ポン助の迷走日記

30歳目前・無職から、まあ何とかなるでしょうという日々を綴ったブログ。実際、何とかなりかけている。

あの夏の思い出

2009年08月09日 | 日記
私が幼いころ、兄は東京の大学に通い、そのままそちらで就職したので、
夏休みには、母と一緒に東京へ遊びに行くのが恒例の行事となっていました。

当時は長野の実家から東京まで、特急列車で5時間ほどかかったため、
往復の電車内が退屈で仕方ありませんでした。

あの時は確か、東京へ向かう電車内だったと記憶しています。
出発から2時間ほどが過ぎ、中間地点である甲府も通過していない
いちばんそわそわしてしまう時間帯です。

母は窓際の席で爆睡中。
子供の頃は乗り物に酔いやすかったので、マンガを読むこともできません。
私はおもむろにハナクソをほじりだし、親指と人差し指でくるくると丸め始めました。

前の席には、見知らぬ男性の整髪料で固めた頭が少しだけ見えています。

「……あそこにハナクソ乗せたい」

そう考えた私は、母を起こさないようにそっと体を伸ばし、
ハナクソを丸め続けている右手を顔の横に構えました。

息を止め、しゅっとハナクソを放ちます。
指にくっついてしまうこともなく、大きな放物線を描いたハナクソは
何も知らない男性の頭に、すとんと乗りました。

その瞬間、「ん?」という感じで頭に手をやる男性。
私はきゅっと体を小さくして、男性の様子をうかがっていました。

やがて、なんでもないと判断した男性は元の状態に戻り、
私はしばらく身を固くしていたものの、だんだん笑いがこみ上げてきて、
ひとりで、くすくすくすくすしていました。

あの時、母の様子は確認しましたが、周りの席のことは考えていなかったので
もし、通路を挟んだ隣の席にいた人が、私のしていることに気づいていたら、
心の中で大爆笑していたんだろうなと思います。

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