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『死刑台のエレベーター』

『死刑台のエレベーター』
1957年
フランス

フランス映画界の巨匠、ルイ・マル25歳のときの作品。
モノクロ映像に、マイルス・デイビスのトランペットの音色が
何しろ、カッコいい。

物語は、社長夫人の愛人である技師の男が、じゃまになった
社長を殺害し、完全犯罪をもくろむ。社長を殺した技師が、証拠
を忘れたことに気づき、途中で現場に引き返すのだが、
そのまま、電源の切られたエレベーターに閉じ込められてしまう。
その間に、現場に止めてあった技師の車が盗まれ、別の
犯罪に使われてしまう。
愛人である、その社長夫人は、約束の時間になっても現れ
ない技師を捜し求め、街を彷徨う。

小さな失敗が大きなアクシデントを次から次へと生んでいく。
そして、皮肉なラスト。

やたら複雑で、トリックを考えることだけに一生懸命になって
しまう昨今のサスペンスと違い、やはり昔の映画というのは
シンプルで安心する。その安心感が、また何とも言えない。
シンプルなだけに、心に残る。

そして、何より、冒頭のジャンヌ・モローのアップの美しさ。
クールでドライなモノクロ映像と、マイルス。

ため息が出てしまうのだ。
驚くことに、50年も前の映画だ。
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