LOVE AND GLORY

-サイキックの眼-

熊本交通センターホテル (閉館)

2019-04-29 13:30:32 | 時間旅行

     
     
  熊本交通センターホテル (閉館)
     
      
万代シルバーホテル」に続いて、
バスセンター&ホテル・シリーズ第二弾
「熊本交通センターホテル」をご紹介します。
    
     
10代の頃(1980年代)、大阪駅から西鹿児島まで「寝台特急はやぶさ」に乗車した。
途中、熊本県を縦断し車窓から眺めるのみで…
熊本に立ち寄ることは今まで一度もありませんでした。
鹿児島本線を寝台特急が通過する駅にはヤシの木が植わっており、
その光景は僕にとって初めて見る景色だった。
食堂車で朝食を食べたのも、この時が初めてだった。
それも、テーブルが相席になった若いご夫婦の方にご馳走して戴いたりした。
当時、国鉄のキャンペーンだったのか…
鹿児島本線の途中のローカル駅には『南下気分上昇』と縦に書かれた大きな看板が掲げられていた。
走行中どの駅にもこの同じ看板が見えた。
結構すすけて文字も色落ちかけていた。
『南下気分上昇』
ホントにその通りだ!と、
初めての南国旅行に気持ちが高ぶっていたのを覚えている。
その鹿児島本線の海岸沿いの車窓は今でも忘れられない思い出だ。

熊本というと、この思い出だけで、縁もゆかりもない。
熊本交通センターの存在は、時々ネットの宿泊サイトなどで目にしていた。
その昭和の風貌に、いつかは泊まってみたい僕のホテルリスト?!には入れていた。
高度成長期生まれだろう…その出で立ちから、その寿命もそう長くは無いとは思っていた。
あるとき、LCCのジェットスター航空から関西⇔熊本便が就航するキャンペーンセールで、片道1000円で売り出すのを知り、この機会に「熊本交通センターホテル」に行ってみようと思ったのでした。
それが2015年の春でした。
6月下旬の予定で、航空券も往復共に1000円で予約出来た。
そして次にホテルの予約を…
ホテルのホームページや宿泊サイトをみると…
なんと6月30日閉館の知らせが。
ギリギリセーフでした。

最初は、ツインルーム・シングルユースで 6700円(税サ込)で予約する。
まだ値下がりするだろうと直感する。
後日、閉館プランとして…
シングルルーム・朝食付き・焼き菓子セット付きで 5000円(税サ込)
と言うのが出ていたので、このプランに変更した。
いやいや…まだまだ値下がりするだろうと直感した。
この当時、デフレ改善策?として地方再生旅行クーポンなるものが国の政策から設定がなされていた。
そして熊本県の宿泊施設にも対応したクーポンが出るようになり。
20000円から10000円引き
10000円から5000円引き
5000円から2500円引きというようなクーポンが出て、
この5000円から2500円引きのクーポンを利用し…
シングル・朝食付き・焼き菓子セット付きの 5000円(税サ込)のプランを
2500円分のクーポン引きで、
2500円(税サ込)で宿泊予約出来ました。

時は2015年6月16日~17日
1泊2日・熊本ローコストの旅の完成です。
目的は「熊本交通センターホテル」への宿泊。
以下に綴ります写真は、当時のガラケーで撮影したものになります。
あらかじめご了承くださいませ。




▼ 熊本交通センターホテル
       


フロントサイド
雨の続く2日間だった


1階がバスターミナル
ホテルの表側と裏側にバス停が広がり、ホテル建物をバスがくぐり抜けるカタチに。


1階 バスセンターとホテルの入口


1階 切符売り場と待合コンコース


高速バス・空港バス乗降場
パタパタ時計がレトロ


地下街「センタープラザ」のキャッチコピー


1階 ホテル3階フロントへ続くエレベーター


1階 エレベーター前のホテルレストラン案内のサイン




3階 フロント階の2台のエレベータードア



▼ シングルルーム







ベッドサイド
ランプシェードに「肥後椿」のシールが飾られていた


浴衣


ライティングデスク
ピンク色のナフキンの中には…なにかな?


昭和のオシャレさん、昭和の非日常を感じる?
氷のトングの形が… 

ニクイやつめ!!笑


宿泊プランの特典で付いていた
マドレーヌなどの焼き菓子セット
長年の感謝の記念品だそう。
創業は1969年。


4階客室の窓から望む
ホテルの客室と眺望は表側と裏側に分かれる。
チェックインの際に表側をリクエストした。
なぜならば…この後その理由をお見せします。


同じく、客室からの景色。
「県民百貨店」
多岐にわたる波乱な経営を乗り越えるも…
2015年2月28日に閉店。
(ウィキペディア)



▼ ダイニングバー 桜



朝食ビュッフェ
和洋の品ぞろえですが、中華風にアレンジされた味付けが印象に残る。
ハムやソーセージなど、薄い味付けの中華の餡がかけられていた。


こちらも朝食。
甘いモノが充実していると、ゆっくり出来てなごむ。
レストランの窓からは、ホテル表側の景色が見える。
ガラケーで、うまく写せていませんが…
1960年代に建てられたこのホテルの窓のサッシが無骨なモノで…
昭和のホテルの良さをとても感じられる。



▼ 熊本交通センターホテル・バックサイド!(裏側)



ホテル客室階
4階エレベーターホールから、裏側の眺め。
「センターボウル」
ボウリング場が見える。
2015年3月31日に閉鎖されている。
バスセンター・百貨店・ホテル・レジャー施設
巨大な施設群だった…


手前はバスセンター、バスレーンの屋根。






そして…
こちらが…
「熊本交通センターホテル」のもう一つの顔。
僕は、これが見たくて訪れた。
表側と、この裏側との、ギャップ!!
岡本太郎氏の太陽の塔ほどの?表裏の違い。
或いは…
チベット仏教の僧院「ゴンパ」の様でもあり。
いいや…まだ違うゾ
暫く佇んで考えてみた。
そして!!わかった!!

「わかりましたよ!新右衛門さん」
 (一休さん風)

カステラの底の紙を剥がしたときに
一番おいしいザラメの甘いのが焼けた部分のアレが
紙と一緒にぜんぶ剥がれてしまった…
残念な結果になってしまったあとの、あのカステラ!!
あぁ~あれだ、あの残念カステラが、このホテルとリンクしてる。

今こうやって訪れた時の事を書いているが、もう一つ表現出来そうだ。
エジプトのピラミッドも本当は化粧石版が全面に施されていて、本来はツルツルのピッカピカだった。
それが盗賊やら、長い歴史の中で、その化粧石版は全て剥ぎ取られてしまい、無残なむき出し状態となってしまった。

つまり…何がしたいのかといいますと、
この残念な仕上がりのホテル裏側を、なんとか持ち上げたい衝動からなのだと…思うわけで。



熊本交通センター ウィキペディア 

ウィキペディアにホテル表側正面の綺麗な写真がある。
裏側とのギャップを感じてもらえると思う。
でも、太陽の塔ほどの感動があるのも事実である。
もうこれ以上…言葉はありません。
ただただ見つめるのみです。





閉館2週間前の宿泊だったので、

リーフレットやバッケージタグなど記念になるものは何もありませんでした。
あったのはこの宿泊案内の紙製キーケースだけでした。

ウィキペディア以外には
九州産交グループ」公式ウェブサイト内に、

思い出の写真やテレビCM動画などが多数掲載されています。

既に閉館となった「熊本交通センターホテル」
如何でしたでしょうか。
 
 
シリーズ『バスセンター&ホテル』
第1弾 新潟交通「万代シルバーホテル
第2弾 熊本交通「熊本交通センターホテル(閉館)」
第3弾 名鉄バス「名鉄グランドホテル
 

サイキックの眼 ヤマモト・コージ