ゲバラは時空を超えて、少し老いて少し弱気になっている私に、「自分の理想に向かって生き続けること、人生は永遠の旅であること」を改めて教えてくれたのだ。


素晴らしい魅力の作品だ。


「チェ28歳の革命」「チェ39歳別れの手紙」公式サイト


【監督】スティーヴン・ソダーバーグ
【出演】ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、フランカ・ポテンテ、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ジュリア・オーモンド

2009年新春公開。日劇PLEXほかにて公開

ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢

2008年10月18日 | 映画
 

 リストラにあったり、受験に落ちたり、失恋したりと、人生何もかも上手くいかず自信喪失に陥っている人がいたなら、この作品は「自信回復、滋養強壮」の心の特効薬になってくれるだろう。

 16年ぶりに再演されるミュージカル『コーラスライン』の苛酷なオーディション風景を追ったドキュメンタリー映画だ。全世界から3000人の応募者が集まり、8ヶ月間にわたる最終選考までで、選ばれるのはたった19人だけ。

 約200倍の倍率だ。

 第一審査、第二審査、第三審査の結果発表の冷たさと情け容赦なさ。

「呼ばれた番号の人だけ残って。後の人は帰っていいです」

 この日のためにプロアマ問わずに頑張ってきた応募者たちが、あっさりとオーディション会場から放り出される。さすがにアメリカのショービスはハンパなく厳しい。だからこそ、素晴らしいスターが育つのだと思った。

 不合格になったダンサーたちも、瞬間は絶望で泣き喚くが、必ず彼らは声を揃えて言う。「次に挑戦する」と。打たれても打たれても、挫折することなく、果敢に次に挑戦する不合格者の姿に、勇気が出ること間違いなしだ。

「夢」という、実は異状で抽象的な非現実の曖昧な世界の中で、逞しく「夢」を追い求め、勝ち取る若者たちのパワーにも圧倒される。

 日本からは沖縄出身の高良結香さんが、その夢を実現させた。かなり前の完成披露試写の時に特別ゲストとして出演してくれた。とても小さな女の子だが、巧みなダンスとその声量の力強さに度肝を抜かれた。だからこそ、3000分の19に残れた一人なのだろう。



ブロードウェイ♪ブロードウェイ公式サイト

10月25日より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほかにて全国ロードーショー

監督 ジェイムズ・D・スターン&アダム・デル・デオ

出演  『コーラスライン』のオーディションを受ける人々

「P.S. アイラヴユー」「最後の初恋」

2008年09月29日 | 映画
久しぶりにコテコテのラブロマンスの登場だ。

最近、なんだかやたらアナーキーになり、より男性化しているので、ネチャネチャした、靴にへばりついたチューイングガムみたいなボーイズミートガールズストーリーは、苦手で好みではなくなっていた。が、『P.S.アイラヴユー』と『最後の初恋』だけはめっけもんで、泣けていた。


●『最後の初恋』

 リチャード・ギアとダイアン・レイン共演と聞いて、『運命の女』の続編かなと思ったら、『マジソン郡の橋』と『タイタニック』を足して2で割ったみたいな正真正銘の大人のラブロマンス。主役の女性のダイアン・レインが独身だったら、この物語は単なる茶番で終わっていたが、二人の子持ちだという設定が、よりこのラブロマンスに真実味を加えていた。

 しかし、リチャード・ギアはオッサンになっても、ラブロマンスが似合う。日本ならば、田村正和なのかも…。いずれにしても、リチャード・ギアの色気は健在でホッとしたマリリンだった。


全国で公開中

監督
ジョージ・C・ウルフ

出演
リチャード・ギア
ダイアン・レイン
スコット・グレン
ジェームズ・フランコ


●『P.S. アイラヴユー』

 これも『最後の初恋』以上に、体が溶けるくらいのコテコテのラブストーリー。ただし、恋愛というよりも夫婦の絆と純愛を描いている点で、ラブストーリーのジャンルに入れていいものやら…。

 オープニングでヒラリー・スワンクが夫役のジェラルド・バトラーと夫婦喧嘩するシーンに、「これはいい作品だぞ!」という手ごたえを感じた。やっぱ、予想的中。いい映画は最初の20分で決まる。ヒラリーの母親を演じたキャシー・ベイツのバイプレイが、この作品をなお一層キラ星のごとく輝かせた。


10月18日から公開

監督・脚本
リチャード・ラグラヴェネーズ

出演
ヒラリー・スワンク
ジェラルド・バトラー
ハリー・コニックJr.
ジーナ・ガーション
キャシー・ベイツ


「デトロイト・メタル・シティ」「おくりびと」「パコと魔法の絵本」

2008年09月17日 | 映画
早くも今年の日本映画のベスト3が揃ったような傑作が公開中だ。

『パコと魔法の絵本』

 中島哲也監督ワールドが爆裂。『下妻物語』『嫌われ松子の一生』を超える中島監督の最高傑作だ。コラージュをほどこした独特な映像、奇々怪々たる登場人物のおかしさと切なさ。これこそ喜劇の原点。喜劇の最高の調味料は哀感であるからだ。主演している役所広司と記憶が1日しかもたないパコことアヤカ・ウィルソンちゃんの心温まる交流、画面に目を釘付けにさせてしまうようなストーリーテリングに満ちた破天荒なストーリー。たまらない魅力の作品だ。

【監督】中島哲也
【出演】
役所広司
アヤカ・ウィルソン
妻夫木聡
土屋アンナ
阿部サダヲ
加瀬亮
小池栄子
劇団ひとり
山内圭哉




『おくりびと』

 納棺士という、死体を整えて最高の美しさで棺に納める仕事の存在を世の中に知らしめた。死化粧、旅の仕度を最高の演出で見送る。納棺士を演じる本木雅弘と山崎努のその技は、まさに芸術だった。人間の死の尊厳が深く心に刺さり、それでいてコミカルな要素もある滝田洋二郎郎監督の最高傑作になるだろう。

【監督】滝田洋二郎
【出演】
本木雅弘
広末涼子
余貴美子
吉行和子
笹野高史
山崎努



『デトロイト・メタル・シティ』

 松山ケンイチ大好きな娘と娘のカレシと一緒に見た。映画館にはギャルとギャルオばかり。その中で、未だに骨太メタルババーの私は一人。気弱な根岸君と、デスメタルの権化・ヨハネ・クラウザー・II世を演じ分ける松山ケンイチの巧妙な変わり身の速さにはぶっ飛んだ。「デスノート」のL役といい、松山ケンイチは素晴らしい!!!!
 ラストでアメリカからやって来たメタルゴッドが、「キッス」のボーカル・ジーン・シモンズにもぶったまげた。できれば、メタルゴッドは私の大好きなメタルの帝王、オジー・オズボーンにやってもらいたかった。
 いずれにしても、この3作品の中では一番大笑いした大爆笑メタル映画だった。
 しかし、見終えた後、娘のカレシが「なんか、くだらないんですけど…」という感想を言った時に、張り倒してやろうと思った。骨太メタラーの母を持つ娘のカレシなら、メタルゴッドネスのマリリンの趣向を読めっつーの!!!

【監督】李闘士男
【出演】
松山ケンイチ
加藤ローサ
秋山竜次
細田よしひこ
松雪泰子
鈴木一真
高橋一生
宮崎美子
大倉孝二
岡田義徳
ジーン・シモンズ

マルタのやさしい刺繍

2008年09月07日 | 映画
「夢は見るもの、見せるもの」を座右の銘にしている私に、それを確信させる作品がスイスからやって来た。

『マルタのやさしい刺繍』である。

 夫に先立たれ、生きる希望を失っていた80歳になるマルタは、閉鎖的なスイスの田舎町の因習と闘いながら、親友たちと一緒に念願のランジェリーショップを開店させてしまった。

 スイスの古風な村に、封印されていた女性たちの個性が爆発する。そんな内容のコラムを「GRACE」10月号の映画欄に書きました。

 物語が淡々と優しく流れ、見終えた後に必ず心の隙間を埋めてくれる暖かい映画です。お金やCGを駆使しなくても、いい作品は出来る!!!この作品は全世界の女性たちに感動を与えること間違いなし!です。どうか、ご覧ください。

 また、「今月のご招待」では、北野武監督の新作『アキレスと亀』を扱っております。主演している北野武さんと樋口可南子さんのインタビュー記事の執筆をなさったフリー編集者兼ライターの清水千佳子さんの奥行きのある取材と優しい視点で描かれた文章も圧巻です!

 合わせてお楽しみいただけると幸いです!


マルタのやさしい刺繍公式サイト

監督: ベティナ・オベルリ
出演: シュテファニー・グラーザー
   ハイジ・マリア・グリョスナー
   アンネマリー・デュリンガー
   モニカ・グブザー

10月シネスィッチ銀座ほか、全国順次ロードーショー

秋深き

2008年08月28日 | 映画
 

11月公開予定の作品なので、ちょっと早いかなと思ったけれど、舞台が尼崎の園田競馬場ということもあって、競馬ライターとしての視点から、どうしても感想を書きたくなった。


 昭和の文豪・織田作之助の短編、「秋深き」と「競馬」が原作の浪花の夫婦の純愛を描いた心温まる作品だ。

 主役の教師の夫役が八嶋智人、病気を患う妻役がサトエリちゃんこと、佐藤江梨子。ストーリーは男女が出会い、結婚するまでが、優しく穏やかに流れる。


 33歳で夭折した作家、オダサクの原点「夫婦善哉」が甦る。そこに今では、衰退しつつある地方競馬・園田競馬場が絶妙に絡んでくる。


 私は園田競馬場に行ったことがないが、浪花の夫婦の純愛と園田競馬場がこんなにピッタリと合っていることに、唸っていた。

 病気の妻の名前は一代(かずよ)。夫は妻の病気を治すためにお金が必要だ。そこで、園田競馬場の馬券売り場で、一代だから「1-4」の馬単馬券だけを毎レース買い続ける。競馬好きなら、この気持ちが手に取るようにわかるだろう。

 プレスによると、園田競馬場が積極的に撮影に協力してくれたとあったので、これも競馬ライターの私にはうれしかった。

 この映画の重要なシーンは全て園田競馬場に終結するからだ。

 同じくプレスにプロデューサーの寺田環さんの興味深いコメントが載っている。撮影で一番苦労した点はという質問に、

「ストーリーの大事な要素の1つとなっていたのが、競馬場で「1-4」の馬がくることでした。ただ、園田競馬場はそもそも馬場のつくりで1が来る確率が低いという統計があり、撮影中に1-4の馬が勝利することは全く期待できないことだったので、低予算ながらもCG処理を行う覚悟でした。撮影中は、スタッフのみならず、八嶋さん、佐藤浩市さんまでが1ー4の馬券を毎回自腹で買い、祈りを込め、毎レースを見守る様子が見られました。そして、撮休の日もレースの撮影をするためにだけ競馬場に何度も足を運んだスタッフの苦労の甲斐があり、なんと1-4の馬の勝利をリアルに捉えることに成功。苦労した池田組が一致団結する大きなきっかけになりました」


 監督が、俳優陣が、スタッフが、一丸になって本物の嘘偽りないレースの1-4の馬券を買い続けていたことに、私は涙腺がゆるんでいた。1-4が来なければ、このシーンはつまらないCGで処理されていたからだ。

「競馬はCG処理じゃ、迫力ないよ。本物のレースをそのまま撮ってくれないと、競馬じゃないよ」

 そんな気持ちで1番4番の馬が走ってくれたようで、なおさら感無量になってしまった。



公開は11月予定。「秋深き」に感動したたくさんの映画ファンが「1-4」の馬単馬券を買いに園田競馬に訪れてくれたら、それもまた素晴らしいことである。


秋深き公式サイト

11月シネマスクエアーにて公開

主演:八嶋智人 佐藤江梨子
   赤井英和 渋谷天外 山田スミ子 佐藤浩市 他

監督:池田敏春
原作:織田作之助





わが教え子、ヒトラー

2008年08月23日 | 映画
 

 とっさに思い浮かべた作品が、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』とロベルト・ベニーニ監督主演の『ライフ・イズ・ビューティフル』だった。

 ともに、おろかな戦争を痛烈なユーモアとアイロニーでぶった切った傑作だからだ。

『わが教え子、ヒトラー』も全く同じタイプの作品である。そのタイトルに、内容は硬派で真面目、厳然としたナチズム批判だと誰もが想像してしまうだろう。ましてやプレスやリリースに挿入されている写真など見ると、これから見る人は身構えてしまい、二の足を踏んでしまうかもしれない。

 宣伝部の方に、「喜劇なのにどうしてこんな硬いプレスリリースを作ったのか?もっと軽いプレスにすればよかったのに」と、大きなお世話だが、サジェストしていた。


 そのくらい、この作品は全くの喜劇でお笑いなのである。

 ヒトラー政権が連合軍の侵攻により、衰退の一途を辿っていた1944年12月。この頃、ヒトラーは負け戦を前に自信喪失に陥っていた。その自信を取り戻させるために、ドイツ軍は収容所にいたユダヤ人の俳優を使い、ヒトラーのセラピスト役の命令を下すのだ。

 全くのフィクションだが、この発想の面白さに度肝を抜かれた。スクリーンの中で、私は初めて気弱でボロボロになった鬱のヒトラーの姿を見たからだ。

 もう、それだけで痛快な喜劇である。ヒトラーという独裁者の裏面を描いたシニカルな喜劇である。ドイツ軍人たちが出会うたびに手を上げて「ハイル、ヒトラー」というあの有名な挨拶を茶化すシーンには、カンラカンラ大笑いしてしまった。


 「情けないヒトラー。それを励ますのがユダヤ人」
 
 これこそ、ホロコーストへの最大なる皮肉だ。

 ユダヤ人の俳優を演じたのがウルリッヒ・ミューエ 。『善き人のためのソナタ』で素晴らしい演技をしてくれた男優だ。しかし、悲しいことに、彼は、『善き人のためのソナタ』の後にガンを患い、『わが教え子、ヒトラー』が、遺作となってしまった。実に惜しい。

 そんな意味も含めて、今年見た作品の中で、私のベスト10に入ってくれそうな力作だ。
  
わが教え子、ヒトラー公式サイト

監督・脚本
ダニー・レヴィ

出演
ウルリッヒ・ミューエ
ヘルゲ・シュナイダー
シルヴェスター・グロート


2008年9月6日(土)公開
ル・シネマにて公開
[2007独/アルバトロス・フィルム]
上映時間:95分

キャメロン・ディアスは絶世の美女だった!

2008年08月05日 | 映画
 締め切り原稿を抱えていたけど、キャメロン・ディアスの来日記者会見に行ってしまった。

 『ダークナイト』のクリスチャン・ベール、『カンフー・パンダ』のジャック・ブラックに続き、ビッグスターの到来だった。明日は、『レッドクリフ』で、大好きなトニー・レオンと金城武、ジョン・ウー監督の来日会見があるけど、悔しいが、これには行けない。18日には、『幸せの1ページ』でジョディ・フォスターも来日する。この作品はファンタジーであり、荒唐無稽なアドベンチャーだが、神経質な作家をジョデイが楽しそうに演じていたのが印象的だ。『リトルミスサンシャイン』で初アカデミー候補になった子役のアビゲイル・プレスリンも共演し、彼女も実にキュートだった。
 
 キャメロン・ディアスは『ベガスの恋に勝つルール』(8月16日公開)という作品での来日だった。共演するアシュトン・カッチャーと一緒だった。実は、この試写は見に行く時間がなくて、パスしていた。でも、なんとしても、生キャメロン・ディアスだけは見たかった。親日家である彼女は、もう6度目の来日だけど、私は初めてキャメロンをこの目で見た。

 フェンディのバルーンスカートに包まれた長く細い美しい脚に魅了され、透き通るような美白の美しい顔にもうっとりだった。色々なハリウッドビューティを見てきたが、最大値のニコール・キッドマンを抜いたようだ。

 同性の私が、これほどその美しさに感動するのだから、世の男性がキャメロンに夢中になるのは当たり前。

 会見そのものは、ありきたりの月並みなものだったけど(作品を見ていないので質問したくても口出しはできない)、とにかく、ちょっとデカ口でころころ笑う笑顔のキャメロンはキュートで美しかった。16歳の時にモデルとして6ヶ月ほど日本にいたことを、楽しそうに話していた。

 実年齢は35歳。でも、それよりも絶対に10歳は若く見える。

 共演したセクシーなアシュトン・カッチャー(私はあんまり好みの男優じゃないが…)は、奥様のデミ・ムーア(ブルース・ウィルスの元妻)を連れて来日したそうだ。下世話だが、アシュトンをキャメロンに取られてしまったら心配と、デミはついてきたのかもしれない。

 なんであれ、キャメロンは本当に美しい。帝国ホテルの外では稲妻が光り、雷が鳴り、大雨が降りしきっていた。雷が大雨が、キャメロンの美しさに嫉妬しているかのように大荒れした1日だった。

 何度も言うけど、そのくらいキャメロンは綺麗だった。パーフェクトだった。

 久しぶりに究極の美に出会い、感動で興奮している。


闇の子供たち

2008年07月24日 | 映画
『闇の子供たち』をお薦めしていいものやら、どうしようかと迷っていた。

 この作品は映画というエンターティメントをはるかに超え、人間の深遠に迫る、辛い、重いストーリーであるからだ。


 しかし、梁石日(ヤン・ソギル)の原作を、阪本順冶監督が映像にしようと試みた勇気と挑戦心に、対岸の火事では終わらせたくなかった。
 どうしても、襟を正す必要があると思った。

 舞台はタイの幼児売春宿。ここにいる子供たちは、親から二束三文の値段で売られてきた薄幸の子供たちばかりだ。タイの貧富の差が如実に浮き上がってくる。

 夜毎、買春目当てでやって来る欧米人の性の道具として仕事をさせられる。10歳くらいの男の子が、中年のデブの醜い体型のドイツ男に犯される。性に対してなんの免疫もない少年が、ホモセクシャルの巨漢にファックされる。しかも、少年はお金のために喜んでいるフリをしながら、歯を食いしばって我慢しているのだ。
 
 見るのが辛くて、気分が悪くなり吐き気がしてきたが、このシーンをお撮りになった阪本監督はもっとお辛かっただろうなと思い、目を背けずに現実を直視した。

 この幼児売春宿に、自分たちの子供の臓器移植が必要な日本人夫婦が絡んでくる。「お金を出せば、何でも買える」という日本人の奢りに、日本人である私は強烈なアッパーを食らった。

 子供に春を売らせ、それを買う大人がいる以上、幼児ポルノも幼児売春もなくなることはないだろう。性にも目覚めてない子供たちの未成熟な体を弄ぶ異常性愛の大人がいることは、紛うかたない事実である。
 
 あまたある買春、売春の中で、私は子供相手のそれだけは絶対に許すことができない。

 本作に登場する幼児売春宿の子供たちの演技が、あまりにもリアルで迫真の演技だったのも、彼らがタイという国のおかれた状況を心から訴えたかったのだろう。

 もし、あの子供たちが、ギャラが欲しくて出演したのなら、なお一層心が痛むが、そうでないことを祈っている。

 事件の鍵を握るジャーナリストの江口洋介。国際ボランティアの宮崎おあい、フリーカメラマンの妻夫木聡と、若手の売れっ子たちが、この作品に積極的に出演してくれたことにも励まされた。

 この若手俳優たちの人気で、若い人たちが映画館に足を運び、こういったタイの裏側の悲惨な状況や現実を見て、何かを考えてくれたらという絶好の機会を作った問題作でもある。



闇の子供たち 公式サイト


監督・脚本 阪本順治
原作     梁石日
主題歌   桑田圭祐
出演    江口洋介 、 宮崎あおい 、 妻夫木聡 、 佐藤浩市 、 鈴木砂羽

8月2日公開

渋谷シネマライズにて

ダークナイト

2008年07月10日 | 映画
 
 子供だましの茶番だった『バットマン』シリーズに、大人のテイストと深い犯罪心理のエッセンスを加え、素晴らしい作品に甦らせたのが、『バットマンビギンズ』でメガホンを撮ったクリストファー・ノーラン監督だ。

 『バットマンビギンズ』のインパクトは今でも傑作として、強く心に残っている。そして、その続編がやっと出来上がった。『ダークナイト』である。

スタッフもキャストもほとんど変わっていない。

 ブルース・ウェイン(バットマン)はクリスチャン・ベール、執事のアルフレッドは超渋いマイケル・ケイン、ウェイン社の社長でバットマンの秘密兵器のシンクタンクをまたまた、超渋いモーガン・フリーマンが演じている。

 そして、警部補ジム・ゴードンには同じくゲイリー・オールドマンが。ゲイリー・オールドマンが世界一好きな私なので、ゲイリーが画面に出てきただけで興奮してしまう。どちらかというと彼はイカレた悪役がお似合いなのだが、このシリーズでは家族を愛する正義感の強い警部補を演じている。これが、またたまらない魅力なのだ。

 「ヒーローとして死ぬべきか、極悪卑劣な悪党として生き残るべきか」がこの作品のキーワードである。

 舞台も悪党ジョーカーが蔓延るゴッサムシティ。ジョーカーと言えば、1作目であのジャック・ニコルソンが演じていた。ジャックのジョーカーはどこかコミカルなキャラであったが、今回のヒース・レジャーが演じるジョーカーは、無機質で冷酷で、まるで人間殺人兵器のように悪事の限りを尽くしている。この恐ろしさと薄気味悪さは、ジャック・ニコルソンを超えたと言っても過言でない。

 ヒース・レジャーは今年の1月に自宅で変死した。28歳だった。『ブロークバックマウンテン』のあの屈折したホモ男の体当たりの演技も忘れらない。ジョニー・デップとは違った異色の演技派であったので、これからだという時に亡くなってしまった。『スタンドバイミー』で主役を演じたリバー・フェニックスの若い死と同じくらい残念だ。


『ダークナイト』の後にテリー・ギリアム監督の『 パルナッサス博士の想像力』(The Imaginarium of Doctor Parnassus)にも出演し、その撮影中に亡くなってしまったのも、実に惜しい。

まさに、死を覚悟で挑んだと言ってもいいくらい、おどおどろしく、残忍な破壊屋ジョーカーに成りきっていた。

主役はバットマンではなく、今回に限っては、明らかにヒース・レジャーであった。エンドロールで、「ヒース・レジャーに捧げる」というクレジットが流れた瞬間、泣けてきた。

ダークナイト公式サイト
【監督】 リストファー・ノーラン
【出演】クリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、アーロン・エッカート、マギー・ギレンホール、ゲイリー・オールドマン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン

2008年8月9日より丸の内プラゼールほか全国にて公開

2007,アメリカ,ワーナー配給