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~色々なものに興味がありすぎて困っている音楽家が日々の出来事や想いを綴っています~

帝王“カラヤン”(2)

2010-02-06 06:00:00 | 音楽
               
<20100206>1988(昭和63)年のカラヤンは既に80歳…自力で歩くことが困難であるということが伝わってきていたので最後の来日になるだろうと思っていました。それだけにチケットを手に入れることができた時は本当に嬉しかったです。ところが当日になって本当に登場するかどうか…4月29日のザ・シンフォニーホールはベルリンフィルのチューニングは終わったもののカラヤンがなかなか姿を現さないので客席は異様な緊張感に包まれました。数分経ってやっと、付き添いの方に脇を支えられるようにしてカラヤンが登場した時、それだけで割れんばかりの拍手が巻き起こったのでした。1曲目はモーツァルト…高椅子に座っての指揮は演奏と合っていませんでした。明らかにコンサートマスターが引っ張っていたのですが、もしかしたらカラヤンはエネルギーを保つために始めからコンサートマスターに任せていたのかもしれません。2曲はチャイコフスキー…椅子には座らずバーにもたれかかるように立ち、「悲愴」を奏で始めた時、先程のモーツァルトとは全く別物の、まるで魔法のような指揮となっていました。曲はベルリンフィルの個性的な音で紡がれ、やがて第4楽章…陰鬱な最終楽章が終わった後の余韻は静寂そのもの…音楽とは何かということを教えてくれたように思いました。あれから約22年…忙しさにかまけてコンサートにはあまり行っていないのですが、カラヤンのDVDを見て、久しぶりに何か聴こうかなと思うようになりました。※写真=5日間公演のプログラムとチケット…プログラムAはモーツァルトの交響曲第29番とチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」、Bはベートーヴェンの交響曲第4番とムソルグスキーの「展覧会の絵」、Cはモーツァルトの協奏交響曲K.297bとベルリオーズの「幻想交響曲」でした。
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