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私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

『ネヘミヤ記』感想

2024-12-15 21:58:50 | 本(人文系)
『ネヘミヤ記』は内輪受けの作品だなと読み終えた後で思った。


捕囚によって故郷から強制移住させられたユダヤ人にとって、故郷を過去の栄光を思い起こさせる形で復興することは重要な事業であったらしい。
エルサレムの城壁の修復はそれだけ記念碑的な事業だったのだ。

その事業を成し遂げたネヘミヤは、ユダの地の長官にも任じられた人物で、善政を敷こうと腐心する有能な人だ。
そしてそれゆえに、ユダヤ人的に正しいことを推し進めようとしている。
民族が違う者と結婚した人は切り離し、安息日を守らなかった者は非難する。
今の目線で見ると、ネヘミヤの倫理的な主張で共感できる部分は少ない。


しかしそれを言うなら、エルサレムの城壁修繕も、時代の違う私からすれば、だから何だろう、という程度の印象しか湧いてこないのだ。
だがそれでも、その内容で一書を成すというのは、彼の事業はユダヤの人としては、それだけの価値があるとみなしているということでもあるのだ。

『ネヘミヤ記』は結局彼らの中では大事な書という以上の印象は浮かばない。
外野の私としては、そうなんですね、とぼんやりと受け入れるしかないのである。


 『聖書(旧約聖書) 新共同訳』
 『聖書(新約聖書) 新共同訳』
 『創世記』
 『出エジプト記』
 『民数記』
 『申命記』
 『ヨシュア記』
 『士師記』
 『ルツ記』
 『サムエル記』
 『列王記』
 『歴代誌』
 『エズラ記』
 『ネヘミヤ記』
 『エステル記』
 『ヨブ記』
 『詩編』


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