トオル君は2段跳びに階段を駆け上ってきた。
私は、トオル君と会う時だけ羽が生える。
トオル君がくれた自由の翼……恋する翼……
嬉しくて、涙が零れて、彼目掛けてジャンプする。
「わ!わ!わ!危ないよ!ハルナ!!」
仰け反りながら抱き止めてくれたトオル君は、ペタンと階段にしゃがみ込みちょっぴり怖い顔。
「ひっく。お…ひっく、おかえり……な…さい……ひっく」
私は久し振りのトオル君の腕の中で、ポロポロ泣いた。
お布団でも、クッションでもない、本物のトオル君の温もりを抱き締めた。
「しょうのないコだね……」
安堵の溜息を吐くトオル君の温もりが伝わってくる。
「……ただいま、ハルナ」
それから、トオル君はにかんだように笑うと、私の顎にちょんと手を当て、顔を持ち上げるとキスをした。
「カ……」
カズトがいるからダメ……と、言い掛けた私の唇は、トオル君と重なった瞬間、何を言おうとしていたのかも忘れてしまった。
離れていた時間を埋めるかのような長い長いキス……
唇を重ねながら、トオル君は質問を重ねた。
「淋しかった?」
「……ううん」
「つらかった?」
「……ううん」
「ったく、もー!何度キスしたら君は正直に『うん』って言うんだよ!」
私はちょっぴり困った顔で、涙を拭くと彼にちょこんとキスを返した。
「『会いたかった?』って聞こうよ!そしたら『うん』って答えるから……」
トオル君は笑う。
つられて私も笑う。
その隣りに、カズトがどっかりと腰を下ろした。
「目の毒なんだけど……。オレに気の毒だと思わねぇーのかよ」
苦々しく毒気付いてカズトは笑っていた。
「あ!片岡、いたのか!?久し振り」
トオル君は、驚いて、握手しようとカズトに手を差し出した。
カズトはトオル君の差し出す手をパンっと叩いて、トオル君を睨みつけた。
「何が、『あ!片岡、いたのか!?』だよ!空々しい!!っつーか、お前、来週戻ってくるって言ってなかったっけ?」
「僕は、君に言った覚えないけど……」
「あ、わり。おばさん(ハルナのママ)経由で、うちのオフクロが聞いてたんだった」
2人の間にちょっぴりぴりぴりしたムードを感じて、胃がズクン!とした。
……あれ??胃と言うよりも、もっと下の方……かも……
私は、痛む胃、よりもちょっと下の方を押さえた。
もしかして……
もしかして……
これは……
「……来た……かも……」
「へ?」
カズトは前を歩きながら振り向いた。
「どうしたの?ハルナ?」
トオル君は、後ろから顔を覗き込んできた。
「……陣痛」
2人はぴたっと歩を止めた。
「じ、陣痛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
2人揃って、見事なシンクロ絶叫をした。
「……っ!いった……い。ズクンズクンする……」
私はお腹を抱え込むと、その場にしゃがみ込んでしまった。
「じ、陣痛ってお前……」
「片岡、すまない。荷物を頼む」
トオル君は、素早くちらっと腕時計に目を落とし、動揺するカズトに、自分の荷物を渡し、私をひょいと抱え、車道まで走った。
「ハルナ、今は、大丈夫だよね。痛みは消えてるよね」
私は彼の言葉に、こくんと頷いた。
「じゃぁ、次に波が来たらまた教えて」
3人でタクシーに乗り込むと、トオル君はカズトに私の入院荷物のピックアップとママ達への連絡を指示した。
そして、私の家の前でカズトを降ろすと、すぐさま病院へとタクシーを走らせた。
冷静なトオル君の行動にほっとした頃、また次の波が来た。
「10分間隔か……」
トオル君の額に汗が滲んでいた。
ふと、目と目が合うと、彼は心配そうな顔で、「つらい?」と聞いてきた。
微笑み首を振る私に、「こう言うときはつらいって言っていいんだよ……」と言って、強く抱き締めてくれたんだ。
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「フラワーガーデン2」連載始めました
↑「いま、会いにゆきます」で有名な♪アルファポリスです
↑ランキング上位に入ってしまいました(@ O @)応援有り難うございます♪
私は、トオル君と会う時だけ羽が生える。
トオル君がくれた自由の翼……恋する翼……
嬉しくて、涙が零れて、彼目掛けてジャンプする。
「わ!わ!わ!危ないよ!ハルナ!!」
仰け反りながら抱き止めてくれたトオル君は、ペタンと階段にしゃがみ込みちょっぴり怖い顔。
「ひっく。お…ひっく、おかえり……な…さい……ひっく」
私は久し振りのトオル君の腕の中で、ポロポロ泣いた。
お布団でも、クッションでもない、本物のトオル君の温もりを抱き締めた。
「しょうのないコだね……」
安堵の溜息を吐くトオル君の温もりが伝わってくる。
「……ただいま、ハルナ」
それから、トオル君はにかんだように笑うと、私の顎にちょんと手を当て、顔を持ち上げるとキスをした。
「カ……」
カズトがいるからダメ……と、言い掛けた私の唇は、トオル君と重なった瞬間、何を言おうとしていたのかも忘れてしまった。
離れていた時間を埋めるかのような長い長いキス……
唇を重ねながら、トオル君は質問を重ねた。
「淋しかった?」
「……ううん」
「つらかった?」
「……ううん」
「ったく、もー!何度キスしたら君は正直に『うん』って言うんだよ!」
私はちょっぴり困った顔で、涙を拭くと彼にちょこんとキスを返した。
「『会いたかった?』って聞こうよ!そしたら『うん』って答えるから……」
トオル君は笑う。
つられて私も笑う。
その隣りに、カズトがどっかりと腰を下ろした。
「目の毒なんだけど……。オレに気の毒だと思わねぇーのかよ」
苦々しく毒気付いてカズトは笑っていた。
「あ!片岡、いたのか!?久し振り」
トオル君は、驚いて、握手しようとカズトに手を差し出した。
カズトはトオル君の差し出す手をパンっと叩いて、トオル君を睨みつけた。
「何が、『あ!片岡、いたのか!?』だよ!空々しい!!っつーか、お前、来週戻ってくるって言ってなかったっけ?」
「僕は、君に言った覚えないけど……」
「あ、わり。おばさん(ハルナのママ)経由で、うちのオフクロが聞いてたんだった」
2人の間にちょっぴりぴりぴりしたムードを感じて、胃がズクン!とした。
……あれ??胃と言うよりも、もっと下の方……かも……
私は、痛む胃、よりもちょっと下の方を押さえた。
もしかして……
もしかして……
これは……
「……来た……かも……」
「へ?」
カズトは前を歩きながら振り向いた。
「どうしたの?ハルナ?」
トオル君は、後ろから顔を覗き込んできた。
「……陣痛」
2人はぴたっと歩を止めた。
「じ、陣痛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
2人揃って、見事なシンクロ絶叫をした。
「……っ!いった……い。ズクンズクンする……」
私はお腹を抱え込むと、その場にしゃがみ込んでしまった。
「じ、陣痛ってお前……」
「片岡、すまない。荷物を頼む」
トオル君は、素早くちらっと腕時計に目を落とし、動揺するカズトに、自分の荷物を渡し、私をひょいと抱え、車道まで走った。
「ハルナ、今は、大丈夫だよね。痛みは消えてるよね」
私は彼の言葉に、こくんと頷いた。
「じゃぁ、次に波が来たらまた教えて」
3人でタクシーに乗り込むと、トオル君はカズトに私の入院荷物のピックアップとママ達への連絡を指示した。
そして、私の家の前でカズトを降ろすと、すぐさま病院へとタクシーを走らせた。
冷静なトオル君の行動にほっとした頃、また次の波が来た。
「10分間隔か……」
トオル君の額に汗が滲んでいた。
ふと、目と目が合うと、彼は心配そうな顔で、「つらい?」と聞いてきた。
微笑み首を振る私に、「こう言うときはつらいって言っていいんだよ……」と言って、強く抱き締めてくれたんだ。
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最終回が近づくにつれ、わたしも忙しくてなかなか毎日覗きにこれず…
でも、インフルエンザにも負けず、長編を書いて、完結した千鶴さんに拍手です!!
千鶴さんの小説は本当、勉強になるんですよ~そして、楽しいっ!キャラが好き~
というか、トオルくんが好き(笑)わたしをうらぎらないなぁ~と思って最終回も読みましたよっ!
まぁ、トオルくんを選ばなかったら、わたしが奪いに行こうかとは思ってましたが(笑)
と、長くなりましたが…ハルナちゃん、頑張って子供を産んでください!!幸せを掴んでください!!
そして、これからもよろしくお願いしますねっ!
本当、お疲れサマでしたっ!!!
結局、それから別の風邪に2次感染したようで1ヶ月は微熱が続き、咳は今も止りません。
止めようかな~と思ったのですが、気付くと書いてる。もう、ビョーキですね~。
40度近く熱が出て、寝てても、ビジョンが浮かんでくると、消えないうちに文章にしたくて知らずにパソコンに座ってて……。
もう、このビョーキは治らないものと諦めて上手く付き合っていこうと最近決心しました。
頑張って、書いていきますね~