翌朝、玄関の物音に目が覚め、ベッドから飛び起きた。
カズトは玄関に腰を下ろすと、靴も脱がずそのまま座っていた。
「カズト……」
「……ごめん」
私は黙って頭を振った。
カズトの背中がとても淋しそうに、小さく見えた。
「私も、ごめん」
カズトの背中が微かに震えた。
「でも、でもね。何もなかった。本当だよ……」
「……何で、行ったんだよ」
「ちゃんとお別れを言おうと思って……。
そしたら、トオル君、両手を怪我してて……。
ほっとけなくて、それで……」
「ほっとけよ……。やつのことなんか!」
「……だって、怪我してたんだよ?!」
「でも、相手はトオルだぞ!」
また、険悪なムードになってきた時、カズトが深い溜息を吐いた。
「お前はあいつのことを愛していた……。
そんなヤツと一夜を過ごしたと聞いてオレが傷付かないと思うのか?
逆に、お前が俺の立場だったら、どうなんだよ?」
彼の言葉にきりっと胸が痛んだ。
カズトは何があっても、私だけを愛していると、私以外は愛さないと、人目も憚らず言っていたから……。
カズトの想いに甘えてしまっていた自分の身勝手さに改めて気付かされた。
「服、ごめんな」
彼の優しい言葉に昨日までの凍り付いた恐怖が溶け始めて、温かい涙になった。
「弁償するから……」
「……100万3,980円です」
「はぃぃぃ?あんなのがそんなにするわけねーだろ!」
カズトは笑いながら、私の頭を小突いた。
「精神的に痛かったも……。100万円の慰謝料と、3,980円の損害賠償代です」
私が涙を拭きながら笑うと、「最近のお前はつえーわ」と笑いながら、ポケットからゴソゴソと小さな箱を出し、私の膝に置いた。
「なに?これ?」
「慰謝料分」
「開けてもいい?」
「どーぞ」
箱の中には綺麗な立爪のリングが輝いていた。
「……これ?私に?」
「お前以外の誰に贈るんだよ!」
カズトは苦笑いすると、リングを抜き取り、私の指にはめた。
そして、「残りの損害賠償代は、1日3食分のオレの手料理でどうだ?」
と笑った。
「あ。それは絶対にいらないから」
私もようやく心からの笑みが零れた。
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カズトは玄関に腰を下ろすと、靴も脱がずそのまま座っていた。
「カズト……」
「……ごめん」
私は黙って頭を振った。
カズトの背中がとても淋しそうに、小さく見えた。
「私も、ごめん」
カズトの背中が微かに震えた。
「でも、でもね。何もなかった。本当だよ……」
「……何で、行ったんだよ」
「ちゃんとお別れを言おうと思って……。
そしたら、トオル君、両手を怪我してて……。
ほっとけなくて、それで……」
「ほっとけよ……。やつのことなんか!」
「……だって、怪我してたんだよ?!」
「でも、相手はトオルだぞ!」
また、険悪なムードになってきた時、カズトが深い溜息を吐いた。
「お前はあいつのことを愛していた……。
そんなヤツと一夜を過ごしたと聞いてオレが傷付かないと思うのか?
逆に、お前が俺の立場だったら、どうなんだよ?」
彼の言葉にきりっと胸が痛んだ。
カズトは何があっても、私だけを愛していると、私以外は愛さないと、人目も憚らず言っていたから……。
カズトの想いに甘えてしまっていた自分の身勝手さに改めて気付かされた。
「服、ごめんな」
彼の優しい言葉に昨日までの凍り付いた恐怖が溶け始めて、温かい涙になった。
「弁償するから……」
「……100万3,980円です」
「はぃぃぃ?あんなのがそんなにするわけねーだろ!」
カズトは笑いながら、私の頭を小突いた。
「精神的に痛かったも……。100万円の慰謝料と、3,980円の損害賠償代です」
私が涙を拭きながら笑うと、「最近のお前はつえーわ」と笑いながら、ポケットからゴソゴソと小さな箱を出し、私の膝に置いた。
「なに?これ?」
「慰謝料分」
「開けてもいい?」
「どーぞ」
箱の中には綺麗な立爪のリングが輝いていた。
「……これ?私に?」
「お前以外の誰に贈るんだよ!」
カズトは苦笑いすると、リングを抜き取り、私の指にはめた。
そして、「残りの損害賠償代は、1日3食分のオレの手料理でどうだ?」
と笑った。
「あ。それは絶対にいらないから」
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