金持ちの人が心の中でこう思ったとしましょう。
「自分の富や財産はわたしのものではないし、わたしのものと呼ぶこともできない。
この世を去らねばならないときに、それをもっていくことはできないのだから。
富や財産は、正しく使うよう、わたしに委ねられたものである。だから、わたしは、
できる限りを尽くして、これを人々のために、世の中のために使うことにしよう」
このように考える人は、ぜいたくなものに囲まれ、責任ある地位にあったとしても、
悲しみから引き上げられ、真理に近づくことができるでしょう。反対に、貧しい
人が富や財産をむやみに欲しがらないとすれば、その状態は心配は心配も
不安も引き起こさないのです。
人生を正しく理解して、心の中からあらゆる自分本位の占有欲や執着を捨てる人。
ものを賢明に、適材適所で使う人。心を鍛えて、意識からあらゆる欲望を除去し、
いかなる変化のまっただ中にあっても落ち着き、冷静である人。こういう人は、
真理をみつけるでしょう。そして、真実と向き合うのです。
すべてのあやまちの真ん中に、真理が存在しています。無常の中心に、永遠
なるものが横たわっています。ただ、永遠であって変化することのない実体を、
幻影が覆い隠しているにすぎません。
ここでは、その実体の性質を扱わないことにします。それは、「愛や思いやりで
ないもの、知恵や清浄でないものを心の中から放棄することによってのみ見つかる
ものだ」と述べておけば充分でしょう。愛や思いやり、知恵や清浄には、移ろい
ゆく要素はなく、悲しみはなく、不安もありません。
無常という真理が充分に理解され、無常と言う真理に含まれる課題が充分
に習得されたとき、人は永遠不変の真理を見出していきます。それから、
悲しみを生み出す自分本位の要素を、心から引き離していくようになります。
真理こそが宝物であるという人、知恵に従った人生を送っている人は、消え去る
ことのない喜びを手に入れます。悲しみに満ちた土地を離れ、幻影という名の
大海を渡り、悲しみのない岸辺にたどり着くのです。
─『「意志」と「人生」の法則』 Light on Life's Difficulties ジェームズ・アレン
松永英明訳 KKベストセラーズより
「自分の富や財産はわたしのものではないし、わたしのものと呼ぶこともできない。
この世を去らねばならないときに、それをもっていくことはできないのだから。
富や財産は、正しく使うよう、わたしに委ねられたものである。だから、わたしは、
できる限りを尽くして、これを人々のために、世の中のために使うことにしよう」
このように考える人は、ぜいたくなものに囲まれ、責任ある地位にあったとしても、
悲しみから引き上げられ、真理に近づくことができるでしょう。反対に、貧しい
人が富や財産をむやみに欲しがらないとすれば、その状態は心配は心配も
不安も引き起こさないのです。
人生を正しく理解して、心の中からあらゆる自分本位の占有欲や執着を捨てる人。
ものを賢明に、適材適所で使う人。心を鍛えて、意識からあらゆる欲望を除去し、
いかなる変化のまっただ中にあっても落ち着き、冷静である人。こういう人は、
真理をみつけるでしょう。そして、真実と向き合うのです。
すべてのあやまちの真ん中に、真理が存在しています。無常の中心に、永遠
なるものが横たわっています。ただ、永遠であって変化することのない実体を、
幻影が覆い隠しているにすぎません。
ここでは、その実体の性質を扱わないことにします。それは、「愛や思いやりで
ないもの、知恵や清浄でないものを心の中から放棄することによってのみ見つかる
ものだ」と述べておけば充分でしょう。愛や思いやり、知恵や清浄には、移ろい
ゆく要素はなく、悲しみはなく、不安もありません。
無常という真理が充分に理解され、無常と言う真理に含まれる課題が充分
に習得されたとき、人は永遠不変の真理を見出していきます。それから、
悲しみを生み出す自分本位の要素を、心から引き離していくようになります。
真理こそが宝物であるという人、知恵に従った人生を送っている人は、消え去る
ことのない喜びを手に入れます。悲しみに満ちた土地を離れ、幻影という名の
大海を渡り、悲しみのない岸辺にたどり着くのです。
─『「意志」と「人生」の法則』 Light on Life's Difficulties ジェームズ・アレン
松永英明訳 KKベストセラーズより