Randonneur旅日記

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高水三山へ みみ爺一人山歩き              2019年12月24日 火曜日

2019-12-30 14:58:30 | ハイキング
 何年か前から、いつか登ってみたいと思っていたのが青梅市にある高水三山だ。
 今日はクリスマスイブだ。暮れも押し迫ってきて、山はかなりの寒さに違いないが、まだ雪は積もっていないだろう。
 昨日の雨も上がり、朝から青空が広がっているよ。
 奥多摩線の軍畑に着いたのはもう10時近い。家を出てから3時間近くかかったよ。




 駅を出て、左の細い道を行くと、すぐに小さな踏切がある。
 この踏切を渡るよ。奥多摩線は単線なんだね。



 踏切を渡ってさらに進むと、県道193号に出た。
 県道を向こう側へ渡って、歩道を行く。車はほとんど走っていないが、安全のためだよ。



 平溝川に沿って緩やかな勾配の坂を上って行く。平溝川のきれいな水の流れる姿と、その水音を楽しみながらのんびり歩く。雨上がりで空気が澄んでいて、とても気持ちがいい。





 右側の歩道が途中でなくなったので、左側へ渡り、高い擁壁の下を行く。



 道しるべの、高水山、岩茸石山と指すほうへ、左の道へ。





 さらに平溝川に沿って行くよ。道の勾配にあわせるように、流れも速くなってきたね。心地よい水音も一段と大きくなってくる。





 大きな石碑がある。高水山登山道入り口と標示もある。道はさらに細くなり、勾配が増してくるよ。





 すぐに高源寺山門が見えてくる。



 曹洞宗高源寺本堂だ。静かな佇まいだね。



 高源寺のすぐ横にあるお堂は天之宮神社だ。



 高源寺を過ぎると、道の勾配が急にきびしくなった。丸い滑り止め模様が施されたコンクリート舗装の路面に変わったよ。



 大きな堰堤が現れ、その横の急な階段を上がるんだ。息が切れるほど急で、長い階段だよ。





 堰堤の後ろ側には雪が残っている。昨日か一昨日に降った雪だろうか。空気が急に冷たくなったような気がするよ。



 階段を上り、さらに進むと、道はいよいよ山道だ。
 念のため熊よけ鈴をリュックに下げる。百円均一で買った大きな鈴が二つだ。音色はいまいちだが、音量だけはかなりのものだよ。





 そこここに朽ちた倒木が転がっている。
 危なっかしい小橋を渡る。



 大きな石や岩でゴツゴツした急勾配の道になった。両手も使って這い上がるように登っていくんだ。手も使わないとバランスを崩してしまいそうだよ。



 日陰の斜面にはまだ雪が残り、道はぬかるんでいるよ。



 空が真っ青だ。飛行機雲だよ。なんてきれいな空なんだ。



 杉や檜の植林地帯を登っていく。足元は根っこの階段だ。



 中央左にスカイツリーが見えているよ。



 急な山道、急な階段、根っこの浮き出た急斜面が続く。







 おや、七合目とある。



 そして八合目。



 さらに植林の中を行く。



 道しるべがしっかりあるので迷うことはなさそうだね。



 ぬかるんだところもある。これ以上雪が深くならなければいいね。



 九合目だ。あと少し。



 道の勾配が少し緩やかになったよ。もうすぐ山頂かな。ずいぶん急な上りだったね。





 常福院の山門だね。石段前には杉と檜の巨木が3本そびえているよ。





 山門の扁額には、高水山と書かれている。



 常福院の通称は、高水山不動尊というようだ。真言宗の寺院だ。開創は9世紀(801年~900年)の頃とされている古刹だよ。
 正面には開運守護の剣が飾られている。


 
 この不動堂前に鎮座する狛犬が、珍しい和犬の石像だよ。たれた耳がなんともかわいらしいよ。





 不動堂の裏手から、道しるべにしたがって登っていくよ。



 山の斜面の北側には白く雪が残っているね。肌を切られるような空気の冷たさだよ。



 解けかかった雪でぬかるんだ道を進むと、まもなく高水山の頂上にたどり着いた。





 葉を落とした木々の向こうに青い山並みが眺められる。





 先に登ってきて休んでいる女の子がいたよ。
「こんにちは。空気が冷たいですね」
「お疲れ様、寒いですね」
 と、女の子は笑顔で答えた。顔全体に優しい表情があふれている。
「雪がずいぶん残っていますね」
「ええ、下りは滑りますよ」
 と、印象に残る優しい笑顔だ。
「アイゼンでも持っていればいいけれど、…まだ、それほどでもないね」
「そうですね」
「お先に」
「お気をつけて」
 バーナーで湯を沸かしていたみたいだ。コーヒーでも入れるのかな。
 今日はクリスマスイブなのに、女の子は一人で登ってきたようだ。よほど山歩きが好きなんだね。
笑顔がとてもステキだったよ。
 高水山の山頂付近は雪で道が定かではなかった。道を探しながら、水分の多い雪を踏んでゆっくりと進む。滑らないように一歩一歩慎重に。





ここでもまたゴツゴツした岩の道を登る。両手を使ってよじ登るほどの急な勾配だよ。



 稜線に出たよ。そろそろ岩茸石山の頂上かな。



 とても眺めのいい山頂だ。ただ、すごく寒い。北側の斜面からは、冷たい風が吹き上げてくる。









 山頂には見た限り石のベンチが一つあるだけだったよ。そのベンチには、先に登ってきた男性が一人休んでいた。
 山頂の地面は雪と溶けた水で濡れていて、リュックを下ろすところが見つからない。きょろきょろ周囲を見回していると、男性はベンチいっぱいに広げていた荷物を少し片付けて、場所をあけてくれたよ。ありがたいね。
 みみ爺は場所をあけてくれたベンチの隅にリュックを下ろし、近くにあった一抱えほどの石の陰にバーナーをセットして、インスタント味噌汁用に湯を沸かし始めた。
 バーナーの青い炎に手をかざして暖を取っていると、みみ爺が登って来た道とは反対の惣岳山側から、女性が一人登って来たんだ。
 女性はあきらかにみみ爺の顔を見てニコニコしている。おやっ、誰だろう、と思った。水色のヤッケ姿だ。見覚えがあるような気がする。
「さっきお会いしました」
 と、女性は言う。
「おや、あなたでしたか」
 高水山の山頂で会った女の子だったよ。高水山側からではなく、惣岳山側から登ってきたので、それがわからなかった。
「反対側から登ってきたので、わからなかったですよ。どうしてこっちから?」
「道がよくわかりませんでした。いつの間にか違う道を歩いていたんですね」
 女の子は明るく笑って言う。岩茸石山の山頂を迂回する巻き道へ入ってしまったために、反対側の惣岳山側から登ってきたのだ。
 女の子は、山頂の北側の縁に転がっている丸太に積もった雪を手で払って、その上にリュックを下ろし、ここでもバーナーで湯を沸かしはじめた。湯が沸くまでの間、景色を写真に収めている。
 みみ爺はおにぎりを食べ、コーヒーを入れて飲んだが、寒さがしだいに深く体にしみ込んできて、指先もかじかみ始めた。

 しばらくして、女の子は先に出発した。
「寒いです」
 と、みみ爺にニッコリと笑顔を見せて、さっき登ってきた道を、ふたたび惣岳山の方へ降りていく。
「気をつけてね」
「はい」
 女の子の姿が見えなくなってからしばらくして、みみ爺も寒さに我慢しきれず、かじかむ手で荷物を片付けて立ち上がった。
 頂上にまだ残っている2、3人に、
「お先に」
 と挨拶して歩き始めたよ。



 ここから石や岩だらけの急な道を下っていく。
 足が、どうしたのか、なんだか自分の足ではないような感じだ。自分の意思とは関係なく、足が勝手に動いていくという具合なんだ。しかも、躓いたり滑ったりしそうになる。長い時間休んでいたせいか、足がまだ急な下りの山道になじんでいないのかもしれない。危ない、危ない。



 堆積した落ち葉の下がどうなっているのかわからない。慎重に足を運ぶ。



 道しるべに出会うとホッとする。このコースは道しるべがしっかりしているのでいい。





 気持ちのいい尾根道だよ。だいぶ歩いて来たので、寒さはもう感じない。





 御岳駅まで「関東ふれあいの道」なんだね。駅までの距離も刻まれている。





 また、この辺は雪が残っているよ。



 植林が広く伐採されて明るいところに出たよ。景色の眺めもいい。





 この岩場を登るのか!
 頭上に覆いかぶさってくるような岩場だよ。



 岩場を登ると、三つ目の山頂だ。杉や檜に囲まれて展望がなく、暗い感じの山頂だよ。ひっそりとして誰もいない。



 山頂にあるのは青渭神社奥宮だね。



 三つ目の惣岳山をあとに道を下っていく。もう雪の心配もなさそうだ。



 手入れされた植林の中を行くよ。なんだかとても気持ちのいい道だよ。







 足元の木の根には気をつけよう。疲れている足がけつまずきそうになる。





 ここはきれいな尾根道だ。



 と思うとまたこんな道。





 だいぶ歩いて来た頃、一つ目の鉄塔が見えてきたよ。



 そしてまた木の根の階段だ。





 ここはいい。



 二つ目の鉄塔だ。鉄塔は全部で三つあるはずだよ。



 木の根の階段を下る。





 三つ目の鉄塔だよ。ようやく下界が見えて来たね。



 三つ目の鉄塔は下をくぐるんだね。



 さあ、もうすぐだ。





 慈恩寺の裏手の墓と本堂の屋根がすぐ下に見えるところまで来たよ。



 やっと下りてきたね。



 踏切をわたって右へ行けばすぐ御岳駅だ。



 お疲れさん、みみ爺。
 楽しかったね。寒かったけれど、岩茸石山山頂からの展望はすばらしかった。
 それと、山中で思いがけなく、女の子の印象的な優しい笑顔に出会えたことでも、記憶に残る山歩きになったよ。
コメント (2)
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