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『愛してるよ、カズ』を観た

小さな生命スペシャル「愛してるよ、カズ 君はママの宝物でした~小児ガン・涙の全記録」
長崎放送で放映されたドキュメンタリーがテレビ朝日で再放送された。

長崎県に住むカズくんは、2歳のときに小児ガンを発症し、長きにわたる入院生活と、
十数回の手術を繰り返し、7歳で、ついに余命2ヶ月と宣告される。
番組は、宣告された余命2ヶ月をすぎた時点から始まる。

望みの薄い過酷な治療を続けるか、治療をやめて、残りのカズくんの人生を、
家族とともに過ごす時間にするか、両親はつらい選択を迫られるが、結局、治療を
断念し、家に戻ることを選ぶ。カズくんとかけがえの無い思い出づくりをして
いくことを選ぶ。つらく悲しい決断だったに違いない。

これまでも、病気をかかえ、つらい治療に耐えながらも、明るく強かったカズくん。
その姿に、母親のリョウさんはいく度となく励まされてきたという。
なるほど、映像を見ていても、カズくんは非常に明るく、がんばり屋さんだ。
とってもかわいい。
つらい時期、涙を見せる母親に、カズくんは「ごめんね」と言ったという。
そんなカズくんの前で泣かない決心をしたリョウさん。

カズくんは退院後、治療をやめた関係で一時的に元気になったように見えた。
小学校に復帰し、運動会にも出た。夢のような時間が過ぎていく・・・
カズくんの病気は治ったのではないか?と錯覚さえしてしまう。

しかし、いつ訪れるかもわからないカズくんとの別れは、着実に近づいている。
もう宣告された余命の時間はとっくに過ぎていた。

この想像を絶する悲しくつらい現実と、カズくんの明るさのギャップに、いたたまれ
ない思いがした。どうにかならないの???

番組は、カズくんの最期までカメラで収めていた。
カズくんの意識がなくなる直前、母親のリョウさんが、すっかりカズくんと仲良く
なった番組のディレクターの方をベットの脇に呼んで、カズくんと話しをさせて
くれていたのを見て、この番組作りの裏にある、”愛”のようなものを感じた。
とってもいい番組だ、と思った。

「愛してるよ」というのは、カズ君の死の直前に母親がカズくんに伝えた言葉だ。
それまでも、何度も何度も伝えてきたこの言葉。最後にどうしてもまた伝えたかった
といい、意識が朦朧とするカズくんの耳元でリョウさんがささやく。
カズくんは、「オレも・・・」と答える。
ディレクターの方は、この「愛してるよ」のこの一言の純粋なメッセージの重みを
視聴者に伝えたかったという。

このような番組を観て、ありきたりの感想かもしれないけれど、普段の私達の
生活で、あまりにも当たり前すぎて、その大切さに気付いていないこと、
その幸せに気付いていないことが、たくさんあるのだ、ということ。当たり前来る
自分や家族の生活の今日、明日がどれだけありがたい事なのか、ということを、
あらためて、感じた。

そんな事に思いを馳せることなく、毎日何気なく暮している自分に、喝を入れた。


番組の最後。なんとカズくんの告別式の夜に、カズくんが楽しみにしていた
”妹”を、母親のリョウさんが出産する。
命の不思議さと、リョウさんの深い悲しみの中での過酷な出産、新しい生命の
誕生を思うと、胸がいっぱいになってしまった。

誕生した女の子は、カズくんが生前につけた”はなこ(花香)”と名づけられた。
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