菜根譚 前集の一
人生に処するに、真理をすみかとして守り抜く者は、
往々にして一時的に不遇で寂しい境地に陥ることがある。
これに反して、権勢におもねりへつらう者は、
一時的には栄達するが、
永遠の観点に立つと、結局は寂しく痛ましい。
だから賢しい者は常に、俗なるものを超えたところに真理を見定め、
死後の生命を考慮する。
だから人間は人生を処するに、
一時的に不遇を味わうとしても、真理を守り抜くべきであって、
権勢におもねる態度を取るべきではない。
それは永く続くものではないからだ。
今井宇三郎・訳
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現代風の超訳
だれかの舎弟になったり、子分になったり、
年齢序列、会社序列に依存したりするような、
虎の威を借りて人びとを見下すことで自分の価値を見いだすような
そんな生きかたは、あまり長く続かない。
すぐに内面の未熟さは見透かされてしまうから。
それでも意地になって従えようとしたり、メンツを守ろうとすると、
どうしても「力ずく」という手段に出ざるを得なくなる。
力による強制は、従う側の人びとの軽蔑と離反を招く以外の効果はない。
軽蔑と離反を阻止しようとすると、さらに強い力で抑えつけようとして、
それがさらに軽蔑と離反を強めてゆく。
離反が臨界点に達すると、
自分が手段を選ばず必死に守ってきた自らの権威は転覆されるに至る。
権威を見せつければ、あるいは伝統に依存すれば、
敬意を得られるという考えはまちがいだということだ。
いつまでもかかとをあげ続けるのはできないだろうに。
背伸びは長く続けられない。
等身大で生きることを試みてごらん。
あなたに欠点や弱点があってもそれで軽蔑されることはない。
あなたが人間をリスペクトし続ける限り。
民主主義的コミュニケーションと、民主主義的リーダーシップが
人々の経緯を生じさせる唯一の方法。
なぜなら、愛されたい、認められたい、という欲求は
すべての人に生まれつき備わっているものだから。
自分に自信がなくても、まず相手の気持ちに立って考え、発言してごらん。
あなたは友を得、それが自信を強めていってくれるでしょう。
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