2013年度作品。アメリカ映画。
HIVを患った男が治療薬を求めて、製薬会社や政府と戦う姿を描く、実話を基にした人間ドラマ。
監督はジャン=マルク・ヴァレ
出演はマシュー・マコノヒー、ジェニファー・ガーナーら。
人は自分の死を前にしたとき何ができるのだろう。
この映画を見ていると、そんなことを感じる。
主人公のロンは結果的に、アメリカの医療界を動かし変化させたが、同時に自分自身をも変化させている。そんな風に見ていて感じた。
それが映画に深い余韻を与えている。
ロンはHIVに感染し、その治療薬を求めてメキシコに移動。そこで手に入れたエイズの治療薬を輸入販売してHIV患者に販売する。
だがそこに行きつくまでには道のりも長い。
彼は元々ヤク中で、ゲイに対する差別意識も強い男だった。
だが自分の死を自覚するに至り、手を尽くして薬を手に入れ、ドラッグからも離れていく。
そして嫌っていたはずのゲイのレイヨンとも一緒に行動するようになる。
それは明確な彼の変化だ。
流れ的に見ても、納得いくもので、しんしんと胸に迫る。
彼はエイズ治療のため、あらゆる薬に手を出し、自分で試していく。
どれもアメリカでは未承認の薬ばかりだが、それも平気で、周囲にも薬を販売する。
その様はある意味、小気味いい。
やがては金儲けだけではなく、患者のために、薬の販売に移行するところもよかった。
そしてアメリカでは副作用が強い薬を承認して、有効な薬を認めないことに対して、声をあげて行動していく。
彼が自分の人生の終焉を前に行なったのは、社会正義なのだ。
そんな男の変化と行動が印象深い一品だった。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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