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『突然ですがキリギリス』 関口和之(サザンオールスターズ)

『突然ですがキリギリス~誰も書きたくなかったサザンオールスターズ』
関口和之

サザンオールスターズのベーシスト、ムクちゃんこと、関口和之。
メンバーの中でも、無口で、だけど味のある彼の存在は、サザンオール
スターズの中でも、とても大きな役割を果たしているのではないか、
と私は思う。

ムクちゃんは、ソロ活動でも、ウクレレのアルバムを何枚か出しているのだが、
それがまた全部いいのだ!どれもこれも、大好きなアルバムだし、ライブも最高に
楽しかった。今や日本のウクレレ界?でも大事な存在なのではないかな。
のほほん、とした彼は、音楽もさることながら、エッセイや小説も手がけており、マンガまで書いている。
静かな、才能豊かな人だ。ユーモアのセンスも抜群だし、とってもいい。

そんな彼が、1977年のサザンオールスターズのデビューの前、青山学院大学での
桑田さんとの出会いから、「勝手にシンドバッド」のデビュー。そして、5年後の
「チャコの海岸物語」のヒットあたりの時代の話を書いたのが、この、「突然です
がキリギリス」だ。書いたのは、そのデビューから5年後だ。

彼の文章は、本当に視線があったかくて、ほのぼのしていて、読んでいても、
笑えるし、ほろっと泣けるし、楽しい。
自分の青春時代をふくめ、サザンのメンバーを描くその目には、愛情がこもって
いる。今でも、この本は、たまに読む。

そして、何よりも、今、デビューから、なんと27年もたったサザンオールスター
ズのその青春は、とってもおもしろおかしく、そして、輝いている。
やっぱり、今も輝いている人は、青春も輝くのだ、と感じた。

デビューから、今にして思えば、たった5年後の作品。
ムクちゃんも、それからさらに22年経った今でも、桑田さんと一緒にサザンオー
ルスターズで居る、とは思わなかっただろうな、と思う。
しかも、あれからずっと、輝いているんだから。
これって、すごい事だ!

とにかく、サザンがデビューに至るまでの話が、ものすごくおもしろい。
この本にもあるが、サザンをデビューさせた当時のビクターのディレクター
(今はビクターのエラいエライ方)の高垣さんの言葉が、またいい。

デビューの時の言葉だ。ムクちゃんの本から抜粋:
  「3年後には有名に、5年後には日本一のバンドになってほしい。そして
   各自が力をつけ、ソロアルバムを出せるようになるまでがんばろう。
   俺もがんばるよ。」
  めずらしくキマった言葉だった。忘れてはいない。

そして27年後が今である。

人生ってすごいね!
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