フラワーガーデン

ようやく再会したハルナとトオル。
2人の下す決断は?

潮騒って。

2005年06月27日 22時40分42秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
風が強くなってきて、ざわざわと海の水面を荒らしながら吹き抜けていく。
私の心臓はその風に煽られるようにどんどん早くなっていった

「え?!帰れなくなった……の?」

かずにぃと目が合い、一瞬の沈黙が流れた。


「ホテルにでも泊まるか?」

そう言うかずにぃの言葉と真剣な表情に、思わず体が硬直した。
すると、かずにぃは、突然、車に寄り掛かり、顔を腕に埋めながら大笑いした。

「冗談だよ。ジョ、ウ、ダ、ン。ははっ。変なカオ。固まってるし」

……よ、良かった。いつものかずにぃだ~。
あの射抜くようなあの眼差しも冗談だったんだ。
ほっとして、なんだか体の力も抜けてヘナヘナヘナ~と力が抜けて、車にしがみ付いた。
恐かったよぅ(≧△≦)


「コンビニの公衆電話でJ○Fを調べて、今から来てもらうか。でも、時間が掛かるかもしれないから、ハルナはタクシーで先に家に帰ってろよ」
「え?でもここから家までだときっとすっごく高いから、電車で帰るよ」



「いや。俺の責任だし。それにそれ位の金、ここに持ってるから大丈夫。お前、方向音痴だから、電車でなんか心配で帰せねぇって」

かずにぃは断る私のおでこをポンと弾いた。

それからのかずにぃの対応は迅速だった。
テキパキとしていて凄いな~と感心した。

そして、最後に、かずにぃが私を乗せるためのタクシーを呼ぼうと電話のボタンを押し始めた時、とっさに、私はその手を制した。

「かずにぃ。私も待つよ。せっかく、海の近くに来たんだから、お散歩でもして二人で待ってようよ」
「遅くなるぞ」
「いいよ。家に電話するから。それにかずにぃとだったら大丈夫」


そうは言ったけど、今となってはちょっぴり後悔。

少しだけ背伸びをして履いて来たヒールのせいで、砂地に足を取られてしまい、上手く歩けない。
しかも風がヒューヒュー音を立てて、砂が舞い上がり、目に入ってしまった。


顔に纏わりつく髪を掻き上げようとしてバランスを失い、思いっきりよろけた瞬間、かずにぃが抱き止めてくれた。

「か、かずにぃ。有り難う」

私はかずにぃの腕に摑まりながら何とか体を起こした。
そして、「もう大丈夫」と言って、上を見上げた時、じぃっと私を見つめるかずにぃの瞳と目が合ってしまった。

かずにぃは私の頬に絡まる髪をそっと梳かし、両手で私の頬を包みこんだ。


……恐い。かずにぃじゃないみたいだ。


そう思って、とっさに彼の腕から摺り抜けようとした瞬間、かずにぃにきつく抱き締められていた。



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帰れないって。

2005年06月26日 00時17分39秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
「君、見かけはしっかりしているように見えるんだけど、実はトロかったりするよね」

トオル君は笑いをかみ殺しながら言った。

「テニスでも頭で返球してたしね」

彼は新たに自動販売機にお金を投入しながらくつくつ笑っていた。

え?!それって……。

「み、見てたの?」
「見・え・た・の。はい。ウーロン茶」

ちょっぴり意地悪な彼の言葉に、私はやっぱりちょっとムッとしながら、お礼を言った。

「有り難う。トオル君」
「何で僕の名前を知ってるの?」

トオル君のびっくりした顔に、思わず笑いが漏れた。





「ハルナ!ハルナ?!どうした?」

突然、耳に飛び込んで来たかずにぃの声に、はっとして顔を上げた。

「何、いきなり笑ってんだよ」

ハンドルを切りながら、かずにぃはキョトンとした顔の私の顔を覗き込んだ。
クルマは丁度、湘南の海の側を走ってた。

「ううん。何でもない。ちょっと、ぽけっとしてて……」
「ならいいけど。これから行く『アンの家』ってとこは自然食が美味しい店なんだってさ。期待してろよ」

かずにぃは私の頭をポンポンと軽くと、優しい目で私を見つめた。

ところが暫くしてかずにぃが「あれ?っかしーなぁ。確か、この辺なのにな」と、首を傾げ始めた。

「どうしたの?」
「いや。確かこの辺だったはずなのに。ちょっと待ってろ。そこのコンビニで聞いてくる」

かずにぃは車をコンビニの駐車場に止め、お店の中に入って行った。
私も降りて、海の風に当たっていた。

暫くして、かずにぃが申し訳なさそうに両手を合わせた。
「わりぃ。『アンの家』、なくなってた」
「そか。それじゃ、ないはずだね~。他のとこ、探そうよ」

笑いながらクルマに乗ろうとしたけど、中からロックして降りてしまっていたことに気付いた。

「かずにぃ、ごめん。そっちから開けてくれる?」

トオル君の「実はとろいよね」と言う言葉が今更のように蘇って、「本当にそうだね」と心の中で吹き出した。

「OK!……え?!あれ?!まじぃ……俺の方もロックして降りてた」
「あ、じゃぁ、キーで開け……」と、言い掛けて、クルマの中に指してあるキーが目に入った。

「じゃ、じゃぁ。あの、こういう時に鍵を開けてくれるJ○Fに電話を……」と、言い掛けて、再び凍りついた。

かずにぃのケータイが運転席に落ちていた。
私のは……クルマの中にあるバッグの中だ!!

かずにぃが苦笑していった。
「困った……どうやって帰ろうか」



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トキメキって。

2005年06月24日 19時22分17秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
家に帰るとベッドに仰向けに転がり、枕を抱き締めてさっきのかずにぃのことを思い出していた。

「クルマに乗って、海でも行かないか?」

かずにぃがベッドに腰掛けながら言った。

「え?あの……私と一緒に?ってこと」
「この部屋にハルナ以外の誰がいるんだよ」

かずにぃは苦笑しながらも、いつになく真剣な目で私をみつめた。

「行かないか?」
「…………行く」
なんだかいつものかずにぃと違う気がするのは気のせいかな。

私は心がざわめいて、かずにぃの視線から目を逸らすように頷いた。




翌日、昨日のことを思い出しながら部活の帰りに自動販売機でウーロン茶を買おうとしたら、

チャリーン!チャリンチャリン……

勢いよく500円玉を落としてしまった。



「あ!あ!あ~!!待って!!500円~!!」
でも無常にも500円はキレイに溝に落ちて、そのまま永久に姿を消してしまった( ̄- ̄゜)

仕方ない1000円札で買おうと思ったら、ショック!

「おつり切れ?!」

1000円札が使えなくなっていた。
喉は渇くし、部活の後で疲れているしで、自販機の前でへたり込んでたら、後ろから笑い声が……。

ひどいよぅ
笑い事じゃないんだから!

キッとにらみながら後ろを向くと、そこにはトオル君が立っていた。

「買うのどれ?おごるよ」
彼は笑いながら、自動販売機にお金を入れ始めた。

「いいです。おごってもらうわけには・・・」

私が手で遮ると、彼はほんわりとした優しい笑顔で笑った。

「この世の終わりみたいな顔してたよ、さっき。こないだのお詫び。で、どれ?」

彼の笑顔に押されて、私はおずおずとウーロン茶をお願いした。

「はい。どうぞ」

彼はにこやかに笑いながら、私にウーロン茶を差し出したんだけど、軽く指が触れてしまって、私は驚いてとっさに手を引いた。
すると今度は、ウーロン茶が、二人の手から摺り抜けて転がり落ちた。

二人で慌てて追い掛けたんだけど、これも溝に

ボトン

……落ちちゃった



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ドライブって。

2005年06月24日 14時46分55秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
家に戻ると、いつも来ている普段着に着替えた。
そして、出掛けようとして姿鏡に映る自分の恰好をじぃっと上から下まで見つめた。

「やっぱり、このスカート止めよう」

慌てて別のスカートに着替え、玄関に走った。

「やっぱり、さっきのにしよう!」

何度も着替えて、結局は普段着よりもちょっぴり大人びた服に着替えた。

かずにぃが大学に行ってから遠退いていたお隣の家を久しぶりに訪ねた。
おばさんは、それはそれは嬉しそうに私を招き入れ、御馳走に腕を奮ってくれた。

おばさんのグラタンはいつも思うけどサイコー\(≧▽≦)ノだった。
まろやかで温かな、まさにオフクロの味!

食事が済んでおばさんとお話ししていると、かずにぃが
「ハルナ、ちょっと部屋来て」
と、ご指名してきた。
「で、でもかずにぃ。私、後片付けがあるから・・・」
「いいのよぉ~。かずはね。ハルナちゃんに見せたくて、急いで帰ってきたんだから。行って見てあげて」

おばさんは嬉しそうに私の背中を押した。

「すみません。じゃ……おご馳走様でした」

笑って頷くおばさんにお礼を言って、2階に上がった。

かずにぃは戸を開けて入るなり、水戸黄門みたいにぬっと私の目の前に何かを突きつけた。

「遂に取ったんだ。免許」
「うっわぁ~すっ、凄いよ!おめでとーーー!!!」

手を叩き喜びながらも、ふと突然、トオル君の教習所で運転をしている姿が頭の中を過った。

え!え!ええ~~!!
何で、ここでトオル君の姿がよぎるのぉぉ

頭を振っていると、かずにぃが不思議そうに私の顔を覗き込んだ。

「ん?どした?!」
「あ、ううん。なんでもない!凄いね~。ホント、大学のお勉強もあるのに良く取れたねぇ」

私がしみじみ感心していると、こめかみに人差し指を当ててバキューンといたずらっぽく撃つ真似をした。


「ここの出来が違うからな。実は車も既に購入済みなんだ。今は親父のクルマが車庫に入っているから、近くの駐車場を間借りしてるんだけどな」

かずにぃがクルマを運転する……。

なんだか急にかずにぃが大人の男性になったような気がして、眩しく見えて少し胸がドキドキして苦しくなった。

「……ってどう?」

かずにぃの言葉で急に現実に引き戻された。

「え?なに??」
「はぁ~。聞いてなかったのか。」
「ごめんなさい。かずにぃが免許取って、しかも車まで買ったっていうから、スンゴイ驚いちゃって」
「土曜日、暇だったらドライブに行くってどう?って聞いたんだけど」

私のおでこの髪をくしゃくしゃに掻き上げながら笑うかずにぃの笑顔に、胸の音は今にも爆発しそうになったんだ。



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かずにぃって。

2005年06月23日 23時13分07秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
ママがパパの単身赴任先に行って2日目。
今日の夕飯、どうしようなんてトボトボ帰っていたら、私の名前を呼ぶ声がした。

「おーい!ハルナ!!」

顔を上げて声のする方を見たけど、逆光で良く見えない。

良く見えないけど、こ、この声は……

「かずにぃ!!」

かずにぃは私の家のお隣りに住む4つ年上の幼なじみ。
私の成績がズンドコだった時に、家庭教師を(タダで)してくれたこともある頼りになるお兄ちゃん。

じ、実は密かに初恋の人だったりするんだけど、コクる勇気が無くてウダウダ悩んでいるうちに、東京の大学に行ってしまったの。

「よぉ。今帰り?結構、遅くねー?!」
かずにぃは日に焼けた逞しい腕でちょっぴり伸びた髪をかきあげた。

かずにぃ・・・、何だか暫く見ないうちに大人びた。
それに以前より、痩せた?
と、言うより、程よくスポーツマンらしく引き締まってきている感じがする。
ちょっと眩しくて、ドキドキして、目を伏せた。

「かずにぃこそ。どうしてここにいるの??大学は・・・?あ!分かった!!遂に、リョーコさんに家を追い出されたんでしょ!!」

リョーコさんって言うのはかずにぃと一緒に暮らしている女性。
かずにぃと同じK大の医学生。
ショートカットでサバサバとした姉御肌の素敵なヒト。

「おーい。だ~か~ら、それは勘違いだって言ってるだろ?ヤツは同居人。ただ、部屋をシェアしてるだけだっつーの」
そう言いながら、かずにぃは頭の後ろをくしゃくしゃに掻きながら「はぁ~」溜息を吐いた。

え?え?なんで溜息吐くの???私、何か地雷踏んじゃった?

「ま、いいけどさ。ところでまたおばさん、おじさんとこに行っちゃったんだって?」
「あ、うん。日曜の夜には帰るらしいけど」
「オフクロがさ、うちに食いに来いってさ。お前の大好物のグラタン作って待ってるよ」
「え!?ホント!!わぁ~いヾ(@⌒▽⌒@)/あ。じゃぁ、ちょっと待ってて、着替えてくるから」

久し振りに会うかずにぃ。
ちょっと眩しくて結局、まともに顔が見られなかった。



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親って。

2005年06月22日 22時40分45秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
学校からの帰り道。
オペラグラスで間近に見たトオル君を思い出し、なぜだか胸がドキドキした。
気のせいかもしれないけど、目が……あったような……気のせい!気のせい!

「ただいま~」

返事がない。
家中のどこを探してもママがいない。

「お買いものかな?」

2階の部屋に上がり、スクールバッグを肩から下し、リビングへと向かった。
するとテーブルには1通の手紙。

不吉な予感に急いで、封を切った。

「ハルナへ
パパの単身赴任先に遊びに行って来るね~
日曜の夜には帰るから、いい子で待っててね

……や、やられた


ど、どうりで朝からそわそわしてたわけだ。
もう、万年ラブラブ夫婦なんだから!

ん?もう一枚ある。

「追伸。お庭のお花達にお水を上げておいてね。
BFは(もしいたら)連れてきてもいいけど、お泊りはダメよ。」

……………………………………

なんかうちの親ってちょっと(かなり)ズレテル(特に母親!)



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面白いって( ̄- ̄゜ )

2005年06月21日 21時50分16秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
昨日のデンワの話をトモとスズにしたら「チョー面白すぎぃ~」って笑われた。

「からかわれてやんのぉ~」だって

今公開の映画に掛けて「妊娠男」とまで言ってるし。
「バッグを頭にぶつけただけで、産婦人科に送れる男」って意味だそうで……。

完全に遊んでるし


授業が終るとトモとスズが、私の両手を引いて一緒に屋上に行こうと言い出した。

「何?何があるの?」
「え?!ハルナ、知らないの?」

スズが、驚いたように振り返った。

「先週からこの時間になると隣りの自動車の教習所にカッコイイ男の子が通うようになったんだって」
「それが、超イケテルらしいよ!」

ウワサがウワサを呼んで、屋上からオペラグラスでその子を見る女の子が急増中らしい。

行ってみるともう既に屋上には沢山の女の子。
手摺から乗り出して隣の教習所のある一点に熱い視線を飛ばしてた。

「きゃーキターー
「ほらほら。ハルナも見てみなよ!すんごいカッコイイヨ~」

トモが投げるオペラグラスを床すれすれにキャッチ。

トモが指さす方向にオペラグラスを向けて、ピントを慎重に合わせた。

180cmは超えているかもしれないスラリとした長身。
モデルみたいに小さな顔。
さらさらと音がしそうなくらい細く金色に輝く髪からは、昨日見たグリーンの目が光に反射してより一層ライトグリーンの瞳を輝かせている。

うそっ!?トオル君だ!!
そう言い掛けて、私は言葉を飲み込んじゃったんだ。



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トオル君って。

2005年06月20日 18時37分51秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
私がほげ~っとかして、下をみたらスポーツバッグが床にあった。
どうやらこれが頭を直撃とかしちゃったらしい。
スンゴイ痛かったもん。
さっきの。

「ごめん。」って彼がすまなさそうに謝った後、「何か、紙ある?」って聞くから、メモを破って渡した。
「本当に、ごめんね。大丈夫?さっきのでもし具合悪くなったらここにデンワして」

男の子にデンワ番号貰ったの初めて。
しかもケーバンじゃないのなんて。

彼といつも一緒にいる友達の一人が「おーい!トオル!!早く降りないと閉まるぞ~」って叫んでる。
そっか。

このコ、トオル君って言うんだ。

あ、あれよく見ると彼って……。

じっと良く見ようとしたんだけど、「本当にごめんね。」って手を振りながら、走って電車から降りちゃった。


家に帰ると、部屋にダッシュして、そのまま、ベッドにジャンプ。
ぎゅっと枕を抱き締めて今朝のことを思い出していた。

別に具合が悪いわけじゃないけど。
でも、彼、凄く気にしてた。
大丈夫だったよ、位はデンワで言うべきかな。
だけど、もうあっちは忘れているかも。

そう思いながら朝からずっとぐちゃぐちゃ考えてたら、部活に集中できなくて、沢山コーチに叱られた。
サイアク


具合が悪いわけじゃないけど、でも……何となく……。
気付くとベッドに正座して、電話番号をプッシュしてた。

男の子にデンワするのは初めてだから、上手く喋れないかも
そう思うと凄く緊張して何度も咳き込んじゃった。

4回コールして、やっぱり切ろうとした頃、受話器から声がした。

「はい。○○産婦人科医院です」

あ、あれ、お母さんかなお姉さんかな。
女のヒトだ。
って、そうじゃなくて。
なんで産婦人科病院に繋がるのぉぉぉぉぉ?!



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気になるヒトって

2005年06月19日 22時21分45秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
今日は部活。
電車の中で不覚にも寝ちゃった
そしたら突然、頭をガンって殴られた。
ビックリしていると、K高の男の子が屈むようにして私に謝ってきた。

「ご、ごめん!」

・・・あ。
あれ?!
この子、私、知ってる。
去年のバレンタインに隣りのクラスのMちゃんがチョコあげてた子だ。



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シアワセな恋がしたい

2005年06月18日 23時30分41秒 | 第1章 恋愛ビギナー編~ハルナの章~
カラオケ行くと必ず歌の合間に「コイバナ」が出てくる。
先を競うようにトモやスズは過激でロマンチックな彼との恋を話してくる。

こんな時、私は話に入れない。
私だって恋がしたい。
でもなんか恐い。
他の人の気持ちを受け入れるのってしんどそう。
女の子同士だってそうだもん。

小学校からずっと女子校だったからかな。
男の子に対してちょっと引いちゃうし。

男の子はいつから女の子と上手に付き合うようになったんだろう。
私はいつからこんなに男の子と話をするのが苦手になっちゃったんだろう。

そんなことを思いながら、ぼーっとトモの歌を聴いていた。

外が雨だから、ちょっと切なくなっちゃうのかな。
歌い終わった後、外に出ると、トモの彼がカラオケボックスまでトモを迎えにきてた。
クルマ、買ったんだって言いながら、嬉しそうに二人して帰っちゃった。
雨でもコイビト同士って幸せそう。
ユウツな雨も二人で入ればハッピーなんだろうな。
いいな~



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