フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

未来に続く道(3)

2006年03月31日 00時06分12秒 | おまけの章
天井の蛍光灯の灯りががぼやけたり、焦点が合ったりを繰り返していた時、カズトの顔がぬっとその光を遮った。

「すっげぇ、汗……。大丈夫か?つか、トオルは?!」
「事務室……。入院の手続とか、説明を……あ!」
答えている間にも、ズンズンと陣痛が襲ってくる。

つらくて手を伸ばした時、カズトの両手がしっかりと私の手を握り締めた。
「おばさんに書き置きしてきた。荷物も、ほら、持ってきた。でっ、なんか他にできる事、あるか?」
カズトの優しい言葉に首を振った。
「アリガト……ダイジョブ。……あ、っつ~~」
また来た波に、ラマーズ法を試してみたけど、声が震え、教わった通りに出来ない。

カズトの心配そうな顔が、陣痛の痛みで歪んで見えた。

看護師さんがやって来て、カルタに目を通すと、口早に説明と質問を幾つかされた。
「園田さんは経膣分娩をギリギリまで、希望されていましたが……。骨盤位経膣分娩の際のリスクは説明してありますよね」
私は、もう痛みで何が何だか分からないけど、うんうんと頷いた。

通常は、入院する際に受ける住所や、年齢と言った質問を、あまりにも早くお産が進むので、ベッドの上で、陣痛に堪えながら答えていた。

「では子宮口8cm開大ですから、とりあえず、分娩室に移動しましょうね」
看護師さんは私をベッドから抱き起こした。
移動している間にもズクンズクンと陣痛が襲ってきた。
陣痛と陣痛の合間を縫って、私は猛ダッシュした。

分娩室では、帝王切開手術の準備も整えて、先生が待っていた。

「……ご主人様ですか?」

え?!っと思い振り向くと、カズトが後からついてきていた。
「あ、そのぉ~、えーっと、オレは4ヶ月前に、ご主人……に……なり損ねた男です」

先生は、目を点にすると今度は、丁度、分娩室に飛び込んできたトオル君の方をくるんと振り向いて、にっこりと微笑んだ。
「ああ!では、君がご主人ですね」


「あ、そのぉ~、……はい」
このトオル君の返事に、カズトは「あ!きったねぇーー!まだ、違うじゃんよ!」と指を指して抗議した。
トオル君は、平然とした顔で、主張を続けた。
「……いいんだよ。4ヵ月後の僕の18歳の誕生日には入籍するんだから、ご主人予定と言う事で……」

2人は、分娩室で闘う私の隣りで、もうひとつの闘いを始めていた。

「ふ、ふ、2人とも出てってぇぇぇぇぇーーーーー!!!!」
私は、分娩台の上で怒りにプルプル打ち震えながら絶叫した。

すると、その時、お腹の中でグニョロ~~ンとした大きなウネリを感じた。
こ、これは、も……もしかすると……

「2人とも出て行きなさい!!そして、『今の』ご主人を連れてきなさい!!」
「せ、先生、もしかしたら、赤ちゃん、頭が、頭がぁぁ……」
私は言い掛けて、また陣痛の痛みに言葉を失った。

先生は、すぐに分娩台に戻り「あれ?!頭が出てきている……」と、カルテ片手にぎょっとしていた。
「え!本当ですか?!」
先生の言葉に、追い出され掛けていたトオル君とカズトは、駆け戻って来てしまった。

「出てってーーーーーーーーーーー!!」と、叫びたいのに、私は痛みでそれどころじゃなくなってしまっていた。

先生と助産婦さんの言葉に従って、無我夢中で、イキミ、無我夢中で、意識を保った。

気が付くと、2人に手を握り締められ、「はっ!はっ!はっ……」と短息呼吸をしていた。

「おめでとうございます。可愛らしい女のお子さんですよ」

赤ちゃんの元気な鳴き声と共にようやく目の焦点が合ってきた。

程無く、私の肌蹴た胸の上に、搗き立てのお餅のようにふにゃふにゃのチビちゃんが載せられた。

トオル君は「お疲れ様」とキスをし、カズトは、「有り難う」と涙を流し、先生と助産婦さんは「前代未聞だ!」と笑った。

新米のパパ達は、それはそれは嬉しそうに代わる代わる赤ちゃんを抱いて、
「この鼻が低いところとか、ハルナそっくりだ!」
と大笑いし、
「ひどい!目のクリクリしたところが私そっくりで可愛いって言おうよ!」
と私は大泣きした。

ともあれ、私は無事2,700gの女の子を出産し、16歳でママになった。


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チビちゃんへ

あなたには2人の素敵なパパがいます。
2人とも私のかけがえのない人です。

もし、あなたが道に迷ったら、2人があなたの暗い道を照らし、未来へと導いてくれるから、大船に乗った気持ちで安心してね。

そして、私を愛しているが故に身を引いてくれたパパと、私を愛しているが故に、決して諦めなかったパパのことを、いつの日か、あなたに話す時が来るでしょう。
沢山泣いて、沢山迷った時がママにもあった事を、あなたに話す時が来るでしょう。

でも、どんな時も、私はあなたに必ずこう言うと思うよ。

ママは今、とても幸せです……

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おしまい
ヤレヤレ……

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未来に続く道(2)

2006年03月30日 02時26分40秒 | おまけの章
トオル君は2段跳びに階段を駆け上ってきた。

私は、トオル君と会う時だけ羽が生える。
トオル君がくれた自由の翼……恋する翼……
嬉しくて、涙が零れて、彼目掛けてジャンプする。

「わ!わ!わ!危ないよ!ハルナ!!」

仰け反りながら抱き止めてくれたトオル君は、ペタンと階段にしゃがみ込みちょっぴり怖い顔。

「ひっく。お…ひっく、おかえり……な…さい……ひっく」
私は久し振りのトオル君の腕の中で、ポロポロ泣いた。
お布団でも、クッションでもない、本物のトオル君の温もりを抱き締めた。

「しょうのないコだね……」
安堵の溜息を吐くトオル君の温もりが伝わってくる。
「……ただいま、ハルナ」

それから、トオル君はにかんだように笑うと、私の顎にちょんと手を当て、顔を持ち上げるとキスをした。

「カ……」
カズトがいるからダメ……と、言い掛けた私の唇は、トオル君と重なった瞬間、何を言おうとしていたのかも忘れてしまった。


離れていた時間を埋めるかのような長い長いキス……
唇を重ねながら、トオル君は質問を重ねた。

「淋しかった?」
「……ううん」
「つらかった?」
「……ううん」
「ったく、もー!何度キスしたら君は正直に『うん』って言うんだよ!」

私はちょっぴり困った顔で、涙を拭くと彼にちょこんとキスを返した。

「『会いたかった?』って聞こうよ!そしたら『うん』って答えるから……」

トオル君は笑う。
つられて私も笑う。

その隣りに、カズトがどっかりと腰を下ろした。
「目の毒なんだけど……。オレに気の毒だと思わねぇーのかよ」
苦々しく毒気付いてカズトは笑っていた。

「あ!片岡、いたのか!?久し振り」
トオル君は、驚いて、握手しようとカズトに手を差し出した。

カズトはトオル君の差し出す手をパンっと叩いて、トオル君を睨みつけた。
「何が、『あ!片岡、いたのか!?』だよ!空々しい!!っつーか、お前、来週戻ってくるって言ってなかったっけ?」
「僕は、君に言った覚えないけど……」
「あ、わり。おばさん(ハルナのママ)経由で、うちのオフクロが聞いてたんだった」

2人の間にちょっぴりぴりぴりしたムードを感じて、胃がズクン!とした。
……あれ??胃と言うよりも、もっと下の方……かも……


私は、痛む胃、よりもちょっと下の方を押さえた。
もしかして……
もしかして……
これは……
「……来た……かも……」

「へ?」
カズトは前を歩きながら振り向いた。
「どうしたの?ハルナ?」
トオル君は、後ろから顔を覗き込んできた。

「……陣痛」

2人はぴたっと歩を止めた。
「じ、陣痛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

2人揃って、見事なシンクロ絶叫をした。

「……っ!いった……い。ズクンズクンする……」
私はお腹を抱え込むと、その場にしゃがみ込んでしまった。

「じ、陣痛ってお前……」
「片岡、すまない。荷物を頼む」

トオル君は、素早くちらっと腕時計に目を落とし、動揺するカズトに、自分の荷物を渡し、私をひょいと抱え、車道まで走った。

「ハルナ、今は、大丈夫だよね。痛みは消えてるよね」
私は彼の言葉に、こくんと頷いた。
「じゃぁ、次に波が来たらまた教えて」

3人でタクシーに乗り込むと、トオル君はカズトに私の入院荷物のピックアップとママ達への連絡を指示した。
そして、私の家の前でカズトを降ろすと、すぐさま病院へとタクシーを走らせた。

冷静なトオル君の行動にほっとした頃、また次の波が来た。

「10分間隔か……」

トオル君の額に汗が滲んでいた。
ふと、目と目が合うと、彼は心配そうな顔で、「つらい?」と聞いてきた。
微笑み首を振る私に、「こう言うときはつらいって言っていいんだよ……」と言って、強く抱き締めてくれたんだ。

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未来に続く道(1)

2006年03月29日 00時05分37秒 | おまけの章
トオル君

お元気ですか?
アメリカは、暑いですか?
日本は、入道雲が天高く空に浮かび、うだるような夏の気配が一層感じられるようになってきて、臨月の私にはちょっと厳しい日々が続いています。
赤ちゃんの出産予定日には間に合わないとのことでしたが、それでも帰ってきてくれるだけで嬉しいです。
赤ちゃんは、逆子らしく、やっぱり今日の検診で帝王切開にしようと先生がおっしゃっていました。
それでも諦められなくて、毎夜フーフー言いながら逆子運動をしています。

そうそう。あれから、何度もテレビでトオル君を観ました。
この間、電話で、「忙しくて3時間と寝ていない」と言っていましたが、大丈夫ですか?

赤ちゃんとママと私の3人で(パパも転勤先から明日戻って来てくれるから4人です)、トオル君の帰りを待っていますね。

愛してます。(←う~ん、やっぱ、恥かしいよ……。次回からこれは省略します!)

byニンプハルナ

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可能性は低いけど、自然分娩を望むならそろそろ運動をこまめにして、子宮口を柔らかくした方が良いという先生のアドバイスの下、私は郵便ポストまでの長い階段を「ヒッ、ヒッ、フー」とラマーズ法の練習をしながら降りていった。

だけど、さすがにお腹が重くて、歩いていると足の付け根が痛くなってきた。
歩き方も、お相撲さんチックだし。
でも何よりも辛いのは寝る時……。
私は、うつ伏せになって寝るのが好き。
何となくその方がトオル君に抱き締められているような気がするから。
それが出来なくてつらい。
でも横になっても、仰向けになっても苦しくて寝れなかった日々ともう少しでサヨナラなんだ……。
ちょっぴり淋しいような気がするよ。チビちゃん。

階段の途中で「よっこらしょ」と腰掛けて、お家から持ってきた水筒に手を伸ばすと、中に入っていたミネラルウォーターをゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでいた。
「ん~!美味しいよぉぉぉぉ!!」
でも、チビちゃんには冷た過ぎたのか、お腹の中で嫌がるようにウニョーンと動いた。
「ごめんね。冷た過ぎたかな?」
お腹をさすりながら、私はチビちゃんに話し掛けていた。
すると、暫くして、お腹の赤ちゃんがシャックリを始めた。
お腹の中が、ピクンピクンと小刻みに動いている。
しかも、止らないらしい……。
ウニョーンがちょっと激しくなる。

「だ、大丈夫?チビちゃん!ご、ごめんね」

私が懸命に話し掛けていると、階段の天辺から声が降ってきた。

「おーい、そこのニンプ!独り言は寒いぞ!」
「カズト!」

私は、少し歩を速めて階段を駆け上がった。

「いつ、こっちに?大学は?」
「……久し振り!たった今着いたとこ。大学は夏休みに入ったよ」

カズトの久し振りの笑顔に少し涙ぐんでしまった。

「お~い、泣くな~。こっちはまだ傷が癒えきってねぇんだから、そんな目で見られると、抱き締めたくなっちまうだろ?!」

笑顔!笑顔!
私は頑張って、ニコ~と笑った。
カズトは目を皿のようにすると、冷ややか~な声で言った。
「ざぁとらしー笑顔……。っつーか、お前さ、4ヶ月近く会わないうちに、ますます横綱に磨きが掛かったみてぇだな」

日に焼けたカズトが、笑いながら私の涙を指で拭った。

「ひどい!久し振りに会ったのにそのセリフ?」

私がカズトをちょっぴり睨みながら笑っていると、今度は階段の下から、微かに私の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がした。


まさか……
まさか、だよね……

「ハルナ!」

この声のする方を振り向くと、トオル君が手を振っていた。

「トオル君!!」

あまりの事に、私はビックリして目がドングリになった。
ついでにチビちゃんもビックリしたようで、いつの間にかシャックリがピタリと止ってしまっていた。

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最終回:桜の花の咲く頃

2006年03月28日 10時30分26秒 | 最終章 エターナル
私は夢中で走った。
「カズト!待って!!」
カズトは私を拒絶するかのように、毅然と前を向いて歩いていた。
私は、ハイヒールをすっとドレスの前に滑らせると、それを手に持ち、振り被ってカズトの頭目掛けて投げ付けた。

「いってぇー!何すんだよぉ!!」

……ふ、振り向いた……
でも、かなり怒らせちゃった……。
私はゴクンと息を飲んだ。

「呼んでるのに、待ってくれないからでしょ!!」
私は怒りながら戻ってくるカズトの目を睨みつけた。
「私も行く!私は逃げたりしないもん!!」
「いいよ!オレ1人で行く!」
そう言うカズトの腕に私は強引に手を滑り込ませた。
「手ぇ、離せよ!1人で行くつってるだろ?!」

それでも私は頑として、受け入れなかった。
「カズトは信じないかもしれないけど……。私……、ちゃんと……、ちゃんとカズトのことも愛してたんだよ……」

カズトは、私の手を払いのけようとする手を止めた。

「……知ってたよ。でもあいつのことの方がもっと好きなんだろう?」
「……ごめ……」
涙で声が堰き止められて、言葉が奥に引っ掛かってしまった。
カズトは泣いている私を強く抱き締めると、笑った。

「ったく、しゃーねーなー。こういうしんどい想いすんのはオレ1人で十分だってぇのに……。バカだよな、お前は……」
カズトは、体を屈めると私の顔を覗き込み、「ぷっ!ひでぇ、顔!」と笑った。
そして、次の瞬間、自分の腫れた瞼に気付き、「ってゆーか、オレもひでぇな……」と笑った。
「ほいじゃ、夫婦として最初で最後の共同作業をすっか!
…あ、入籍してねぇから夫婦じゃなかった……」
「夫婦だよ」
私はカズトの手を強く握った。
「赤ちゃんのパパとママとして恥かしくないように、きちんと皆に謝ろう。2人で」

私達は式場の扉の前に立ち、背筋を伸ばし2人で深呼吸した。
扉が開く直前に、カズトは強く私の手を握り、呟いた。

「やっぱ、お前はつぇーわ」

それから私達は雛壇に登り、ざわめく招待客に向けて結婚の取りやめを宣言し、深々と頭を下げ、謝罪をした。

帰る招待客の1人1人に頭を下げながら、お祝儀袋を返し、引き出物を手渡した。
「ホテル開業以来の前代未聞の出来事でした」と、苦笑いしていたホテルのスタッフの人にも、謝罪した。

怒る人も、笑う人もいたけど、なんとか無事終わった。
式をメチャクチャにしちゃったんだから……無事でもないけど。
でも、無我夢中で謝っていたんだ。

最後の1人に謝罪してお辞儀をすると、会場から人が1人もいなくなり、私達は2人、ぽつんと空いたテーブル席にぽぉっと腰掛けていた。
暫くすると、ホテルの人が食器やテーブルを片付ける音に私達ははっとなった。

「お疲れ」
「ん。カズトもお疲れ様」
カズトは軽く首を振った。
「幸せに出来なくて、ごめんな」
「……ううん。十分、幸せだったよ」
「そっか……」
カズトは私の手を取ると、掌にペンダントを乗せ、私に背を向けた。
「もう行けよ……。やっぱ、今は、一人になりたい」
私はカズトを抱き締めると、「有り難う……」とその頬にキスをして、式場を去った。

キスをしている時、カズトは言った。
「ハルナ、幸せになるんだ」と。

涙が後から後から溢れてきた。

控え室に戻ると、トオル君は笑顔で「お帰り」と言って私を抱き締めてくれた。
「よく頑張ったね」
「トオル君がいてくれたから、今まで、頑張れた……。アリガト……」
私は彼の腕の中で涙が枯れて無くなるまで大声を上げて泣いた。
泣いて泣いて泣き疲れて、「ひっく、ひぃぃぃっく!」としゃくりあげた頃、私の頭を撫でていたトオル君が、ふと私の頭越しに「ハルナ!外!!」と指差した。

窓の外では、桜がその小さな蕾をほころばせていた。

トオル君は私の肩を抱き寄せると、桜の花を穏やかな目で見つめていた。

「子供には、僕たちのことをちゃんと教えてあげよう。
『君には、僕と片岡和人と言う2人の父親がいる』と言う事を……」

トオル君の私を包み込む腕の中で、私はそっと頷いた。

この花のように儚く散る想いもあったんだと、カズトを想うと今は胸がズキズキ痛むけど、この想いを抱いたままでもトオル君は「それでいいんだよ」と抱き締めてくれる。

昔、私は恋がしたかった……
私はただ恋に憧れていた……

なのに、せっかくした恋は、つらくて、みっともなくて、泣くばかりだったけれど、この桜の花のように、今、ようやく咲いてくれた。

愛しみ合って生きていこう……

私達はそう誓いながら、いつまでも寄り添いながら桜の花を2人で見つめていた。

第1部完

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Special Thanks!
koukoさん
じゅんちさん
okamehimeさん
はぜイチさん
えりさん
海苔屋のおっさんさん
あっちゃんさん
うららさん

明日から、3回ほどエピソード(その後)をお送りしますね。
長い間、第1部をご愛読下さり本当に有り難うございました
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自由な翼

2006年03月28日 06時07分04秒 | 最終章 エターナル
カズトは、私が横たわっていたベッドにどっかりと腰を下ろすと、私の顎に手を添えて顔を持ち上げた。

「体の具合、どうよ?」
「……大丈夫」
「アカンボは?」
「大丈夫……」

トオル君は、ただ黙って目を瞑り、頬にタオルを当てながら壁に寄り掛かっていた。
そうしながら、私たちの会話に全神経を集中させているのが分かる。

「昨日の夜は、頑張り過ぎちゃったからなぁ~」
「カ、カズト!」

聞かれたくなかった……
そんなことトオル君の前で言って欲しくなかった……

私は、動揺に耳を塞ぎ、目を伏せると、声を振り絞った。
恐くて、トオル君の顔が見れない……

「夫婦になるんだから、そんなの当然だろ?だけど、いつもそぉゆー顔するんだよな。お前は……」

カズトは、ベッドから立ち上がると、天井を見上げ、溜息を吐いた。
「それでも、今まで……何とかなると……。お前はオレのものなんだから、と……」
カズトの声は震え、途切れがちになった。

「会場に戻る」

何かを決心したように、そう言うとカズトはトオル君を鋭く睨みつけた。
「こいつと話すことなんか何にもねぇから!」
「カズト!」
「花嫁に逃げられた間抜けな新郎の役を、最後まで演じてくるさ。もう、お前の顔なんか見たくもねー」

そう言うと、足音も荒々しく後ろ手に戸を閉めて出て行った。
「カズト!待って!!」
私は慌てて起き上がるとドレスの裾を持ち上げて、ハイヒールに足を通した。

トオル君と目が合い、一瞬時間が止った。
何も話さなくても、トオル君は私の思っていることを感じ取ってくれた。
心が通い合い、私達は同じ想いを瞳から伝え合っていた。
トオル君は優しく頷き、笑った。

「行っておいでよ。君は君自身のものだ。片岡のものでも、僕のものでもない。
君はいつだって自由な翼を持っているんだ」
「……トオル君、ごめんね!」

それだけ言い残すと、私はカズトの後を追って駆け出した。

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淡雪通信vol.21(F2開店)

2006年03月27日 22時26分15秒 | 最終章 エターナル
最終回が近づくにつれ、こんなにも沢山の人に読んで頂けるなんて……もう泣きそう。
本当に、感謝しています。
実は今日、「フラワーガーデン2」(http://plaza.rakuten.co.jp/flowergarden2/)を楽天広場に立ち上げました。
トオル君の出生の秘密が明らかになります。
アリシア、ジョージ、キンケイド、トオル君の両親が出てきます。
第一部の伏線を拾い捲る予定です。
良かったらお越し下さい\(≧▽≦)/


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ハルナの幸せ

2006年03月27日 01時16分53秒 | 最終章 エターナル
パパの仲裁のお蔭で、カズトとトオル君の2人は無事医務室送りとなっていた。

当のパパは「おー!痛……!」と言いながら、私が差し出した濡れタオルを左頬に当てていた。

仲裁に入ったパパが視界に飛び込むなり、トオル君の拳は寸前でピタッと止ったけど、カズトの方は勢い止らず、パパの左頬を強打してしまっていた。

「カズトのヤツ!どさくさに紛れて、僕のこと3度も『お父さん!』と呼びやがった!!!!」
「パパ、それ怒りどころが違うから……(ってゆーか、殴られた事を怒ろうよ……)」

私のツッコミを無視して、パパは私をじっと見つめた。

「しかし、あれだね……。トオル君だっけ?彼のあの技はどこで習ったんだろうね。空手とも柔道とも違っていた……。あれは確実に相手の急所を捕え、人を殺傷する事を目的とした技だった……。背筋が凍ったよ。彼が手加減しなければ、カズトはあの世送りだったかもしれないね……」

私は、まるで舞うようにカズトの拳をすり抜けるトオル君のしなやかな動きを思い出していた。

美しいと思った……

でも、今、パパの話を聞いて、彼はどうしてそんな技を身に付けなくてはならなかったんだろう……そう思うと悲しくなった。

私が、彼のことを考え、物思いに浸っていると、パパが徐に口を開いた。
「君はあの少年と付き合っていたのか?」
突然のパパの質問に一瞬戸惑ったけど、私は静かに頷いた。
「だけど、君のお腹の子の父親はカズト……。僕はその意味をどう取ったらいいのかな?」

パパは私の表情を読み取ろうとするかのように、じっと私の顔を見つめた。
私はパパの目線から逃れるように唇を固く結ぶと、俯いた。

「僕は神様でもなければ、裁判官でもない。だから、誰がどう悪いのか裁くつもりも無い……。だけど、君の父親として、心から君の幸せを願っているんだよ」
パパの優しい言葉に涙が溢れそうになった。

「……君は、あの少年を愛しているんだね?」
「あ……。私……」
「『世間体』とか、『こうしなくちゃならない』とかではなくて、きちんと自分の心を見つめるんだ。……結婚を侮っちゃいけないよ」

パパは私の頭を優しく撫で、少し開いた扉の向こう側に向かって大声で話し掛けた。
「そう言う訳で、式場関係者と招待客には、僕と和明から上手く話をしておくから、後は君達3人でよく話し合いなさい!」
扉がギィーっと開くと、タオルを左頬に当てたトオル君とカズトが入ってきた。

パパとカズトとトオル君の3人は、お互いタオルを左頬に当てながら一瞬目線を合わせると気まずそぉ~な顔をした。

「もう一度殴り合いをしたら、君達に娘はやらんぞ!」

パパは睨みながら2人の頭を小突くと、式場へと足早に走っていった。



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略奪

2006年03月26日 07時22分03秒 | 最終章 エターナル
トオル君は、温かくてその大きな両手に私の手を包んだまま、目を瞑り、額にあてた。
まるでお祈りでもしているかのように……

「君を……愛している」

トオル君の想いを振り払おうと、強く首を振り、懸命に手を引くのに……
それでも、彼の揺ぎ無い瞳の前に、私の心が捕まってしまう。

「ハルナ……、もう嘘はつかないで。今、君が本当のことを言わなかったら、僕たちは一生、お互いの心を求めて彷徨うんだ。……そんな運命を、君は黙って受け入れるつもりか!?」
「出て行けよ!コソドロ!!」

突然、扉が大きく開いたかと思うと、烈火の如く怒りを露わにしたカズトが部屋へ飛び込んで来た。
トオル君の襟を掴み持ち上げたかと思うと、次の瞬間、彼の頬に拳を振り上げた。

「トオル君!!」

壁に打ちつけられたトオル君の唇から血が流れ落ちていた。

「大した心臓だな!?オレ達の結婚式に来るなんてな!だが、お前を呼んだ覚えはねぇぞ!!」

トオル君は切れた唇から、流れ落ちる血を袖で拭いながら立ち上がった。

「みっともねぇことすんなよな!」
「……みっともなくてもいいさ。今、伝えなければ、ハルナを一生失ってしまうんだ」
「ヒトの女を気安く呼び捨てにしてんじゃねぇよ!!」

カズトの放った拳が再度トオル君の頬を打ち、彼はガラガラとパイプ椅子をなぎ倒しながらその場に倒れこんでしまった。
それでもトオル君は、カズトを睨みつけながら、ユラユラと立ち上がった。

「トオル君……!カズト、止めて!!」


いつの間にか、控え室には、式場のスタッフや、数人の招待客が入って来ていた。
「何だ?」
「どうしたんだ?一体……」
「おい!誰か警備員を呼んで来いよ!!」

騒然とした控え室は、たちまち新たな見物客を呼び込んでしまっていた。
三度、カズトの放った拳に、私は悲鳴を上げ、目を瞑った。

「殴られっぱなしじゃ、割に合わないな……」

そう言うと、トオル君はカズトの拳をヒラリと交わし、驚いて振り向くカズトの顔面に右ストレートを放った。
カズトは強く床に打ち付けられ、切れた口の中から出た血をぺっと吐き出した。
「このやろぉ!!!」
掴み掛かろうとするカズトの手を掴んだかと思うと、トオル君はその手を捩じ上げ、くるんとカズトの体を宙に浮かせ、床に打ちつけた。

「止めて!二人とも!!トオル君!!カズト!!」
泣きながら叫ぶ私の声は、ざわざわと集まった野次馬の声に掻き消された。

「ごめんね!ハルナ!!」
いつの間にかトモが泣きながら背後から私を抱き締めていた。

「私……、私、トオル君から、電話を貰ってたの……。
『片岡と話がしたいから住所を教えてくれ』って……。
でも、私、『もう遅いよ。諦めた方がいいよ』って教えなかったんだよ。
そしたら、トオル君、『じゃ、仕方ないね』って笑って、『本意じゃないけど、結婚式場まで略奪に行くしかないか……』って言ってて……。
でも、まさか本当になるとは思ってなくて……」

動揺するトモを抱き締めながら、私は顔を上げた。

そして、次の瞬間、ぞくっとした。
カズトの拳を紙一重で交わし、赤子の手を捻るかのようにカズトを扱うトオル君の姿に慄然とした。
私は、トオル君のその訓練された無駄の無い動きに鳥肌が立ち、震えた。

「止めさせなければ……」
パパの声が背後でしたかと思うと、素早く二人の間に割って入り、「ここまでだ!」と叫び、2人の拳をその腕で受け止めていた。



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引き寄せる手

2006年03月25日 00時04分34秒 | 最終章 エターナル
夜景が自慢のホテルでの披露宴が始まった。
招待客は東京の夜景を堪能しつつ、ホテル自慢の料理に舌鼓を打ち、会話に花を咲かせていた。
そうした中、司会進行も滞りなく進み、披露宴は終始和やかな雰囲気に包まれていた。

「ご夫婦で……」
「ご新婦様には……」
「お若い二人が……」
「夫として、妻として……」

祝福のスピーチを聞く度に、私はカズトの妻になるのだと言う責任の重さを強く意識し始めていた。
次第に冷たい汗が体を伝い、音と言う音が遠のいて行く。

タイミング良く、花嫁のお色直しを告げる司会の言葉にほっとし、介添さんに付き添われて席を立った。
「少し、横になって来いよ」
ヒソヒソ声で、体を気遣ってくれるカズトの優しさにそっと笑顔を返した。

あの日の電話以来、ずっと何かを言いたそうにしていたトモの横を会釈しながら通り過ぎ、足早に控え室を目指した。

控え室に入るなり、お色直しのドレスを着ている私の顔を見ながら、介添さんが心配そうに声を掛けてきた。

「まぁ……。大丈夫ですか?お顔が真っ青ですよ」
「……大丈夫です。でも……、5分だけ、横になってもいいですか?」

私はコルセットを緩め、ハイヒールを脱ぐと、予め持ち込まれていたベッドに横になった。
「妻……かぁ」
今日は、精神的にちょっと不安定かもしれない。
「妻」と言う司会や参列者さんからの言葉に、心が動揺する。

じんわりと滲む涙を慌てて拭いていると、突然、控え室に流れているクラシック音楽が耳に入ってきて、私は飛び起きた。

「美しく青きドナウ……」
堪らず涙が溢れ出た。

「トオル君……トオル君……」
小さな声で呟き泣いていると、目の前にすっと白いハンカチが差し出された。
まさか人がいたなんて……。
聞かれただろうか……。

ドキドキしながらも、「有り難うございます」とお礼を言い、何とかこの場をやり過ごそうと、ハンカチに手を伸ばした瞬間、その手は私の手を強く握り締めた。

「泣き虫で嘘つきな花嫁さん……。このワルツに想い出でもあるの?」

その聞き覚えのある声に驚き、顔を上げた。

「ト、トオル君!どうしてここに……」
息が止り、言葉が喉の奥に引っ掛かる。
「アメリカに帰るって……」

トオル君は、片膝をつき、私の手を取ると真剣な眼差しで手の甲にキスをした。
「君を取り戻しに来た」
トオル君の言葉に驚き、強く首を振ると、私は手を引こうと力を込めた。
だけど、彼はより強い力で私の手を握り締め、決して離してはくれなかった。

私は、泣きながらトオル君の指をひとつひとつ離し、解こうとした。
「だ、だめだよ。トオル君……。私と、トオル君は、きっと結ばれない運命だったんだよ」

トオル君は、迷いの無い強い瞳で私を見つめると、両手で私の手を包み込んでしまっていた。
「僕は、そう言う運命と死に物狂いで戦うつもりだ。僕はもう絶対に君を諦めない。
君が『YES』と言うまで、何度でも言うよ。
……僕と結婚して欲しい」




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受難の花婿

2006年03月24日 10時49分35秒 | 最終章 エターナル
髪を結い、生まれて初めての化粧をし、生まれて初めてのウェディングドレスに袖を通した。

ただでさえ慣れない雰囲気にそわそわしているのに、招待客のざわざわとした声が控え室にも届き、より一層私を落ち着かなくさせる。

「まぁ!まぁ~!!なんてお若くてお美しい花嫁様なんでしょう!!」
着付けとメイクをして下さったスタッフの人達から、一斉に感嘆と溜息が漏れる。

「あ、有り難うございます……」

履き慣れないハイヒールで、ドレスの裾を踏まないように気を付けて歩く。
ホテルの中を移動しながら、恥かしくて心なしか俯き加減になってしまう。

「まぁ~、綺麗ね~!」
「お人形さんみたい!」
「若い頃の私みたいだわ~」

お約束の賛辞を受けながら、何とかホテル内にある教会の入り口に辿り付くと、パパが目を潤ませて立っていた。

「綺麗だよ、ハルナ……。くそっ!和明のヤツ!!」
「パパ……、それカズトのお父さんの名前だよ?!」
「あ!そうだった……。カズトのヤツ!!」

パパは、私が腕をそっと掴むと、ぶわっと涙を浮かべ、また「くそっ!!」と呟き、目頭をハンカチで抑えた。

教会への扉が開き、ロボット歩きのパパの歩に慌ててツーステップで合わせる。

歩みを止めると、試着の時、「燕尾服なんて、七五三以来だ」と笑っていたカズトが、背筋を伸ばして微笑んで立っていた。

二人は一礼すると、パパは私の手をカズトに渡した。

外国人の神父さんのたどたどしい日本語による、厳粛な式が始まった。
賛美歌に、誓いの言葉に、誓いのキス……
パパの「ちくしょう!」と小さく呟いたつもりの声が教会にこだまし、参列者の泣き笑いを誘っていた。




結婚式の朝、私とカズトは実家に一旦戻り、お互いの親に挨拶しようと車を走らせた。
カズトと私は、「じゃぁ、後で」と目配せすると、隣同士のお互いの玄関の戸を開けた。

家では、パパもママもすっかり支度を済ませていた。
パパは、私の顔を見ると、「また、綺麗になったんじゃないか?」と笑った。

私達はリビングのソファーに腰を下ろし、最後の時間をゆったりと過ごした。
パパは、コーヒーをテーブルに置き、家族の写真に目を細めながら、穏やかな口調で話し始めた。

「若くして結婚した僕達の元には、なかなかコウノトリが現われなくてね。
『もう、赤ちゃんは授からないだろう』と落胆した頃に、ママは君を身篭ったんだ。
その君は16年前の今日、2,000gにも満たない未熟児で産まれて、無事育つだろうかと毎晩不安な気持ちで寝顔を覗き込んでいたんだよ……。それを!それを!!16年しか育てていないのに和明に取られるとは!!」
「パッ!パパ!!それ、カズトのお父さんの名前だから……」
「そうだったな。はは……」
私の突っ込みに、パパは力なく笑った。

出掛ける前に、パパとママに今まで育ててもらったお礼を言おうと、言葉を切り出すと、ママは微笑み、パパは「言うな!」と号泣した。

その時のパパの淋しい横顔が、今も淋しさに項垂れていた。

挙式を無事に終え、披露宴が始まる前の控え室でパパとカズトは、楽しそうに笑いながら話していた。

「でも、お隣同士ですし、すぐにいつでも会えますよ。お父さん」
「……まだ、入籍していないんだから、お父さんは早いだろう!」
拗ねたパパの言葉に、ママと私は「パパ!!」とユニゾって反論した。

パパは私達をチロンと睨みつけると襟を正した。
少し拗ねながらもパパはコホンとひとつ咳をし、カズトに頭を下げた。

「娘を頼むよ」
「いや……そんな、こちらこそ……お父さん」
「だから、お父さんは早いと言ってるだろう!!」
「あ!パパ!!」
「あなたっっっっ!!!」

頭を下げるカズトのミゾオチに、パパは思わずボクシング部で鍛えた拳をお見舞いしてしまっていた。



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