マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ショパン:バラード4番

2011-11-23 23:40:35 | ラ・プロムナード・ミュジカル
12/3のプロムナード・コンサートでは、ショパンのバラードを2曲弾く予定です。
3番と4番です。
3番は大学に入学した年にいきなり課題に与えられて、当時は苦戦しましたが、その後何度も弾く機会があり、1番とともに自分のレパートリーとして定着した感がありますが、2番と4番はどうも弾く気持ちになれなくて、長い間敬遠してきました。
でも、やはりバラードもスケルツォも4曲とも弾いておかなければ…と思い始めて、今回バラード4番を取り上げることにしたのです。
この曲は、難曲なのです。
同じメロディが変奏されて何度も出てくるし、内容的にも、1番や3番のように分かりやすくはない…。
しかも、全体として、演奏するのに苦労が多い割には実りが少ないような気もするのですよね。
最後の3ページは特に苦労しますし…。
若干気が進まないまま、半ば義務のように始めたのですが、意外にはまってしまいました。
良さがだんだんわかってきたような…。
ショパンらしいさりげないフレーズも気に入ってます。
暗譜が難しい…と、10日ほど前からかなり考えながら練習をしてきた結果、思ったより早く覚えることができたようです。
後はいかに表現できるか、です。

ショパンのバラードは、ポーランドの詩人ミツキェヴィチのバラッドにインスピレーションを得たと言われています。
1番はわかりやすいのですが、他の3曲は、今一つ詩に一致しないように感じます。
バラードとは、物語風の曲という意味ですから、何らかの物語性はありますが…。

4番の元になった物語とは、以下の通りですが、ちょっと曲とは合わないように思います。

「ブードリスの3人の兄弟は、父親から「てんのしっぽと銀のヴェール」を探してくるようにと旅に出された。
秋が過ぎ冬が訪れても彼らは戻らず、死んだものと思われていたが、一人ずつそれぞれ花嫁を連れて帰ってくる。」

CDは、いろいろ聴きましたが、アシュケナージの ショパン:バラード&スケルツォ がやはり一番オーソドックスでいいように思います。