計画の科学 どこでも使えるPERT・CPM, 加藤昭吉, 講談社ブルーバックス B-35, 1965年
・計画の管理手法である『PERT (Program Evaluation and Review Technique)』の一般向け解説書。
・私の周りではこういった計画法が使われることはないので、これに関する知識はありませんでした。40年以上も前の手法ですが、この類の方法は今でも形を変えて残っているのでしょうか。科学的に計画を立てると効率が良くなり生産性が上がることは納得できるのですが、実際取り入れる気になるかというと、、、そこまでやる気にはなれませんでした。本書の内容はほんのさわり部分のみで、本当に会得するためにはそれ相当の訓練が必要になりそうです。
・「ではこんにち、この有効性を具現する方法いかん、ということになるが、それは一口でいって、上手に計画を立て、計画を達成する上で、本質的に大切なものと、そうでないものとを区別しながら、これをうまく管理することにかかっているといえる。」p.14
・「「計画とは、われわれをとりまく関係網の中から、特定の事象にまつわる関係を抽象し、これを時間軸に中心をおいて分析検討した行動の指針である。」ということができる。」p.16
・「人間がものをつくるときの目標は、いつの時代でも、<最高の品質><最低の費用><最短の工期>という一見対立する内容を持った言葉に集約される。ここに、この種の計画のむずかしさがあり、長い間、定石の検討と集成がなされてきた。」p.20
・「これはPERTに限らずネットワーク手法全般に通じることで、ネットワークを的確に組むことはこの種の手法の最も基本的な手続きである。」p.38
・「もののとらえ方をより多角的にし、思考範囲を部分から全体に拡げるネットワーク的思考過程を大切にすべきである。」p.55
・「固定観念ほど人間を萎縮させ、老衰化させるものはない。」p.56
・「これと同じようなことは、2500年前、中国の荘子が次のように述べている。 「ひとが分別にとんだ行動をしようと欲するなら、どうしてもやらなければならないことだけをすべきで、どうしてもやらなければならないことだけをするのが、賢者の方法である。」 また、数学者のエルンスト・マッハは、 「不思議にきこえるかもしれないが、数学の力というものは、あらゆる不必要な考えをさけること、および、精神機能を極度に節約することにかかっている。」といっている。」」p.84
・「つまりPERTはわれわれに、計画にまつわる問題の所在(trouble spots)を指摘してはくれるが、その解決策を示してくれるものではない。」p.108
・「なぜなら、日本人の計画に対するかまえ方は、どちらかというと、固定的で、最初から完璧を狙い過ぎ、時機を失したり、動きがとれなくなったりすることがよくあるからである。」p.119
・「江戸時代の狂歌に――織田がこね羽柴がつきし天下餅寝ているままに食うが徳川――というのがあるそうだ。」p.121
・「以上、天下とり三人男の行動を総括してみれば、信長はわき目もふらず武力をもって、クリティカル・パスにあたる障害物を取り除き、秀吉は話術によって取り除かれたクリティカル・パスの後始末を行うと同時に、クリティカル・パスがふえないような策略を考え、家康は関係網=旗本、親藩、譜代、外様などの均整化と選択、それに未来に向かっての長い時間を計算に入れた大計画を立て、待つという技術によってクリティカル・パスを霧散霧消させたといえないであろうか。」p.124
・「PERTは日本では、昭和38年頃から、プラント建設、石油関係などの一部で使われていたが、現在では産業界の各分野で使われ、益々盛んになっていく傾向にある。」p.158
?せんきすじ【疝気筋】 1 正しくない系統。傍系。 2 筋道を取り違えること。見当違い。
?けんこん‐いってき【乾坤一擲】 さいころを投げて、天が出るか地が出るかをかけること。運命をかけるような大仕事、大勝負をすること。一擲乾坤を賭す。
・計画の管理手法である『PERT (Program Evaluation and Review Technique)』の一般向け解説書。
・私の周りではこういった計画法が使われることはないので、これに関する知識はありませんでした。40年以上も前の手法ですが、この類の方法は今でも形を変えて残っているのでしょうか。科学的に計画を立てると効率が良くなり生産性が上がることは納得できるのですが、実際取り入れる気になるかというと、、、そこまでやる気にはなれませんでした。本書の内容はほんのさわり部分のみで、本当に会得するためにはそれ相当の訓練が必要になりそうです。
・「ではこんにち、この有効性を具現する方法いかん、ということになるが、それは一口でいって、上手に計画を立て、計画を達成する上で、本質的に大切なものと、そうでないものとを区別しながら、これをうまく管理することにかかっているといえる。」p.14
・「「計画とは、われわれをとりまく関係網の中から、特定の事象にまつわる関係を抽象し、これを時間軸に中心をおいて分析検討した行動の指針である。」ということができる。」p.16
・「人間がものをつくるときの目標は、いつの時代でも、<最高の品質><最低の費用><最短の工期>という一見対立する内容を持った言葉に集約される。ここに、この種の計画のむずかしさがあり、長い間、定石の検討と集成がなされてきた。」p.20
・「これはPERTに限らずネットワーク手法全般に通じることで、ネットワークを的確に組むことはこの種の手法の最も基本的な手続きである。」p.38
・「もののとらえ方をより多角的にし、思考範囲を部分から全体に拡げるネットワーク的思考過程を大切にすべきである。」p.55
・「固定観念ほど人間を萎縮させ、老衰化させるものはない。」p.56
・「これと同じようなことは、2500年前、中国の荘子が次のように述べている。 「ひとが分別にとんだ行動をしようと欲するなら、どうしてもやらなければならないことだけをすべきで、どうしてもやらなければならないことだけをするのが、賢者の方法である。」 また、数学者のエルンスト・マッハは、 「不思議にきこえるかもしれないが、数学の力というものは、あらゆる不必要な考えをさけること、および、精神機能を極度に節約することにかかっている。」といっている。」」p.84
・「つまりPERTはわれわれに、計画にまつわる問題の所在(trouble spots)を指摘してはくれるが、その解決策を示してくれるものではない。」p.108
・「なぜなら、日本人の計画に対するかまえ方は、どちらかというと、固定的で、最初から完璧を狙い過ぎ、時機を失したり、動きがとれなくなったりすることがよくあるからである。」p.119
・「江戸時代の狂歌に――織田がこね羽柴がつきし天下餅寝ているままに食うが徳川――というのがあるそうだ。」p.121
・「以上、天下とり三人男の行動を総括してみれば、信長はわき目もふらず武力をもって、クリティカル・パスにあたる障害物を取り除き、秀吉は話術によって取り除かれたクリティカル・パスの後始末を行うと同時に、クリティカル・パスがふえないような策略を考え、家康は関係網=旗本、親藩、譜代、外様などの均整化と選択、それに未来に向かっての長い時間を計算に入れた大計画を立て、待つという技術によってクリティカル・パスを霧散霧消させたといえないであろうか。」p.124
・「PERTは日本では、昭和38年頃から、プラント建設、石油関係などの一部で使われていたが、現在では産業界の各分野で使われ、益々盛んになっていく傾向にある。」p.158
?せんきすじ【疝気筋】 1 正しくない系統。傍系。 2 筋道を取り違えること。見当違い。
?けんこん‐いってき【乾坤一擲】 さいころを投げて、天が出るか地が出るかをかけること。運命をかけるような大仕事、大勝負をすること。一擲乾坤を賭す。