トオル君
お元気ですか?
アメリカは、暑いですか?
日本は、入道雲が天高く空に浮かび、うだるような夏の気配が一層感じられるようになってきて、臨月の私にはちょっと厳しい日々が続いています。
赤ちゃんの出産予定日には間に合わないとのことでしたが、それでも帰ってきてくれるだけで嬉しいです。
赤ちゃんは、逆子らしく、やっぱり今日の検診で帝王切開にしようと先生がおっしゃっていました。
それでも諦められなくて、毎夜フーフー言いながら逆子運動をしています。
そうそう。あれから、何度もテレビでトオル君を観ました。
この間、電話で、「忙しくて3時間と寝ていない」と言っていましたが、大丈夫ですか?
赤ちゃんとママと私の3人で(パパも転勤先から明日戻って来てくれるから4人です)、トオル君の帰りを待っていますね。
愛してます。(←う~ん、やっぱ、恥かしいよ……。次回からこれは省略します!)
byニンプハルナ
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可能性は低いけど、自然分娩を望むならそろそろ運動をこまめにして、子宮口を柔らかくした方が良いという先生のアドバイスの下、私は郵便ポストまでの長い階段を「ヒッ、ヒッ、フー」とラマーズ法の練習をしながら降りていった。
だけど、さすがにお腹が重くて、歩いていると足の付け根が痛くなってきた。
歩き方も、お相撲さんチックだし。
でも何よりも辛いのは寝る時……。
私は、うつ伏せになって寝るのが好き。
何となくその方がトオル君に抱き締められているような気がするから。
それが出来なくてつらい。
でも横になっても、仰向けになっても苦しくて寝れなかった日々ともう少しでサヨナラなんだ……。
ちょっぴり淋しいような気がするよ。チビちゃん。
階段の途中で「よっこらしょ」と腰掛けて、お家から持ってきた水筒に手を伸ばすと、中に入っていたミネラルウォーターをゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでいた。
「ん~!美味しいよぉぉぉぉ!!」
でも、チビちゃんには冷た過ぎたのか、お腹の中で嫌がるようにウニョーンと動いた。
「ごめんね。冷た過ぎたかな?」
お腹をさすりながら、私はチビちゃんに話し掛けていた。
すると、暫くして、お腹の赤ちゃんがシャックリを始めた。
お腹の中が、ピクンピクンと小刻みに動いている。
しかも、止らないらしい……。
ウニョーンがちょっと激しくなる。
「だ、大丈夫?チビちゃん!ご、ごめんね」
私が懸命に話し掛けていると、階段の天辺から声が降ってきた。
「おーい、そこのニンプ!独り言は寒いぞ!」
「カズト!」
私は、少し歩を速めて階段を駆け上がった。
「いつ、こっちに?大学は?」
「……久し振り!たった今着いたとこ。大学は夏休みに入ったよ」
カズトの久し振りの笑顔に少し涙ぐんでしまった。
「お~い、泣くな~。こっちはまだ傷が癒えきってねぇんだから、そんな目で見られると、抱き締めたくなっちまうだろ?!」
笑顔!笑顔!
私は頑張って、ニコ~と笑った。
カズトは目を皿のようにすると、冷ややか~な声で言った。
「ざぁとらしー笑顔……。っつーか、お前さ、4ヶ月近く会わないうちに、ますます横綱に磨きが掛かったみてぇだな」
日に焼けたカズトが、笑いながら私の涙を指で拭った。
「ひどい!久し振りに会ったのにそのセリフ?」
私がカズトをちょっぴり睨みながら笑っていると、今度は階段の下から、微かに私の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
まさか……
まさか、だよね……
「ハルナ!」
この声のする方を振り向くと、トオル君が手を振っていた。
「トオル君!!」
あまりの事に、私はビックリして目がドングリになった。
ついでにチビちゃんもビックリしたようで、いつの間にかシャックリがピタリと止ってしまっていた。
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「フラワーガーデン2」連載始めました
↑「いま、会いにゆきます」で有名な♪アルファポリスです
↑ランキング上位に入ってしまいました(@ O @)応援有り難うございます♪
お元気ですか?
アメリカは、暑いですか?
日本は、入道雲が天高く空に浮かび、うだるような夏の気配が一層感じられるようになってきて、臨月の私にはちょっと厳しい日々が続いています。
赤ちゃんの出産予定日には間に合わないとのことでしたが、それでも帰ってきてくれるだけで嬉しいです。
赤ちゃんは、逆子らしく、やっぱり今日の検診で帝王切開にしようと先生がおっしゃっていました。
それでも諦められなくて、毎夜フーフー言いながら逆子運動をしています。
そうそう。あれから、何度もテレビでトオル君を観ました。
この間、電話で、「忙しくて3時間と寝ていない」と言っていましたが、大丈夫ですか?
赤ちゃんとママと私の3人で(パパも転勤先から明日戻って来てくれるから4人です)、トオル君の帰りを待っていますね。
愛してます。(←う~ん、やっぱ、恥かしいよ……。次回からこれは省略します!)
byニンプハルナ
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可能性は低いけど、自然分娩を望むならそろそろ運動をこまめにして、子宮口を柔らかくした方が良いという先生のアドバイスの下、私は郵便ポストまでの長い階段を「ヒッ、ヒッ、フー」とラマーズ法の練習をしながら降りていった。
だけど、さすがにお腹が重くて、歩いていると足の付け根が痛くなってきた。
歩き方も、お相撲さんチックだし。
でも何よりも辛いのは寝る時……。
私は、うつ伏せになって寝るのが好き。
何となくその方がトオル君に抱き締められているような気がするから。
それが出来なくてつらい。
でも横になっても、仰向けになっても苦しくて寝れなかった日々ともう少しでサヨナラなんだ……。
ちょっぴり淋しいような気がするよ。チビちゃん。
階段の途中で「よっこらしょ」と腰掛けて、お家から持ってきた水筒に手を伸ばすと、中に入っていたミネラルウォーターをゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでいた。
「ん~!美味しいよぉぉぉぉ!!」
でも、チビちゃんには冷た過ぎたのか、お腹の中で嫌がるようにウニョーンと動いた。
「ごめんね。冷た過ぎたかな?」
お腹をさすりながら、私はチビちゃんに話し掛けていた。
すると、暫くして、お腹の赤ちゃんがシャックリを始めた。
お腹の中が、ピクンピクンと小刻みに動いている。
しかも、止らないらしい……。
ウニョーンがちょっと激しくなる。
「だ、大丈夫?チビちゃん!ご、ごめんね」
私が懸命に話し掛けていると、階段の天辺から声が降ってきた。
「おーい、そこのニンプ!独り言は寒いぞ!」
「カズト!」
私は、少し歩を速めて階段を駆け上がった。
「いつ、こっちに?大学は?」
「……久し振り!たった今着いたとこ。大学は夏休みに入ったよ」
カズトの久し振りの笑顔に少し涙ぐんでしまった。
「お~い、泣くな~。こっちはまだ傷が癒えきってねぇんだから、そんな目で見られると、抱き締めたくなっちまうだろ?!」
笑顔!笑顔!
私は頑張って、ニコ~と笑った。
カズトは目を皿のようにすると、冷ややか~な声で言った。
「ざぁとらしー笑顔……。っつーか、お前さ、4ヶ月近く会わないうちに、ますます横綱に磨きが掛かったみてぇだな」
日に焼けたカズトが、笑いながら私の涙を指で拭った。
「ひどい!久し振りに会ったのにそのセリフ?」
私がカズトをちょっぴり睨みながら笑っていると、今度は階段の下から、微かに私の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がした。
まさか……
まさか、だよね……
「ハルナ!」
この声のする方を振り向くと、トオル君が手を振っていた。
「トオル君!!」
あまりの事に、私はビックリして目がドングリになった。
ついでにチビちゃんもビックリしたようで、いつの間にかシャックリがピタリと止ってしまっていた。
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