ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

何事につけ「私はそれを失った」と言ってはならぬ     エピクテートス

2016-12-16 17:43:58 | 知恵の情報
何事につけ「私はそれを失った」と言ってはならぬ。「私はそれを返したのだ」と
言うべきである。
 
息子が死んだのなら、それは返されたのである。財産が奪われたのなら、
それもまた返されたのである。君の財産を奪った者は、たしかに悪人ではある。
しかし、それを与えてくれた方(かた)が、誰によってそれを取り戻そうとも、君に何の
関係があろう。

それが君の所有にゆだねられている間は、他人のものとして所有するがよい。
通りすがりの旅人がその宿屋をそうするように。

─『希望と幸福  ヒルティの言葉』秋山英夫訳編 現代教養文庫 社会思想社より

■この姿勢は、禅のようだ。外的な事物や快楽の価値を無とし、自分がいかに理性的
であるか、理性をすべての人が持っているかぎり平等という。理性の命ずるままに、
厳格なる義務の遂行において、平静な生活をおくることが真の幸福であるという。